中堅レベルの高校生が大学進学を焦らせるのは何故か?

ついに大学進学率が57.7%まで上昇。
その根幹には中堅高校〜自称進学校に鍵があると思っている。
私なりに理由を考えてみたのでぜひ読んでいただきたい。


仮説①:教師の国公立・難関私立大学推し

最初に、中堅高校の先生はやたらと国公立大学を、私立高校特進コースの先生はMARCH・関関同立を推してくる。

このレベルだと生徒もそこそこ出来るのがほとんどなので、素直に信じてしまうのが特徴である。
そこまでして難関大学を推し進めると、確かに就職・専門学校の考えは付かなくなる。

仮説②:特進コースの乱立

二つ目に、私立高校に特進コースが相次いで創設したことだろう。

元々はヤンキーや底辺が集まってきた高校が、進学実績を作り上げるために1990年代後半〜2000年ごろに相次いで特進コースを創設していった。

特進コースは概ね総合コースの2段階高い所に設けるので、やはり難関大学の進学に向けて気合いが入る。
7時間授業も実施している高校が多いことからも伺えるだろう。

仮説③:予備校と進研ゼミの斡旋

三つ目に、予備校や進研ゼミの斡旋があることで生徒を焦らせていると見られる。

中堅高校の場合は進研模試にスタディサポートがセット。
基礎学力が定着する前に模擬問題を解かせるハードっぷりだ。
私もワーク・問題集を解きまくって基礎を固めたかったのに、ひたすらスタディサポートに苦しめられて基本問題を解く時間に割けられなかった。

ちなみにこれが自称進学校〜地方の2番手高校になると河合塾の全統模試や大学ランク表に苦しめられるようになる。

仮説④:生徒のプライドの高さ

四つ目に、生徒のプライドが高いことも関係していそうだ。

中学校時代の定期テストで平均80点、通知表がオール4になるのが偏差値57くらい。
この層はまさに自称進学校のボリュームゾーンとなってくるのだ。

しかも5が1個とか2個付くと自分で勉強できるタイプだと勘違いしてくる。
それがやがて変なプライドとなり、大学に進学しない将来をゴミみたいだと思ってしまうのだ。
変なプライドは私立高校の特進コースの生徒ほど多い傾向にある。

仮説⑤:勉強出来ないから高卒就職と思い込む

五つ目に、勉強出来ない人が高卒で就職すると思い込むところだ。

最初に書いたように、大学進学率が57%もあるようじゃ大学進学が当たり前に思っちゃう。
しかも都会になればなるほど教育熱が高くなるので、大学もステータスになっていく。
(その根拠として東京だと大学進学率が67%に高まる)

本来なら地方の秀才や勉強できるが家庭の事情で私立大学に出せない生徒、国公立大学を目指して2回落ちて断念した生徒が高卒で就職するパターンもあるのに、そのことを知らずに勉強出来ない生徒が就職すると思い込ませるのだ。

【異論?】とりあえず大学進学論は意外といない?


2000年代後半〜2010年代前半には、「とりあえず大学に行けば安泰」、「早くに働きたくないから大学進学」の理由で大学進学をする生徒が多くなった。

だがその学歴競争の過熱も2014-15年がピークで、2018年の私大の定員絞り込みや2021年スタートの新共通テストがきっかけで見直されつつあるのも事実だ。

そのことからも、とりあえず大学パターンは近年割と減っているように感じる。
また、とりあえず大学パターンそのものが高卒就職をマイナスに思い込むことは意外と無いのだ。

【対策】

①教師は工業高校・商業高校のメリットを中学校の学習タイム・道徳の授業で伝えよう!

まずは先生たちに工業高校・商業高校のメリットを伝えて欲しい。
それだけは絶対に断言できる。

中学校のうちから学習タイムや道徳の授業を使って、年に一回・2時間分を高校の種類について学年集会のような形で集まって講習を行うべきだ。

ひたすら普通科高校や総合学科の話をせずに、工業高校と商業高校の強みこそ伝えて欲しい。

実際に工業高校を卒業した生徒は9割が、商業高校では8割が高卒で就職している。

工業高校では機械系・電気系・電子回路の実習が主だし、プログラミングや建築・窯業の実習もある。
商業高校でも簿記やパソコンスキル、ビジネスマナーの授業が充実している。

だから、社会に出てから実践できる工業高校と商業高校のメリットを伝えることは非常に大事だ。

②大学の定員そのものを減らし、Fランク大学は撤廃せよ!

大学側も対策を取ってほしい。

自称進学校の教師や進研ゼミの斡旋で生徒を焦らせて、大学そのものが多くなり過ぎたのではないか?
政府の補助金云々も理由だけど根端は斡旋教育じゃないの?

それだったら定員自体減らせば良いじゃないか。
真のFランク大学(河合塾でBF〜偏差値35.0)はそのものを潰すべきだ。
しかも推薦入試もパターン化しているからそれも厳選すべきじゃないか。

このことが出来たら大学進学率を30%くらいまで落とせるよ。

③企業も高校生に向けて求人を積極的に出すべき!

対策①、②を取ることで高卒でも働ける窓口が増えるから、企業も積極的に求人を出そうよ。

みんなが大学に行く環境だから高卒で就職する人が少ないんじゃないの?
しかも大卒はデスクワークに拘ってしまう。

現場仕事は高卒でもほぼ出来ることだし、現場を積むからこそ施工管理も出来る。
営業もスーパーの仕事も結局はコミュニケーションが大事で学歴は関係ない。

高校生のうちから求人票を沢山出して、みんなが高卒でも働きやすくするからこそ、もっと色んな進路を考えられるようになると思う。

【まとめ】高卒就職もポジティブに捉えて進路を決めよう!

5つの仮説に気づいて3つの対策を行ってくれることで、生徒もじっくり色々な進路を考えることが出来るはず。

教師とか進研ゼミの斡旋に流されないで、自分の将来に向かって高校卒業後の進路を決めてほしい。



以上、長文失礼しました。
皆さんの将来が明るく過ごせますように。


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