見出し画像

invisible holidays(2020.08.01~08.10)


 2020年8月1日

 同級生達と学校に泊まっている。グラウンドで二人か三人、サッカーのロングパスの練習をしている。朝になって煮物を作ってる同級生もいる。あの黒いのはきっと茄子の煮物だろう。私はゴミだらけの部屋を片付ける。適当にゴミ袋に放り込んでいくのだけど、ゴミでないものも混じってるから選定が厄介だ。私達は自分達が歌ってる合唱コンクールの録画映像を観た。思ったより上手く歌えてるじゃないかとみんな感心してたけど、男声が何処か乱れているような気がする。私も映っている。私は背が無駄に高いのに最前列にいて、相変わらず不健康に痩せている。いつの間にか、部屋の物干し竿の向こうに工事用の足場が作られていた。昨日の朝からガチャンガチャン五月蝿かったのはこれを作っていたらしい。スマホの充電器の調子が悪い。25%ぐらいまでしか溜まってない。刺し直してみたけど65%まで回復して時間切れ。八月を祝うように蝉が街を覆い始めた。肉付きの良い雲の塊が青空を蹂躙して日向はじりじりと暑い。余りにも遅過ぎた夏である。歩道に捨てられた、煙草の吸殻を詰め込んだポリ袋がずっと放置されたままだ。バス停の生垣に汚い灰色の蝸牛達が戻ってきた。貝殻から顔を出さない。この暑さでは、そのうちまた居なくなるだろう。今日は割合平凡な一日。職場用のiPhoneの操作性の悪さに衝撃を受けたり、久々に上司と仕事の打ち合わせが出来たり、他には特に何も起こらず、帰宅してからも適当にWikipediaを泳いでだらだらして、意を決して艦これのE-5を始めたらイベント海域恒例の、バグでも起こってるのかと不気味になるほどのmissの嵐。雷撃事故ならまだしも、前衛の昼砲撃が本当に全て外れる、ツ級の砲撃で重巡大破、重巡の昼連擊で駆逐艦すら殺せない、と編成を攻略wikiで確認する苦渋を舐めたにも拘わらず先に進めない地獄。Vに行けないのだVに。高速統一だとか潜水艦だとか駆逐艦三隻以下だとか、あちこちの情報に惑わされて攻略サイトを三つぐらい盥回しにされてしまった。最近ちょっと眼が痒い。眼に病名を貰ってしまった人間だから眼が痒いと怖い。数日ほど失くしてた目薬を発見する。機動部隊の高速統一の駆逐艦三隻以下、という狭い条件でやっとVマスを開いて次のボスマスを開放したのだけど、今度は基地航空隊が赤疲労で一向に出撃数を増やせないまま朝の五時になった。攻略サイトに従って通常艦隊で行こうとしたら地獄の大破撤退地獄。水上部隊で編成し直そうと思ったら第二艦隊を遠征に出してる。朝の六時になる。不貞腐れて寝る。


