タンクヴァルスはイキりピックではない【LOLコラム】
最近、と言うには情報が遅いのですがファーストコアにレディアントヴァーチュを持つヴァルスのトップ運用が強いと言われています。
私は直接のマッチアップ経験はまだないのですが、敵にせよ味方にせよトップヴァルスがレーンに勝ってるところしか見た事がありません。
おかしいと思います。
レンジトップと言ったら味方は負けるし敵はバカ勝ちするって感じの歪んだ認知を生むもののはずなのに、敵でも味方でも勝ってる印象しかない。
統計サイトでは勝率下位に収まっているのでヴェイン以外のADCもトップに出てくるようになったんだなぁといった程度に考えていましたが、試合の勝率はともかくレーン戦に限って言えばもしかして最強チャンプなのかもしれないという考えを持つようになりました。
そのくらい毎回トップヴァルスが勝っているんです。
理屈の上では有利なんだからしっかりプレイすれば勝つのは当然とも考えられるでしょう。
しかしこれまでどんなレーン番長だってそれなりにレーンで負けるところを見てきた私からすると、さすがに勝ちすぎだろうと逆に不安になってしまうというものです。
ましてやレンジトップ。
ヘラヘラしながらADCに行くようなチャンプをピックしてレーン惨敗した後に延々言い訳を聞かされるタイプの糞ピックであるはずのものがどうしてここまで安定しているのか、今回はその辺を考えながら何度かやってきたので今のところこういうことじゃないかなぁと考えていることなどを書いていこうと思います。
トップタンクヴァルスの何が強いのか
一般的にタンクヴァルスと呼ばれているのでそう呼んでいきますが、実質的にはファイターです。
ダメージを出しに行くために最低限必要な耐久力を確保し、殴り合って勝つビルドです。
ファイターと違い基礎ステータスが貧弱なマークスマンでは中途半端になりがちなものではありますが、ヴァルスの場合はそれが通用する水準になる。
以下では何故そうなるか、その根拠となる性能について説明します。
パッシブ効果による安定した火力と射程距離
ヴァルスがトップレーンに出て来られるのはＷのパッシブ効果に割合ダメージがあるからです。
ジェネリック王剣と言えるようなものを自前で持っているので何も積んでいない状態でも最低限の火力が出る、これの何が強いのかは他のＡＤＣでトップレーナーと殴り合ってみれば分かるでしょう。
基本的に体が強いトップレーナーはファーストリコール後くらいからはレンジのＡＡなんて一発二発貰ったところでそんなに痛くないんですよ。
大抵の場合レンジトップはカイトのために靴を最優先で買い、対面もまたＡＲ靴を買うのでそこまでにファーム差をそれなりに付けることが出来ないと不毛な事になるんです、割合持ちでなければ。
AA入れに行きたいけどトレードに来られると不利になってしまう、そういう状況になるからレンジ有利の構図はわりと早めに崩れてしまうわけです。
これを解消するのが割合ダメージの存在です。
これがあることによって靴を買った後もAA一発のダメージとDPSの差で安易に入っていくと返り討ちにされるレンジ有利のパワーバランスが継続する。
ヴァルスがトップで通用する最も大きな要因がこれだと私は考えています。
また、ヴァルスはミニオンをキルすることでＡＳが上がるというパッシブも持っているので装備が無くても効率よくＤＰＳが伸びていきます。
基礎性能の高さを感じますね。
要するにクインを使って適切なスキル回しでカイトを続けるよりも、バーストとDPSを高めてある程度削れば殴り合っても勝てる割合ダメージ持ちの方が１ミスの損害が少なく再現性が高いということです。
ヴェインとの違い
さて、割合ダメージがあると殴り合いもできて簡単ということが分かりましたが、そうなると今度は古来から存在するトップヴェインとの差はどこにあるのかが気になってきます。
ヴェインはWの強烈な割合ダメージもさることながら、Qのブリンク、Eのディスエンゲージというメレーから見ると絶望的なカイト性能も持っています。
それなのにボコられているのをよく見ます。
何故そうなるか、いつも勝ってるヴァルスと何が違うのかを考える必要があります。
結論を先に言うと、それはAOEスキルショットを持っているかどうかの差です。
これがどんな差を生むのか、ひとつひとつ見ていきましょう。
まずはワーディングの差。
ヴェインもヴァルスもタイマンでは気持ちよく対面をいじめることが出来ますが、ガンクには弱いことが当然のように知られています。
つまり頻繁に来るということ。
それを避けるためにワードを置くことの重要性は聞き飽きるほど言われている事なのですが、ワードを置いただけでガンクが避けられるわけじゃないという事実に対する認識もちゃんと持つべきです。
ワードを置いたのは良い、じゃあワード消された後どうするのか。
そこを考えるべきなんです。
他のトップレーナーのようにフェイスチェックしてヤバかったらフラッシュアウト、なんてことを考える事すらできないのがレンジトップの耐久力、ワードを消されたら置きなおすまで一生ゾーニングを受けることになってしまいます。
そういう時にスキルでブッシュのチェックができるヴァルスは安全に置きなおすことが出来ます。
レンジもかなり長いですからノーリスク、これによって序盤のデス数には大きな差が出ます。
このスキルショットの有無の差は恒常的な立ち位置の違いも生みます。
ヴァルスはAOEを二つも持っていますから、ヴェインとのウェーブクリアの差は明白です。
押すべき時に素早く押すことができればリコールタイミングはわりと自由に作れますし、レーン戦のほとんどの時間をプルウェーブにした状態で過ごすことが出来ます。
トップヴェインがボコられる原因は大体ずっとプッシュしていてガンクすれば大体刺さるから、そしてそういうレーニングをしないと強さを押し付けられないからです。
明らかに違いがありますね、ヴァルスにはメレーをいじめて気持ちよくなろうという安易な選択の他にも真面目なレーニングをする余地もちゃんとあるということです。
集団戦での役割
トップヴァルスのファーストコアはレディアントヴァーチュがよく選択されています。
これについて私は最初に足りない耐久力を回復と体力で補うのかなと考えていましたが、何戦かやっていくうちにこれは構成の面で薄くなっているフロントの強化をしているんだということに気が付きました。
タンクヴァルスでタンクなんかしたらただのトロールです、エンゲージをJGとSUPに頼って彼らの仕掛けに合わせてRを撃つのがヴァルスの役割です。
ヴァーチュのおかげでその後に無理矢理入ってくる敵の攻撃を受ける程度の耐久力はあります。
その程度しか受けられませんが問題ないでしょう、既にバーストは出し切ってあるので敵は瀕死です。
逃げる背中にWQを撃つ、なんとかトレードに持ち込もうと無理をして入ってくるキャリーにとどめを刺す。
そういう感じで考えればいいです、自分はローリスクに安定したダメージを出すだけで良いので難しいことはありません。
誰かが入って行ったから俺も合わせよう、そういう感じで始まる団子状の集団戦が最もよくある形ですからