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物との向き合い方 お役目を終えたら感謝の気持ちをもって手放す

お正月を過ぎて、近くの御寺に鏡餅のお飾りをお焚き上げに持っていった時のこと。

受付にいらっしゃったのが優しそうなつるんとした頭の尼さんで、なんだか安心するなぁなんて思いながら

「これ、お焚き上げお願いしたいんですけど」

と申し出ると

「これ?お焚き上げするの?これだったら普通ゴミでいいんじゃない?お焚き上げすると1,000円かかっちゃうわよ。」

とのこと。なんと商売っ気のない、気遣いのお言葉。
普通だったら何も言わず1,000円ですって受け取ってくれてしまうんではないか。ありがたい。でも本当にゴミ箱でいいのかしら…気になる…なんて思って

「そうなんですねえ。今年は娘の受験なので、少しでもと思って…。」

なんて一言呟いた私に尼さん、こちらに向き直り、ひとことひとこと、言葉を選びながら丁寧に説明をしてくれた。

「そんな、受験だからとか気にしなくて大丈夫。お焚き上げなんてしなくても大丈夫よ。ちゃんと、お役目を終えてくれてありがとうって、感謝の気持ちを伝えて処分すれば大丈夫。この鏡餅の、そしてお飾りのおかげで家族で素敵な時間を過ごせました、ありがとう。その時間を過ごさせてくれたことで、このお飾りのお役目はじゅうぶん果たしてくれたのよ。
その感謝をこめて処分すれば、例えばそれは、ゴミ収集をしてくている人達にも伝わると思うの。今、このような状況で、ゴミ収集の人たちも本当に大変な思いをしているでしょう。そういった人達にも、伝わるはずよ。
今はほら、使わなくなったらすぐ捨てちゃうけど。
昔の人たちは、物にはお役目があって、そのお役目を終えるまで使いきって、そして、感謝して処分していたでしょう。例えば着物を着て、ほつれれば縫って、サイズを直してお下がりにしたりして、それでも駄目なら雑巾にして使って、そうして、そのお役目を終えたら、ありがとうって。
だから、捨て方じゃないのよ。
どうやって使って、そして、そうして使えたことに感謝して処分するっていうことが、大切だって、私たちは教わってる。
でも、もし気になるならばもちろんお焚き上げに持ってきてくれてもいいけれど、その時は、お正月飾りとかそういうものと一緒に持ってきたらいいんじゃないかしら、同じ1,000円だからね。」

なんて、そこにまた新しいお客さんがきて、にこやかにお話が終わってしまったけれど、ええっ。こんなお話、してくれるの?それこそ1,000円以上を私が受け取ってしまったんですけど!

「こんなお話して頂けてありがとうございました。」

って伝えて、私、お参りだけして家路へ。

お話の中身だけでなく、事務的でない仕事との、相手との向き合い方。
私や、そして、ゴミ収集の人たちへなど、関わる人に対する、慮り。

時間にしておそらく2~3分足らずだったけれど、なんだか沢山のものを頂いてしまった。

そしてもちろん鏡餅の飾りはちゃんと、「ありがとうございました」という感謝の念をこめて自ら処分。確かに、息子にお飾りをつけてもらうところから、この鏡餅を囲んで家族で和やかな時間を過ごせたなあ。

*****

●どう使うか。

●今あるものは、自分にとってのお役目が、まだあるのか。

●お役目をじゅうぶん果たしてくれたのであれば、どうするのか。

ここのところは最近、やっと始めたメルカリについて、改めてまとめてみようと思う。



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