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COLORFUL Laboに参加してきました

2019/2/29(日) PM2:00~
COLORFUL Labo~カラフルラボ~
場所:ウェスター秋田西部市民サービスセンター

Twitterで秋田プライドマーチ関連のツイートを追っていて見付けたこのイベント情報ですが、伝手もないし知り合いもいないしで、行くか行かないか悩んでいたのですが、当日になって午後から雪も落ち着いて来るよという話を家族から聞き、「あ、行ってみようかな」と唐突に参加した形です。
最初は緊張しましたが、和気あいあいとした雰囲気で皆さんお話して下さっていたので、あまり固くならずに参加することが出来ました。

参加費は大人1000円で、それにちょっとしたお茶とお菓子がついてくる感じでした。お茶はピンクの柄物の紙コップに好きなお茶のスティックやティーバックを選び、お菓子入れから梅しそのおせんべいなど(ピンクのパッケージ多い)を好きに取って食べる形式でした。
(多分ピンクシャツデーに因んでの色かな?)

その他にも、ピンクシャツを折り紙で作っていじめ反対のメッセージを書いたり、秋田レインボーパレードの運営に携わっているかたの声を聞いたり、秋田でマイノリティのかたが置かれている現状についてだったりと、様々なお話を伺いました。その内容についてこちらにまとめておきます。

ピンクシャツデーについて

ピンクシャツデーとは
2007年カナダ、9年生(日本ならば中学3年生)の男子生徒が新学期にピンクの服を着て登校しました。ですがピンクを着る男の人はホモセクシャルと考える人が多いことから、ホモセクシャルといじめられました。
それを知った12年生(日本ならば高校3年生)の男子2人は、ピンクのシャツ50枚やそのほかピンク色のものを購入し、男の子のために明日ピンクのものを着てくれるか、ピンクのものを身につけてくれるようメールやネットの掲示板で友人知人たちに呼びかけました。
翌朝、校門で二人はピンクのシャツ50着を用意し、皆に着てもらおうと待っていました。
ですが呼びかけ以上の学生がピンクの服やピンク色の物を身につけて登校し、とうとう学校中がピンク色に染まり、いじめは自然となくなりました。
それ以来、毎年2月最終水曜に学校や職場、あらゆる場所にピンクを身につけて行くピンクシャツデーとして定着していくことになります。

初参加なので知らなかったのですが、今回はドレスコードでピンクの服を着てくるというのがあったらしく、手持ちのギリギリピンクが入っていたもので誤魔化しました(笑)

この学校で始まった試みが行政や銀行などに伝わり、「これを広めよう!」ということでいじめをなくす運動に発展したそうです。
ピンクの服は私も普段なかなか身に着けることがないので、普段着ないものを着てお知らせするという話に、確かにそういう意味でもピンクはすごくいいかもしれないなと思いました。
また、ピンクシャツデーに対して「声高でもないけど意地が伝わるのがいい」という意見もあり、その表現がすごく素敵だなと感じました。

趣旨の説明の後、ピンクシャツの折り紙と折り方のテキストが配られて全員で折った後、シャツにいじめを許さないメッセージを書いてホワイトボードに貼りました。私は「paradox of tolerance(寛容のパラドックス)」と書きました。不寛容には不寛容を!

今年のピンクシャツデーは2/26、皆さんもピンク色の服を着てみませんか?

SOGIハラって知ってる?

好きになる人の性別(性的指向:Sexual Orientation)や自分がどの性別かという認識(性自認:Gender Identity)に関連して、差別的な言動や嘲笑、いじめや暴力などの精神的・肉体的な嫌がらせを受けること。また、望まない性別での学校生活・職場での強制異動、採用拒否や解雇など、差別を受けて社会生活上の不利益を被ること。 それらの悲惨なハラスメント・出来事全般を表す言葉です。

これについては、SOGIハラと言われても多くの人は分からないという話があり、伝え方について悩むことがありそうだなと感じました。

固定概念(ステレオタイプ):年功序列や色や生育環境について

自由発言形式で色々なお話を聞かせて頂きました。身近なレベルでのステレオタイプの話について。私もちょこっとだけお話してみました。

【年功序列について】
〇吹奏楽や運動部などの先輩、後輩の上下関係がすごい。
〇会社だと年上が偉かったりする。
〇ネパールでは先輩だから敬うべきという慣習はない。日本は先輩が偉いとか年上が偉いとされていて不思議。
〇インドのカースト制度では階級によって使える色が決められていると聞いたことがある。日本の冠位十二階制に似ている。

【色について】
〇父親はピンクのポロシャツを着るので、男性がピンクの服を着ることに違和感がない。
〇英語の授業でステレオタイプという単語を習った時、昔のステレオタイプとして「女性の色は淡い水色である」という例を教わった。男の子がブルー、女の子がピンクというのもステレオタイプの一種だと思う。

【生育環境について】
〇ジェンダーリビール(赤ちゃんの性別を発表するイベント。風船を割ってピンク色だったら女の子、ブルーだったら男の子という形で発表する)は近年廃れつつある。ジェンダーに配慮して紫色にするという傾向もある。
〇ベビーシャワーも女の子はピンク、男の子はブルーで飾り付けされる。
〇昔のとある産婦人科では、生まれた時に男の子か女の子かランプで色分けするところがあった(現在は男女で分けるということをしていないそうだ)
〇幼稚園でも青はお父さんの色、赤がお母さんの色と言っている園児もいる。親を見てこういう固定概念を身に着けるので、あえてこちらがあれこれ言わないほうがいいのではないか。
〇男の人でも女の子向けキャラクターを好きな人はいて、固定概念に囚われずに自分の好きな選択をすることは素敵なことだと思う。
〇教材セットでも男の子用、女の子用で色柄が男女分かれていた。
〇ピンクが嫌いだったけど、香取慎吾くんの好きなピンクだからピンクを好きになれた。
〇ピンクは一般的に春、あったかい、女の子のイメージが強い。

