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#35 ココロを積極的に、今の思考と振る舞いでこれからをつくる

新しく腫瘍内科の担当医になったのは、ワタシと同い年の、笑顔の素敵な女医さんだ。聞くところによると、医師になる前は、丸の内?でOLをしていたとの事。いつか、詳しくお話を伺ってみたい。
ある時、ある志を立て、尋常ならざる努力を続けて来られたのだろうか。
どんな出来事に出会い、医師としての生き甲斐を見出されたのだろうか。
先生の、言葉選びや物腰の柔らかさから、何か特別な、人間的な深みを感じるのは、奥に秘められた信念の強さや、計り知れない優しさのせいだろう。いつも自然体で、そばにいてくださるとほっとする。大好きになってしまった。
イニシャルが”I”なので、ココでは、アイ先生と呼ばせて頂こうと思う。

5月初め、アイ先生から、現在の病状とこれからの治療方針について詳しく説明をしたい、とのお話を頂き、母と二人でお伺いした。
骨盤内の原発がんが、また、少し、大きくなってしまっていること。肝臓とリンパ節に複数の転移が見られていること。
このことから、標準治療を終えて二次治療へと以降すること。いくつか治療の選択肢が考えられるとのこと。
まず、免疫チェックポイント阻害薬(サノフィのリブタヨ、という可愛い名前の薬だ)と殺がん剤(例の、タキソールとカルボプラチンだ!)に、分子標的薬を合わせた治療を試みたいが、現在のワタシの全身状態では、キードラッグである分子標的薬が使えないらしいこと(腸管への副作用があり、下手をすれば腸に穴が開くとの事…あー、それは困る。)、そのため、リブタヨの単剤からスタートしたいと考えていること、などを伺った。

CCRT(化学療法と放射線治療の同時治療)と、ラルス、という根治的な密封小線源治療を3回終えてもなお、ワタシが、がん患者から腸炎患者に変身していた1ヶ月強の無治療期間に、がんが、広がってしまったらしい。

リンパ節転移、などと聞くと、ああ、もう打つ手無しか、と思ってしまう人もいるけれど、(何を隠そう、アイ先生からお話を聞いた時は、ワタシもそう覚悟した)実は、そうでもない。
癌が、原発巣から広がるには、血流に乗るか、リンパに乗るか、ハタマタ、隣の臓器を食い破るかなどなど、いくつかルートがあるのだけれど、リンパ節転移はそのうちの、一つに過ぎない。
それに、これからトライするリブタヨは全身に作用するので、どこにどれだけ広がっていようが、一網打尽にするのみ。結論、まだまだ、戦えるのだ。

前回のnoteは、ココまでの事実を受け止めて書いたものだったので、それなりに動揺していたのか、感傷的過ぎて、なんだか、鬱陶しく感じた方もおられたのではないかと思う。
その証拠に、25年来の友人が、こんなメッセージを書き送ってきた。

最近の、ユミヲの書き物はどんどんつまらなくなっている。十分に推敲されていないため、お目汚しになっている。文藝としての質は低く、書き手にその才もないということがわかった、

そんなテキストメッセージを貰ってしまったのだ。
ちょっとした衝撃だった。
ココに書く喜びも放棄しないといけないの?と、とても悲しくなった。見ず知らずの人からの言葉より、こたえた。

ただ、誰かに褒められるために書いているのではないし、ワタシを愛し、応援してくださる方々と繋がり、感謝を伝えるために、手紙のように書いている、というのは、奇しくも、前回綴らせていただいたとおり。紛れもなく、まことの気持ちだ。

決して比べられるものではないのだけど、テレビやラジオ、あるいはSNS上で、発言を求められるような立場にあるお仕事の方々のご苦労にも思い当たった。
媒体の影響力は凄まじいし、前後の文脈を無視した発言の切り取りに、あらぬ批判が寄せられたりもするだろう。何という、プレッシャー、ストレス、、、それでも、世間は、誰が何を言ってくれるのか?を求め、消費しつづける。オリジナルな言葉や意図が、どれほど知的で創造的な生産プロセスを経て生み出されたものか、そこへの敬意は微塵も無い。発言が意に沿わないと、気力を奪うほどに厳しく批判する。一体、何の権利があって?
いま、世の中に起きているのは、こういうことではないだろうか。

いささか脱線したが、ゲーテの格言をひとつ。

何人(なんぴと)たりとも、他人の感情を害する
権利はない。

ゲーテ、出所忘れ

世に放つ行いは、いずれ、全て、自分で回収することになるのです、それが自然の摂理です、と、ヨガ哲学の先生はおっしゃっていた。
周りの人に、動物に、木に、花に、優しく、慈しみを持っていきる人が幸せになるのだ。明るく、光の刺す方へ、花も草も虫も、惹き寄せられる。人だって、きっと、そうだ。

久々に中村天風先生の本を再読。
病の時ほど、一層、心を積極的にすること、とある。
病があることを忘れてしまうほどの人が、治癒していくものだろう。

最後に、数年前に感銘を受けた、エイミー•カディ教授のTEDをご紹介したい。
思考は実現する、の類の、サイエンスだ。

ワタシは、コレからの生活、元気に楽しく生きるフリをする。し続ける。
ホンモノになるまで。

ボディランゲージが人を作る (エイミー・カディ | TEDGlobal 2012)

https://m.youtube.com/watch?v=H805EbLS4AY


写真は、愛すべき後輩ちゃんのふるさと、
瀬戸内の海。清々しい風が通るのを感じる。
豊かな海だ、命を育む、優しい海。
元気を頂きました!どうもありがとう!!

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