 2020年8月2日

 夜中に観るテレビがない。兄がテレビの番組表を弄っている。深夜帯にアニメの一挙放送をしているチャンネルもあったけど、面白そうなアニメではなさそうだ。兄はリモコンを操作して、日本各地の地理を案内するNHKの解説動画を発見した。折角なので地元福井県の動画を観ることになった。海辺に御寺がある。磯に降りる道には記念館のような四角い建物がある。ここは私がかつて訪れたことがある場所だ。貴重な魚が観察出来るという。私はもう一度この場所に寄ってみようと思うのだけど、艦これのMAPが表示され、見事に逸れた。編成を組み直したら、恐ろしく奇妙なルートを通ったけれど、無事に近くのマスに進んだ。雪風さんが夜に光る蝶が飛び交う空を見上げている。他の艦娘達も集まっている。編成によってムービーが変わるらしい。私が知っているこの磯辺は、そうだ、かつて私が夢のなかで訪れたことのある場所だった。友達の同僚が接触者になったという。検査次第では自分も関係者になってしまう、と友達が怯えている。友達が同僚さんと食事をしたのは私達が旅行に出掛けた後だから、少なくとも私は大丈夫そうだけど、新しく船仕事に就いた友達は実際に検査を体験したらしい。ここ二日はコロッと寝てコロッと起きれたのに、今日はすっかりと背中が痛くて首が曲がらない。友達がLINEで情報を共有してる間、私はE-5でやっと第一ボスマスに到達、S勝利はわりと簡単そうだし、やっと肩の荷が軽くなった気がする。スマホの容量がまたギリギリになってきた。データを移すついでに、一ヶ月か二ヶ月ぐらいずっと眠らせてたCDプレイヤーを復活させ、PAVEMENTの1stを聴いた。枕が歩いた。スマホが充電が利かない、異様に熱を持つ、電源が落ちるなど不安な要素が連発する。ウイスキーの摘まみに買ったチーザを齧りながらだらだらしていたら、もう午後六時になりそうだ。駅前のクリーニング屋さんにだけは今日のうちに行っておきたい。慣らすために新しい眼鏡を着ける。新しい眼鏡を着けると、頭の回転が確実に鈍くなるのを感じる。軽い吐き気にも似た胸苦しさがある。クリーニングを出して、北浦和のBOOKOFFで漫画を買い、コメダ珈琲店に寄ってナポリタン食べながら何を遣る気も起きず、Wi-Fiのタイムアウトのせいでボスマス直前で回線が切られたので長居はせず銭湯に行った。電車に乗る用事では大抵コンタクトを着けるから、裸眼でスーパー銭湯の浴場に行くのは随分と久し振りだ。視力が乏しいと聴力も仕事をサボる。日曜日の五月蝿い浴場も特に耳障りにならない。露天で月が見えた。月が、真ん中の本体を中心に、ぐるっと幾つも輪を描いて巨大な光の塊になっていた。まるで華のようだ。白く光る華。余り美しくはないけれど。帰り道、階段を降りるのは未だ危ないけれど、新しい眼鏡のお陰でスッキリと輝く月はとても良く見えた。部屋に帰ってひたすら艦これのE-5攻略。七月の体調不良で全くイベントを進められなかった焦りで、正しい編成を試行錯誤する楽しさを失ってるのは悪い兆候だ。でも戦力ゲージは無事に突破、そこからギミック解除、道中対策&ボスマス対策&輸送作戦対策も概ね形が決まってS勝利も可能な状態まで自力で持っていけたのは良かった。それにしても一発で有明さんを引くなんて。申し訳なくすらある。銭湯帰りなので眠気が半端ない。さて、何処で引き上げるべきか。スマホの充電器が完全に断線してしまったらしく、10%から一歩も動かなくなって何十分経っただろう? 非常用の充電器は長さが短いので、繋いでしまうとスマホが触れなくなってしまうのである。


