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invisible holidays(2020.07.01~07.10)


 2020年7月1日

 薄着で寝たら寒くて腹を壊して眼を覚ました。何かカードゲームを遣っていたはずなのだけど、殆んど忘れてしまった。布団を掛け直しても胃腸が露骨に痛い。下痢っ腹だけど体温は36℃を越えないので、冬に着ていた上着を引っ張り出して無理して出勤する。今日からレジ袋が有料なので、ゴッホ展の図録の付録で貰ったエコバッグを用意。何気にキャッシュレス割引も六月で終了してしまって、nanacoを使っても割引されなくなったのはつらい。今日はバスの乗客が多い。案の定腹を壊して上中里駅で下車してトイレに籠る。結局座席は空かなかったし、ただ普通に立っているだけで鼾のような音を出し続けているおじさんが五月蝿い。朝からイカれたお婆さんがイカれている。朝から何度もトイレに逃げ込む。久々に、胃腸が悪いという理由でお昼に丸亀製麺でかけうどんを食べて、うとうと眠気が来たので今日も栄養ドリンクを突っ込んだ。午後はやっと胃腸が落ち着いて普通に働けた。久々に胃腸が悪いという理由でsoupstock Tokyoに寄った。disk unionにも寄った。電車は平然と混雑している。普通が普通に普通だ。Twitterは今日も醜さと醜さが背比べしていた。線路の向こうは柿色に染まって押し詰められて濃縮されて、強風が複雑に入り乱れて傘が差せず、いつものアパートからは日本語ではない騒ぎ声がいつものように響き、艦これのE-1掘りに勤しみ、やっぱり冬用の上着は暑くて玄関で靴を脱いでからまず上着を放り出した。実家から、どこそこさんの弟さんの娘さんが産まれたという連絡がきたのだけど、そのどこそこさんの弟さんが誰なのか思い出せないのだ。お盆は帰れるのだろうか。正直もう帰るの面倒なのだけど。暫くは艦これでフリータイムを潰す所存である。E-2乙難度、無事に攻略。しかし掘りをするには耐久値800の化物を殺し切れない(殺し切る人材をE-1に全部回してる)のがネックだ。頻発するT字不利、鉄壁の回避性能を誇る敵駆逐艦、消えていくバケツと資源……本番は友軍が来てからという感じだけど、E-2で新艦娘がドロップするらしいので試行回数は増やしておきたい。スペシャル・リザーブのロックを、ドン・キホーテで買ってきた北海道ジャーキーと合わせたのだけど、今日は物凄く酔いが回る、つまり眠気にも似た脱力感。Wikipediaでへうげもの関連を適当に読み流す。E-2掘りは基地航空隊で迷走する始末。配置転換中という特に意味のない邪魔仕様。深夜になって、新艦娘がドロップするのは第一ボスのほうだということを知る。第二ボスもレアドロップはあるけど、未所持だった大和さんと涼月さん×2を引き当ててるし、これはもしかして無理して回る必要なかった……?


 2020年7月2日

 最近は健忘が激しくて、何処で何に巻き込まれたのか余り覚えていないのだ。久々にM君に会った気がする。それは……何処で? 今日は寝起きから部屋が蒸し暑くていけない。仕事終わり頃になって一際疲れが襲ってきて、最後の最後に些細なミスを連発して呼吸が足りなくなった。マスクを外せれば余程に呼吸も楽になるだろうに。段々と頭が痛くなってきた。背筋が狂っている。今日は三食に栄養ドリンクを付けた。帰宅後はひたすら艦これで掘り続けた。海防艦改修に失敗したり、潜水艦相手で初手大破撤退したりと心労は募るけれど、掘りの結果は充実。でも、ただでさえS勝利ガシャンが精神を削ってくる第一ボス戦なのに乙難度ですら新艦娘遭遇に50周とか70周とか100周とか掛かったという情報まで流れてて、正直気が狂ってるとと思う。S勝利ガシャンは本当に神経に悪い。支援砲撃サボられてのS勝利三連続ガシャンとか、流石にギャンブルとして失格だと思う。対地要員をE-1で使ってしまったせいで第二ボスと同程度に攻略難度が高いというのに、ガチャを引く権利すらガチャとか本当にやめろ、死人が出るぞ。ログアウトし忘れていたTwitterを覗いて、またこの世の地獄を見た。そんなに醜い地獄で泥水啜り合うのが好きだというのならみんな死ねばいいのだ。今回初めて単語ミュートを試して、一番見たくない言葉を幾つか登録してみた。でもトレンドや検索からは消せないらしい。意味がねぇ。兎角私は世界を狭くする。世界が広くなればなる程に、自分自身がその醜い世界の一部になってしまうというのならば、自分の制御出来る範囲の狭さまで世界を縮めるしかないのだ。醜いトレンドから逃げる方法を調べていたら、いっそトレンドの対象地域を外国にしてしまえというアドバイスを発見した。トレンドをイギリスにしてみたら、これは確かに効果的だ。英語に疎い私には全然トレンドの内容が分からない。ニュースの内容も全く分からない。ストレスが全然掛からない。久々に本垢でそのことを呟いたら、自分でも笑えるぐらい自分の文体を見失っていた。もうまともに呟くことも出来なくなっていた。私にとって、この文体が一人の孤独な物書きにとって何の役にも立たない文体であったということに気付いた。いよいよ私は私の言葉遣いに潜っていくことになるのだなと思った。氷が切れてしまった。ジェムソンのストレートを嘗めて夜更かしをしてたら、胃液が眉間にまで這い上がってきて気持ちが悪い。私の淡い高揚は単なる心身に溜まったストレスへの反応に過ぎず、私はカロリーメイトを齧りながら心を落ち着けるのである。二連続で支援艦隊がサボり、四連続S勝利ガシャン。これはひどい。三連続で支援艦隊がサボり、五連続S勝利でやっと、ありふれたコモン駆逐艦が落ちる。これはひどい。四回目で支援艦隊がやっと来て、見事に全て外した。初手でアタッカーを大破させられ対空カットインも発動せずA勝利でありふれたコモン駆逐艦が落ちる。これはひどい。ここまで泥沼の掘りは初めて。最後に到っては道中大破撤退。余りに不満だったのでE-1に憂さ晴らしに行ったら随伴潜水艦が殺せなくてA勝利止まり。これでは溜飲が下がらないのでもう一回E-1攻めてやっとS勝利で熊野さん拾って終わる。燃料が9万、弾薬が7万を切り、今後を考えるとこれ以上E-2で徒労に浪費している余裕はなく、明日はE-3攻略で一日を潰そう。因みに明日は、とても大変なことが起こるので、明日仕事が休みで本当に良かった。朝の六時にようやく寝る。


