GEN Edgar監督へのインタビュー記事からいくつか質問を抜粋して翻訳しました

4/1にInvenに投稿された、GENの監督 Edgar氏へのインタビュー記事を翻訳してみました。翻訳元の記事は質問が30項目もあり、読破するのに20分以上かかる長編インタビューだったので、いくつか質問を抜粋して翻訳しているので、ご了承ください。

Q.オンラインで公式戦を行うことについてどう思いますか?様々な長所・短所があると思いますが。
「あまりにも緊張感がなくなってしまうのではないかと心配していました。いつも練習している場所で、カメラもなく、スクリムのように試合をしなくてはいけない訳ですが、スクリム成績の良し悪しに関わらず公式戦である分、ある程度の緊張感を保たなくてはいけないと考えていました。それで私たちはみんなでユニフォームを着て、なるべく試合会場にいる感覚で臨んでいます。そのおかげである程度緊張感を保てていると思います」

Q.ストーブリーグの時期、つまり選手ロスターが完成する前に、2020シーズンを見据えて監督が思い描いていた未来図はありましたか?『こういうカラーを持った選手たちが加入してくれたら嬉しい』などです。
「まず第一に、選手たち同士が親しかったら良いなと思っていました。LoLはチームゲームなので、実力よりもお互いが親しく気が合うのが一番重要だと考えるタイプです。フィードバックの時に、胸の内を全てさらけ出せなくてはいけません。溜め込んでしまったら、間違いなく後で不満が爆発するものなので。
そういう意味では、今の選手たちは加わった当初から良い感じでした。選手たち同士がとても親しかったので。2020シーズンのロスターが完成してワークショップに行った時、選手たちがボードゲームで遊んでいるのを見て『あんなに仲良くなれるのか』ととても衝撃を受けました。夜明けまで本当に楽しそうにボードゲームをしているのを見て不思議でした。その時からチームが上手く行くだろうと、強く感じていました」

Q.本格的にストーブリーグに突入する前から、特に気になる選手はいましたか?必ずチームに連れてきたい選手です。
「Clid選手です。でも正直、Clid選手が移籍市場に出てくるとは考えてもみませんでした。それでストーブリーグ序盤の会議の時も、端から候補には入れていませんでした。でも色々あってT1からFAになり、私たちにとっては望ましい状況になりました」

Q.今、チーム内でコールや試合運びの中心的役割を担っている選手はいますか?
「今はClid選手とLife選手が主導的なコールをしてくれる方ですが、メインコーラーは特に決めていなくて、みんなで話しながら調節していく感じです。いまだにコールが分かれることが少しずつあるので、もっと仕上げていかなくてはいけません」

Q.BOTキャリーを目指す試合を続けていた影響で、”GENの試合は退屈だ”という不名誉な評価も生まれました。チームカラーが変わった今でも時々そういう評価をされることがありますが、これについて話しておきたいことがあると思います。
「あまりにも昔のイメージで語っていると思います。今のGENは、むしろ序盤から素早く終わらせようとするチームです。平均試合時間もLCK内で1~2位だったと思います。バンピックも序中盤を意識している方ですし、試合がよく一方的な構図になるせいで退屈だと感じるかもしれないとも思いますが、少し偏見が入っていると思います。私たちは強力なレーン戦からスノーボールしていくチームです」

Q.変わったスタイルの中心はBdd選手のようですね。監督から見たBdd選手はどんな選手ですか?
「最初Bdd選手を見て驚いたのが、スクリムの試合も含めて全て録画して、それを個人的に見返してフィードバックしているということです。(プロとしての)基本がしっかりしていると感じました。自分自身のフィードバックにプライベートな時間を費やすのは、思っているよりも簡単なことではありません。いくら選手たちに(プライベートな時間を費やすことの大切さを)強調しても、中々上手くいかない部分でもあります。そういう意味で、Bdd選手は申し分のない選手です。
実力的にも予想よりも遥かに上手くプレイしてくれています。JGとのシナジーが生まれて、より伸び伸びプレイしていると思います。加えてBOTレーンもプッシュしている状況が多いので、好きなだけ相手にプレッシャーを掛けながら気楽にプレイしている部分もあります」

Q.MID-JGに注目が集まっていることで、Ruler選手に対する評価は少し残念な印象を受けます。依然として、とても上手な選手ではありますが。
「チーム内でRuler選手に対する心配をしたことは一度もありません。私たちとしては、DPMのような指標は正直あまり大きな意味はないと考えています。Ruler選手はいつも上手くプレイしてきたし、今も上手くプレイしています。ただ、時々とても大きなミスをしがちですね。あっけなくデッドしたり、あり得ないようなキャッチをされたり。そういう場面のインパクトが大きすぎるせいで、残念な評価をされていると思います。私たちも、Ruler選手がなるべくミスをしないようにコーチングしています」

Q.シーズン序盤と比べて最も評価が変わったのはRascal選手ではないですか?シーズン前には実力を疑う人々も多かったですが、今はとても安定的に自分の役割を果たしています。
「期待していたよりも遥かに上手くプレイしてくれています。チャンピオンプールも広く、自ら努力し続ける姿を見せてくれています。いつも一生懸命で、心配がいらない選手でもあります。私たちがバランス良いチームになれたのもRascal選手のおかげだと思っています。耐えなくちゃいけない時は耐えて、攻めなくちゃいけない時は攻めることができる選手です」

