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「資格」も要領なのか


はじめに

 画面の前の皆さん、おはこんはろもーげん、イサオです。Java Goldの資格を取りましたが、次の資格勉強を始める前に、効率的な学習の方法を探そうとまた本を読み始めました。以下読んだ本とその感想を書いていきます。

受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法

 高校生向けに書かれた内容でしたが、シナプス間(神経回路の末端)の情報伝達はデジタルではなくアナログで行われるという話は面白かったです。
 さて突然ですが、クイズ。
「過去の記憶を何でもいいので思い出してください」
思い出す前にすぐにスクロールしちゃダメですよ。



















こう問われて思い出せるのは経験記憶と呼ばれる記憶だけみたいです。初恋の瞬間とかファーストキスの味とかね。まさか「アメリカ合衆国の初代大統領の名前は〜」なんて記憶を思い出した人はいないでしょう。そういう記憶は知識記憶と呼ばれる記憶で特別な問われ方をしないと引き出せないようです。しかし、経験記憶は思い出そうとして引き出すことができる。そしてその経験記憶を作るのに手っ取り早い方法が「覚えたことを人に説明する」です。その際に説明できるかどうかで自分の理解の尺度も測ることができるので一石二鳥ですね。残念ながらその経験記憶も時間の経過によって情報が削ぎ落とされ知識記憶になってしまうようですが。

難関大学も恐くない 受験は要領

 「問題集は解くのではなく解説を覚える」は目から鱗で、自力で解くことの美学に酔いしれた要領のわるい高校生のままだった自分に気がつきました。タイトルの「受験」を「資格」に置き換えて読んでみて使えそうな部分をまとめておきます。

受験における要領とは、出題されるところを効率的に覚え、いかに”暗記の貯金”を増やすかに尽きる。

「受験の要領1」p.22

 裏を返せば、暗記に関係ないことをするというのは、要領がわるいとも言えます。例えば、綺麗なノートを作るためのコピペ作業や知らないと解けない問題に時間を使って悩むことはそれに当たるでしょう。だからノートは綺麗に作るのはなく、自分が暗記をしたかどうかを書き出す場所に使い、知らないと解けない問題を最初から解くのではなく、解説を読んでから暗記しているかどうかを確かめるために問題集を使うといいですね。

問題集は解くためにあるのではない。解かずにすぐ答えを見て、覚えるためにあるのだ。

「受験の要領15」p.109

 初めから問題集を解こうとするのではなく、暗記用の参考書として使う。ひたすら解説を読みこなし、わかったという感覚が生まれて初めて問題にチャレンジする。これが問題集の正しい使い方だと筆者は述べていいます。

同じ問題集、あるいは参考書を復習するときは、いきなり真ん中をやったり、あるいは最後からはいってみることで、学習に起伏をつけるといい。

「三章 この”要領”で、暗記を点数に直結させろ」p.119

 暗記は復習がものをいう世界だからこそこのやり方はやってみようと思いました。どうしても頭から順に復習しがちですが、3日後とか1週間後の復習であれば、順序を変えてみた方がランダム性が増し、本当に覚えているかのチェックが少し強化されるかもしれません。

索引をひととおり読んで、知らない言葉がないかチェックする。

「三章 この”要領”で、暗記を点数に直結させろ」p.123

 索引の使い方としては索引としてしか使ったことがなかったし、誰かが書いたチートシートやまとめをチェックリストとして使っていましたが、索引もこういう使い方をするのはありですね。

単語だけを覚えるのは、将棋でいえば駒の動かし方だけを覚えるようなものだ。いくら金や銀の動かし方を知っていても、将棋は強くなれない。いろいろある駒をどう関連づけて使うかーすなわち、定跡を知って初めて、将棋というゲームは成り立つ。

「五章 この”要領”で、苦手科目も暗記してしまえ」p.183

 資格取得のその先かもしれませんが、これは受験でも資格でもなかなか本質をついた意見だと思いました。例では英単語の話でしたが、Linuxならコマンドを覚えただけ、Javaならメソッドやインターフェースを覚えただけではだめ。それらを関連付けてどう使うかの方がよっぽど大事という話です。資格勉強は将棋でいうところのコマの動かし方を学んでるようなものだと思うのですが、資格取得の先にあるゲームを楽しめるようになれるといいですね。


脳が認める勉強法――「学習の科学」が明かす驚きの真実!