 2020年8月3日

 河沿いの街を旅している。友達に教えてもらった廃道を登ってみたけれど、山道を登り損ねて、直ぐに普通の道に出てしまった。廃道は軽く枯草がアスファルトを割っていたぐらいで、なだらかな乾いた坂道を軽く登って、一気に降りてガソリンスタンドが二つ並ぶ場所に出る。かつて似たような山奥に朽ちた坂道を登ったことがある。それは多分、夢の記憶だ。地図を確認したら御寺が山側にあるらしいのだけど、もう暗くなってきて、山側に点在する屋根が青白く光始めていたから、河沿いの道を駅まで戻ることにした。大通りを渡る交差点は暗い。私は、私が場違いな服装をしていることに気が付く。でも気にせず進むことにする。大きな河川と並走するように用水路が流れている。用水路沿いには狭いコンクリート製の遊歩道がある。塗装がちょっと剥がれて湿っている。狭い通路なのに歩行者は途切れなくて、ふと、同級生が歩いているのに擦れ違った。なんだ、ここは高校の校区の一部になるのか。次々と何人かの同級生達と擦れ違って、私は自分が終業式をすっぽかしていたことを思い出した。同級生達は、そうだね、一日早く生きてるんだものね、と言った。私は以前も何かやらかしたようだ。私だけが逆行している。用水路は激しく波立っていて、遊歩道に容赦なく打ち付けて私達の足元を濡らした。遊歩道沿いには民家とコインランドリーがある。子猫に引っ掻かれる。子猫は用水路の際に腰を下ろした老人の背中に慌ただしくよじ登った。女の子が射的を遣っていた。布を銃に詰めて撃ち出すのだけど当たらない。別の男性が代わりに撃つ。やはり当たらなかった。これは旅の後半の記憶で、旅の前半、廃道を登る前の記憶がすっぱり消えてしまっているのが不審だ。そちらが私の旅の本番であったはずなのに……背中が痛い。また首を痛めてしまったような気がする。首が治ってたのもほんの数日か、やれやれ。いよいよ買い置きのマスクが切れそうだ。マスクと充電器を買わなきゃならない。駅で警察に声を掛けられた。私服だったので、最初はいつもの勧誘かと思って断ったら警察手帳を見せられた。このあたりで詐欺が起きているらしくて、その身形に合致していたかららしい。私は、私が特に悪いことをしていない自信があったから、質問に答えて荷物を見せたらわりと直ぐに通してもらえた。私は警察の御厄介になることは絶対にしていない。そういう、自信を持って生きている。そう、私がしている悪いことなんて、たまに誰もいない交差点を赤信号でこっそり渡ってしまうぐらいだ。職場で売っていた箱入りマスクが無くなっていた。別の場所に買いに行かなければ。首を痛めているので、仕事も後半になると息が詰まって頭が痛くなる。やっとE-5を攻略した。八月半ばでイベント終了というけど、難易度が高い最後の二海域をちゃんと攻略出来るか不安。予備のスマホの充電器ではコードが短過ぎて充電しながらスマホが触れないので、リャマサーレスの黄色い雨を60頁程読んだ。ここまで、傑作。独特の逆段落、冒頭の「だろう」を連発する奇妙な語り口、意識を躓かせるようなパッケージの切断、そして朽ち果てた世界の荒涼を、描写だけでは語り切れない、底知れない冷たい孤独を美しく捉える詩情。研ぎ澄まされた過敏、それを、冷たく包み込む息が詰まるような停滞。過敏と停滞が同時に起こり得る場所、時間の概念が崩壊し、未来と過去が等価になった、終わりなき悪夢のような世界。怖いのに平坦であり、美しいのに躍動しない、丁寧な風景描写は胡乱な幻覚に擦り変わり、村の歴史と風景は幽霊達の囁きのなかに消えていく。私が田舎を捨てて逃げてきた人間だから余計に感じるところもあるのだけど、この孤独、人間一人の孤独ではなく、失われた一つの村の、一つの歴史の、一つの世界の、一つの宇宙の孤独に立ち会わねばならない息苦しさは、一気に全部読むには苦痛過ぎる。スペインの作家ではあるけれど、この時間感覚の崩壊、それを可能にする文体、土着的な世界の終焉とそれに伴う幻想的な展開はラテンアメリカ文学の潮流を確かに感じるもので、しかしマジック・リアリズムを可能にする原始的な土地の強さ、歴史の強さというものを持たないスペインの打ち捨てられた寒村を舞台にすることで、一層と孤独だけが取り残されたような恐ろしさがある。うーん、感想を纏めるのが難しい。読んでるこちらも過敏と停滞とを同時に体験する息苦しさに弱ってしまうから。最早厳しい冬に閉ざされた孤独のなかでは世界は通時的には流れず、共時的にしか存在しない。世界とは広がりでありベクトルではない。シュニッツラーの夢奇譚が律儀な程に通時的であることに意固地を張りながら内的独白をぶちまけていた時代からここまで文学は表現を極めたのだ。翻訳も読み易いし、詩情溢れる比喩表現も世界に上手く溶け込んでいて意味は良く分からなくても私の孤独を真っ青な炎で冷たく焼いていくような淡々とした凄みがあっていい。E-5で掘りをする。大発に縛られなくて良くなるからと編成を組み直したら三連続ぐらい道中大破撤退する羽目に。結局休ませておくつもりだった阿武隈さん改ニを呼び戻した。サペシャルリザーブのロックを挟んだら眠気が猛烈になってきた。摘まみにはセブンイレブンのチーズサラミ&ソフトサラミ。


