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Little black sweater

2020年、久しぶりに編み物をしてセーターを編んだ。
思いのほかうまくできて、次に手袋も編み、これはすごくうまく編めて、いい気になった。
それから1年。
冬がくる。
2021年のセーターを編まなきゃ。
1年に1作のニット作家の気分。寡作だ。

ところで、この1年の私のポンコツぶりがひどい。
仕事を辞めてのんびりしていることが大いに関係していると思う。
手帳に予定を書く時に一週間間違えて書いてしまうのはよくあるし、手元がおぼつかず、立て続けに2個もグラスを割った。
もっといろいろあるが、やめておく。
せっかくニット作家の気分になっているから。

ポンコツだから、そもそも目数を数えることに自信がない。
自分が一番信用できない。
そんな私に編めるできるだけシンプルでかわいいセーターありませんか?
シンプルと書くときれいだけど私の場合はシンプル=簡単ということだ。
簡単に編めそうで、かわいいの。
そんな都合の良いものがあるのか?
あったよ!

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「毛糸だまvol.191」

色は黒と決めていた。
着丈が短い黒のセーターが欲しかった。
Little black sweater(勝手に造語)
黒が大きな間違いだったことをその時の私は知らない。

10月24日に編み始めて3週間位で完成した。
あっという間に編めたよ。
って全然そうじゃない。

まず、老眼のお目目に黒がこんなに見にくいとは知らなかった。
着ているものが黒だともう全然見えないから、白いタオルを膝に載せて編んだ。

そして、100目を超えると途中で記憶が途切れることが判明。
どうも私の脳は100までしか数えられなくなったらしい。
とほほ。

さらに、一目ゴム編みに苦戦。
単純に表編み裏編みの繰り返しなのに、今が表なのか裏なのかがわからなくなる。
まさか人生で、こんな簡単なことに悩む日がくるとは!
生きてみないとわからない。
これだから人生は面白い。

極め付けは、編みながら寝てしまったこと。
昼間なのによ。
気が付いたら、針から糸が外れていて何段もほどけてた。
ピーンチ!
丁寧に暮らしている人なら、ここでほどいて最初から編み直すのだろうが、大雑把でほどかないのがモットーだから、なんとか直す(ごまかす)。
編み物しながら居眠り。
ついに私はそんなレベルにまで到達してしまった。
達人と呼んで。

極め付けたはずが、極妻級の失態が!
このセーターは、袖を別に編んでとじるのではなく、身頃から目を拾って編む方式。
どうでもいいが、今、身頃と打ったら「見殺し」が2番目にでてきたのはなぜ?
目の拾い方がよくわからず、適当に(いい加減に)やったところ、
あららら、袖がぼこぼこしているではありませんか。
いえ、こういうデザインです。
流行りの袖コンシャスです。
いいんです。
だって気が付いたのが完成してからだから。
ああ、なんでその都度確認しないかな私。

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問題の袖

編み物をすると、老化具合が如実にわかる。
・数え間違う←これは2020年から
・今、表が裏かわからない←2021年から
・寝る←2021年から
救いがない。

袖以外にも、着丈が思ったより長かったり、
襟開きの伏せ目がきつく脱ぎ着がきつきつだったり、
寝てほどけたところの編み目が不揃いだったり、
袖口のゴム編みでなぜか一段逆に編んでいて妙なラインができていたり。

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なんでこうなる?

あちこち失敗しているが、完成した!
編み物もnoteも完成させることがだいじ。

着てみたら、そこそこだ。
最高ではないが最悪でもない。
黒のセーターなのに、Little black sweater感がまるでない。
誰も憧れてくれない。
いたって普通。
普通にしては袖がひどいから普通以下。

でも、着る!
出来不出来は関係ない。
世界で1着のLittle black sweaterだもの。

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※材料:毛糸「Arles(アルル)中細(ベビーアルパカ100%)」240グラム
5号、6号棒針

来年の手帳の10月末に、セーターは明るい色で編むと書いた。
忘れちゃうからね。


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