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invisible holidays(2020.09.01~09.10)

 

 2020年9月1日

 締切直前に十二時間睡眠。仮眠したら朝だった。私達の旅の道程は、謎の陰謀もろとも忘れてしまったことにしよう。曇り空で涼しいのでクリーニングを出しに行く。無くし物をして怒られる。仕事が終わる直前に偏頭痛を起こしてしまった。急いで冷えたお茶を一リットル一気飲んだ。初動が早かったお陰で致命傷は避けられた。一人仕事を休んだお陰でかえってシフトに隙が出来て、こっそり事務所に戻れたのは運が良かった。水分不足、不規則な睡眠時間、それと曇って中途半端に涼しくなったせいだ。致命傷を避けられたとはいえ、執筆するにはじわじわ頭が痛いので寝る。締切前に体調を崩すなよ。無くし物は、何故か自宅の廊下で見付けた。


 2020年9月2日

 へうげものみたいな描画の武士達がどったんばったんしていた。崖から落ちそうなおっさん、ハーレムに溺れながら良く分からない絵を描く将軍様、諸々。首を酷く痛めて眠れなかった。最早寝る姿勢が禁忌になりつつある。七時間睡眠で収めて朝のうちに少し執筆しようと思ってたのに普通にギリギリまで寝ている。偏頭痛が再発しそうな気分の悪さはあったけど、何とか切り抜けて帰宅、執筆、最後の追い込み。纏まりはともかく文字数だけは稼いであとは最後の場面だけ、というところで深夜二時半、体力より眠気が本気で厳しくなってきた。でもここで迂闊に仮眠を挟んだら多分明日の夕方まで起きない。今夜が最後の戦いなのだ……って日記に書いた途端に、眠気の本震が来た。これは倒れる奴、と一旦休憩がてらPavementを一聴して気分を整える。そして朝七時だ。脳味噌の機能は四分の一が過労で死んでいる。辛うじて生き延びた言葉の中枢を酷使して、最後の場面の最後の段落まで持ってきた。でももう無理これ以上は死んじゃう助けて。


 2020年9月3日

 案外と正午頃には起きられた。早速最後の追い込みを再開して、十三時頃には無事に踏切を書き切った。けれど本番はこれから、改めて作品を読み直して微調整、漫喫に行って編集作業、秋葉原のヨドバシで用紙買ってキンコーズに滑り込むという大事な作業が待っている。そしてこの読み直し作業が兎に角眠い。四時間睡眠の疲労ががっつり溜まっている。なかなか部屋を出られずじりじりしていたけど、何とか午後四時頃には荷物を纏めて駅前の快活に辿り着いた。ついでにいい加減に寿命が心配な外付けHDを持ち出して、音楽と文章のデータをUSBに移す作業を並行しつつ読み直し修正作業。流石に疲れた。もう文字読みたくない。ゆるキャン△を第三話まで観た。気持ちが安らかになるアニメだった。背景綺麗だし、派手さはないけど演習の小技が利いている。旅に出たい。私は一人旅でいいので遠くに行きたい。印刷は諦めることにした。読み返し誤字修正だけで限界だった。四万字ってなんだよ。原稿用紙100枚越えだぞ。ともかく編集は完了した。Twitterで宣伝もしたから偉い。秋葉原を諦めるなら、パソコン作業が出来るうちに古いデータの整理をしてしまおう、と快活に居残ってたら零時を回ってしまった。今日も五時間ぐらいしか寝れないけど、明日が本当に最後の戦い。日記書きたくない。日記を書くための脳味噌の余力がないから日記書きたくない。