 2020年8月4日

 骨董品……というより、アウトレットの片付けを大勢で手伝っている。懐かしい先輩達の顔が見える。陶器の簡単な値段表も見せてもらったけど、写真の画質が粗くて全然区別が分からない。私は何を手伝えばいいか良く分からず、一先ず洗い終わった布団一式を運び出すのを手伝った。首に知らぬうちに掛けていたネックレスは1670円だった。私達は学校の遠足でここに来ていたらしくて、アウトレットに隣接したお土産屋さんで食べ物を漁っている。何処か観光地を歩いたような気がするのだけど……分身が使える女の子がいて、陶器売り場で何かを企んでいた。借家を借りて小さな旅行代理店を開いた女の子がテレビで特集されている。女の子は長くて縮れた髪の毛を垂らして陰気な眼鏡を掛けている。彼女の背後ではレトロゲームの画面が流れている。私が観たこともないようなゲームだった。忙し過ぎてもしんどいけれど、適度な忙しさは心身が適度に動くので体調が安定する。月替わり、梅雨明け、夏休みなど色々重なって八月の頭は随分と職場が慌ただしかった。それにしても何故私の職場には毎日必ずのように不審者が居座るのだろう。今日は常連の不審者が二人揃ってしまった。職場近くのFamilyMartでフラッペを買った。接客が底辺なので出来るだけ避けてるのだけど、フラッペの季節だけは仕方がない。フラッペを啜りながら電車に乗って、飲み終わったフラッペの空きコップをどうすればいいか悩むところまでの毎年の流れを思い出した。充電が溜まるまで近所の西友に行く。新しい眼鏡は遠くを観るのが得意なので、月が自棄に透き通って観える。甘いものを部屋に置いておきたいのに、甘いものは大抵夏の暑さで溶けてしまう。厄介な季節。凍った桃を食べきった。溶けたところから齧った。桃は凍らせるに限る。E-5掘りは丙難度でリスクの高さに比べてドロップが悪過ぎてモチベーションが上がらない。道中大破が多過ぎる。スマホの充電が切れると、コードが短い予備の充電器に繋がねばならず、あり得ないほど変な体勢でスマホ触ってたらあばらが痛くなってきた。艦これではないけれど、とある面倒な作業がごっそり徒労と化したので夜中にしっかり凹んでしまった。これだから確率は嫌いなんだ。私達の努力を返せ。パイの実を買ったはずがコアラのマーチだった。まぁ、いいけど。


 2020年8月5日

 無駄に広くて伽藍とした同級生の部屋に泊まって酷く退屈な時間を過ごした。建物の何処かに隠れた誰かを探して隠し扉からあらゆる場所を探した。彫刻の類いを並べた屋外展示場で岩製のゲートを破壊しなければならなくてみんなで首を捻った……破壊用の楔が最初から挟まれていることが後から判明した……私は人望はあるけれど傍から見ると酷く胡散臭いリーダーのもとを離れた。ご飯にしようと通りを彷徨くのだけど、街角の焼き肉屋さんは4000円とか一万円とか金額の桁が違ってて到底立ち寄れない。入口の場所が分かりにくい蕎麦屋さんに寄って、ガリがどうこうというお品書きがあったので頼んだら、小さい白いお椀にはいった味のしないお茶漬けのような物を出されてがっかりしたりした。私は終始同級生達を信用しなかった。寝床を整えずに寝落ちたものだから、例の如く首を痛めてまともに回らない。とある新古書店で働いている。早速、汚ならしいリュックサックに、本以外のガラクタも一緒に詰め込んで持ってこられた。私はうんざりしながらのろのろ本を取り出した。呼んでも来ない。私は嫌になって帰ってしまう。私は、やたら設定金額が高いうえに延長料金もある傘立てに傘を忘れたことを思い出して、面倒になってそのまま放置することに決めた。お金を下ろすために駅前まで歩いた。日向が暑い。夕方ではまだ断然暑い。少しでも日陰の多いルートを歩こうとするけど限度がある。充電器を探して駅前のTSUTAYAに寄ったら、中古CDのコーナーに解説入りの輸入盤中古落ちが格安で並んでいて、今日はスマホも充電器に差したまま出てきたので調べることも出来ず、直感でバシバシ十数枚、2500円ぐらい買ってしまった。駅前のすき家に寄る。ホームセンターでは五十枚入りのマスクと、充電器と、テーブルの物置面積を増やすために一段裏板なしのカラーボックスを二つ買った。二台稼働してるレジが両方止まっている。片方は商品の交換に手間取っているらしく、もう一方に到っては二人掛かりでレジ画面を睨みながら完全にフリーズしてしまっている。普通ならフォローを呼んで三台目を開けるのが順当だろうに、店員さんが何度か放送を入れても誰も来ない。私の後ろに行列が並ぶ。これは宜しくない。前の客の交換対応がやっと終わり、私の番が来て、重たい荷物があるので取っ手貰えますかと尋ねたら、店員さんはまた放送を鳴らし始めた。取っ手とビニール紐がサッカー台にあったので自分で全部遣ってしまった。結局応援は来なかった。これは宜しくない。同じ接客業の人間として、これは宜しくないと思う。カラーボックスは重たかった。近所のパチンコ屋が知らぬ間に潰れて更地になっていた。立地が悪いのか、以前から駐車場はガラガラだったし、雰囲気古びていたしこの時節だからいつ潰れてもおかしくはなかったのだけど、突然見慣れた景色が更地になって知らない景色が透かしているのを発見するのはいつだって不気味だ。一方で近所の元砂利敷駐車場はあっという間に建物の骨組みが出来上がってしまった。この変わり映えのしない街の御近所ですら変わり始めればあっという間なのに、私は相変わらずずっと同じままだ。E-5の掘りがしょっぱいのでE-6に進んだ。ボスの編成がえぐい。ギミックでもないかと機動部隊で右上の空いたマスを踏んでみようとするものの、幾ら編成を変えても辿り着けない。まぁこの手の無駄は想定の範囲内、攻略wikiでボスへの最短編成を調べ、対陸上型用に三式弾積みまくって攻めたらわりといい勝負が出来た。あとは回数こなしてゲージ削るのみ、からの、三連続道中撤退で出鼻を挫かれてしまう。大体ツ級が悪い。ツ級が悪いし、敵まで警戒陣を張って攻撃が当たらない、夜戦で警戒陣敷いても当てられる、それならまだしも何故か庇われるはずの位置にいる霰さんが滅多打ちになって撤退するのは解せぬ。いよいよ部屋が本気で蒸し暑くなってきた。寒さや雨で腹を壊したり頭を痛めたりするより数段マシとはいえ、蒸し暑さは蒸し暑さで気力を奪われて健康に悪い。でも梅雨明けから確実に復調しているのだからこのまま頑張っていこう。創作はもう一旦気にしないことにする。今回は艦これを優先。そしてE-6が全く先に進まない。ボスマス到達率が低過ぎてお話にならない。半分どころか三分の一以下。仕事をしない警戒陣はまだしも、散々外しまくった挙げ句にツ級昼砲撃で大破撤退とかどういうことだ。休日一日使って第一ゲージすら半分削れないという悲惨な状況。回数を稼ごうにも基地航空隊が先に疲労マークになって結局止まる。戦力的には充分なはずなのに悪い確率を引き続ける苦痛。一番回避が高くて一番運も高いはずの雪風さんが毎回大破させられてるのは何故? ストレスで頭が痛くなってきた。轟沈システムのせいで片手間で遣れないのがつらい。遂にはボスマス直前で間違って撤退、とかいう集中力の低下をみたので、ふてた。漫画読んで、飲み物を買いに外出した。いよいよ部屋の暑さでへばってきた。扇風機、二台目を出さなきゃならないかもしれない。今日はもう艦これを諦める。風呂上がり、なかなか眠れない。頭が重い。五時間睡眠確定。


