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ハートのキングは勘違い?




最悪に見える出来事は、最高の出来事の幕開けにすぎない


彼を初めて目にしてから、存在を意識するようになった。
電話越しの声、たまにオフィスに来る時。
しかし、仲が深まるようなことは特になく日常が過ぎていく。

私自身も彼と特別近づきたいと思うことはなく、
ただただ“存在を気にしている”状態が続いた。

当時、派遣から正社員になるかどうかの選択の時期に来ていた。
職場環境があまり良くなかったので、正社員にはならずに満期終了をする予定だった。

そのことを社長に伝えていた。
(従業員は社長を含め8人という小さな会社だった)

契約終了まで1ヶ月をきり、転職活動をしながらいつも通り仕事をしていた時、
社長に1本の電話が入る。

「彼があなたと話がしたいと言っているけど、どうする?」
心当たりがなかったが、一つ返事で了承した。

社長を含め3人で話をすることになった。
彼がオフィスに到着し、場所を変えるためにエレベーターに乗ったときに
言葉では表現できないが手に汗をかくほど緊張した。

その時に勤めていた会社を辞めるのであれば、
彼の会社で人手が足りていないから来ないか、というオファーだった。

その日は、2週間後までに返事をする約束をして別れた。

当時勤めていた会社と彼の働く会社の関係性もあって
あまり乗り気ではなかった。

契約終了の2週間前、
ある出来事がきっかけで社長に怒鳴られることがあった。
(社長はイケイケオラオラのワンマン野郎。)

契約終了も目前で、人格否定的な言葉を受けたことで
泣いてしまって仕事が手につかないことがあり、
了承を得て退社するということがあった。


彼への返答も期限が近づいている最中の出来事だった。


この出逢いに意味なんてものは存在するのか否か

いつだって人間の憶測ほど不確かなものはない

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