 2020年9月4日

 キンコーズで印刷した。


 2020年9月5日

 彼等が地面を掘り返していたら兵士が出てきた。彼等はサバゲーの最中だった。兵士は自分はまだ戦場にいるものだと思っていたので、彼等は口裏を合わせることにした。彼等はとある無人の建物に泊まる。兵士が夜中に突然飛び起きて、拳銃で建物の窓を全て撃ち砕いてしまう。彼等も武器を構えなければならない。彼等は兵士と一緒に敵がいるかもしれない屋外に飛び出す、と、彼等はアニメ調の絵柄の子供達になった。彼等はあたふたしてから迎えに来た親御さん達に飛び付いた。この世界では妄想が実体化することがあるらしくて、全ては少年達に自分の妄想混じりの話を聞かせていたとある老婆が原因だったのだ。私達は私達で何処かの街を回って奇妙な冒険をしたはずだけど、こちらは余り記憶がない。外国人の敷地は塀の向こうの砂利道まで含まれている。そこは小さな庭になっている。私は母親達と一緒に庭の雑草をむしっている。私は同級生達と一緒の部屋でごろごろしている。自分の服は持って帰れ、と怒られたので汚い床のうえを片付けた。でも私は自分の服を脱ぎ散らかしたりはしてないはずなのだけどな。学校のグラウンドでは人形投げが行われている。滅茶苦茶飛んでいる。人形の他にも色々投げていて、トランポリンで自分自身が高く飛んだりもしていた。首をタオルとサポーターでがっちりと固めて、眠くて雨降って銭湯行って小銭崩して準備して眠いから寝る。


 2020年9月6日

 学校で迷子になった。こちらは医学部棟らしい。廊下で物々しい準備が始まる。このままだと遅刻してしまう。クラスでは勢力争いが勃発しているらしい。道の脇にはお酒を並べた棚が置かれていた。棚板が傾いているから、どんなに並べ直しても今にも落下しそうである。朝の六時に起きた。今日のための新装備を身に纏って七時ぐらいに部屋を出る。到着はギリギリになりそう。寝不足もあるけど、今日の私は自棄に元気がない。新幹線に乗ってもテンション上がらない。食欲も無い。天気が悪いからだろうか。ちょっと出遅れてブース設営。今日は周りが空きブースだらけだ。看板のプレートと机に敷く布まで部屋に忘れた。コンタクトの液も忘れた。やっぱり調子が悪い……結果は9冊売れた。健闘したような、してないような。これまででも屈指の退屈な文学フリマが終わった。体調はむしろ悪化している。首だなぁ、やっぱり首を痛めてる。知り合いもいないし、懇親会もない。取り敢えず谷町線で天王寺に出る。駅の飲食店街で上品にお蕎麦を頂いて、天王寺公園を横切って新世界方面へ出て、夜の通天閣を拝んでから串カツだるまで串カツを食べた。小雨が降ってきてしまった。夜七時だけど、新世界はあちこちシャッター降りちゃって、あんまり混雑してる雰囲気ではなかった。とはいえ天王寺周辺は大学時代も全然歩けてなかったし、初めての夜の新世界は眩しくて新鮮で結構面白かった。写真も沢山撮った。ちょっと食べ過ぎた。感染症対策のためにソースがいつもの銀のカップではなくボトル型になっていた。二度漬け禁止文化にまで影響が出てたんや。外に出たら雨が強まっていた。雨を避けて高架下を歩いていたら、何処からか奇妙な声がする。動物園の動物が鳴いているらしい。こんな都会のど真ん中にあるまじき響き。橋桁のしたでホームレスが寝ている。こっちにスパワールドなんてあったんや。御堂筋線の動物園前駅からなんば駅へと向かう。薬局にコンタクト保存液のお泊まりセットがあって助かった。今回はちゃんとアクセスを確認してカプセルホテルに無事入室、お風呂に入ったらもう眠たいし、スマホの容量が危ないから整理しきゃなんないだけど諦めて寝てしまおうか。日記書くのも面倒だし、Twitterで報告するのも面倒だし、すっかりここ一週間ずっとお疲れモードなのだった。