 2020年7月3日

 カードゲームの大会が開かれている。ルールを把握してない私はかなり苦戦しているようだ。半分艦これが混じってて、軽々しく編成した艦娘が轟沈し掛けて私は恐怖する。高級なカードが高値で売買されている。私は、とある家族を特別に地下ルートを使って別フロアに案内することになったのだけど、私は実は地下ルートの道筋を良く知らないのだ。地下は寒い。大雑把な矢印による案内を追い掛けていたら、いつの間にか屋外に出ていた。どう考えても、単なる別フロアへの近道にしては距離が長過ぎる。みんなどうやってこんな遠回りを便利に使っているのだろう? 私達は如何にも怪しい小屋を見付ける。小屋の真ん中、机のしたに怪しい丸い跡が残っていて、そのなかから細長い木箱が出てきた。私は、蛇、という一文字を発見した。恐らく蝮酒のようなものを作っているのだろう。よぼよぼの祖母が薄暗い部屋で何かを食べている。動作は緩慢で時々咳などする。私は祖母と何か会話する。E-3攻略を開始。もう人手が足りないので丙に難易度を下げる。潜水艦やら空襲やら相変わらず忙しい。ギミック外しのために右手ルートで制空権を取ったけど何も鳴らず、左手ルートで連合艦隊を通常艦隊で迎え打ってA勝利したら鳴った。左手上ルートも通信艦隊でS勝利、右手奥ルートも通常艦隊でA勝利でギミック解除。ボスマスは潜水艦。これは、如何に取り巻きを素早く粉砕し、対潜装備を備えたアタッカー達でタコ殴り出来るかという戦いだろう。という訳で基地航空隊の協力は必須なのに、配置転換中とかいう謎仕様を導入したのは一体何処のどいつだ。Instagramに少し写真を挙げた。軽くランニング。近所を三十分程度走る。線路は緑が深い。お金を降ろすついでに駅前の喫茶店で夕食を取りつつE-3を攻略。潜水艦ボスなのだけど、丙難度なので先に使っていた対潜要員をガンガン使って先制対潜×5で一方的にボコボコにする。驚くほど簡単に突破、伊47さんを獲得。道中戦と取り巻きは基地航空隊と軽空母で素早く片付けられるし、昼戦のうちに片が着くのでダメージも少なく、通常艦隊で支援艦隊も不要なので資源にも優しい。丙難度なのでドロップはしょっぱいけどE-1以上の安定感で周回出来るのでストレスも少ない。手数さえ揃っていれば難易度的には乙難度まで挙げたかった。E-1で温存出来なかったのが悔やまれる。隣に五月蝿い二人組が陣取ってしまったので喫茶店の環境は良くない。その二人組がいなくなったら、今度は斜め向かいのカップルだ。日記の編集をしてたら段々疲れてきて、しかも日記の内容も具合が悪い日だったりするから余計に疲れて血の気が引いてしまった。やっぱり作業中の姿勢が悪いんだろうか。糖分が足りなくて追加を注文したいのだけど、店員さんがなかなか近くを通ってくれない。電池が5%になって作業が進まなくなったので、編集が終わったnoteの日記を挙げたところで喫茶店を撤退。最後のほうの文章がちょっと下手だったから後で修正しよう。E-3掘りを進める。お手軽なのだけどドロップはしょっぱい。でも伊401さんが落ちて、これで潜水艦が六隻編成が出来るようになった。そこから伊400さん、伊13さん、まるゆさんと立て続けに潜水艦がドロップして遂に保有艦枠が足りなくなる。給付金が出ればあと二十枠ぐらい増やすのだけど……E-2-M掘りは現時点では負担が多過ぎるので、友軍解放まで放置しておくことにして、暫くはE-1とE-3で安定した周回をしよう。相変わらず、noteのタイトルに日記と書いておけば特に中身も見ないで勝手にいいねを付けてくる如何にも詰まらなさそうな連中が集まってくる。でもフォロワーさんの一人がいいねを押してくれたのはちょっと励みになった。雨が降る。雨のなか、ロッスアイスを買いに行く。ぽたん、ぽたん、ぽたんと規則正しい音が響いていて、まるで、部屋の内側に雨漏りしているかのようなはっきりした音なので、思わず窓際を確認してしまった。