 2020年8月6日

 特に大したことは起こらない日だった。駅の洗面台が三つ埋まっていた。一人はコンタクトレンズを着けようとしている。二人は神経質に徹底的に手を洗い続けている。完全に病気の人間の執拗さである。洗面台の後ろに行列が出来ても、三人は一向に動かない。そんなに潔癖性なら、駅のトイレなんて不潔な場所に寄らなければいいのだ。部屋のなかで虫を殺した。いや本当に殺せたのだろうか? E-6の第一ゲージを無事に破壊。前衛に三式弾載せた足柄さんを置いたのが決定打になった。恐るべき三式弾、分厚い陸上型が物凄い勢いで削れていくのはわりと面白い。もうここから先は時間もないし攻略wikiに頼ろう、ということで次のギミック解除に進んだのだけど、いまいち元気が出ない。昨日の寝不足と肩凝りが一気に落ちてきた感じ。一先ずウイスキーでも煽ろうとジェムソンを氷に注ぐのだけど、今日は部屋に摘まみがない。私はウイスキーを「好んで」呑んでるけど「好き」で呑んでるわけではないから、摘まみがないとロックの一杯が結構厳しいのだ。仕方ないから備蓄にしていた安物のカップラーメンを夜食にした。迂闊にチョコを部屋に置いておけない時期だし、この季節でも備蓄が効いて、安くて、量があって、ウイスキーに適切な摘まみ……何かないだろうか。最近は日記でほ省略してるけど、毎日ロック一杯程度は舐めている。ただ味を文字で評定する余裕を失っているのが寂しい。梅雨の時期は頭と腹を壊し、梅雨が過ぎれば単に部屋が蒸し暑くて怠い。寒さに死に掛けるよりはマシでも何も手に付かないのは同じなので、私に逃げ場などないのだ。


