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invisible holidays(2020.06.11~06.20)


 2020年6月11日

 悉く忘れてしまった。跡形もなく。随分と込み入った話だったはずなのに。私は勿体無いと思う。別に、減るものではないのだけど、せめて文字として残るものであればいいのにと思う。暑い。そして風が強い。夕立。生温い雨が降る。生温い空気。今日は傘持ってない。Instagramの作業をちょっと進める。また2019年と2020年を間違えて、全部修正する。首を痛めた。首を鳴らす癖を治さないといけない。雨で職場は暇だったので、合間を縫って新しいプロットを書き留めていた。会津と国府津の話。思ったよりもぐいぐいボールペンが進んだ。帰り際に雨が直撃しなくて良かった。優先座席に荷物を置いて、三席丸ごと独占してる薄汚いおじさんがいた。ここまで大胆だと憤る気にもなれなかった。部屋は最悪に蒸し暑い。不意に思い立って、文庫本の積山を引っくり返して、ディクスン・カーの皇帝のかぎ煙草入れを夜通しで読んだ。クリスティのようなストーリー・テリングの妙技に欠ける古典ミステリで、慣れない私なので結構読むのに苦労したけれど……社交界リアリズムとも言うべき描写のしつこさ、構成が単線的過ぎるストーリー・テリング、視点人物の移り変わりの激しさ……結果的に真相の部分にはあッとさせられたから良しとしよう。互いに疑心暗鬼に陥っていく泥沼のサスペンスでありながら、最後まで読者である私から核心の部分を隠し通した「トリック」には、私も一先ず脱帽しておく。変則的な叙述トリックにすら片足を突っ込んでるのが面白い。心理学とかほぼ関係なかったけどね。あと、最後のメロドラマとか要らなかったけどね。エンタメ小説としては古臭くて不満だったけど、ミステリには綺麗に騙されたので、ちゃんと楽しめたことは認める。冷蔵庫の氷が切れた。水道水を冷やすのにも使ってたから……痛めた首が曲がらない。市販の湿布では効果が薄い。整形外科に行ってもう一度診察して貰ったほうがいいのかな。艦これの演習だけ済まして寝る。


 2020年6月12日

 屋上からスロープが降りている。スロープは向かいの建物の地下に繋がっている。これを自転車で登ったり降りたりしている。夜の屋上には若い人達が集まっている。覚えているのはその場所だけだ。私はもっと厄介な記憶を得ていたはずなのだけど。私は何処から降りてきたのだろう、私は、何処に降りていったのだろう? 遥か階段の地下、滑るように転げ落ちて、暗くてオブジェのある部屋で私はゾッとする……いや、これはイマジネーションだ。経験じゃない。クリーニングに寄るために久々に駅前まで歩いたのだけど暑い! 汗がだらだら出る。電車や職場に汗臭さを持ち込みたくないのに。今日は雨の予報になっていたはずなのに、昼間の埼玉は日が照っていて日陰もないから暑さから逃げ場がない。道中に100円自販機があったから誘惑に負けて炭酸を買って、案の定胃を痛めた。三ツ矢サイダーはいけない。直ぐに胃を痛める。夜から雨が降った。気圧が下がると気分が落ち込むし、面倒も続くし行き詰まって鬱々しいこと考えてたら、昼休みに手提げに結び付けていた鈴を踏んづけて紐を切ってしまったのを思い出した。縁起が悪ければ鈴を踏んだせいだし、縁起が元に戻れば、鈴が身代わりになってくれたと思えばいい。己の不幸の身代わりを想定することで気分を軽くする手法は余り上品ではないけれど、今日の鬱々を紛らわす気分転換にはいい。ラジオの話題で福山雅治という名前が出てこない。頭が動いていない。傘もない。ピーター・アイヴァース、珍しい片仮名が聞こえたので咄嗟に店内のラジオに耳を澄ましたけど、流れてきたのは日本語の歌詞だった。多分楽曲のタイトルがピーター・アイヴァースなのだ。ドレスコーズ。ありがちなドリーム・ポップかなぁ。嫌いな人間の話が始まったのでイヤホンに逃げた。駅のホームに漂う暖かい雨は臭いがきつい。黴たような、苦さ。或いは、金属のような、甘さ。電車に乗り込めば湿気が冷たく凍り付いて肌にすうっとする。今日は軽くふらつく。全く、血の気が足りないのか、血の気が多いのか、私にも良く分からぬ。日を跨いだあたりで大雨が響いた。皇帝のかぎ煙草入れの感想を書いた。600字あればわりと「感想」にはなる。これ以上を批評すると泥沼に陥るのが常だし、この程度の分量が丁度いいのだろう。新しい氷を買ったのでまたロックが飲める。水道水は幾ら冷やしても水分が足りない気がする。


