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リファラルのススメ #4

100名規模かつ社内でのリファラル理解度はゼロからスタート、採用ターゲットとの繋がりが多い社員は多くないという会社でリファラル採用を進めるならということで記事をシリーズ化しました。「リファラル採用をはじめるけど何から手をつけようかな…」という方の思考の整理になれば幸いです。

前回は、リファラルで実施したい「交友関係サーベイ」の仕方をご紹介しました。

リファラル採用を行うにあたっては、事前に社員全員に理解しておいてほしい情報をツールとしてまとめて可視化するのがオススメです。

今回は、社員のリファラル理解度を高めるためのツールを3つご紹介します。

その1. リファラル採用における基本指針

自社のリファラル採用における基本指針をまとめたものです。
例えば以下のような内容をモデルとします。

① リファラルによって実現したいこと
ここでは、リファラルによって何を実現したいのかを明文化します。

(例えば…)
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働くメンバーと自社の良好な関係性が続いていくなかで、たまたまメンバーの知人が転職を考えたタイミングで、自社が候補にあがるのを理想としています。無理矢理に知人を説得して自社の選考に乗ってもらうことは望んでいません。

- 働いているメンバーが「知人に紹介したくなる」会社にする
- メンバーが「良い会社だな」と感じたときや「力になりたい」と思ったときに、求人のシェアや会社の良さを素直に伝えてほしい

② メンバーに伝えたいこと
ここでは、会社・メンバー・知人の関係性を、良好に保ち続けていくための指針をまとめます。

(例えば…)
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< リファラルにおいてメンバーに期待すること >
リファラルでメンバーに期待することは以下の通りです。

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< 会社を紹介する具体的な手段 >
紹介と言われても具体的に何をすれば良いのかわからない方も多いと思います。会社が想定している手段としては以下のようなものがありますが、知人との関係性に応じて手段を工夫いただくことは自由です。

- SNSで求人や採用メディアをシェアする
- ランチ会など社内イベントにお誘いする

< どんな人に声をかければいいの? >
「この人と一緒に働きたい!」「この人に会社の良さを知ってほしい!」
と思う方ならぜひ積極的に声をかけてください。転職活動を現在している人に限定する必要はもちろんありません。
またターゲット(求める人材)に合うか不安という方は、お気軽に人事に相談をしてください。

< リファラル制度を使うにあたって >
リファラル採用におけるランチ/食事会については一定の条件があります。
以下の条件を予め認識しておいてください。

- 詳しくはリファラル会食の活用法(リンクを貼ると親切)を参照してください。
- 知人の方に会社から継続的に連絡を取ることがあります。
- 詳しくはリファラルで知り合った方との連絡方法(リンクを貼ると親切)を参照してください。

< 知人が正式に選考希望した際の紹介者の関わり方について >
公正な選考のために、原則として紹介者は選考に一切関わらないこととします。
ただし、知人が会社の内情を知りたいという場合には、中立の立場で隠すことなく良いところも悪いところも含めて実態を説明してあげてください。

リファラル採用を進めるうえで 「紹介してくれたメンバーと選考を受けてくれた友人の信頼関係を守ること」を最優先とします。

紹介した知人が選考から外れてしまったら、選考にノータッチだったとしても気まずくなってしまう可能性があります。
「紹介してくれたメンバーと選考を受けてくれた友人の信頼関係を守ること」を大前提にしますので、会社としてのフォローもしっかりと行いますが、そのほかに「選考は残念だったけど、これからも友人としてよろしく」という気持ちを伝える食事会ができるように会社として食事費用を補助します。

< 選考の基準に関して >
最後に弊社は「ミスマッチのないよう最適なポジションとタイミングを提案する」というスタンスです。これが影響して採用の基準、選考難易度は高くなっています。
そのため、メンバーから紹介された知人の選考希望者が優秀であったとしても、不採用となってしまうケースが発生します。
この状況を伝えるためにも、採用メディアを共有することを推奨します。

このような基本指針の記事にあわせて、知人が求人に応募した時に見せることができる会社のアピールブックのリンクを共有しておきましょう。

補助の内容や採用スタンスなど企業に応じて、カスタマイズすべき点もありますが、上記のような内容の基本指針をつくれれば、メンバーにとって「これさえあればなんとかできそう」なツールができます。

その2. リファラルで知り合った方との連絡方法

その1でまとめたリファラル基本指針にもリンクを貼っておくべきものとして準備すべきなのが、リファラルを推進していくにあたり、社員から紹介された方と会社がどのような連絡を取っていくかを具体化した記事です。

(例えば…)
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前提として、リファラル制度を活用し、ご紹介してもらった方かつ個人情報の取得に関する同意書にご署名いただいた方には、会社からご連絡をさせていただく可能性があります。
リファラルでご紹介いただいた方への連絡は、紹介時点で紹介者の社員は了承済みという認識の元、連絡するごとに紹介者へのお断りは入れません。