 2020年7月4日

 今日は朝から眼が開かない。指先が乾いて、乾いた指で仕事をしてると黒板を引っ掛かれたような悪寒がする。脚が冷える、の、今度は腕が冷えるだ。頭の具合も宜しくなくて、うっかりと重大なミスを遣りかける。コピー機は知らないエラーを起こす。職場の一角が酷い臭いでマスクの内側に籠って近付けない。今日は運気すら悪いようなので、静かにこの重力の底を歩き切るしかない。今日も丸亀製麺でかけうどんなのだけど、一緒に食べた稲荷が喉に詰まってからしゃっくりが止まらなくなった。暫くしゃっくりしながらレジを打った。声を出すと喉が枯れた感じがある。段ボールに商品が上手く収まらなくて三十分も試行錯誤する。職場で電話を取ったら、まともな挨拶もなく、いきなり資産の運用がどうとか不自然な営業が始まった。このお店に関係のある営業ですか? と話を遮ったら、いいえ違います、個人様向けです、ととんでもない答えが返ってきたので、職場の電話で個人向けの営業は受けられないんですよと大声で言い返して電話を切った。今日はやはり星の回りが悪い日のようだ。恐らく無差別に固定電話に営業の電話を掛けまくってる業者なのだろうけど、こちらが最初にお店の名前を告げた時点で、既にコミュニケーションの前提が破綻していることが何故分からなかったのだろう? いや、こんな破綻したコミュニケーションを「強いられている」のであろう、電話の向こうの誰か、女性の、聞き取りにくい、淡々と機械のような声の誰かの人生とは、一体どんなものなのだろう思う。破綻するために無差別にコミュニケーションをばら撒き、踏み潰され、跳ね返され、淡々と電話が切れる音を聞くのだろう。他人事だから私は彼女のことを不憫だと思う。私は普通の当たり前のコミュニケーションで働いている。多少時々に吃りの気があっても、得体の知れないルールに乗せられて、約束された破綻を強いられたりはしない。それは、どんなに給料が上がらない職場であったって、胸を張っていいことなのだと思った。線路沿いの夕暮れが黄金色に輝いている。今日は線路の上流に向かって毒気のない透き通った空で、雲の凸凹の厚みに従って私達の頭上で赤く鈍く盛り上がり、電車の下流では青みを増した紫色の雲が壁のように縦に浮き上がっている。電車が地の底の暗がりを走り抜ける。とても美しい夕空だと思う。関東の空は奥行きが深くて、黄金色の果てを見出だすことは出来なくて、優しい程に眩しい。街路に折れると私達の街は一気に暗くなって、いつもより驚くほどに静かで、空だけが明るい。私達の身長で補える地平では眼の順応よりも早く夜が浸透して、空だけがまだ太陽の恩恵を浴びていて、天地の時間が大きく齟齬を起こす場面、自動車事故が起きやすい時間帯、或いは、逢魔時だ。交差点にぶつかる度に突然奥深く黄色い、或いは赤紫の壁が私達の遥か遠くに聳えているのに立ち会う。関東の空は奥深くで、今日の終わりを未練たらしく惜しむ。そうか、逢ってしまったんだね、と誰かが呟いた。一体私達は何に逢ってしまうのだろう? 私はとある田園風景の逢魔時を想像したけれど、この夕暮れの奥深さは、ただっ広い空の足元にのっぺりと伏したこんな閑静な住宅街だからこそ物語になるはすだ。私はすっかり闇に眼が眩んだ街を歩きながら、高速道路の高架ですっぱりと切られた夕暮れの残り香を追い掛けながら、電車で寝落ちて、半分すっきりと、半分どんよりとした、二つに偏ってしまった頭で、この私の感情に相応しい物語のことを考える。しかしその舞台は、何処だ? 鼓膜が麻痺したのかと思うほど静かな帰り道だったけれど、いつものアパートは今日も日本語ではない怒号が飛び回っていて、ああ、ここだけは本当に日本ではないんだな、と私は醜い苦笑を浮かべた。コンビニで夕食を買っている間に、空は黒ずんで枯れ果てて、すると私達の視線の高さの世界はかえってはっきりと見えるようになる。部屋で日記を書いてたら段々眠気が強くなってきた。神奈川の友達が熱海に日帰りで旅行していた。何故か、こちらのグループの通知がオフになっていた。どおりで私だけ反応が遅れ続けたわけだ。私は先日の飛鳥山公園と白山神社の写真を挙げて、それから、中学校時代の同級生のグループの方を通知オフにした。今夜は気心の知れた友達と、世知辛いけど、まぁまぁ楽しいお喋りをする。艦これのウイークリー任務を進めてネジを拾う。スマホの充電速度が遅過ぎる。また断線してたりしないといいのだけど。明日も仕事だからお休み、と送ってから、ボウモア12年のせいで猛烈に眠いのを押して艦これのマンスリー任務を一つ片付けた。何度も意識が吹っ飛んでスマホを落としながら無事に遣りきって、最後の気力を振り絞って日記をちょっとだけ書いて、限界だった。