 2020年6月13日

 転校生にこの街のことを教えるため、みんなで押しボタン式の案内板がある場所に行ったらゴジラが現れた。ビルが建ち並ぶ街中で、極めて危険な距離をゴジラの巨体が歩き回って地鳴りが響く。私は怖くなって一度飛び出したけれど、逃げるよりも建物のしたで隠れているべきだ、という大人達の判断により私達はその場に留まった。何故か私達はゴジラの子供を保護していた。ゴジラは一旦地面を派手に揺らしながらビルの合間を走り去っていって私達は安堵した。けれどゴジラの子供が突然道路に飛び出てしまった。遂に子供の場所を知ったゴジラは私達のいる建物にその巨大な顔を突っ込んだ。ガラスや壁がぶっ飛んだ。恐ろしい体験だ。とんでもない恐怖だ。私達が生き延びたのは殆んど奇跡だった。最初はゴジラではなかった。同じぐらい巨大な怪獣かいたのは確かだ。駐車場を背中に乗っけたような怪獣。その正体を探るものもいれば、普段通りに過ごすものもいた。親戚達からメッセージカードのようなものを渡されたような気もする。警察は収支を誤魔化していたような気もする。何処かの街の屋根景色。最初にあった冒険の詳細は忘れた。ただ私が覚えているのは、垣間見えたゴジラの脚、一階のフロアに突っ込んできたゴジラの顔……そういう物理的な恐怖ばかり。何かの大会が開かれている。中学生の頃の懐かしい先輩達もちらほらユニフォームを着て参加している。各チームは山中の大きく弧を描いた坂道を登っていく。いつの間にか、テレビゲーム大会になっていた。マリオのようなキャラを動かして謎解き要素のある各コースを攻略していくのだけど、失敗時のコンティニューに、始めに戻る、という残酷なボタンがあって、参加者がやたらそれを間違えて押しては最初に戻されている。参加者はかなり疲弊していて、私も飽きて飛び飛びにしか鑑賞していない。バラエティー番組が流れている。何かのランキングに沿って芸能人が登壇する。とある二人組のユニットは、前回からランクがかなり落ちて80番台になっていたのに不満なようだ。その一つうえのランクにいる冴えない青年が何者か私は知らない。まだ謎解きが続いている。私は同級生から雲のように切られた紙ぺらを渡されて、みんなに見せる。ただ紙ぺらに書かれた記号からだけでは何も分からない。同級生が私に近付いてきて、実は紙ぺらの反対側に問題文が載っているのを見せる。どうもみんなに内緒で一緒に考えようと提案しているらしいのだけど、私はこの手の謎解きがとにかく苦手なので、問題文すら読まずに逃げてしまった。銭湯の引き戸がしっかり閉まらない。脱衣所から覗くとなかは結構混み入っている。どうも有名人もいるらしい。私が何故この脱衣所にいるか、私は知らない。スマホの行方を見失って、私は朝から一人バタバタする。耳を澄ませば雨音だ。実家の廊下のゴミを纏めてゴミ袋に詰めていたら、玄関先で父親が何者かに顔に噛みつかれた。父親は木枠で作った担架に乗せられて救急車に担ぎ込まれていた。一緒に知らない青年も木枠の担架に乗せられていた。家族がそわそわしている。警察が来て、手作りプリントで犯人について説明する。街の精米店の息子で、系列の精米店が私達の村にも何処かにあって、彼は最近悪い連中ともつるんでいたようだ。父親の怪我の具合は分からない。酷く血が出ていたし、重症でないことだけを祈る。私は胡散臭い細い顔をした歯科医の診察を受けている。なんせ宗教の臭いが満載の謎のスライドなんて見せられるのだ。スライドは途中から適当に寝て遣り過ごした。診察料は家族が払ってくれたみたいなのでお釣りだけ貰った。大きな校舎で文化祭が行われている。先を歩いていた家族に追い付いた。私は自分の靴を何処かに放置してきたのに気付いた。新しく買えばいいと親戚のおばさんが言ったけれど、私はまた家族を先に行かせて歯科医の部屋に戻った。忘れ物の靴はあるにはあったけれど私のものじゃない。一つ奥の部屋が私達のクラスの出店だった。どうも私はみんなと仲が悪いらしくて険悪な空気のまま出てくる。私は一階に降りてみる。高校の同級生達が集まっている。何か四角いものを投げて打ち返す、というおふざけを、どうも動画に撮ってネット配信しようとしているようだ。彼等の背後にある出口の一つを探すと壊れたスパイクがあった。私は古くて底の抜けた体操靴を履いていた。ふと、私の連れ合いの一人だった褐色の女性が後ろから現れて、これは君の、と尋ねてくる。そうだ、確かにこのスパイクに貼られた丸いシールの跡は、私がかつて使っていたスパイクだ。でもスパイクじゃ文化祭は回れないし、裏の突起は完全にすり減ってしまっている。同級生の一人が、このスパイクはもう使えない、という少し話題のズレたことを彼女に熱心に説明し始めた。雨が降ると元気が削がれて何も出来ない。内閣総辞職ビームとか検索して無駄に時間を浪費していたのだけど、せめて読書でもしようとワインズバーグ、オハイオを引っ張り出して、最初の二編を読んで唸らされた。真理といびつ。覚えておこう。急に元気が沸いてきたので、小雨なら濡れても直ぐにお風呂に入ればいいや、と短絡してランニングに出掛けた。でも小雨が肌寒くて走り出すのが億劫だったから実質ウォーキングだ。この街は基本的に平坦だけれど、その平坦さを遮っているものがある。線路、高速道路の高架、そして私のアパートの裏手にある小山だ。この小山には御寺と神社と学校がある。殆んど丘のような小山だけれど、道路を敷くわけには行かない以上、あらゆる道はこの山を避けねばならない。すると私の徒歩圏内からこの山の向こうの死角の部分が見えなくなる。そこで今日は、丁度県道と通勤ルートとの間に存在するこの死角の部分を散策することにした。黄色い壁の酒屋さんを発見する。立ち寄ってみたら、これがまたウイスキーの品揃えが充実してるのである。倉庫のような佇まいで個人経営の酒屋さんより入りやすいし、何より近所でこの品揃えは驚いた。