 2020年8月7日

 昨日の夜、寝ながら動画観てたら首を痛めて枕が噛み合わなくなって、四時間ほどしか眠れなかった。朝は存外平気だったけど偏頭痛が怖い。午前中は頭の四分の一が動かなくて、昼間に十分程寝てから栄養ドリンク飲んで即刻売場に出たら意識がめきっと剥がれそうになった。今日は後輩の尻拭い。やれやれ。帰省のために取っておいた連休に入るので、仕事を残さないように慌てて片付けたから汗が出る。肩を回したら筋が痛んだ。首周りの筋肉が傷だらけ。精神を落ち着けるために再びWikipediaの世界遺産一覧をあ行から読み始めたのだけど、アウシュビッツ収容所を読んでしまって私は白い顔をした。帰りに秋葉原の成城石井でスティックタイプのパイナップルのドライフルーツと輸入物のチョコを買った。夜が暑い。夜が相当に暑い。暑過ぎて帰りまでバスを使ってしまった。珍しく部屋のなかのほうが涼しいぐらいだ。昨日の寝不足が祟って何も遣る気が起きなくて、だらだらとレバノンの爆発をTwitterで検索して、無関係の事件に繋げたり陰謀論振り回したりする頭の可笑しい呟きばかりが出て来て気分を害してしまった。私は、この世界は単純な偶然に揺さぶられてわりと簡単に動いていて、複雑なのは世界を観察する人間達の捻ねくれた根性だけなのだと思うようになってきた。だから私は捻ねくれた人間達の根性を圧し殺して、この世界の簡単さについて小説を書かねばならないと思う。しかしそれにしても何事も遣る気が起きない。ウイスキーはオールドパー12年のロックを舐める。安定の煙たさが氷が溶けるにしたがって呑みやすく単純になっていく、安心感。艦これのE-6を進める。攻略wikiにがっつり頼ったお陰で無難に短縮ギミックを外せたし、第二ゲージボスも丙難度の敵編成なので充分張り合える。友軍も来るのでS勝利も可能。半分削れたところで一旦休憩してツインアルプスのロックを舐める。ジャパニーズにしてはピートが利いてるのか。軽く調べた限りでは評判は普通。個人的には、 ピートは利いているけれどそれ故に他のスコッチと差別化が難しく、あと氷が溶けてきてからの苦味がちょっと雑な印象がある。中途半端なのかなぁ。奥行きというか、舐めて味わうときに何かが足りない気はする。とはいえ私の馬鹿舌には特に問題なく呑めるウイスキー。酔いがこめかみに回る。


