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【番外】ヨーロッパS雑記

  最近のコロナウィルスによる影響で経済に大打撃。好調なところもありますが、少なくとも車業界は非常に厳しいです。
特に外車はハイパーカー、スーパーカーといった今まで「投資」の目的で扱われていた車種もガタガタっと値下がりしております。言わんや通常ラインの車種は…

  無論ヨーロッパSも非常に値下がりしております。最近だと300未満の個体もあったりと、エリエクよりも非常に安いですね。安さの引かれて買った方は大事に乗ってください。弄ると際限がないので…

実際ヨーロッパSは「安い」と思います。自分が購入した個体も「走行距離2万km以下」の個体でFK8より安かったです。これがS2のエキシージとか、111Rとかだと倍はしてたでしょうね…

まぁそれだけこの車に「魅力が無い」ということですね。
エンジンはデチューンにデチューンを重ねた駄作。後にロータスは反省してデチューンを戻しましたが、2Lターボとしてはあまりにも貧弱すぎる「225馬力」。日本ではとっくの昔にインプレッサ、ランエボが自主規制である「280馬力」を、エイリアンの如く腹を食い破りかねない勢いで走っており、MR車としての括りでも「SW20」が3S-GTEを搭載。こちらはボディの剛性不足、リアサスペンションのジオメトリ変化によるコーナー中の不安定さ等、車としての出来があまり良くなかったですが「直線番長」という部類では車マニアの脳裏に強烈なインパクトを残しています。(確か当時のSGTに出ていた80スープラが2JZでは無く、3S-GTEを採用していた等エンジン自体の素性は素晴らしかったはずです。)
そんな日本、ひいては世界にリリースされたヨーロッパSは家庭内の競争(スーパーチャージャーを搭載したエキシージが220馬力で車重900弱)にも敗れ、他メーカーとの比較にも「カタログスペック」では特筆する長所も無いまま、ひっそりと歴史の闇に消えていきました。

「ロータス・ヨーロッパ」の名を冠された、「オペルスピードスターⅡ」とも言うべきこの車。リリースを後押しするべき先代の「名前」に押し潰されてしまい、車マニアからは一時の興味を引くだけに終わり、ロータスファンからと言えば「車重」という【絶対基準】の元に、ろくに運転されないまま失敗作の扱いに終わりました。
この2年間(記事執筆当時)、所有してからこの車の事について国内外の情報を集めましたが、生産台数456台という数字はこの車の「自動車」としての存続を難しくさせています。

これがLF-Aの様なスペシャリティカーならば、その名前を確固たる物にする裏付けになりますが、ヨーロッパSはあくまでも「乗用車」の為単純に「メーカーにとってフォローするだけの価値が無い廃盤商品」でしか無いのです。因みにLF-Aは500台生産されたそうです。

エンジンだけは非常にポピュラーな物の為、オイル、エレメント、各シール類の部品供給にすぐ困ることは無いと思います。シャシーについても、アーム類はVX220と共通(エリエクとは違う)、ブッシュ類についても共有しているためリフレッシュは比較的容易ですね。

  問題はボディです。ボディだけは手作りのFRP製の為、本国の在庫が無くなった段階でこの車の「顔」が無くなることは覚悟しないと行けません。ガレージで飾って眺める用途であれば考える必要は無いですけどね。

  個人的にはこの車が「ヨーロッパS」たらしめる要素を無くす事が、この車の価値を上げる唯一の方法だと思っております。

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