 2020年9月7日

 祖父と近所のお爺さんが帰って来た。よぼよぼで、玄関の段差すら跨いで越えられないので二人揃って赤ん坊みたいに這って家のなかに上がる。横断歩道には誰かの婚約か結婚を祝う巨大な電光掲示板のメッセージが流れている。下校道を歩いてたら連れ合いの同級生が倒れた。一度完全に意識を失ってたので、同級生の自宅に電話を掛けて迎えに来てもらうことにしたのだけど、電話先の相手の声がとても小さくて上手く聞き取れない。同級生の下の名前なんだっけ。テレビでは専門家がグラフを使いながら睡眠不足の危険性について説明していた。相変わらず首は痛いけど朝の七時半まで一気に眠れることが出来た。朝食を食べて、九時過ぎにカプセルホテルを出る。大阪は薄曇りで青空も垣間見えた。そして蒸し暑かった。難波の地下街も結構複雑である。御堂筋線で梅田まで出て、姫路方面の新快速に乗り換えた。ホームドアが、ドアじゃなくて、張られたロープがうえに上がるという変わったシステムだった。これは初めての遭遇。新快速のボックスシートは荷物置けるし素晴らしいね。懐かしい関西の車窓を楽しむつもりだったけどぐっすりと眠ってしまった。姫路までは住宅街が途切れず続いていた気がする。三宮過ぎたあたりから天気が悪くなって、記憶のなかで雨の壁がちらちらしてたけれど、姫路に着く頃には雨雲も散らばって晴れていた。駅構内のコインロッカーに荷物を預けた。絶対に忘れてはいけない。駅を出たら大通りの正面に姫路城がくっきり観えた。播磨の中心地だけあって、駅前はかなり栄えている。私は日陰に沿って歩いていく。台風の接近で今日は風がとにかく強い。駅前だけなら栄えた街だけど、ちょっと脇道を覗くと、月曜の昼間からシャッターが降りてる店も多いようだ。姫路城である。駅前から真っ直ぐ正面に聳えている。敷地が物凄く広かった。お堀から天守閣まで結構歩いた。お城には戦時中の拠点の役目もあるのだから、防衛のために広大な土地を使うのは当然なのだけど、その広大な土地の中心に豪奢な天守閣がどっしり聳えているのだからスケール感が尋常じゃない。私だってお城は幾つか観てきた。でも金沢城みたいに、土地は広大だけどお城が現存してなくて公園としての印象が強かったり、会津若松城みたいに平地に間の抜けたお城がずぬーーんと座ってたり、ある意味で本物の「お城」を観る機会なんて全然なかったのだ。そして私はようやく本物の「お城」を目撃した。そういう感動があった。実物と対面すると、天守閣がめっちゃ格好いい。石垣も力強くて時代に揺るがない。それにしても風強過ぎです。木が凄まじい音を立てて枝を揺らしてる。髪の毛が眼に掛かるから歩くのも億劫だ。案内の看板は先に倒されていた。お城とはつまり要塞だ。だから天守閣に辿り着くまでも相当な困難だった。くねくねと何度も折れ曲がり何度も階段を登り、そうだ、少年達が、この城の地図を使ってアナログな戦争ゲームをしている場面を私は想像してしまった。そのうち数名が本格的に歴史やミリタリに嵌まり込み、周りの仲間達は付いていけなくなる。天守閣を登る。外は豪華なのに内部は装飾もなく、最低限の案内板があるだけで至極質素なのがいい。そもそも天守閣は居住地ではなく、あくまで要塞の拠点なのだから。天守閣は六階層もあった。天守閣の天辺では風が漏れる漏れる、バタバタと窓が鳴ってるけど、これ大丈夫なんだろうか。風は強いが建物は微塵も揺れてないからそれだけ頑丈な構造なのだろう。最上階には刑部神社が置かれているだけ、社と警備のお兄さんがいるだけだった。天辺まで攻め込んで、具体的な何かを奪えばこのお城を征服出来ると、いうわけではないのである。城を支える二本の柱について三階で案内のおじさんから説明を聞いた。そういえば、電灯を最小限にしてるはずなのにわりと内部が明るい。外国人観光客全然いないし、日本人観光客すら疎らなので快適快適。喧しい四人組の若者と暫くルートが被ってしまったのだけが悔しかったけれど。中庭は風で降りられなかった。工事中の場所もあったけど、これだけ壮大だと、不格好な工事現場すらも簡単に受け入れてしまう。スマホの容量があと180MBになった。これは別にInstagramに挙げなくていいか、って判断して東京モーターショーの写真をUSBに移した。西の丸のベンチに座って、強風に吹かれながら滅茶苦茶早く過ぎていく雲の流れを見上げている。誰もいない姫路城で風に吹かれる木々の叫びを聞く。とても正しいことだと思う。百間廊下。薄暗い廊下がずうっと続く。ここで子供を遊ばせる話が書けそうだと思う。手鞠歌とか作れそう。封鎖された女中部屋のなかを、スタッフさんがペンライトで照らして確認している。奥のほうは展示パネルすらなく、何度も折れながらひたすら暗い廊下が続くばかり。硬い硬い扉が何度も現れる。外には葛の壁。蝉の声と、風の音と、烏の鳴き声だけ。巡回のスタッフさんと私しかいない。彼女達が小学生の低学年だった頃、感染症が流行って、お城の観光客がいなくなった。それで彼女達はその廊下で遊んでいたのだ。この街で何か事件が起きたとき、その薄暗い記憶が呼び起こされる。隣接する牡丹園は季節じゃなかった。風が凄まじい。