 2020年8月8日

 随分と遠くまで……多分九州ぐらいまでやって来た。例の如く私は自動車の後部座席で眠っている。駅で降りて電車に乗るか、このまま自動車で行ってしまうか話し合っている。景色に変わり映えはないけれど、私は薄ら眼を開けて楽しい気分になっている。旅先での出来事は、忘れてしまった。特に何処にも行き着かなかったのかもしれない。私はやはり自動車の後部座席に座っている。これはもっと、実家の近所の景色だ。運転しているのは兄。詰まらない街を行ったり来たりしている。何処を行ったり来たりしてたのか記憶が定かではない。幼児用品店は、フロアの棚がスカスカの代わりに、通路に所狭しと商品が積んである。錆びて蔦の張った工作機械や旧型の自動車などが並んだ更地がある。明らかに時代に取り残されていて、きっと持ち主の会社は潰れて放置されているのだろう、と思ったらその更地から一台四角くて赤錆びた自動車がにゅっと私達の進路に飛び出してきた。昨日下手にウイスキー呑んで寝落ちたこともあって壮絶に首が痛い。首が痛くて不眠症なんて最悪じゃないか。汚部屋の隅で炭酸が倒れて段ボールが紫色に染まったり、黒い影が走ったので水攻めしたら三匹重なった亀だったり、貸しロッカー に預けてた荷物を取りに夜中にBOOKOFFに行ったり、カップルが夜道で離れ離れになって青年が海辺の民家に保護されたりした。他にも色々あったと思うけど、特に覚えていない。再び下手に寝落ちたら完全に頭痛だ。偏頭痛か緊張性頭痛か、貧血か脱水か微妙なところだけど、今日一日は何も出来ずに終わりそう。意味もなく意味のないネットサーフィンが更に頭痛を悪化させる。頭痛に悩まされつつ、艦これのE-6を進める。ラストダンスまで無難に来れた。ラストダンスでは敵が一気に硬くなるけれど、それでも試しに装甲破壊せずに攻めたら残り100まで削れた。装甲破壊ギミックのために通るルートで潜水艦が鬼のように強くなってて面倒なので、このまま行っちゃおうかな、とも考えてしまうけれど、より確実な勝利のためにギミック解除を目指すことにした。そして沼に落ちた。Vマスは何とか陥落出来たけど問題はXマス。機動部隊だと第二艦隊が雷撃事故を起こしやすいうえに、Xマスのための対地装備を積むと道中の火力が足りなくなる。何度試しても進まないので水上部隊に潜水艦を入れる編成を試す。こちらは何度か編成を組み直して……高速化なんて初めてやった……ルートを導き出したはいいのだけど、夜戦マスで連続大破撤退。警戒陣が仕事をしなさ過ぎる。頭痛が深刻になってきた。具体的には吐き気がしてきた。耐えきれなくて外に出たら涼しくて夜風が気持ちいい。セブンイレブンで本日最初の食事を買う。どうやら頭痛の原因は室内温度が高過ぎたからみたいで、蚊が怖いけれど窓を開けて網戸を閉めたら部一気に過ごしやすくなって頭痛も軽くなった。でもラストダンスが終わらない。今日だけで夜戦マスで十回は大破撤退している。ボスも三連続であと100が削り切れなくて、こんなもの、戦艦の昼連擊か夜戦カットインが一発入れば終わるはずなのに、完全に運の神様に笑われている。問題は夜戦装備で、夜戦マスで探照灯が光ってしまって狙い撃ち大破の流れはどうにかならないのだろうか。しかし夜戦装備がなければ夜戦カットインでボスに最後のトドメをさせる確率が……午前三時。明日は出掛けようと思ってたのに完全に沼だ。余りにも上手く行かないので神経が爛れてきた。人間こうやって神経を壊していくのだなと思う。煮詰まってきたので深夜の散歩に出掛けた。BIG Aすらこの時間は閉まっている。そのまま駅前まで歩いてドラッグストアで夜中のお菓子を買った。新しい眼鏡は夜を良く見通す。それは、私にとって、夜の恐ろしさを見通すことである。首のもげたピエロの一匹二匹が血塗れで路地から飛び出してきても可笑しくない埼玉の夜道を冷や冷やしながら帰る。見え過ぎても駄目だ。マンションの一室だけカーテンが淡く点っている。この時間から香ばしい仕込みを始めているパン屋、曇った月、サンダルの足音。午前五時、やっっっっっっっっっっっっっとE-6攻略に成功。友軍がいい仕事をしてくれた。いつも仕事をサボってる支援艦隊すら仕事をしてくれた。夜戦カットインさえ決まれば倒せる戦いだったのだ。ヘレナさんはA勝利重ねてるうちにぼろりと落ちたし、サウスダコタさんも獲得したので、新規実装組をもう七体も確保していることになる。迅鯨さんと屋代さんはドロップポイントがからいので無理はしない。というか、丙難度攻略だけであっぷあっぷなのに、攻略wikiの掲示板とか見てると100周越えとか訳分からない報告が出てたりするから……兎も角、いよいよ後はE-7攻略だけだ。でも七月の頭には最大十万まで備蓄していたはずの燃料がもう三万を切った。ラストダンスが始まった八日の午後八時の段階ではまだ四万残っていたから、あとたった残りHP100を削り取るために九時間の徹夜と一万の燃料を消費したわけだ。なんて恐ろしいゲーム。午前六時、やっと寝床に落ち着く。山崎のロック。ツインアルプスあたりと比べてしまうと、風味が優しいのにどっしり詰まっていて、氷が溶けてきても苦味に余裕があって余韻も残る。やっぱり山崎は美味しい。