 2020年7月5日

 何かの物語が終わった。高台の高校の教室には物語の関係者達が何人か紛れ込んでいて、物語が終わった暁に、彼等は自分達の新しい渾名を名付け合うことにする。その渾名というのは……全部忘れてしまった。個性的なキャラが集まっていた気はするのだけど。同人誌即売会のイベント会場を探して、私は知らない海辺の街を右往左往していた。時間を間違えたらしい。街はすっかり夕暮れている。間に合うだろうか。友達からの報告によれば、別のサークルに参加していたはずの後輩が文芸部に合流していて、私が卒業してからサークルの派閥に何か変化があったのかもしれない。私は知らない街の田圃道でその後輩と擦れ違う。右往左往の果てに、私は寮のようなところにいる。ここでは幽霊騒ぎが起きていて、私も心霊写真を一枚持っている。斜面におどろおどろしく立つ女性の影。それも何か陰謀が渦巻いているようだ。私は、最初は怖がっていたけれど、最後はやけくそで事件に向き合うことを決めていた。サッカーのチームは上位入賞を果たしたらしい 。私達はバレーを遣るらしくて、事前にゲームで予習しようと知り合いが提案する。私は朝早くに起きて窮屈な部屋で身支度を整える。相変わらず私は健忘気味で、私は私の記憶の破片に懐かしさだけ抱えて微睡みから落っこちる。あの寮のような場所で、私はどんな人達に出会ったのだっけ。健忘が酷過ぎると日記のコンセプトにも支障が出る。でも、それぐらいのほうが、実は健康的ではある。今日も眼が上手く開かない。天井は朝からドタドタする。体育祭の前にみんなで集まって、野球の練習をしていたのだけど、いつの間にか険悪な雰囲気になってしまった。事情を知らない厳つい顧問がやって来て私達を地べたに正座させる。責任は誰にあるのか、と問われて、何人かが正直に手を挙げた。先生は何に怒ってるのですか、自主連自体は他のチームも遣っていることです、と追及したら先生は困惑し始めて、女子の一人が、やたら厳しい声で、このままだと私達は最下位ですと断言した。学校の裏手、こちらにもサブの入場ゲートがある。私は……ここを歩きながら何をしていたのだっけ。枕の調子が悪くて首が痛い。喉も痛いし眼も痛い。朝から自棄に疲れている。職場まで、微睡んで眼を覚ましてを細かく刻みながら半分寝惚けて出勤する。今日は重力が強いというより筋肉が寝ているような重さで胃腸の具合も悪い。売場で子供が大声でごねる。あちこちでごねる。何分間も全く同じ文言を延々と繰り返し続ける女の子の奇声のせいで頭がおかしくなりそうだ。私は本当に子供が嫌いなんだなぁと思う。体力が足りないので肉を頼んだら胃に重たい。今日と栄養ドリンクを挟んで午後を乗り切る。いや、乗り切れなかった。新しい仕事があるのに凶悪な倦怠感でゾンビのようにふらふらしていた。腰が痛くて、脚が筋肉痛のように疲労する。あちこちの関節が痛い。最近やたら下半身がガタガタなのは、新しい靴が未だに体に合わないせいかもしれないけれど、しかし胃腸の悪化で襲ってくる背中の痛みや、奇妙な右眼の痒みまで重なってくると生きているだけで精一杯だ。雨の日曜日は、変な客が遣ってくる可能性が高くて、雨で具合が悪くなる私を更に追い詰める。特に盛り上がる様子もなく都知事選が終わった。だからって迂闊にニュースサイトなど開こうものならあっちこっちで醜さが背比べしていて神経を痛めてしまうし、私は九州の大災害のことすら調べることが出来ないまま、自分の不調に閉じ籠り続ける。艦これのイベント掘りに邁進したいところなのに保有艦枠切れで出撃出来ない。ダブったレア艦は出来ればまだ様子見でキープしておきたいし。新しい保有艦枠を買おうにも、今月はお金がない。因みに川口市の振り込みは日付を分散して行うらしくて、次の予定日が7月7日、ここに落ちると更に一週間、そこでも落ちると更に一週間。抽選形式なのか先着方式なのか分からないけど、6月7日に投函してもう一ヶ月経つのだし、7日には欲しいな。本格的に右眼が痛い。閉じていても開いていても右眼が痛くてつらい。雨がぱたぱたと降り始めて夜が賑やかになるけれど、そんなことよりも右眼が痛い。涙が止まらない。比喩ではなく、ずっと右眼の涙腺が、見えない敵に向かって水攻めをしている。何度もアイボンをしたからゴミが入ってるわけではないはずだ。鏡を見たら見事に充血していた。眼と繋がってるから鼻水まで出てくる始末。この慢性的な痛み、明日までに治るのだろうか?


