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小説「52ヘルツのクジラたち」

 久しぶりの投稿となります。最近コンペに参加したりと忙しい日々を送っていました。

 そんなおり、本屋でみつけたこの本を読んでみました。

 この本は日本の家庭内の問題に踏み込んだ物語です。一見普通に見える家庭にも内在化する問題が多数あります。家庭内暴力は時には肉体的暴力だけではなく、精神的暴力も存在します。しかもそれは世間にはうまく巧妙に隠されていたりしています。
 核家族化した日本では、追い詰められた親たちが自分の感情のはけ口に子供を利用する事が多々あります。本来ならば人生の先輩として生活の知恵をもってアドバイスできる立場にある祖父母がいないため、親は孤立しがちであるため、人生に迷った時や重圧に苛まれた時、精神的に弱い親は要求不満の他者への攻撃性をもって自分の心の安定を図るのではないでしょうか。ですから、時には子供にその攻撃性が向かうのです。貴方の周りにいつも「だれだれのせいで・・・。私は・・・・。」という言葉を繰り返し使う人はいませんか?
 
 主人公の女性が抱えた悩みは私たちの隣人の悩みでもあり、自身の悩みにもなりえます。被害者はやがて加害者になり負の連鎖を繰り返します。

 本の題名になった52ヘルツのクジラは実際に存在し、その音声は録音されているらしいです。このクジラは他のクジラたちと違う周波数帯にて歌うことから世界一孤独なクジラと言われているらしいですが、本当にそうでしょうか?一説にはクジラの声は3000km先にも伝わるらしいです。

 日本は、古来からクジラを海の神とあがめてきた土地があり、各国にもクジラを神格化した伝説が多く残っております。なぜクジラが神としてたとえられたのか。高等生物として人間にはまだ解明できてない周波数による高度なコミュニケーションを成している動物だからではないでしょうか?

 私は2020年夏不思議な夢を見ました。いろいろな問題を抱えていて、当時周囲の人たちに対して負の感情を持っていました。その時、夢を見ました。
 一つは、蜂がお尻をぶるぶると震わせ、飛び立つ夢
 一つは、鯨が鳴き、怒りをあらわにする夢
 一つは、黒い人影が宇宙(そら)にて「君の夢をかなえるよ」と言ってフェイドアウトしていくとそれは小隕石であった事

 とても暗示している夢であったのですが、このクジラの夢もあり、この本を手に取りました。人間の思考も周波数で行われています。その周波数を拾う研究も今、されています。私は他の人と思考の仕方が違います。なぜなら右脳を多く使っているからです。左脳の言語野を使い、心で言語で会話することをあまり行いません。そして2019年から2021年まで私が体験したことはこの52ヘルツのクジラのような体験であったと思っております。

 今はまだ負の感情が多く残り関わった人たちを到底許す事はできませんが、いつか、文中の言葉で表現するならば、また、愛を注ぎ注がれる存在に出会いたいと思っております。私の以前の彼氏も家庭に問題を抱えた人でした。しかし、彼はそれを克服した人でした。その彼が「覚えておいて。俺の愛は誰よりも絶対だと思う。」と一言言ってくれた事を忘れる事は出来ません。その彼氏との関係は周囲の人に邪魔されて破綻する事になりましたが、もらった愛は一生大切にしていきたいと思っております。

 人間関係に悩む方、一度読んで見られると良いと思います。愛とは人間の感情において高尚な感情であり、愛にもいろいろな愛があると思います。情愛、友愛、親愛、それらを、周波数を使ってメロディに乗せ、相手に届ける事が出来るクジラはとても素敵ですね。

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