折角天気は良いのに、風が凄まじくて真っ直ぐ立ってられない。暑くないのはいいけど。お土産を買う。午後二時頃、隣の好古園に辿り着いたあたりで再度容量が切れてきた。さっき200枚減らしたはずなのに。電池まで切れる。東京オートサロンの写真もInstagramには挙げないだろう、ということでUSBに移動。充電池を繋いで先に進む。日向だと結構日差しがきつい。園内の建物は余りにも近代建築過ぎて、自動ドアと絨毯を抜けたら日本庭園に橋が掛かってるとか逆に斬新に思えてしまった。とはいえ観光客も少なく、周囲に高い建物もない、折良く緑の眩しさが映える季節だ。造園も随分と凝っていて造園家の意気込みを感じる。でもミニマルに詰め込み過ぎてるように思う。順路も分かりにくいし、もうちょっと余裕がないと空間が落ち着かなくて疲れてしまいそうだ。そして今日はやっぱり風が凄かった。園内を周遊し終わる頃にまたスマホの容量が190MBまで追い込まれた。一時間しか経ってないのに。途中から疲労で頭が回らなくなり、反射的に写真ばっかり撮って誤魔化していたのが響いた。とはいえ1GB減るの速過ぎやろ。ここ最近は、疲れる。異様に早く疲れてしまう。マスク着用による呼吸困難もあるだろうけど、日頃から痛烈に首を痛め続けて眠りが浅いのも影響しているはずだ。この程度で疲れる私ではなかったはずなのに……疲労が溜まると旅徒然の感想メモすら億劫で投げ出したくなる。物書き属性が物書きすら出来なくなったら、一体この私には何が残るっていうんだ? 去年九月の上野の美術館、それと不忍池の写真もInstagramには挙げないだろう、ということで150枚ぐらいUSBに移した。減らした枚数と増えた枚数のバランスが噛み合わないから何処かで容量喰われてるんだと思うんだけど分からない。姫路の街角のベンチに座って、台風接近の強風に吹かれながら、不機嫌な顔をしてスマホを弄ってる私。私は再び歩き出した。千姫の小路という、河とお堀の合間を抜けていく細い遊歩道があった。左手には浅くさらさらと流れる河、右手には沼のように淀み木々や藪に囲まれて時を止めるお堀。その合間を一人ゆったり歩くのは情緒があっていい。沼の臭気の底で鯉が泳ぐ。小路は石垣と堀と河と道路が複雑に入り組んだところに行き着いた。石垣の内側には公園がある。まだまだ探索の余地がありそうだけど、流石にこれ以上寄り道をする時間も余裕も電池も容量もない。お堀沿いをしっかり回るだけでも二日は欲しかった。姫路なかなか手強い。図書館を併設している姫路文学館は閉まっていた。文学館というには現代的なアレンジの建築物で、テラスまでは登れたので姫路を街を一望する。風に吹き飛ばされそうになる。男山八幡宮は受付所だけが麓にあって社は山中にある。神社の裏手、謎の煉瓦塀と、撤去勧告が出てる謎の祠を確認してから、さらに山頂の男山配水地公園まで登って高台から姫路城を眺めた。旅の納めには良い景色だ。風が凄まじい。人力車のガイドさんがこんな場所まで登ってきて観光客を案内をしていた。公園内には謎のネジのナットのようなものが突き出している。これが配水用の施設なのだろうか。姫路が揺れている。ぶるぶるぶる、今日はここまで。問題は高所恐怖症なので、この凄まじい風のなかで長い階段を降りれるのかどうか……神社の本殿が階段式になって高い位置にあるのは、このあたりの特徴なのだろうか。適当に知らない道を歩き回って酒屋を発見した。至極味気ない内装の、地方の寂れた酒屋さん。流石に地ウイスキーはなかったけど、フェイマスグラウスの700mlを1700円ぐらいで一本購入。あんまり向こうで見掛けなかったので。大塚愛の黒毛和牛上塩タン焼680円が耳にこびりついてしまった。また容量が残り100MB切ったの。初期から入ってる使わないアプリやデータを消しまくって強引に700ぐらい空けた。私は一体何と戦っているんだ。千姫の小路まで戻ってきたので、今度は駅方面へと歩いてみる。お堀は途中で枯れてしまった。そして、お堀の一辺は完全に埋め立てられて国道になっていた。お堀の遺構と後世に作られた石垣、そして案内板や石碑が残っているだけだ。やっと駅から真正面に続いていた大通りまで戻ってこれた。道中で炭酸一本飲んだら胸焼けがつらい。ちょっと外れた通りに脚を踏み入れて、東来春という中華料理屋さんでやっと食事にありついた。電池温存のためにスマホは片付けた。懐かしい関西弁で、おばちゃん達が何故かデジモンの話をしていた。何処かに傘を忘れたようだ。今日は結局一度も降らなかったな。コインロッカーのことは忘れなかった。途端に荷物が重たくなった。新快速は姫路で先に四両だけが来て、向こうから来る車両と連結する。六時過ぎに私は姫路を出立した。基本ずっと寝ていた。新大阪で新幹線に乗り換えようとしたら出発ギリギリで、近くのドアに乗って下さいとアナウンスされたので私は12号車に飛び込んだ。そこから自由席の3号車まで歩いたら疲れてしまった。やっとスマホの充電が出来た。友達とLINEでお城とかお堀とかの話しながら新幹線アイス溶けるの待つ。Instagramに写真を移して容量を少しでも空ける。歩きっぱなしも疲れるけど、長時間座ってんの疲れる……帰宅は11時を過ぎた。