 2020年7月6日

 今日も健忘症で、忘れた、というもどかしさだけがある。そんなことよりも右眼は治らなかった。コンタクトレンズは入れられたけど、この痛みに異物を重ねるのは危険過ぎるということで駅で外した。何気に片眼で職場に行くのは初めてだ。レンズを外しても尚痛いし、鼻水はだらだら出る。片眼を瞑っていても、瞑っている片眼が痛かったら反射的に瞬きをするから、無事な左眼もしつこくぱちぱちしてしまって視界が覚束ない。両眼に1.0以上の差があるから、右眼と左眼を交互に開くと眼球がめきっと千切れそうになる。午前中は片眼だけで切り抜けた。案外と何とかなるけど、視界の半分を失うと世界が半分霞んだようになって、全く昼だか夜だか分からない気分。遠近感が怖い。右眼は痛くなったり落ち着いたりを繰り返す。鏡で右眼を見てみたら、ぬらっとピンクがかった充血した右眼が化け物のようだ。血管がはっきりと白眼を覆っている。ここまで綺麗に充血したのはいつぶりだろう? ずっと眼を閉じて涙に沈めているものだから艶かしい。薬局で眼帯を買ったものの、マスクに眼帯で売場に出てよいものか悩む。結局、仕事終わりまで片眼瞑って乗り越えた。片眼だとタッチパネルの距離感が掴みにくいということを知った。片眼閉じっぱなしだとこめかみに力が入って頭が痛くなってくる。両眼を開けると1.0以上の視力差で歪んだ世界が広くて明るくてびっくりする。流石に眼がぎりぎりっと締め上がるように痛くなるので、両眼を開けてはいられないけれど、この雨に滲んだような世界の眩しさは、こんな機会でもなきゃ分からないのだろうと思う。仕事上がってから眼帯を着けてみた。マスクに眼帯で不審者感が強い。けど片眼閉じっぱなしよりずっと楽だ。右眼に眼帯だと、右利きなので箸を持つ手が見えなくてご飯が食べにくいということを発見した。友達と約束していたロンドン・ナショナル・ギャラリー展のチケットを買った。夜中には流石に充血も収まってきて、眼帯のまま眼鏡はつらいので眼帯を外した。霧島さんの眼鏡からMMRを経由して上海魚人伝説殺人事件に辿り着く。確か、実写映画版が、映像系ホラーが苦手な私のかなりのトラウマになってたのを思い出した。でもGoogleでは最早まともにレビューすら引っ掛からない。Google検索より私達の記憶のほうが引っ張り出しやすい、なんて、酷く皮肉なことだ。Twitter検索だと流石に結構引っ掛かってくる。DVD化されてないらしい……