今後は積極的に利用しよう。何処かで見掛けたような学校と御寺があって、もしや、と思ったら、案の定たまに通るかなり遠回りの帰宅ルートと交差点で合流した。御寺は幼稚園を併設している。百合の花。雨を弾いて、硬く、斑を散らした白と赤の百合の花。さっきの酒屋さんを、私はこれまでに何度も建物の隙間から目撃していることに気が付いた。目撃して、気に掛けて、でも寄る理由がなくて意識から放り出していたのだ。人間の認識は観る角度でこうも変わる。引き返すにはまだちょっと物足りない。私はそのまま交差点を直進することにした。バッティング・センターがあった。これも驚いた。遠くにはボーリング場の看板も見える。幹線道路ではないけれど車通りも多いし、飲食店もちらほらある。何となく、地方都市の、あの平和な沈黙が流れているように思う。百合、今度は柿色の百合。私にとって百合といえば、課外授業で地元の裏山を登ったときに道端で小さく光っているものだった。ここで出会った百合は厳つくて、硬い。そして紫陽花が雨を浴びて鮮やかである。ちょっと感傷的になりながら歩いていくと、淀んで張り詰めた大きな用水路があって、その交差点から俄かに住宅街の空気が駅前通りの空気に接続される。その空気に誘われて右折した。最初から、今回のルートが駅前付近に出るだろうという読みはあった。けれどここは、私の知らない駅前の景色だった。商店がポツポツ増えて歩行者も行き交っているのに、初めて歩く商店街だった。私は何だか怖くなった。知らない駅前に迷い込んだような気がした。三叉路がある。三叉路の左の正面にあるのが駅舎だ。しかし、駅舎正面の通りの先に、こんな三叉路はあっただろうか? 私はいつも必ず途中で左右に折れてしまう駅前の大通りのその先を、この数年来全く知らなかった。三叉路を右手に歩き続けてようやく見慣れた如何わしいラブホテルの看板を見付けた。ここは間違いなく知っている交差点。ドラッグストアに寄って帰るときに渡る信号。地下に降りるバーの看板。けれど、この普段から頻繁に通っている交差点の一方の先を私は今回初めて歩いたのだ。私には知れない街がまだまだある。こんな雨の日の気紛れでなければ歩かない街がある。私は交差点で折り返して元来たルートを引き返すことにした。ふと、先程見掛けた用水路、つまり今足元では暗渠になっている淀んだ用水路、これは線路を跨ぐ陸橋の真下でフェンスに囲まれて薄汚く流れていたあの用水路の続きだということにも気付いた。毎日反射的にフェンス越しに除いてしまうあの薄暗い水面の行き先を私は今日初めて知った。私の街が随分と広くなったような気がする。ちょっとだけ走ってみる。でも今日は身体を無理に疲労させる日ではなさそうだ。黄色い酒屋さんを過ぎて、冒頭の散策ルートに戻らずに道路をそのまま直進すると、いつも気になりつつ通り過ぎていた潰れた喫茶店の脇の狭い通路へと通じていた。帰宅ルートとしても然程遠回りにならないし、基本道なりに歩くだけでルートも覚えやすい。帰りに酒屋さんに寄ってウイスキーを補充するなら有力な選択肢の一つになり得る。 帰宅して、お風呂入って、日記書いてたら眠気が強くなってきた。昨日に引き続いて今日は天井が五月蝿い。引き摺って叩いて落として。結局二時間ほど寝落ちてしまった。今日は雨が降ったし完全にお眠な日である。何処かに出掛ける時間でもないし、何より今日は寒い。久々に気温計を確認したら26℃を指していたけれど、相変わらず余り信用出来ない。日記をnoteに上げるための編集を進める。一向に編集が終わらない。日記を読み返すのは普通に面白いので苦ではないのだけど、一ヶ月分あるうちのまだ一週間分しか進んでいない。一体何文字あるんだ、これ、と私はこの日記を書いた作者に悪態を吐きながら新しい日記の文量を無駄に増やす。近所を暴走族がブヴンブヴン鳴らしている。暴走族のくせに暴走しないで何分間もこのあたりをブヴンブヴン騒がしているのだから格好が悪い。彼等は駆け抜けることも出来ないのだ。編集中の日記は、丁度私が寒さに寝込んでいた頃合いだった。今日もあんまり寒さに身を晒し過ぎると寝込んでしまいそうだ。遣りたいことが重なって、遣り切れないけれど、でも何かを遣れる程度の気力が今日の私に残っているのは有り難いことだ。久々に冬場に着ていた生地の分厚い服を引っ張り出したら重い。こんな重いものを毎日着てたんだ。近所のセブンイレブンで夜食を買う。最近は水道水に氷入れて暑さを凌いでるけれど、塩分補給も必要だとスポーツドリンク2Lも買う。ウイスキーにスモークタンの組み合わせ飽きつつある。大雨が降ると郵便受けがビショビショになってしまうのは困ったものだ。郵便受けには、九月からの水道料金改定のお知らせが入っていた。流石に値上げ25%は酷いと思う。因みに私の部屋は口径20mmで使用水量は8m3。前回も前々回も去年も同じぐらい。そして、どうも10m3までは水道料金も下水道料金も基本料金範囲内らしい。つまり、現状から幾ら節水しても水道代は安くならないのだ! むしろ2m3分だけ毎月損してすらいる! 現在の二ヶ月4832円は口径20mmの最低料金で、改定表によると九月からは二ヶ月748円が何をどうしようと必ず値上げになる。税金や光熱水費か増える一方で、職場の給料は最低賃金改定以外では全く上がる見込みがない。どうにもプロレタリアート的な憤りが沸いてきてしまう。私がどれだけ能天気な人間でも、お金の問題だけはどうしても逃げられない。これ以上行き詰まるなら本気で転職も考えないといけない。私の生活はそろそろ隘路に陥りつつある。何度も寝落ちたせいで夜中に眠れなくなってしまった。うっすら頭も痛くて何を遣る気も起きず夜がじりじり過ぎていく。久々にバッファロー・トレースのロックを舐めた。バーボンの苦さと辛さが喉に響く。氷に薄れてくると、鼻に甘味が残るような気がする。


