見出し画像

子どもが自分を「良い子に見せたい」気持ち


プロセスを見て、プロセスをほめる

レッスンをしていると、生徒さん(お子さん)が学校や塾などでいっぱいいっぱいになることがあります。

思春期になると、それまで素直だった子が少しずつ、私の話を聴けなくなることもあります。生徒ができない時や、話しを聞いてくれないと、過去には、私はとてもイライラしていました。

今思えば、その背景には「生徒をうまくするのが私の責任」だと思っていたからです。

それだとピアノを「上手」とか「下手」とかでしか判断しなくなります。
ピアノを見て、人を見ていない。
生徒のためにレッスンをしているようで、生徒を見てないレッスンになってしまっていたのです。

生徒さんはそういう先生の態度がわかるのだと思います。それでその当時、生徒さんたちと意思疎通がうまくできなかったのだと思います。

レッスンノートで生徒の練習のプロセスを改めて見るようになり、少しずつ考えが変わっていきました。

今までは、「がんばったね」と結果だけしかほめられなかったのに、最近は「がんばっているね」とプロセスをほめられるようになっています。

誰かの良い子であろうとすると息切れする

特に思春期の生徒さんは、自分の演奏の客観的な上手下手より、自分の満足度を上げることが重要な時期です。

本人の考えを尊重しようと、私は考えを変えました。

思春期というのは、親の持っていた価値観を、今度は自分の価値観として改めて身に着ける大切な時期です。

私が満足する演奏より「生徒さんの気持ちを大切にする」という考えを自分の中でシフトしていくのには、それでも少し時間がかかりました。なぜならば、私が思春期の時期をうまく通れなかった経験があったからです。私は自分の母にとって「良い子」であろうとしていたからでした。

学生の時は、勉強をすれば簡単に優等生になれたのに、社会に出てからや結婚してからの「優等生」は、難しかったです。

「私はもう優等生にはなれない」と思った時に、かなり遅めの思春期を経験したのですが、苦しかった。

生徒さんをうまくしなければいけない、と思っていた信念はずっと残っていたようです。

今はその思いを手放し、本人の満足度を上げるという経験を優先しています。NLPを学んだことは、私の満足度も上げました。

「良い子に見せよう」とする心理

良い子に見せようとするのは、時には生徒さん側にもあります。練習をしてきたふりをする。

まじめな子ほど通る道です。
練習ができない、という弱い自分を見せたくないのです。
「できなかった」「やれなかった」というのを見せたくない。

ピアノでは「やっていない練習はできない」という原理原則があるので、すぐにわかってしまいます。

私は「自分の気持ちに正直になること」をとても大事にしています。自分の気持ちに嘘をつくことは、苦しいからです。そして自分の気持ちに嘘をつき続けていたら、夢を現実にすることはできません。

私は教材を作る人になりたいと思った時、自分から出版社の方にお願いをしました。恥ずかしかったけれど、なりたかった。出版物を出すのは、私の力だけではできません。また出版し続けることは思ったより大変です。毎回けっこう崖っぷちです。ですが、出版してくださる人がいる。それは素晴らしいこと。ありがたいことです。

「もっとこんな教材を作りたい」と思うのも、やはり正直な気持ちです。

今、世の中にないものが、自分の企画を経て世の中に出回ることになるのです。とても素晴らしいことだと思っています。

等身大の自分を認められる、お子さんを育てていきたいと思っています。

よろしければサポートをお願いします。サポートいただいたお金はクリエイターとしての活動につなげていきます。