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冥福を祈る依頼

私のもとには、本当に様々な依頼が訪れます。しかし今回のようなものはなかなか見ないな、と感じまして、ここに書き連ねようと思った次第です。

先日、「昔なくなられた方二人の霊魂に、冥福を祈ってほしい」という依頼を承りました。

守護霊様と話したり、あるいは亡くなられた方と話したり、というのは以前から仕事として承ることはありました。しかし冥福を祈るだけ、というのはあまりなく、いささか珍しいものでした。

お二人と依頼者様の関係

亡くなられた方は二人で、そのうちの片方が依頼主様と親しい間柄だったと話では聞いております。もう片方の方とはあまり面識がなかったらしいですが、何らかの因果はある、というようなお話は伺っておりました。
しかし依頼を受ける際、お二人は亡くなられて10年以上経過しているとも伺いました。

この話を読んでいる方の中には、「年月なんて関係あるのか?」と思う方々もいらっしゃるかもしれません。しかしこれは大きく関係していると私自身考えています。
あまり確証を持っていることでもないし、観察していないのでそこまで多くは語れませんが、10年もたてばたいてい人の世を離れるものではないかと認識しています。例えるなら学校との縁ですかね。卒業した後は母校との関係はほとんど薄れて、記憶の中にだけあるというような感じになっているのに似ているかもしれません。それと同じように、死後は人の世から離れて自分の行くべき場所に行く、と私は考えています。

なので人として生きていた頃の名残を持っているかは分からない、とお伝えしました。しかしそれでもお願いしたい、ということだったので依頼の方を快諾させていただきました。

お二人の石碑

もちろん今回お仕事をする際、お二人の情報がなければ始まりません。なのでお名前の方をお伺いしたところ、その依頼主様から石碑のような写真を見せていただきました。

お墓とも違うそれは、どうやらとある有名なお寺の参道近くにあるものらしく、今回冥福を祈るお二人の名前がありました。
またその碑には、「二人は結婚前に急逝してしまったが、来世では結ばれてほしい」との旨がありました。生きている方にとってしてみたら、素敵なことが書かれていますよね。

ただ、私がそれを見たときは少し嫌な予感を覚えてしまいました。

その石碑に書かれている名前の片方と、依頼主様とつながっている存在の中で呼応する霊体をさっそく探してみました。もしなければ、その方はもうすでに人の世を離れているものだと考えますので、今回のお仕事を受けられるか悩みもしたのですが、しかし……。

見つけました。
10年も死後経過しているのに。

絆し-ほだし-

お二人がいらっしゃるのを見つけて、本格的に依頼を受けることが決まりました。
お仕事の当日、より詳しく見てみるとお二人とも人の形を保っており、何やら少し困った様子をしていらっしゃることが分かりました。

お話を伺ってみると、「安全な場所に隔離されている」というようなことが返ってきました。

普通なら、人は亡くなられたら自分の行くべき場所に行くと思っていたので、隔離されている、というのは少し驚きました。
ただ、依君とよくよく調べてみると、その隔離している力ががお二人を一つの場所にとどめ、人としての形をとどめていることに気づきました。
そして、その隔離はどうやら、以前見せていただいた石碑が原因だということが調べで分かりました。

よく人が来るお寺の、しかも参道、そこに二人の名前とそのような由来が書かれているのです。それなりに人の来るお寺だったと聞いていますから、見た人たちが「この人たちが幸せでありますように」と願ってもおかしくはありません。その力は時として霊魂に力を与え、死後の荒波に備えさせてくれることも往々にしてあります。肉体がなくなる、つまり霊体がむき出しになるということは、霊的に無防備になるということでもあると認識していますからね。

ただ、その願いや思いが逆に死者を捕えてしまっているようでした。

絆(きずな)、という言葉があります。
この言葉、とても素敵な意味があるのは周知の事実だと思いますが、しかしこれに送り仮名を付けて「絆し(ほだし)」とすると、実は意味ががらりと変わります。
絆しというのは、「束縛・拘束」を意味します。つまり、縁は人を縛るものになりうる、ということです。

その石碑は、おそらくお二方を死後の荒波から守る役割を果たしていたと考えています。
ただ、ずっと一所にとどまっているのも霊体に障ります。あくまで私の信条ですが、循環が基本的には善い状態で、停滞が基本的にはあまりよくない状態だと考えていましたから。
ある程度状況が分かった上でお二人にその旨を説明し、どうしたいかを聞いてみました。

するとお二人とも、「ここから出ていきたい」と仰られていました。イメージとしては、安全だけれど狭い場所にずっといるのは、精神的にきついという感じですね。

そこで私は、その石碑から来ているであろう影響を取り払いました。もともと拘束や封印をするためのものではなかったので、とても簡単に、するりと影響を取り除くことができました。
その後はお二人とも、隔離されていた場所から放たれて、己の行くべき場所へと向かったように見えました。

故人様への思いは大切なものではありますが、時としてそれはその霊魂を縛ってしまうものでもあります。それは生きている人に対しても同様です。
保護は大切ではありますが、過保護や過干渉は本人のためにならないことがある、ということかもしれませんね。

こうして、今回の依頼を完遂しました。

いつもの宣伝

依頼主様も今回のことで少しすっきりしたのか、何か吹っ切れた様子でした。依頼主様にとっても新たな一歩になったようで、私としては非常に幸いです。

霊的なことに関してなら、私のnoteにも掲載しています通り様々な依頼を取り扱っております。もしご入用とあらば、ぜひとも私のtwitter DMにて、気軽にお声掛けくださいね。
いつでもお待ちしております。
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