 2020年6月14日

 戦闘の場面である。敵はボスが一人、側近の兄弟が二人、あと各所に強敵が配置されていて、戦力ではこちらが不利。特に側近の兄弟が各所に現れては派手に飛び回って邪魔をしてくる。戦闘は起こるが勝ち切れず消耗戦に陥っている。床に放置されて溶け出した青い氷菓子。物凄く厳つい弓で標的に矢を飛ばし、着弾すると傘が開く競技が行われている。声援が傘の開いた数を大声で合唱するのだけど、多分肝心の数を間違えている。私達は競技が終わったあとに選手にインタビューする機会を与えられて、小さな小屋のなかで待機している。小屋には競技と関係のない政治家の写真とか古い雑誌とかが置かれている。あの人が、あの政策をしなかったら大変なことになってたでしょうね、とおじさんが何か喋っているけど、一体誰のことなのだろう。後から女性が一人増えた。しかし彼女が刺客であることに周りが気が付いた。忍者同士の戦いが始まったけれど、私には到底目視出来ない。たかし、と呼ばれる歴戦の忍者が彼女を封殺する。日曜日だから電車が酷く騒がしい。雨の降る日曜日だから乗り換えた電車で臭くて気味の悪いおじさんがいたりしても仕方がないのだ。なんせ雨の日曜日なのだから。職場は酷く退屈で、けれど雨が響いて体が重くて、昨日の夜から首も痛めてるし、退屈なのに何も出来なくて私は病人のように職場をうろうろしていた。Twitterでまた何か議論が起きている。けれどTwitterを離れた私は関心が湧かない。多分、ファッションの話なのだ。私達が何を着ているのか、という問題が、何だか可笑しな方向に進んでいる。でも私は関わらない。関わる手段を捨てたのだし、自分の言葉まで自分で縛りたくはない。手っ取り早くカロリーを摂取するために日高屋で野菜たっぷりタンメンを食べていたら、おじさん達が喧しく討論している。きっと頭のいい大学を出たのだろうなという討論なのに、何処か根っこが「おじさん」の時代遅れな身勝手さが含まれていて、私は心のなかで何度かおじさん達に突っ込みながらとっとと日高屋を出た。ドライフルーツとチーザとカレ・ド・ショコラを補充。艦これの北方ウィークリー任務を駆け込みで消化。3-4で何気にまだ未所持の島風さんが、そして待望のフレッチャーさんがドロップした。これでストレスの溜まる3-4周回から解放された。3-3は最短編成を組めば比較的安定して周回可能だ。もう日曜日に大破撤退地獄にうなされることもなくなる。寝る前にボウモア12年のロック。冷えて磯臭さに磨きが掛かるけれど、カレ・ド・ショコラ88%の苦味の暴力なら何とか釣り合いが取れそうだ。


 2020年6月15日

 修行は段階が分かれている。私は一段階目と二段階目に付き合ったはずだった。どちらも厄介な冒険になったはずなのに、私が覚えているのは、何処かの公衆トイレで行われていた醜い乱行騒ぎと、トンネルの上部に登ってイラストの描かれた窓を開けようとしたという、特に関係のない場面だけだった。青年達は山に登っていた。山の最高峰から、先輩の青年が突如後ろ向きに走り出す。もう一人がそれを追い掛ける。山の頂上から始まった追い掛けっこは今や平坦な土地まで降りていて、追い掛けているほうが働いている飲食店へと辿り着く。壮絶に首が痛い。毎晩寝ているだけで全身を痛めるのは不味い。手提げに結び直した鈴がいつの間にか取れていた。もう身代わりを期待することは出来ない。バスは珍しく小さな渋滞に引っ掛かる。京浜東北線は懐かしい程に混雑していて、密度がどうとかもう言っていられない様相である。立ちっぱなしで腰が痛い。混雑を捌き切れなくて電車が何度も速度を落とすのも懐かしい感覚で、お陰で、余裕を持って十分早く部屋を出なければいけないのは腹立たしいけれど。今日は駄目な日だった。擦れ違った相手に舌打ちされたように感じたり、押しちゃいけないボタンを押したり、窮屈な場所に身を縮めて四方八方に電話を掛け回って、電話中に電話掛かってきて、パニックになったり。鈴は取れて失くなってしまったので身代わりはいない。ストレスで胃が痛む。真昼の東京は憎たらしい程の天気だ。これから更に暑くなるのだろう。今日は駄目な日なので、最後の最後に、話が通じない人間に無理矢理話し掛けるというどっかの誰かの暴挙に巻き込まれて更に要らない神経を削った。艦これは演習でT字不利を初手二連続引いた挙げ句に動作が重くなって遊べなくなる。今日の秋葉原は女の子が妙に多い気がする。女の子達の服装も変わった気がする。無駄に中古の漫画を買ってしまう。ストレスが溜まると出費が増えてしまうからいけない。今日の秋葉原の空は、掻き乱した雲に黄色い夕暮れが拡散して眩しいほどに綺麗だ。最寄り駅前の、いつもラーメン屋が入っては潰れる区画に新しいラーメン屋が出来た。まぁまぁ美味しかったので、これで運の尽きが尽きたと祈ろう。新しく買った中古の漫画は面白かった。氷室の大地、五巻まで。案外と中古を見掛けないのだけど、今回ようやくまんだらけで拾ってしまった。干りんごで白州とジェムソンのロックを呑み比べると、お互い苦さの奥行きに個性がある。チーザ開けてバッファロー・トレースのロックも舐めて、極めて無意味だけど心には健康的な夜更かし。相変わらず首が痛くいので五十枚入りの湿布をあっという間に使いきる。毎日四枚とか使ってたら当然だ。多分、寝たときに、肩から上部の高さが低くなってしまって、体重が頭方向に傾いてるのが悪いのではないかと思う。腰からしたを薄くして体重が下半身に流れるようにする。