 2020年7月7日

 昨日は艦これの任務を消化してたらさらっと寝落ちてしまった。スペシャル・リザーブが深いところに効き過ぎたらしい。いよいよ健忘症だけど、存外良く眠れたような気もする。トイレの行列があった。同僚さんと一緒の電車に乗って、何処かの駅で降りて、広場では……スマホの充電が厭に熱くなるのが心配。東京を旅している。東京駅の裏手が小高くなっていて、丘の向こう、ギラギラに塔を尖らせた城のような巨大な洋風建築が二つ並んでいる。この周辺は以前も旅したことがあったはずだ。もう一度探索してみたいと思うけど、今日は別の目的地がある。住宅地を歩いて、土地が突然凹んだところに、三層か四層ほどの回廊を階段で繋げたダイナミックな歩道橋が現れる。他の歩行客と一緒に慎重にその歩道橋を渡り、見覚えのある、黄色い壁の飲食店街を横切る。このルートは一度歩いている。でも以前は何処に出たのだっけ。親戚が勝手に海鮮料理のコースを予約していたのだけど、私の財布は大丈夫だろうか? 私達の目的地は、玄関をコの字型に囲む巨大なホテルのような近代建築物で、思ったより立派な建物で、やっぱりここで良かったじゃないか私は連れ合いに言った。境界線は緊張している。一方が大地を削る程に強力な溶解液を射出して攻撃して、死体のような何かがあちこちに浮かんでいた。相手も反撃に出たはずなのだけど、この紛争の顛末について私の記憶は抜け落ちている。古い記憶を掘り起こしていたらもっと新しい記憶がすぽんと消えてしまった。実家のトイレに何かの補助機械が設置されていた。板のようなものが上がって来るが、何に使うのか分からない。私は相変わらず艦これか、それに似たゲームを遣っている。何か新しいシステムを試している。実家の一部屋に……でもこんな部屋は実際にはないのだ……みんなが集まっている。楽しい空気ではなさそうだ。部屋はやたら薄暗い。私は何度か部屋を抜け出して買い物に出掛ける。実家で何が起きたのだろう、断片が破裂して余り良く覚えていない。断片を思い出そうとすれば、新たなる断片が産まれて、混じりあって、消えて、私の記憶はぐちゃぐちゃに真っ黒になるのだ。近所で検問があった。二つのガソリンスタンドに挟まれた場所で、自動車が一台、車道を塞ぐように突き出て停まっていた。駅前はビル風が凄まじい。雨量は少なくとも雨が横薙ぎにくるので脚が濡れる。眼科に行ったら、角膜潰瘍と診察された。角膜の傷に黴菌が入って白く濁る症状だ。実際に画像を見たら、眼に白い塊が浮いている。綿棒で眼玉をなぞられるのは流石に怖かった。まだ初期段階で治療も可能らしいけど、当然コンタクトレンズは嵌められない。手持ちの眼鏡は度が低過ぎるので、暫くは眼帯マスクになってしまいそう。大丈夫なのかな。眼鏡も十年近く使ってるので新調する機会なのかもしれないけど……診察料も馬鹿にならない。給付金が入ってこないといよいよ大変だ。目薬を二つ貰う。一日四回、四時間空けて、三分空けて使うこと。帰りに最寄りのBOOKOFFを軽く漁ってから一駅分歩いた。片眼の世界はやはり視野が狭くて、曖昧で、私はいつもより世界に関心を持たないで歩いた。そこまで暑くないのだけど、歩くと途端に汗が沸いてくる。多分湿気が強いのだ。ホームセンターで新しい洗浄液やウエットシートなどを買って帰る。荷物が重たくて肩が張る。洗面所を重点的に掃除して、それから、月の珊瑚の漫画版を読んだ。こういう「大逸れた」話はわりと好きなのだ。でも、こういう「大逸れた」話に影響を受けて私が私の物語を考え始めると、意地の悪い物語ばかり想像してしまうのは、私の悪い趣味だと思う。コミカライズ版の絡新婦の理の最終巻も読んだ。今日は随分と頭が掻き乱される夜だった。でも時々に頭を掻き乱さなくては創作の意欲も沸かないし。最近すっかり執筆は御無沙汰している。艦これはイベント掘りが出来なくて任務消化ばかりしてる。今日も給付金は振り込まれなかった。蒸し暑くてなかなか眠れない。かといって扇風機を直撃させるとお腹壊すし。目薬を差して寝る。


 2020年7月8日

 昨日はなかなか眠れなかった。バスのなかで子供が変な歌を歌う。それが段々呻き声になる。バスの柱に頭をぶつける。今日の私は眼帯マスクだ。蝶々が剥がれ落ちた。眼帯マスクが蒸れるし疲れる。職場の人達にどうしたどうしたと聞かれる。角膜潰瘍と診断は受けたけど、別に眼帯である必要はなくて、出勤用眼鏡がないから片眼コンタクトレンズの利便性を優先して眼帯をしてるとは説明しにくい。角膜炎と説明してたけど、どうも調べたら角膜潰瘍のほうが症状的には悪化してるらしい。眼帯をしてると、不意に、あれ、右眼を開けてるはずなのに右眼が開かない、という変な感覚に襲われて、ぱちくりぱちくりしてしまうことがある。実際は眼を開いていても眼帯で視界が塞がれているだけのことだ。右眼が「見えない」とはこういう感覚なのだな、と新鮮な気分になった。今日の線路沿いはざらざらした桃の皮のような空。桃色の空ではないのが味噌である。しかし我欲の強い夕空もあったものである。雲が赤紫色のなかに濃淡浮かび上がって輪郭が空中要塞のようだ。少しずつ右に流れていく。雲にも階層があり、低層の雲が、流れ、黒い。ざらざらした桃の皮のような空にも境目はあって、何故その境界より先まで染めることが出来ないのか、私には分からない。ただ段々と焼けて深まって何処までも遠い。赤い壁のアパートはこの世の終わりまで静かになることはないのだろうなと思う。部屋に帰ったら眠くて寝転ぶことしか出来ない。執筆も読書も、音楽を聴くことすらも怠くて、兎に角、横になっている。もう眼の充血もすっかり収まって、コンタクトレンズを嵌められない以外は日常生活に支障はなくなった。でも仕事用の眼鏡を手に入れるまでは、最低あと二日は眼帯を使おう。昼間のうちに新しい眼帯と目まわり専用洗浄綿を買った。これで眼が痒くなったときに安全に眼元を拭くことが出来る。艦これの遠征任務など消化しつつ、前回挙げた日記の細かい表現を修正して、次の日記の編集のためにメモ帳から6月21日までの分をコピーしたのだけど相変わらず文量がとんでもない。二千円課金して二十枠保有艦数を増やした。艦これの任務消化も落ち着いたし、遂にイベント掘りかE-4攻略に向かおうと思ったけど、今日は殊更に眠気が凄まじい。ジェムソンのロックを二杯煽ったせいで猛烈に加速した眠気に何度もスマホを落っことしそうになり、E-3掘りを二回やったところでふわふんっと眼が回るような幽体離脱が始まったので、今日は夜更かしを諦めて寝落ちてしまおう。右眼はともかく、左眼がちょっと痒いのが怖い。流石に両眼が遣られたら何も出来なくなってしまう。これは、何も出来ない世界。私は海辺の街だか酒屋だかでクイズをさせられているのだが、そもそも喋れないのだから何も出来ないのである。現実でないということは最初から分かっているのに、私には眼を覚ます術がないのだ。喋るどころか息が出来ない。幻惑に溺れながら呑気に私に出題を繰り返す誰かに必死に抵抗を試みるが、こちらは窒息しないだけで精一杯だ。私は知らないおじさんと軽く酒を飲み交わしたり、ホームセンターの別館に迷い込んだりと、時々知らない場所に馴染むこともあったけれど、大半が凶悪な金縛りだった。正直死ぬかと思った。これが一晩続いたら、いつぞや悪友が見た、何処まで行っても眼が覚めない悪夢になるのだろう。何かに縛り付けられて動けない怖さを思い知った。まだ寝床に落ち着いてから三十分程度しか経過していない。あんなに苦労して脱出してきたのに、夢のなかの辛辣な登場人物の顔すら思い出せない。息切れが一向に収まらない。折角強い眠気に身を委ねて爆睡してやろうと思ったのに、アルコール摂取と寝る前の栄養ドリンクの組み合わせが悪かったのだろうか。今夜は長い戦いにならなければいいのだけど。再び、何かに物理的に引っ張られるような、得たいの知れない無意識への吸い寄せが始まる。もやもやっと視界がブレて意識が揺らぐ。その揺らぎの向こうにきちんと飛び込めたら、私のこの孤独な戦いなど意味がなかったはずなのだけれど。私は二度この悪夢が続かないように、ちゃんと酔い醒ましの水を飲んでおこう。既に私の言語中枢は半分殺されている。焦点が合わない。知らないものが見えている。眼は開かない。喉が乾く。震える。何を書いてるのか自分でも分からなくなってきた。言葉が震える。言葉が震えている。言葉が振動して熱を持って離散する。水を飲む。水を飲んで私は震える。歯がカチカチする。胸が痛い。胸が気持ち悪い。神経が剥がれている。既に悪夢は始まっている。私の半分は夢の悪魔に奪われている。諸君、明日私が悪夢の回廊で窒息せずに無事に目覚めることが出来たら、また会おう。最後に、誰か、助けて。


