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きほんのラポール03.それは突然の退会ではありません

予期しない退会の際、保護者が事前にサインを出していることに気づいていますか?サインが出ているのに、それを受け止めてほしいと願っているのに、指導者が自身の思い込みで相手の気持ちを無視すると、すれ違いが生じます。
保護者が子どものピアノをやめさせる決断をするのは、いつなのでしょうか。人は迷っているときに非言語的なサインを出し、決断するとそれまでの行動が大きく変わるのです。


決意すると行動が変わる

私の個人的な「やめる」エピソードです。
自分の身体のメンテナンスに通っていた治療院がありました。身体の調子も良くなってきたので、そろそろ通うのをやめようと思っていました。
やめようと思ったきっかけは、身体の調子が良くて治療院をすっぽかしてしまったことでした。それで、治療を忘れるほど良くなったのだから、もうやめても大丈夫だなと感じたことでした。

ピアノ教室でも、退会を考えている時、保護者の行動が変わると私は知っていました。ですから、自分が「やめる」と決意した時に本当に行動が変わるのかを実験してみたのです。

治療院の予約をすっぽかした時、それまでは謝罪して、取り直しをお願いしていました。でもその時は、自分はもうこんなに調子が良いのだから取り直しをする必要はないと思いました。そして、すっぽかした代金として「予約金はそのまま納めてもらおう」と伝えました。

治療院の先生は一瞬戸惑っていましたが、私の方から「それはせっかく時間をとってくださっていたのに、私の都合で行かなかった私のペナルティです。」と強く伝えました。
そして、その後、治療院に置かせてもらっていたピアノ教室のチラシを撤去しました。

どうですか?自分としては大きく変わったなと思ったんですが、先生は何も気づいていない様子でした。

ですから私が「やめる」と言ったら、きっと驚くだろうなと思っていました。そして、私がその日に治療をやめることを伝えたとき、先生の顔色はさっと変わり、私の目を見ずに強い拒絶の言葉を発しました。

ああー、やめるんですね!打ち切り!

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