 2020年6月16日

 舞台は学校だ。黒板の内容を消したり、体育館で整列したりした記憶がある。完全に昨日読んだ漫画に影響されている。同級生の一人が何かやらかしたのは間違いないのだけど。私の記憶がフィクションと混じって、何だかよく分からないことになる。三人+キーパーの少数サッカーのゲームをしている。私は外国選手の編成を入れ換えている。勝ってるのでわりと楽しい。ただ何故かこれが実際の少数サッカーの試合とリンクしていて、ボコボコに負けてるほうの少女達が、最後に派手なミドルシュート決められたことで完全に戦意喪失してゴールポストのところで泣き崩れている。マネージャーらしき男性が叱責するけれど、彼女達はもう立ち上がらない。枕が合わないのは確定なので、毛布をくしゃっとして首筋にあてがったら久々に余裕を持って眼が覚めた。私は焼肉屋の一席を占領してずっとだらだらしていた。一体何時間だらだらしていたのだろう。自分でも罪悪感を抱くほどに占領していた。たまに焼き肉を食べるのだけど、ちょっと席を外すと勝手に肉が焼かれていたりする。怪しいのは隣に座っている若者達だが、証拠がない。やっと焼肉屋を出て、如何にも事件が起こりそうな薄暗い地下通路を歩く。ところで、どうも今日の私達は不幸の星のもとにあるらしい。母方の実家に泊まりに行ったのだけど、父親の自動車から降りようとした瞬間に子供達がやって来て、その一人に白い刃物を突き付けられた。私は突き付けてきた少年をどやしつけて追っ払った。あと、覚えてないけど、何か不幸が続いた。ボールペンを落っことして部品がバラバラになったり。私達の不幸はとあるゲームと繋がっているらしく、不幸によってパラメータが落ちたキャラを使って戦わねばならない。私達は母方の実家付近の立体地図を見ている。かなりの田舎のはずなのに、近所には立派な駅舎とか巨大な市民会館とかが密集していた。おや、この付近は、昔夢現に歩いたことがあるような……母方の祖父母はいつものように居間で寝転んでテレビを観ている。隣の仏間に私達一行が揃っていて、何故か一緒に来ていた父方の祖母が、スライムが云々と奇妙なことを言っている。どうも、羽二重餅のようだ。勿論福井県民の私は羽二重餅が大好きである。でも、それは温めて食べるものやないよ。部屋で寝そべって日記を編集してたら鳩尾が固くなってきた。これは余り良い兆候じゃない。一ヶ月近く溜まった日記を一つの記事に纏めようというのは強引過ぎたので、日記の頁を二つに切り分けることにした。その一つ目の編集が終わった。あとは校正するだけなのだけど、自分の文体に一旦腹を立てると修正が一向に終わらない性格なので更に時間が掛かりそう。艦これのデイリー任務を消化してたら急激に眠くなって寝落ちた。やっと眠りの呪縛を振り払ってみれば、夜の八時半だった。寝不足が溜まっている。目覚ましより早く眼が覚めた朝に、朦朧としながら二十分か三十分ほど日記を書いていたりするのも不味いのだろう。しかしこの三度寝で改めて首を痛めてしまったのだから、折角の休息も意味がない。今日も珈琲店で作業しようか、取り敢えず銭湯には出掛けようか、などと夕方まで皮算用していた自分が悲しくなる程に、今日は寝床から全く動けなかった。日記の編集だけで一日が終わりそうだ。明日も朝早いのだけど眠れる気がしない。ウイスキーと摘まみを除いたら、手元にある非常食が鯖の水煮しかなかった。味噌煮じゃないから微妙に味が薄い。しかも鯖の水煮単体とか無駄に胃袋が魚臭くなるだけだった。日記な編集も大詰め、けれど明日も早いのでいい加減に切り上げて夜食を買いに行こう、と部屋を出たらアパートの前に白い影がぬっと浮かんで私は驚いた。白っぽいひらひらした服を来た若い女性がアパートの前の煉瓦塀に凭れていた。顔は見えない。何かスマホを観ながら喋っている。もう日付が変わった時間に、こんな住宅街の端っこで出会っていいものではない。私は気に掛けないふりをして通り過ぎた。コンビニで立ち読みをして、夜食買って、最近日記の編集ばかりで執筆が進んでない、日記の編集は何処まで創作活動になるんだろう、なんて考えながらアパートに戻ってきたら全く同じ位置に同じ格好で白い影がいた。改めて不意打ちを喰らうが、こうも蒸し暑いと冷や汗も出やしない。つくづくこんな街の片隅で出会っていいものではないと思う。私はとっとと部屋に逃げ込んだ。このアパートの住人の誰かと待ち合わせているのだろうか。私はこのアパートの住人の面相すら知らない。滅多に擦れ違わないし挨拶もしない。二階の住人は物音だけの存在である。以前上階から落ちてきた変なTシャツは雨ざらしになって地面にめり込んでいる。日記の編集を楽しくやっていたらもう五時間睡眠が確定してしまったし、お風呂にも入ってないので、今夜は四時間睡眠は覚悟しなければならない。寝溜めは出来ないので明日の朝は真っ白な顔で電車に乗ることになるだろう。また生活リズムが崩れる。折角今夜は頭が冴えてスムーズに作業が出来ていたというのに、私は私以外の時間に縛られて私の輪郭を歪めてしまう。案の定四時間睡眠になった。白州のロック、干リンゴ。


 2020年6月17日

 昨日は更に一時間程眠れなかった。左腕の違和感は続いているし、風は涼しいけれど朝から日差しは痛いし、眠くたって満員電車には座れない。RaNi Musicをぶっ込んでも軽薄なダンス・ミュージュックはかえって神経に障る。でもCarole Kingは響く。ちゃんとしたポップ・ソングは響く。寝不足で頭が回っていないので、一見普通通りに仕事が出来ているようち思えても咄嗟の所作で意識が吹っ飛んでいたりする。私の判断ミスではあるのだけど、言葉が通じないって本当に大変だ。夕方の秋葉原では、客引きの注意喚起を呼び掛ける黄色いベストのおじさん達が交差点を固めている横で着飾った女の子達がずらっと並んでいる。秋葉原らしい光景だと思う。まんだらけで氷室の大地の続きを買った。まんだらけの漫画コーナーは、出版社別から作者別に棚が変わっていた。滅多に御目に掛かれない平野耕太のCOYOTEを発見したけど、3000円は今直ぐに手が出る値段じゃない。昨日の寝不足が遂にどっときてじわじわ頭痛が登ってくる。同時に神経な人間が張ってるので折角座れても眠れない。RaNi Musicを聴いてたら、Ray Charlesのいとしのエリーの英語版カバーなんてものが流れてきた。これが驚くほどに「違和感がない」のである。逆説的に、Southern All Starsが如何に洋楽的なエッセンスで作曲していたのかを思い知ったような気がした。帰宅して氷室の大地の続きを読む。面白い。面白いのに今日は頭痛が全く収まらない。スピンオフのアプローチとしても参考になる。ずっと頭が痛い。久々にセブンのざる蕎麦を買った。何故か蓋が二重になっていた。そしてずうっっっと頭が痛いのである。ついでに右眼も痛い。頭痛の長さ、視神経に響く痛さからして恐らく偏頭痛の一形態と思われる。艦これのデイリー任務さえ出来ない。ニコニコ大百科やpixiv百科事典をうろうろしてるだけで具合が悪くなる。スマホが眩しくて眼に響くのだ。頭が痛くて眠れず、頭が痛くて何も出来ないと、布団のうえをのたうち回るぐらいしか遣ることがない。前兆は無かったとはいえ、寒い日が続いてからの気温上昇、極度の睡眠不足、仕事上のストレス、水分補給の不足、偏頭痛が起こる最高の状態だ。日記はここまでが限界だった。何とか無事に寝落ちることが出来たのに、今度は首を痛めて夜中の三時に眼を覚ますという体たらくである。偏頭痛が収まっても結局頭が痛いのには変わりがない。


 2020年6月18日

 私達は何処かの観光地に遊びに来ている。何処かの宿泊施設に泊まっている。境内で祖母が誰かと話している。親戚達と一緒に観光地の周辺を探索する。同級生の一人が、あんまり上手くない歌を歌いながら後輩達に何かを指導している。店員に向かって、何かのフレーズを歌えと強要してくる謎の迷惑おじさんが現れたので、私は大声で説教気味に対応して無理やり黙らせる。首が痛い。中途半端に眠いのに、首が痙攣するものだから中途半端に眠れなくて、じりじり時間だけが飛び飛びに過ぎていく。昨晩は艦これのデイリー任務だけでもと頑張ったけど見事に寝落ちた。起きたらスマホが背中の下敷きになっていた。邪悪な計画があったと思う。でも、もう私には何も分からない。痛くて、重くて、怠いのだ。寝ては覚めて寝ては覚めてを繰り返していたら、じりりりりと目覚ましが鳴った。昨日は夜の七時まで日が暮れなかったし、朝は朝であっという間に明るくなるから、夏だ。昨日の後遺症で酷く眠いし右眼の視神経がずきずきする。首周りの筋肉もガチガチだ。三分の一ぐらい頭が動かないまま通勤する。眼が乾いて仕方がない。脇腹が抉れるように痛くて、上手く歩けなかった。これは困る。牛丼屋のメニューのうえを一匹の蜘蛛が這い回っていて、元気に前足をぶるぶるさせている。可愛くはないけど動きがキビキビしてて面白い。換気のために扉が開いてるのだけど、飲食店だと屋外から虫が入ってくるから大変だろうに。雨が降ってしまったので今日は退屈だった。そして私は自分の呼吸で精一杯だった。暇は暇なりに忙しい瞬間は全力で忙しいので油断は出来ない。最後に何とか巻き返してメモ帳のプロットを書き進めた。随分横道に逸れている気がする。まぁ、所詮はプロットだし。脇腹の痛みはいつの間にか消えていた。やっと5月27日までの日記の編集が終了してnoteに挙げることが出来た。日記の編集は創作活動になるのだろうか? でも神経過敏が云々と悶えていた時期に比べれば、確実に沢山文字を書けている。これは良いことだと思う。日記を編集しているうちに日記が増えていく。無限の追い掛けっこだ。私達は過去を追い掛け続けている。Twitterにも日記を挙げたのだけど、アクティビティを確認すれば、フォロワーの誰一人このリンクをクリックしていないのが分かる。一方でnoteのほうでは、全く知らない人達から(読んでいるかどうかも分からないが)いいねが七個も届く。つまり、私のことに最も無関心だったのは、私達自身だったということだ。私達がいつの間にか形成した私達から、私はいなくなった。それは残念ながら私達が選んだ結末である。コンタクトを外したら物凄く痛い。眼が充血していた。眼科行かなきゃ、から一体何ヵ月サボっているんだろう、私。