 2020年9月8日

 突然ジリッと鳴ってみんな驚く。ビルの火災報知器の点検なのだろう。告知無しで急に鳴らされると心臓に悪い。眠気で意識を失い掛けたりしたけど、今日は凡庸な一日だった。首に負担を掛けないためにはやはり腰の位置が大事らしい。上手く腰の筋肉を張ると首周りの緊張が抜けて痛みが和らぐ。首の痛みが和らげば気持ちに余裕が出来る。帰宅後久々に軽いランニングをした。走るときも腰に上手く体重を乗せる。腰を捻れば肩が回る。走り方としては無駄が多いけど、筋肉を解すには丁度いい。九月の夜は暑くもなく寒くもなくて程好い気温である。最近、ラジオ体操は身体に不調が出始めた大人が遣るべき、という話を立て続けに聞いたので、全然覚えてないけどランニングの後に公園で適当に体操を遣ったら確かに具合がいい。公園では余り広くない敷地の生垣の内側をおじさんがぐるぐるぐるぐる走っている。締切がない精神的余裕って凄いな。御無沙汰してたランニングも出来る。艦これのデイリー任務も消化出来る。時計を見ても執筆のための時間配分を考えない。日記に自分の執筆エネルギーを吸われる恐怖もない。人間、締切がなければ生きていけないけれど、締切に死ぬ程に追い詰められては元も子もないな、と思い知った。