< 人事部からの連絡について >
人事部からは以下の内容でご連絡をします。採用向けのご連絡以外はありませんので、ご安心ください。

- アクティブな求人募集のご案内(こんな求人が出たという情報発信のみ、強いお誘いはしません)
- 社内イベントなどのご案内
- 公式noteの更新などメディア情報の発信
- 選考に進んだ場合のみ選考案内等の通常のやりとり

連絡手段は、ご紹介時に提供していただいたメールアドレスに人事担当者のメールアドレス(記載する)からご連絡をさせていただきます。
もちろん選考に入れば別ですが、基本的には必ずしも返信をする必要はありません。
連絡頻度については、新規の求人のご案内など不定期のものもあるので、断定はできないのですが、多いときで月1~2回のペースでご連絡をさせていただく可能性があります。
なお、連絡を取る際には原則、平日の10:00~17:00の間で連絡をさせていただきます。
ご返信をしていただいた場合、なるべく早めのご返信をさせていただきますが、上記時間外だった場合は、翌営業日以降のご連絡となりますので、あらかじめご了承ください。

< 大切なこと >
最後に会社から知人の方に連絡をとるにあたって大事なことをまとめます。

- 紹介者、そして紹介いただいた方からいただいた情報は採用に関する事柄以外では利用しません。
- 紹介者、そして紹介いただいた方の双方から個別に聞いたお互いの情報を昇給・昇進の評価の材料にすることもありません。
- 少しでも不安がある場合は人事まで気軽に問い合わせてください。

紹介者に少しでも安心して知人にアプローチしてもらうために、当たり前と思うようなことも、このように明文化しておくと良いでしょう。

その3. リファラルにおける会食制度の活用方法

こちらも、その1でまとめたリファラル基本指針にもリンクを貼っておくべきものとして準備すべきものです。実際に知人に声をかけるために活用できる制度はリファラルには欠かせません。

ここは予算も必要な部分なので、経営層としっかり揉んで、リファラル向けの会食制度がある、どうすれば使えるのかというのを明文化して、社内での認知度を確保しましょう。

(例えば…)
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リファラル採用の施策の一環として、みなさんが「一緒に働きたい」「自社の魅力を伝えたい」友人・知人と一緒に食事を楽しみながら仕事と会社についてをアウトプットする会です。

< 利用条件 >
リファラル会食の対象になるには、下記の条件を満たす必要がありますが、友人・知人に弊社の魅力を広めてくれたお礼として会社から会食費(上限●●円まで)を補助します。

- 「この人と一緒に働きたい!」「この人に会社の良さを知ってほしい!」とあなたが思えること。(転職活動中の有無は関係なし)
- 簡単なアンケートにご協力いただける方
- 会社からのご連絡にご了承いただける方

会社の魅力を広めてくれるのであれば、幅広くとは思うのですが、上記の3つだけは条件とさせてください。

< 会食の流れ・例 >
例えば「リファラル会食の制度を使おう」という場合は以下の流れとなります。

- 友人・知人に食事会の趣旨を説明する
- 3つの条件のうちアンケートと会社からの連絡に了承してもらう
- お店で領収書をもらう
- アンケートのQRを渡して回答を依頼
- 人事で回答があったかを確認(※精算にはアンケートが必須なので注意!)
- 経費精算で会食費を精算する

会食中にお願いしたいこととしては、ぜひ忖度なしで「本当にここはいいところ!」と思う自社の魅力やご自身が楽しいと思っている仕事内容など積極的にシェアしてあげてください。
また逆に感じている課題などあれば正直に共有していただいてかまいませんが、個人名による誹謗中傷は絶対にやめてください。

ちなみに、会社の魅力付の話をメインでしていただきたいですが、肩肘はらずに普段通りにお食事してもらって問題ありません。

また基本指針にも記載をしましたが、友人・知人の方が選考に進んでいただいた場合に、残念ながら不採用になってしまった場合に「今回は残念だったけど、友人としてこれからもよろしくね」という趣旨の食事会も会社で補助をします。

こちらについては紹介後、選考で残念ながら不採用になった方以外の条件はありませんので、楽しく食事をしてきてください。
※補助金額については、リファラル会食と同様とします。

と、こんな感じで作成します。補助金額は企業ごとに異なると思いますが、5000円くらいが無難かしらと思っていたりします。

ちなみにこの会食制度は、必ずしも「ペルソナと一致していないとダメ」「いまの求人にマッチしないとダメ」などターゲットを厳しくしないことがポイントです。
そうなった時点でメンバーはこの制度を使いづらくなり、現在では難しいが将来的にマッチする可能性を潰してしまうことになります。
条件は「ゆるめ」にすることをオススメします。

おまけ

今回紹介した3つのツールとは少しだけ性質が異なるのですが、リファラルの事例をインタビュー記事にすることで、リファラルに根強く残る「ハードルの高さ」を軽減するという意味で社員のリファラル理解度をあげることができます。

また社外に向けてもリファラルを強化しているアピールにもなるので、事例があればぜひ公開してください。

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