 2020年07月09日

 緊急地震速報が朝からブルブルと震える。また傘を無くしてしまった。昨日は何処にも寄らず帰ったはずなのに、何処に傘を置いてきたのだろう? 寝起きから肩凝りが酷くて元気がない。眼帯マスク二日目。胸が凝って呼吸が薄い。筋肉が固まって、肺と心臓の身動きが取れなくなっている。最近は雨続きで景気も芳しくなく、夜になると職場は稀にみる暇さで、プロットすら書き飽きてしまった。マスクで蒸して息苦しいし、眼帯は内側の布がズレてきて何度も直さねばならない。世情が暗い時期にマスク眼帯で暇してると憂鬱な気分が沸いてくる。たとえ九州が大変なことになっていても、私はじっと眼を塞いで黙っている。もっと強く、塞がねばならないのだ。心身の気分転換が必要だけど、黴菌で眼を痛めてるので、迂闊に銭湯に行くわけにもいかない。電車で寝落ちたら血の気が引いてしまった。浜松町で人身事故が起きて登り電車が運転を見合わせている。電気を落とした回送電車が駅の手前で停車している。先頭の運転席すら真っ暗なのに、車内のディスプレイだけは尚も映像を流し続けているようだ。停まっている電車はいよいよ長くて、歩いても歩いてもなかなか端が見えなかった。私は眼帯を外して眼を瞑って帰った。外国人の一団が激しく口喧嘩をしている。公園沿いの閑静をぶち壊して段々と怒声が激しくなる。二人の警官が、呆れたように片言の取り巻き達と喋っている。完全に知らない言葉の口喧嘩だった。私達の街は知らない言葉で上書きされて、誰にもその正体は分からなくなるのだろう。コンビニの向かいの灰色のアパートでは、今日も知らない外国語が大声で喧嘩していて、こうも毎日騒がれては殆んど事故物件だから、もう近隣の部屋に借り手はいないだろうと思う。外国人達にも知らぬ土地で大喧嘩して夜を掻き乱す権利はある。だから私は一切関わるつもりもない。私はとっととその場を立ち去りながら、わざわざ言葉の通じない遥か異国にまで遣ってきて、どうして言葉の通じる身内同士で醜く喧嘩しなければならないのだろう、なんて悲しくなるのだった。足首に汗疹が出来た。痒くて仕方ない。久々に本職の批評家のアカウントを覗いて、万事をサボってないで勉強しなきゃといけないな、などと自省しつつ、でも、私達が世界の倫理について語るとき、自分自身はその世界の一部にあって如何に倫理を遵守しているのか? という根本的問題……コミットメントするために世界からデタッチメントしてしまう問題……がどうしても咀嚼出来なくて、勝手に気分が落ち込んでしまうのだ。流通を批判しつつ、その流通に依存し、社会を批判しつつ、己がその社会の一員であることの責任を取ることはしない。Twitterで他人を批判する人間を批判するために自分もTwitterを使って批判する。それが私達の振る舞いなのだ。それなりに聡明に振る舞っているはずの、間違いなく頭がいいはずの人物ですら、決して逃れられない人間の業の深さだ。文学が倫理について問い続ける限り、文学は己の定めた倫理によって束縛され、容赦なく叩きのめされる。では僕達は一体、何について学び、何について勉強しなければならないのか? 遠征任務を消化しつつ後段作戦開始前にE-1とE-3で掘りを敢行して、概ねレア艦も集まったしE-4攻略に向けて今日は資源やバケツの消費を抑えようと思ってたのに、最後の最後にE-1で三連続A勝利でケチがついて、終わりどころを見失ってしまった。急に左の奥歯が痛い。明日は後段作戦が始まる日で、高津カリノの新刊の発売日で、明後日には眼鏡買わなきゃならなくて、火曜日には美術館に行って、給付金は振り込まれなくて、御盆帰省は難しそうで、気分が滅入るほど雨ばかりで、文学フリマ大阪のための執筆は完全に滞っていて私は、何もかも、何もかも雨とマスクが悪いのだということにする。


