マーマレードさんとココア屋の不思議な夜 【物語】
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外では、北風が落ち葉を足元でクルクル踊らせています。道行く人々がその光景を見て身震いする寒さ。
しかし、駅前ロータリーのマックとスタバに挟まれたサフラン色の扉を開け、暗い廊下を進むと…
「いらっしゃい」
つつつ~っ))
ココア屋のマスターが、カウンターテーブルの木目を寸分の狂いもなく読んで、鮮やかにカップ&ソーサーをお客の目の前にスライディングさせました。
「うちの店、ココアしか提供しておりません。…と、言いたいところですが…」
ほわほわの湯気が立ち上