 2020年9月9日

 その村の特産品は何だっけ、この一瞬で見事に忘れてしまった。その特産品を巡って何が争われたのだっけ。その村では珍しく学芸員の募集を遣ってたのだけ覚えている。昨晩は結局眠気に負けて特に何もせずにだらだらして、久々にデイリー任務完走して、お風呂入って布団に凭れてたらそのまま寝落ちて中途半端な時間に眼が覚めた。立ってるときは腰を上手く引けば首の負担が減らせる。問題は横になって眠る時だ。何故か不自然に首に体重が掛かってしまう。何かが間違いなく可笑しいのに、何が失敗してるのか未だに分からない。兎に角、この枕を使うと首が壊れる、と。またすっかり忘れてしまった。事態は深刻になり、物語は佳境に進んでいたような、気がする。朝の満員電車はみんな眠くて静かだから、五月蝿い奴等が一組でも乗り合わせたらみんなの朝が一気に乱れる。首の凝りが抜けない。眠い。眠気に反応が薄くなってたら、何年かぶりに以前の職場の先輩(らしきひと)がレジに現れて眠気がすっ飛んだ。以前の職場の先輩(らしきひと)と互いに気不味い苦笑いを交わした。正体不明の千円が二度も現れる不思議。文フリ大阪の感想を確認しようと久々にTwitterを開いたら、世界ではまた悲惨なことが起きていた。この世の悲惨を立て続けに四つぐらい注ぎ込まれて神経が削れた。四つはなかなか重ならない。神経が削れても、言葉を削ってみんなの前に現れない勇気が必要。daniは耐えられなかったみたいだ。ちょっと死んでこい。


 2020年9月10日

 古い顔見知り達とテーブルを囲んでいる。ゲームをしてたはずだけど何だっけ、テーブルには食べ物が並んでいて私達は取り合いをしている。部活の先輩達は相変わらず怖い。予備校の時間に遅れそうだった。同級生と一緒に教室を探した。でもどの教室も先に参加資格を確保しておく必要がある。こちらの教室はエリートばかり集まっていて、こちらの教室は先に出された課題をこなさねばならない。後者の教室にこっそり座ってみたりしたけど、どうせバレるだろうから直ぐに相方を引き摺って外に出た。そもそもどの教室に参加するつもりだったのか同級生に尋ねたら、地下で行われる事前登録不要の入試説明会みたいなものにしか参加出来なかったようだ。地下には広場がある。とある少女が突然、モネの絵の場所だ! と何かを指差し始めた。モネの絵に出てくる、黒もじゃの怪物が出てくる場所にそっくりだったらしい。それで、私達は怪物みたいに変なポーズで、変な呻きを挙げて広場を駆け回り始めた。それがおふざけだったのか、本当に怪物が伝染したのかは、今となってはもう分からない。昨日は変なタイミングで寝落ちてしまった。中途半端な時間に眼が覚めたのだけど、何とも説明がし難いが体調が悪い。仕方ないから夜食を軽く食べて、落ち着かない布団のうえでもんどり打ってたらまた寝落ちた。大抵は忘れている。銭湯。草刈りの匂いがする。今日はYouTubeでEric Claptonの各年代版badgeを連続観賞。97年のが一番格好いけど、各年代に合わせたパフォーマンスがあって面白い。でも2020年のRon Woodとの共演映像を見付けた時は、もう70過ぎてんだから流石に無理すんなと思った。

これは……三大ギタリスト共演のLayla? ただ詳細が少ないうえに舞台のうえに沢山集まってドタバタしてるから何が何だか。

これはほぼPageによる天国への階段なんだけど、ボーカル無しの完全インストゥルメンタル、しかも原曲を完璧に破壊したぶっ飛んだアレンジ、止めにClaptonとBeckまで乗り出してきて、Led Zeppelinの音源ではまず聴けない境地が面白い。

ギターソロ十選。選出にそこまで文句はないしライブ映像豊富だし一位がGilmourというのも良いセンスだけど、ソロの最中に何度も解説を乗っけて肝心の演奏が全然聴こえないという最悪の編集。編集ってホントに大事。

関連動画を漁ってたら眠気がずーんと来た。最近寝落ちを連発させてる凶悪な眠気だ。艦これのデイリー任務終わらせて、寝落ちてまた首を痛めぬようにちゃんと寝床整えて眠る。フェイマス グレイス、氷に負けない安定感が強いな。日記の頁を改める。


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