 2020年8月9日

 絶対に趣味の合わない軽薄な若者達と行動を共にしなければならなくなった。謎解きらしきものを一緒に解いている。私はその軽薄な振る舞いに嫌な顔をしながら、偉そうに何か語っている。そして長い長い階段を降りていく。今日はもう外出は諦めて、艦これは一旦備蓄を増やすために遠征中心に回して、廊下に放置してたカラーボックスを作ることにした。一段ボックスなのでこの狭い部屋でも何とかなる。一つはテーブルの上に置いてウイスキーの瓶を詰め込み、一つはCDプレーヤーの台にして、最近また無駄に増え始めたCDを詰め込む。しかし、するとCDプレーヤーの台にしていた踏み台とその懐に積んでいた文庫本の行き場がなくなる。爆発事故に続いては人気少年漫画の原作者が逮捕。Twitterで情報を漁ってみても、どうしても個人的な感情論ばかりが先に立ち、私は溜め息を吐いて、埼玉の気温が35℃とかあるのを確認して布団でだれている。更に三時間ほど寝落ちてもう夜の九時だ。昨日よりも何もしていないけど、まぁ、昨日と違って頭痛にも襲われてないし、体力の回復と考えよう。今日は夜がむっと暑くて、これでは幽霊の一つも街を歩くまい……最近財布の管理が下手くそで、休日にいつも財布のなかが空になって、部屋に備蓄もなく、相変わらず夜まで寝てるのでATMに間に合わないという失敗を繰り返している。いつもの私はどうやって財布の中身をキープしていたのだっけ。ATM手数料は屈辱だ。夜蝉が凄い。夜虫や蛙が余り鳴かないから、夜蝉が一番猛烈に夜を叩く。すき家で食べていたらサニーデイ・サービスの新曲が流れていた。やっぱり、ボーカルの湿り気が枯れてしまってるなぁ、The Beach Boysの原曲が流れたり、Light My Fireのイージーリスニングアレンジが流れたり、すき家は時々面白いものが鳴る。狂った悲鳴が聞こえる。レジで言葉の通じない同士が狂った会話をしている。この街ではいつものことだ。備蓄の必要性を感じてスーパーで即席麺なんかを買い込むのだけど、薄着で出たから冷気が寒くてお腹を壊しそうになった。今日は夜が暑い。暑いけれど、風が微かに流れると、ちょっと涼しいような気もする。下手に安物のサンダルで歩いたから左足の人差し指に豆が出来てしまった。部屋のなかは暑い。夜更かしが無駄に長引く。衝動に負けてTwitterをたまに観察すると、私達は社会に提言を続けていて、しかし、社会に提言出来る程に私達は大層な人間なのか? という悩みが無限に沸いてくるから神経が疲れてしまう。大層なことを語れる言葉遣いなんてしてなくて、自由を謳うプライベートの壁に隠れながらオフィシャルに影響を及ぼそうなんて都合のいい話なのだ。私達は如何にして、他者ではなく私達自身をオフィシャルな倫理によって統制することが出来るのだろう? しかしそれは束縛だろうか? しかしプライベートな自由を掲げる私達は、他者に向かっては平気でオフィシャルの束縛を……しかも自分達はそこからデタッチメントしたうえで……要求してやいないか? それは誠実でないのではないか? などと無駄な思考を巡らす程度には暑さにだらけている。スペシャル・リザーブのロック。この世の下劣を垣間見てしまったので何も考えずとっとと寝よう。


 2020年8月10日

 首を痛めてるのはいつものこととして、昨日は上手く寝付けず、四時間程しか眠れなかった。比較的頭は動いているけれど細かい思考が危うい。今日も後輩の尻拭いばかりしている。九回2アウトでサヨナラ負けして投手が泣き崩れている。然程自分に厄介が降り掛からなくても、隣の同僚さんが厄介を次々と引き受けるので、それはそれで気が休まらない。流水麺で簡単に蕎麦食べて白州のロックにスモークタン、もう眠くなってきた。枕、歩く。言葉は難しい。眠気を押してInstagramに写真を挙げてUSBに逃がす作業をやる。上中里周辺だけで一日に450枚以上も写真を撮りまくる人間なんて、私ぐらいじゃなかろうか。容量ギリギリで、こんな暑さで何十枚もInstagramに連投したものだからスマホが熱い熱い。重くてまともに動かなくなる。暑いと身体中が汗疹で痒くなっていけない。夜食にカップラーメンがある安心感。寝る前に頭の運動をしよう、とPAVEMENTの感想を書き始めたら丸々二時間以上の夜更かし。また五時間睡眠とかになりそうなのだけど、こうも睡眠障害な毎日を送ってたらそろそろ仕事中にぶっ倒れるんじゃなかろうか? 言葉が煮凝りになるまで起きていても意味がないのだ。言葉が壊れそうになったら、逃げなければ。日記の頁を改める。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?