20230629 ツイート考:「頭の悪そうな話し方」について

「医療相談」の仕事をしている人による、「頭の悪い人の相談の仕方」の特徴分析。結構思い当たる節があった。それぞれに関する内省、思ったことをメモしておく。

①唐突な固有名詞の登場
入り組んだ文脈を持ち出したり、それを背景にしてなにかを語るとき、毎回相手に伝わるように説明できているか自信がない。
たとえばなにか映画や小説の感想を話し合うとき、何も考えていないとうっかり「あのシーンは「批評的」で~」などと口走りそうになるが、批評の読者以外には「批評的」や「批評性」なる概念は全く意味不明であって(批評の読者ですら多分よくわかっていないわけで)、もっと文脈の薄い言葉で代替したほうがよい。
文脈を排除しながら、かつ思考の強度を保つ書き手として最近は糸井重里に注目していて、それについては後日書く。

②時系列で話したがる
エピソードトークの際、時系列に忠実に話そうとして、冗長にしてしまっていたかもしれない。
それは恐らく、自己の体験をどこまで割り切って「ネタ化」「コンテンツ化」できるか、という自意識やコミュニケーション観の問題と関わっている。
エピソードトークは自らの体験を正確に共有するためのものではなく、相手を楽しませながら自分のキャラクターを提示するためのコンテンツだと割り切り、話の重要なポイントとそれを効率良く伝える構成を考えるのが良い……のはわかっていたが、体験と話のズレを理解しながら伝えることに気持ち悪さを感じてしまっていた。しかし相手が楽しんでくれるのであれば、それもどうでもいい気がする。

③質問には常に答えない
相手の質問によって思考が加速してぶっ飛んでしまうのはちょっとわかる。あるいは、字面通りに受け取れば質問だが、変に言外の意図を読み込んでしまって答えに窮する、という事例がたまにある。
(例:「なに考えてるの?」という言葉は字面通りに受け取れば相手を知るための質問だが、場合によっては「お前は考えなしだ」という非難、挑発かもしれない。言語行為論でいうコンスタティブ/パフォーマティブ。)
感情的になっていると、半ば無自覚に皮肉を漏らしたり、相手の言葉を言葉通りに受け取れなくなるときがあって、本当に治したい。それにはまず、自分が感情的になっていることを自覚し、素直になることが大切なのだろうが、実践するのは難しい。

④複数の問題を混在させる
これはちょっと疑問で、現実の具体的な困難たちに対し、抽象化して解決すべき問題を割り出すためには知能のほかに精神的な余裕や時間も必要で、それがないから「医療相談」に来ているのでは、と思う。医療的サポートを必要とする人に求めるハードルが高すぎるのでは。そもそも、困難な現実には「複数の問題」が「混在」するものだ。

⑤全ての解決策を求める
これもまあ、追い詰められてたらそういう状態にはなるだろ、としか。

結論部

本人が問題を認識できておらずそれなのに不満は沢山あるのでつい愚痴っぽくなり、誰も聞いてくれないのでマシンガントークになり、しかも問題解決されないので負のループにハマってしまう。聞き手は話の交通整理をし、問題をエスパーし、理性を振り絞って感情をなだめてやり、現実的な解決策を提示するが、大抵感謝されない。

またこう言う方々は基本的に依存的なので絡み口調でねっとりしている。最近は口調だけで判別できるようになってきました。

会話をしただけで「頭が悪い人だな、IQ低いそうだな」と感じるとき、その人の特徴(話の特徴、内面、外面など)はどのようなものですか? - Quora

絡み口調・ねっとり→依存的というのはなるほど?
文章からめちゃくちゃ相談者への不満や鬱憤が滲み出ている。

全体を通して
部分的には参考になる箇所もあるが、なんかメタ認知を負の感情表出の正当化ツールにしているような感じがあって、こわいな、と思った。そういうのは好きではない。賢いなら、その賢さを明るく生きるために使ったらいいと思う。朝井リョウを読んでいるときのもやもやに近いものを感じた。
Twitterでパッと読んでいるだけだとこの違和感を放置していたと思うので、言語化できてよかった。



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