その中で特に面白いな、秋田らしいなと思った話
〇固定概念(ステレオタイプ)というのは実際は固定ではなく、そのときどきの社会のありようによって変化していくものだということ。

〇自分が通った学校では彫刻刀は男女関係なく「なまはげ」だった。
〇ハピネッツのユニフォームは元々ゴールドだったのが他のチームが使っていないようなクレイジーピンクになった。最初は批判の声もあったが、今はハピネッツはピンクという認識になっている。
〇秋田新幹線のカラーも当初はピンクということで揉めたが、実際になってみるとそれはそれとして定着した。

資料として見せて貰った改定パンフレットに追加された内容

医療関係者向けのパンフレットだったような気もしますが、正確に記憶してないのでもにょもにょということで(おい)
追加された内容は、ターナー女性、身体的性別、性的指向の三つでした。

ターナー女性
ターナー症候群の女性。ターナー症候群とは、遺伝子をのせる染色体のうち、性染色体であるX染色体が足りないことで発症する女性の病気です。
本来、女性の細胞にはX染色体が2本備わっています。しかし、ターナー症候群では、X染色体の1本が完全に、あるいは一部が欠けた状態となります。女児の出生約4,000例に1例の割合で起こるといわれており、女児にもっともよくみられる性染色体異常です 。
身体的性別
身体的性、とは身体構造における性を指し、「生物学的性」と呼ばれることもあります。身体構造とは、性染色体や外性器、内性器、性ホルモンといったものを指します。
性的指向
同じまたは異なる性別・ジェンダー間において恋愛(ロマンチック・ラブ)や性愛、または性的魅力を感じるパターンであり、異性愛(ヘテロセクシュアリティ)、同性愛(ホモセクシュアリティ)、両性愛(バイセクシュアリティ)などがある。

女性というと染色体がXXで~とか、ヴァギナが付いていて胸が膨らんでいて~とか、男性と恋愛して~といったことを思い浮かべるでしょうが、全ての女性がそうだとは限らないので、改訂で付け足された内容は様々な女性を、性を包摂するいい内容だと思いました。

秋田プライドマーチについて

主催の方がプライドマーチについて色々お話して下さいました。

参加申し込みページは日本語版、英語版、やさしい日本語版の三つを用意する予定をしており、様々な言語の人が参加しやすいようにするとのことでした。
マーチの順路については歩道が狭いと車いすのかたが通りにくいのでこっちがいいよと警察のかたにアドバイス頂いたりしたそうで、色んな人がアイディアを出し合っていいプライドマーチにしたいそうです。
クラウドファンディングは開設してすぐに3割の目標を達成したそうで、主催者の方が喜んでいました。以降の寄付もよろしくお願いしますとのことです。
今回は企業の協賛については考えていないそうです。東京風にならなくていい、秋田らしいプライドマーチにしたいとのことでした。
ネットメディアでの発信が主ですが、秋田にはネット環境のないお年寄りがたくさんいること、また、メディア発信から情報を受け取るのはほんの一割とされていることから、ネットメディアだけでなく新聞、ラジオ、チラシと様々なメディアで発信していきたいそうです。

地元の反応

〇「こういうの(プライドマーチみたいなイベント)は秋田では少ないし、居場所がない人にとってはすごくありがたいことだと思う」

〇「田植えと被らなかったら行きたい」
※プライドマーチである5月は秋田の田植えの時期

〇男性の方でも「これって何のパレードですか?」と聞きに来てくれたり、興味を持ってくれている人がたくさんいる。おじいさんの中でもそういう方がいて、すごく励みになる。

〇秋田でレインボーパレードをやることについて、親から「わざわざ秋田でやらなくてもいいんじゃない?」と言われてすごく悔しかった。パレード絶対成功させて欲しい。

秋田のリアルと今後の希望

〇同性で一緒に暮らして不審がられたり苦労する人はたくさんいる。
〇LGBTQ+に理解がない地元より都会の方が住みやすいと、地元を離れる人もいる。
〇実家に帰ってきても「いい人はいるの?」「結婚しろ」と言われなくなればいいな。
〇自分らしさを出せるところがあればいいな。

伝え方の話

ラジオ等でお話する時、LGBTQ+やカタカナの単語をあえて使わないようにしているそうです。小学生にも理解できる内容にして「カタカナで意味が理解できない~」で終わったりしないようにしたいとのことでした。
中でも「自分でしっくりくる言葉を見つけてお話すれば、相手にもするっと入っていくと思う」というお話が印象的でした。伝え方を試行錯誤しているのが伝わってきました。
ただ、そういった単語を知らないと情報にアクセスしづらいというお話もあり、伝える難しさを感じました。
また、哲学からジェンダーについて学ぶようになったというエピソードがあり、こういう入口が色々あるといいよねという話も出ました。

今後のCOLORFUL Laboイベントについて

2020/2/29(土) AM10:00~12:00
COLORFUL Labo主催「Colorful de 和mi art~カラフルでなごみアート~」
場所:ナガハマコーヒー外旭川店2Fギャラリー

2019/3/29(日)
COLORFUL Labo~カラフルラボ~
場所:ウェスター秋田西部市民サービスセンター(2/21現在予定)

秋田プライドマーチ関連リンク

当日スケジュール

参加申し込み窓口

クラウドファンディング

今まで頂いたサポート、嬉しすぎてまだ使えてません(笑) note記事を書く資料や外食レポに使えたらなと思っていますが、実際どう使うかは思案中です←