 2020年07月10日

 酷く中途半端に寝落ちて、酷く中途半端に眼が覚めた。胃袋がモヤモヤする。眼も乾く。昨日の夜は風呂も入ってないし、目薬を忘れてしまった。私は微睡んでは覚醒して、微睡んでは覚醒してを繰り返して、ギリギリの時間まで意識朦朧としていた。合唱の大会なのだろうか、それとも公演なのだろうか。別のクラスの同級生達の一団が、私達の正面で屋外の壇上に並んでいて、とても元気になるポップソングを合唱している。この会場で彼等の合唱がしっかり聴こえるのは私達が座っている位置だけのようだ。観客の私達もつられて一緒に歌っている。夜に、神社、というより小さな祠を祖父と一緒に掃除している。私は祖父と何か話している。何の話をしたのだっけ。祠には香り紙のようなものが供えられていて、私は間違ってそれを齧ってしまう。ちょっと甘い味がした。私は私の直ぐに失われるであろう記憶を記録するために、手元にあったレトルト食品のパウチの裏に、その柔らかい凸凹を利用して文字を浮かび上がらせて日記を残した。でも普通に考えれば、こんな薄い凹凸は直ぐに消えてしまうじゃないか。過去に残した日記はまだ無事だろうか。急いで確認して、ちゃんと内容を保存しておかなくては。狭くて濡れた未整備の坂道を登っていくと学校がある。この学校はとある有名な文人と所縁があるらしくて、その文人の遺稿の一つを、とある文学に通じた少女が発見した。彼女自身の漢詩もまた一緒に残されている。子供が残したにしては自棄に難しい言葉である。その学校で事件が起きたらしい。失踪事件なのか、或いは、失踪していた誰かの死体が見付かったのか、今や私には定かではないが、その坂道の先に、私はまさに向かおうとしていた。けれど私の記憶はそこで行き詰まってしまった。どうやら私は追い払われたようだ。あと何だっけ。私の記憶は酷く錯綜していて、それを解きほぐすには今日は時間が足りない。体感温度は暑くないのに駅まで歩いたら汗がだらだらと溢れた。今日も眼帯マスク。蒸れて仕方がない。高津カリノの新刊の発売日なので、出勤のついでに秋葉原のアニメイトに寄ったら先週から平日は十二時営業開始になっていた。隣のとらのあなも同様だったから、このあたり一帯で空気を合わせているのだろう。下手に歩いたせいで汗が凄い。暑さよりも汗っぽさがつらい。どうにか時間を合わせて再びアニメイトに滑り込んで、無事に三冊購入して特典も貰う。今日は昨日の退屈の反動なのか職場が酷く忙しかった。帰宅後は高津カリノの新刊を読んでたのだけど、何故か上半身が不安定にふらついてしまって、座っていることすら出来なかった。貧血か脱水の可能性もあるけど、一番あり得るのは、丸一日マスクに眼帯着けて片眼生活してたのが、眼帯を外して眼鏡を掛けて両眼生活に突然戻ったものだから、それで三半規管が狂ってしまった可能性である。強ち間違ってなさそうなのが怖い。脚が冷えた、というか、例の下半身の慢性的な痺れや痙攣みたいなのも連動してしまって、折角の高津カリノの新刊を落ち着いて読んでられないのだ。寝転がったら寝転がったで厭な息苦しさが抜けない。何故か右脇腹まで痛くなってきた。高津カリノの新刊は普通に面白かったので、神経はわりと落ち着いてるのに、露骨に筋肉と関節と器官に不具合が生じているとのだから艦これを触ることも寝ることも出来ないというのは残酷な仕打ちである。両足首が壊れたようにブルブル震えてるのに一体何が出来るっていうんだ。今日も昼間と仕事終わり、目薬を二度も忘れてしまっていた。日記の頁を改める。



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