Q.各チームが完成に近づいているシーズン後半に突入しました。監督が感じている、今のGENの一番の長所と修正しなくてはいけない点は何ですか?
「長所はまずレーン戦です。他のチームよりも間違いなくレーン戦を上手く行っていると思います。短所といえば、素早い状況判断が未熟だということです。例えば、試合中ドラゴンとゴールドを交換しなくてはいけない状況が生まれますが、その判断が遅いことが多いです。判断が遅くなると、アクションを起こせたはずの時間がなくなってしまいます。戦うにしても捨てるにしても、明確にしなくてはいけないのに、コールが分かれることがあるので、そこは修正しなくてはいけない点です」

Q.GENといえば、充実したアカデミーでも有名ですね。最近、JGのBonnie選手とMIDのKaris選手を1軍練習生にコールアップしたと聞きました。二人はどういう長所がありますか?
「Bonnie選手とKaris選手は、アカデミーにいるにはもったいない実力を持っています。それで1軍練習生にコールアップしました。二人とも今すぐ他の1軍チームでプレイしても問題ない実力だと思っています。ただ、ウチのMID-JGがあまりにも強いので、チャンスを掴むのは楽ではないことです。もう少し学ぶべき点もあります。
二人とも練習態度も良く、頑張っています。将来が嘱望される選手たちです。今はLCKのスケジュールがとても過密なので1軍のスクリムに参加できていませんが、余裕があればスクリムに出る機会もあると思います」
※二人のKRSoloQ順位(4/4時点)
Karis:9位
https://www.op.gg/summoner/userName=Gen+G+Karis
Bonnie:47位
https://www.op.gg/summoner/userName=Gen+G+Bonnie

Q.Edgar監督といえば、努力と練習をとても重要視するというイメージがあります。依然として、そういうコーチング哲学に変わりはないみたいですね。
「変わりかけたこともありましたが、また立ち返りました。2018年、2019年の選手たちには申し訳ない気持ちもあります。あの時は、これまでの私のやり方ではなかったからです。元々は、積極的にフィードバックに参加して、たくさん選手たちを叱るタイプなんです。
一番叱ったのはCrown選手です。とても辛かったと思います。叱る立場である私もそうでした。それでも本当に仲は良くて、それがとても大事なことなんです。フィードバックをする時に、選手が監督を嫌いになってしまったら、それは良くないフィードバックだと思います。でも、どの選手もしっかりフィードバックに付いてきてくれたと思います。選手たちにありがたくもあり、不思議でもありました。
(中略)
更に、一番重要なのは選手自身がやりたくて努力するということです。実際全プロチームが一生懸命努力しています。私たちよりも一生懸命なチームも多いと聞きました。でも私が強調したいのは、選手自らやりたくて頑張っているのか、ということです。監督が強制するのではなく、自ら未熟だということを悟って、それを埋めるために努力すること。これが大事なんです。今のGENの選手たちはそういう面においては、全く心配していません。
更に掘り下げて話すなら、2019年にRoach選手があまりにも練習をするので、練習室に入れないようにしたこともありました。コンディションに悪影響を与えるほどだと判断したからです。選手が望んだことだからといっても、次の日に影響が出てはいけません。良質な睡眠がとても重要なんです。ろくに眠れないと、それがそのまま試合にも表れます。実際難しいことです。一生懸命努力しなくてはいけないのに、しっかり寝なくてはいけない。しっかりバランスを取って、選手自ら効率的な練習をしなくてはいけません」

Q.今年の目標は当然WCS優勝ですよね?
「そこまではまだ分かりません(笑) 第一の目標はWCS進出です。進出すること自体が重要だと考える理由は、WCSに出場したら色々なリーグのチームと対戦できるからです。海外チームと対戦し続けることでメタが変わっていきます。その変化するメタに適応していくのが重要です。恐らく2018年のWCSでメタに付いていけなかったのも、そういう部分が大きかったと思います。
そしてWCSで優勝するためには、現地に行って何をするかが更に重要です。あの1か月という短いとも長いとも言える期間に、本当にたくさんのことを悩んで研究しなくてはいけません。もし進出したらとても楽しい経験になるだろうと思います。ある意味メタとメタの対立じゃないですか。海外リーグの試合も全部チェックしていますが、リーグ内でもチームごとにかなりスタイルが異なるので、どのチームが合っていてどのチームが間違っているのかはよく分かりません。結局は最後に優勝したチームがメタになります」

Q.最後に、共に頑張っているコーチ・選手たちが元気づけられる一言をお願いします。
「機会があれば、必ずLife選手について話したかったんです。Life選手は、彼の実力と比べて、今シーズンあまり注目されていないようなので。ご存じかもしれませんが、Life選手は今シーズン全勝中の選手です(4/1時点)。一度も負けたことがないんてす。チャンピオンプールもとても広くて、今シーズンバードやタリックのようなチャンピオンを真っ先に使ったのも彼です。本当に頑張っていると伝えたいです。
コーチたちもみんな頑張っています。スケジュールが変更になってから、休みがなくとても大変だろうけども。選手たちも同様です。申し訳ない気持ちもあります。それでも良い成績をあげているので、これからもこの調子で行けたらと思います。お互い信頼感を持って、今のように試合に臨めるなら、今シーズンは大きな問題はなさそうです。
いつも面倒を見てくれる事務スタッフの方々にも感謝しています。チームが上手くいくためには、監督・コーチ・選手だけでなく、会社も含めて全部噛み合わなくてはいけないと思っています。
Springシーズンも残り僅かですが、みんなで頑張って良い形で締めくくりたいです。ありがとうございました」

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