 2020年6月19日

 寒くて眼を覚ます。雨音がする。私は電車に乗っている。それも、若くて背の高い男性の膝のうえに座っている。案外と自然に座れてしまうものだ。私はそのまま眠ってしまって、男性から苦言を呈されて眼を覚ましたら、駅を一つ通り越していた。私は男性に何か言い返してから電車を降りた。知らない駅だ。何処かレトロな雰囲気の薄明るいホームである。私は反対方向に進む電車を待つ。朝は早めに家を出ていて良かった。一駅ならまだ遅刻せずに間に合う。懐かしい同級生と久々に遭遇したような気がする。舞台は遥かに飛んで、私達はセメント製のスロープのうえに座って集合している。手摺が壊れてる場所で横に寝転ぼうというのだから当然滑り落ちそうになる。高速道路の複雑に捻れた高架が見える。私達は化物達の陣地に攻め込むのだ。何処かの少年漫画雑誌で連載されてる漫画に登場してそうな人達が前に並んでいて、組織表のようなものを提示する。私がそこに含まれているのか定かではない。潜入時に敵の術を喰らわぬよう、私達はドアを開けたら真っ先に天井を見上げて直接前方を見ないように心掛ける。ビデオデッキを納めたテレビ台を調べていた少年が、何かの呪いに取り憑かれて意気消沈してしまった。改めてみんなでテレビ台を調べてみる。最終的に私達は、テレビ台の中身を片っ端から放り出し、繋がっているケーブルとかも全部ひっぺ剥がすことでテレビ台に取り憑いた呪いを退治するという力業に出ていた。寝起きからシーバス・リーガル ミズナラ12年をロックで一杯。これは健康に悪い。日記のいいねが12まで増えた。けれど記事の閲覧数はたった30なのである。Twitterのリンクのクリックも未だにゼロ。段々気味が悪くなってきた。私には知り得ない何かが起きているんだろう。何にしても、私達は、未だに私から眼を逸らしたままである。職場の同僚さんが有明ガーデンに異動になって、新店舗の売場の研究も兼ねてお台場まだ出掛けようという計画もあったのだけど、給料日前だし雨だし、諦めて今日は部屋でだらだらすることにした。洗濯物を溜めてるのに雨だ。外出しようにも靴下が切れた。運良く新しく買っておいた靴下が部屋の片隅から出てきた。当初は今日こそ眼科に予約の電話をしようと意気込んでいたのに、シャワーを浴びて体が冷めてきたら面倒臭くなってしまった。部屋に籠っているとあらゆる気力が死ぬ。これは不味いので、コメダ珈琲店に避難することにした。まだ眼が痒いので、久々に眼鏡を掛けて外出した。でもこの眼鏡が度数は合ってないし全面傷だらけだし、視界ががたがたになるから外出には向いていない。交差点で信号を待っていると、濡れたアスファルトを駆け抜ける湿った音がいつもより重たく底を突いている。紫陽花。雨に紫陽花は素晴らしい組み合わせだ。梅雨のうちに何処か関東圏の紫陽花の名所の一つでも訪れておかなくては、私の日頃の鬱憤が晴れぬ。黄色い長靴を履いた子供が歩いている。でも眼鏡の視力では女の子か男の子かも分からない。近所のホームセンターの営業時間が夜七時まで延びていたのは嬉しい発見だった。この眼鏡では商品もまともに見えないので買い物はしないで、鑑賞魚コーナーに行く。私が近付くと小魚の一団がびゅっと離れ、それから固まって元の位置に戻ってくる。少哺乳類が仰向けにばたばたしている。ベタ、という鑑賞漁が、派手なのに動きがとろくてわりと好きだ。小さく区切られた水槽で、ひら、ひら。私には動物は飼えないと思う。私は自分以外の何かの命に責任を取れる程の度胸がない。神経過敏が疼くので犬猫コーナーには近付けなかった。サボテンぐらいなら、と思いつつ、私の汚部屋の一角を空けたところで、こんな狭い場所に連れ去られてしまうサボテンが可愛そうだ。いつぞや、夜中の街角で、真っ赤な花を咲かせた大きなサボテンが軒先でぼーんと首をもたげているのに驚いたことを不意に思い出した。コメダ珈琲店は想像以上に騒がしかった。作業に集中するにはこの騒々しさは良くない。毎回同じ事を言ってる気がする。まぁ五月蝿いのは仕方ないし慣れれば空気になるとはいえ、背中越しに赤ん坊の金切り声だけは本当にしんどい。Instagramの荒川をようやく投稿完了。Twitterを離脱してからInstagram作業も御座なりになってたので、今回は酷く時間掛かった。次は何処にしようかな。Twitterにリンクを挙げて、投稿済みの画像をUSBに移して、久々にTwitterのアプリを落として艦これのスクショの放出を始めた。RaNi Music聴きながら作業する。今日の選曲は悪くないな。ヨルシカ、夜行。覚えた。金切り声の子供もいなくなった。順調なペースで作業が進んだけどスマホの電池切れ。今日はここまでにしてデザート頼んで帰ろう。周りの客の早口な議論とか、ゲーテが云々とかいうおばさんの言葉の端々に意識がチクチクするのは私の集中力の弱さだ。瀬戸内れもん。帰宅後は氷室の大地読み返したり、艦これを触ったり、2020年6月9日までの日記をnoteにコピーして編集をしたりした。寝転んでだらだらしてるうちに段々と体調が落ちてきて、日を跨いだあたりから倦怠感が本格的に前のめりになってきた。作業をする気分ではないけど、眠るにはいまいち踏ん切りがつかない。ジェムソンのロック、ドライフルーツのパイナップル。夜中にアイリッシュのシンプルな苦味は効く。ブレンデッド・ウイスキーという言葉を知って以来、もしかしてブランデーって言葉はブレンデッドから来てるの? って気になってたので今更調べたら、全然関係なくて語源はオランダ語、主にワインの蒸留酒とのことだった。コニャックもブランデーの一種。酸っぱいのが受け付けなくてワインが飲めない私では、ブランデーに挑戦するのはまだ厳しそうだ。ブランデー、海外文学では気付け薬としてちょくちょく出てくるから、試してみたい憧れは、ある。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%BC
夜食にカップラーメンを買ったら、しょうゆ味じゃなくてカレー味だった。ジェムソン呑み切ってないのに夜中にカレーラーメン。別の意味で眼が覚める。