 この本自体は4つのパートに分かれています。パートごとに自分が気になったキーワードを抜き出すと以下のようになりました。

キーワードまとめ

この中でもPart2で出てきた「流暢性の幻想」という話は怖いなと思いました。人間はその場ですぐに思い出せるものを翌日や翌々日でも思い出せると勘違いしてしまう。その範囲を完全に理解したと思えば、その時点でそれ以上勉強することをやめてしまう。人が忘れるという事実を忘れてしまう。だからこそ期間を設けてから、つまり忘却する機会を脳に与えてから覚えているかを確認することが必要です。いろいろ書いてありましたが、新しいことを学習するときは1時間集中して学ぶだけよりも3日に分けて20分ずつやった方がいいという話は使えそうでした。どうせ忘れるのだからとりあえず挨拶程度にその名詞を覚えるに注力する。それで翌日にまたその名詞から仕組みを辿っていく。それを積み重ねる方が1日で全部覚えるんだ!と意気込んでやるよりかはよっぽどいい学習ができそうです。

何歳からでも結果が出る 本当の勉強法

 この本は5章に分かれていて①勉強を始める前の心構えから②計画③記憶④自己評価⑤改善という大枠で「成果に繋げるための学習法」をマルバツ形式で46のTipsにしています。まさにTipsという感じで「とりあえず今すぐに効果の出る何かを探している」「勉強するために勉強する方法の本で勉強する時間も惜しい」という人はこの本を手に取ってとにかく気になったTipsから1つの学びだけでも見つけられたらいいのではないかと思います。中でも究極の読書法は「9割捨てる」ことという話はシンプルで「1ブック・3ポイント・1アクション」というルールで本を読んでいくことで、今後の読書体験も効果的にできそうだと思いました。
 アマプラで無料レンタルできた(2024/03/16現在)のがラッキーでした。

使える脳の鍛え方 成功する学習の科学

科学的根拠に基づく最高の勉強法

本を読む本

これらの3冊はとってもオススメです。『本を読む本』で本の読み方を知り、理論を『使える脳の鍛え方 成功する学習の科学』で知り、実践を『科学的根拠に基づく最高の勉強法』することができます。勉強を「長期的な記憶形成のプロセス」と捉えた時に

  1. どうやって記憶したい箇所を見つけるか

  2. どうすれば長期的な記憶形成ができるか

をこの3冊を通して知ることができます。


ULTRA LEARNING 超・自習法――どんなスキルでも最速で習得できる9つのメソッド

 本書はこれまでの自分の学習をうまいこと言語化してくれたと思いました。「最速」がキーワードのように見えましたが、それは売り文句であり、従来の学習プロセスからこれからの学習プロセス(ULTRA LEARNING)への転換を促す内容になっていました。ウルトラ・ラーニング(UL)とは、自己管理的かつ集中的に、スキルや知識を習得するための戦略です。その戦術として9つの原則があります。

  1. メタ学習

  2. 集中

  3. 直接性

  4. 基礎練習

  5. 回想

  6. フィードバック

  7. 保持

  8. 直感

  9. 実験

 これら9つの側面から学習を見たときにどのような戦略(学習の方向性)を立てて、戦術として実現していくか(実際の学習を行う)がULの基本的な構成になります。もちろん戦略なので全ての学習対象に対して9つ全てを考える必要はありません。あくまでのその時の学習対象に合わせた戦術を選べばいいです。メタ学習は学習のための学習です。この本を読むようなこともメタ学習に含まれます(メタ・メタ学習かもしれませんが)。メタ学習と実験を繰り返すのがULの最も基本的な戦術なのかなと思います。
 これまでの自分の学習を振り返った時に足りていなかったのは「直接性」だと思いました。ソフトウェア開発をしたいのにその資格を取ったり周辺知識を学ぶことばかりをしていて実際のことはしていなかったという事実に胸が痛くなりました。ソフトウェア開発がしたければソフトウェア開発を始めれば良かったのです。練習することが心地よくなってしまい、本番で失敗するのが怖くなっていました。
 最終章に9つの原則を取り入れるための質問集が載っているので自分が学習したい内容に合わせて戦術をカスタマイズし、取り入れるのに使えそうです。
 これまでの学習に足りていなかった原則を意識して取り入れる。自分の場合は「直接性」です。メタ学習で準備してから実験を回す。そんな学習を繰り返していこうと思いました。(1ブック・3ポイント・1アクションにまとめてみました)

 学問の本質は、視野を広げ、以前は見えなかったものを見たり、自分の中に存在しているのに気づいていなかった能力を認識したりすることである。

第2章「ウルトラ・ラーニングがあなたの価値を高める」

 良い学習とは、処方箋をうのみにすることではない。自分自身で試行錯誤し、直面している学習上の本質は何かを考えて、それを克服するための解決法をテストする必要がある。

第3章「ウルトラ・ラーナーになるには」

===これから追記予定===

勉強脳: 知らずしらずのうちに結果が出せる「脳の使い方」

学び方の学び方


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