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消されたマンガ【読書#2】

こんばんは。今回「消されたマンガ」という本を読みました。共著 赤田祐一+ばるぼら で彩図社から2016年今から4年前に発売された作品。。この消されたマンガを読む事でただ何気なく読んでいる漫画の裏で日々表現の自由の限界と向き合っい今の漫画大国日本があるんだとわかりました。ちなみに日本で第一号の悪書を描いたのは他でもないマンガの神様手塚治虫である。実際ブラックジャックとかを見るとエロやグロいシーンがあったり(そんなでもないけど)チャレンジで色々やっている感じは思ってたので悪書といわれた事もあるだろうとは思いましたがでも1号とはビックリ!そんな手塚治虫作品の悪書の中でも特に「妖怪探偵団」という作品はタブー発言が多すぎて修正不可能。今後の復刻も出来ないようで非常に貴重な本とされてるようです。
今回は消されたマンガ本書の中でも特に私が印象に残ったのをいくつかあげたいと思います。

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「8マン」

作品自体には問題ないが作者都合により消えた作品。!当時のロボットアニメ「鉄人28号」「鉄腕アトム」のような子供向けとは一線引いた少しスタイリッシュなロボットで人気がありアニメ化もされ好調だったのにも関わらず作者(作画担当桑田 次郎)は銃刀法違反でつかまり当時連載していた週刊少年マガジンは急遽連載となった。

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「アシュラ」

そして消されたマンガの中でも群を抜いてヤバかったのが作者ジョージ秋山による「アシュラ」何が凄いっていうと当時週刊少年マガジンで新連載でスタートするやいなや、神奈川県で有害指定図書とされ、後に各県も有害指定図書、後には不買運動までと発展した恐ろしい作品。このアシュラの内容は人食を食うというお話し。人を食うというモノだったら東京喰種とかもあるけどそれとは背景が違く壮絶過ぎるのである。まずこの作品の背景は貧困者で飢餓状態の妊婦がおり食べるものがなく腐敗した人間の肉を食うというとこからスタートしてさらにその妊婦自身がが生んだ子「アシュラ」をも食べようとするという地獄絵図に発展していく(ここでまだ序盤の方)。その当時週刊少年マガジンには批判が殺到して、ジョージ秋山にも取材が多く来たという事。実はこのジョージ秋山は手塚治虫は一度対談をしておりその内容がこの本にも少しだけあり。普段口数の少ないジョージ秋山が手塚治虫の前ではすなおに、本音で漫画、悪書について語っていました。

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「魔太郎がくる」

未収録の番外編「魔太郎がくる生い立ち」!こちらはドラえもん、笑うセールスマン、オバQなどという児童漫画の顔ともいえる藤子不二雄(魔太郎はF,Aの合作)。まず魔太郎がくるとはどういう作品か?いじめられっ子の魔太郎が怪奇的な力を使い復習をするという怪奇マンガ。この魔太郎の復習が子供向けとしては過激という事もあり、藤子作品としては珍しくアニメ化されず、単行本にする際は全133話の作品をなんと60話近くを描き直しをいれたエグイ漫画です。(当時連載された少年チャンピオンオリジナルはいったいどんな内容だったんだ)そして単行本未収録になった番外編「魔太郎がくる生い立ち」は少年チャンピオンの魔太郎がくる最終話の一つ前に掲載されたお話し。制作秘話などの裏話の中に作者のいじめ体験談も語っており、当時の事を思うと悲しいし悔しいと生々しいセリフがあり「魔太郎がくるほど感情をこめてかいたのは初めてだ」とかなり熱を入れてたことも語っています。藤魔太郎がくる!これは子不二雄ファンとしては必ず押さえておくべき作品ですね。

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以上まだまだ色々面白いエピソードが盛沢山の消された漫画、トレース作品(盗作)、宗教、人種差別、ねつ造、猥褻作品、またはちびまる子ちゃんにあったサイケ過ぎた内容により、作者、編集側で作品の収録を控えたのもある(この場合消されたではなく消えたかも)。このように世の中には消されたマンガは結構たくさんあります。消されたというのは良くないという事にも思いますがどこか魅力がある気になる部分も出てつい読みたくなってします。そして今後漫画はSNSの発達もありよりそういう抗議の仕方も変わり批判的な事もあるでしょうそして無くなる事はないと思います。ですがだからといって控えすぎるのではなくその時代時代にあった表現の仕方で上手く折り合いをつけてこれからも多くの漫画が出る事をいち読者として楽しみにしてます。

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