 2020年6月20日

 今日は終業式なのだけど、乗り換えで失敗して反対方向の電車に乗ってしまった。田舎にありそうな知らない駅で降りた。このまま乗っていたら、中国地方か九州地方まで行ってしまっていたらしい。反対側のホームに渡って時刻表を探す。駅長さんらしきお爺さんが視界の端にいる。奇妙な表記で分かりにくいのだけど、どうも毎時五分に一本電車がくるらしい。一時間も電車を待ってたらどうせ終業式に間に合わないのだから、いっそサボってこのまま旅に出てしまえばいいんじゃないか、なんて欲望が沸いてきた。九州? 博多? いいじゃないか。でもサボり経験が希薄な私は優柔不断に迷ったまま、一駅なら歩けるかもしれない、と考えて一先ず線路沿いを歩き始める。緩やかな坂道。正面には森が見える。ところで、文芸部って夏休みはどんな活動するんだっけ? 朝の五時、艦これの演習を粗方終わらせて寝床に戻る。首の具合が悪くなってなかなか眠れない。毛布を敷く。グラウンドに絵が書かれていて、その絵を踏みながらトレーニングするとその数値だけ効果がアップする。OBの私は、ああ、あったあった懐かしいな、とその練習風景を眺めている。女性インタビュアーに大袈裟な身振りで声を掛けられて、何か受け答えしたら自棄に感心された。用具室を覗いたら、何だか二次元の卑猥なものばかりだ。これ、部活にどう使うんだ? その建物に青年達が集められている。どうも次々と彼等に試練が与えられているらしい。実は彼等は、かつて彼等以外の誰かの死に関わってしまったことがあって、その罪を問われていたのだ。窓から縊死体が見える。彼等は改めて自分達の罪を明かしたうえで現状に立ち向かうことを決めた。とある青年が自己紹介したけれど、それはペンネームか芸名で、彼は恥ずかしそうに本名を明かした。色々とここに至る事情はあったはずだけどすっ飛ばして……母の寝室を覗いた記憶はある。私は隣の部屋で寝ていて、何かの事情でそこから追い出された。母の寝室を覗きながら、ここじゃ寝れないな、と思って階段を降りた……兎に角ごく小さな同人誌即売会が復活したらしい。たった一部屋の会場、というか私の実家の居間じゃないか。私は、箱入りのパズルのようなものを用意したようだ。それにしても箱の装飾がやたら立体的だし、私は相当に凝ったもの作ったらしい。何度か他の即売会で見掛けたグループが私の眼の前を歩いている。私は人見知りなので、そのグループには近付かない。私の実家の一室なので、当たり前のように兄が現れて、籤引きがどうこう、るろうに剣心がどうこうと言っていた。キャラのHP消費をあれこれ遣り繰りする。誰かがビームで一網打尽してた。何のビームだ? 最初は、とあるへんてこな格好のおじさんが、迫り来る悪魔の台風と巨大なラスボスに向かって一人で最後のパンチを決行する話だった。彼の正体を巡って複雑な遣り取りが交わされたはずだけど良く覚えていない。同級生達が話に絡んできた気もするけど良く覚えていない。それから、いつの間にか、怪物や怪獣が大地を覆い尽してしまった。特撮ヒーローや特撮ロボットも混ざっている。そのうちの一部は既に暴れだしている。私達の世界の危機だ。私達は世界の終わりに直面している。こちらの味方にもロボットやヒーローがいて、隠密性に優れた何体かが敵の大群に潜り込んだけれど、それでどうかするには敵の数が多過ぎる。特に関係のない坂道バイクレースが始まったりする。そして、ゴジラが、敵の陣地に向けて特攻を始めた。次々現れる不気味な敵、さらに敵の念動力で遥か後方の巨大なホールまで吹き飛ばされてしまうゴジラ。血を流して起き上がるゴジラ。絶望的な戦いだ。ここから、物理的なサイズがおかしくなって、私は千切れた指のようなものから細いビームを出して建物のなかの人間を……しかし彼等は操り人形のようなものなのだ……皆殺しにしながら進む。今度はまた別の敵の念動力で地面に叩き付けられる。この時は別の念動力使いが助けてくれたらしい。オタクの自室じみた部屋を幾つも通り抜けてると、明らかに何十年も前の傷んだフィルムのような視界をふら、ふらと気持ち悪い浮遊感で歩く。これも敵の催眠術の一つのようだ。戦いはまだまだ始まったばかり。バスの運転手さんが新人だった。付き添いの先輩が横に付いている。以前同じ光景を見たとき、先輩が散々後輩に駄目出ししてるのを間近で見せられてげんなりしたものだけど、今日は特にそうはならなかった。代わりに新人さんののろのろ運転の影響で電車を一本逃した。出勤がギリギリになりそうな予感。左眼の調子が悪い。給料日なので昼間のうちにあちこちお金を移しに行ったら、みずほ銀行のATMで110円の手数料を取られた。そういえば手数料無料の設定が勝手に終わらされてたような。理不尽はチクチクと積み重なる。駅前では募金の掛け声が呪文みたいに薄気味悪く繰り返されている。今日は春なので、夜になって可笑しな客が来た。夢のなかでも客と戦ってる私なので、相手の質問を片っ端から封殺して追っ払った。駅の構内で誰かが倒れる。酔っ払った女性がエスカレーターの登りの降り口で倒れて、付き添いの男性が抱き上げようとするが動かない。電車で端の座席に腰掛けて壁に頭を乗せて艦これをしていたら眼の前に虫が止まった。軽く中指で突いただけで簡単に潰れた。壁に貼り付いてしまったのでまた中指で弾いたら赤い液体が壁に残った。どうやら既に誰かの血を吸った蚊だったらしい。私の中指と、電車の壁に、知らない誰かのオレンジ色の血液。紫陽花が観たくなった。南沢あじさい山に凄く惹かれたけど、ここは遠いし山登りになってしまいそうだから諦める。明日は文京区の白山神社に行ってみようと思う。そこから小石川植物園まで歩けば、結構な旅徒然だ。天気が悪いぐらいが紫陽花鑑賞には丁度いい。ならば今日は夜更かしは控えなきゃ。バッファロー・トレースのロックに、チーザ。バーボンにも甘味を感じる瞬間はあるらしい。羽虫が浮かんでしまったけど、箸で取ってそのまま呑んだ。携帯用スマホバッテリーを充電してたら火傷しそうなぐらい熱々になっていた。幾ら部屋が暑くなってきているとはいえ、扇風機の弱で乗り越えられる程度の暑さ、それでこの熱さなのだから、電子機器の使い方にはつくづく気を付けなくては。今日は夜更かししないぞ、と意気込んでおいて、ネジ回収のために補給艦と潜水艦を狩っていたら三時。姿勢が悪かったせいなのか頭も痛くなって余計に眠れぬ。日記の頁を改める。


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