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ZEROから始まるリネレボ生活!! No. 13

彼女は、ブラインドから漏れ出す朝日の微かな光の中でぐっすりと眠っていた。
男物の少し大きめのワイシャツからほんのりと見える小ぶりながらも形の良い胸の膨らみと、白と淡い黄緑色の縞模様が初々しいおぱんちゅが何とも可愛いらしい。
小さな仔猫が眠るかのように丸まって寝ているさまは、地上に舞い降りた天使そのものに見えた。
そんな彼女の寝顔を見ながら私も隣で眠っている。彼女の温もりを、肌と肌が触れ合う僅かな接触部で感じながら…。

ほんの数時間前までは彼女とこんな関係になるとは思いもしなかった。
彼女とは、白百合女子大学附属高校の同窓会で久し振りに再開した。
学生当時から人気者だった彼女に私は淡い恋心を抱いていたのだが、結局卒業するまで彼女に自分の想いを打ち明ける事は出来なかった。
5年振りに同窓会で彼女を見かけた時、少女からすっかり大人の女性になった彼女を見て高校卒業とともに捨てたはずの想いが再び蘇るのを感じていた。
2次会も終わり、終電にギリギリ乗車した横に彼女が居て、私は思わず『あ!』っと声を出してしまった。
その声に気付いた彼女は、ニッコリと微笑みながら〇〇さんよね?っと私に話しかけて来てくれた。
同窓会では遠くから眺めているだけだったので、話す事は無かった。なのに直ぐ私に気付いてくれた事が嬉しかった。
私達は車内で女子校時代の思いで話しに夢中になり、気付けば最寄駅に着いていた。
私が、ここで降車する事を告げると、何と彼女もここだと言うのだ。
二人で改札口を出て、お互いの最寄駅である高須駅を出ると、天気予報では降水確率20%だったはずなのにかなりの雨が降っていた。
去年から一人暮らしをしている私の家まではバスを利用しているのだが、最終電車に乗った都合もうそれもない。
私は仕方なくタクシー乗り場に向かおうとすると、彼女が私の手を握ってきて、自分の家は直ぐそこだから走ろうと言ってきた。
え?っと戸惑う私を、半ば強引に引っ張って彼女の家まで連れていかれたのだ。
家に着くと彼女が貸してくれたタオルで濡れた髪を乾かし、体が冷えるといけないからと先にシャワーを浴びさせてもらった。
浴室から出ると、私の服は洗濯されており、代わりの服が用意されていた。
それを着てリビングに行き、彼女の入れてくれたコーヒーを飲んでいると、今度は彼女がシャワーを浴びに行った。
部屋で一人になって落ち着くと、今のこの状況にようやく気付いた。私は憧れだった彼女の部屋にいるのだと。
現状を把握して、ドキドキしながら待っていると、彼女がシャワーを終え戻って来た。
真っ赤になっている私の顔を見て、どうしたの?っと聞いてきたが、何でもないと言って、すぐさま話題を学生時代の話にして誤魔化した。
暫く思い出話しで盛り上がっていると、彼女が不意に私の目を見つめて、あの頃から私の事が好きだと言って来た。友達としての好きではなく、恋愛感情の好きだと。
そう!私達はお互い同じ気持ちだったのだ。
私は彼女の腰に手を回し、もう一方の手を肩口置きながら体を引き寄せて、彼女の唇と私の唇を重ねた。
彼女の柔らかな、それでいて水々しい唇の感触を味わいながら、お互いの着ている服を脱がしあう。
彼女の綺麗な肌が露わになり、吸い寄せられるように首すじから下に向かって私の舌を這わせて行く。
そして彼女の青、青筋の入った胸の裏をな、舐めながら頬張り付く。
し、暫くそれを堪能し、いよいよ私のや、やお…やおい…棒、棒が彼女のやおい…
穴…穴…穴………。

「はい、カーット!!カットカット!!一旦カメラ止めて!ルウっち!アウさんとまんまっちの化粧直しお願い。」

監督兼演出担当のキスっちは、メガホンをバンッバンッと自身の手のひらに打ち付けながら、オーバーアクション気味に撮影の中断をスタッフ一同に促していた。

「まんま〜途中まで良かったのに何?絡みシーンに入った途端全然ダメじゃん!やる気ないなら帰ってもいいんだよ?」

メガホンを腰の辺りに当て、それで上半身を支えながら、もう一方の手をひっくり返し、如何にも偉そうな態度を取りつつ私にダメ出ししている。
立場の弱い私はそれでも左手を腰に当て右手の人差し指を突き出しながらキスっちに言い返した。

「な、何よ!この話は。途中まで凄く良かったのに、いきなり、や、やおい棒だの穴だの!そんな棒私には無いわよ!それに何!?青筋の入った胸の裏って胸に青筋なんてあるわけないじゃない!!一体何処情報なのよ!!」

「しょうがないだろ!俺は最初牛カツさんとレオさんとのBL物が撮りたかったんだよ。それなのに まんまが私の牛カツさんを汚さないでって言うから仕方なくアウさんと まんまの百合物にかえたんだからな!これでも相当台本の手直ししたんだぞ。それに元々の主人公達には棒も穴もあるだろ!俺は何も悪くないね。」

そうなのだ、元々は私の牛カツさんへの想いからの我儘だったのだ。
しかし、この話の展開はあまりにも酷すぎるのは誰が見ても明らかなのだが…。
どうしても納得のいかない私は更にくいかかる。

「それはそうだけど、せめてもう少しマシな内容にしてくれてもいいでしょ!後、この台本の裏表紙に書かれている『制作 高須〇リニック肛門科』って何なの?あそこって美容整形専門でしょ!勝手にこんなの使っちゃうと怒られちゃうんじゃない?」

私は台本を裏返し、問題の箇所をキスっちに問いただした!これで少しは考えを改めて欲しいという作戦だったのだが…

「あーそれは問題ないよ。その高須って劇中に出てくる高須駅の近くに実際にある病院からとったからね。それに、この物語の殆どが高須◯リニック肛門科で撮る予定だから、ちゃんと許可も取ってる!」

私の完全なる敗北となてしまった……。
しかし、肛門科がメインの撮影場所とは…
一体どんな物語なのか…ツッコミ所が多すぎて、もう何も言い返せなくなってしまった。

「さぁて、そろそろ撮影再開するよ〜!
皆んな、それぞれの持ち場に戻った、戻った!それじゃシーン54から〜はい!!」

カッチッ!!っという音が鳴り撮影の続きが再開されてしまい、私はこれからの事を考えて頭がクラクラしてしまった。あまりの目眩にやがて意識が遠のくのを感じる……………

次第に意識が覚醒していき、気が付いて辺りを見回すと、そこは祝勝会が行われた晩餐会場である長椅子の上だったにゃ。

今までの出来事は全部ご主人様の『夢』だったのにゃ。

「何て変な夢を見ちゃったんだろ。」

ご主人様は暫くぼーっとしながらZEROのメンバー数人と朝の挨拶を交わし、再び2度目の眠りについたのにゃ。

らんちゃん♪
@rantyann_0627
https://twitter.com/rantyann_0627


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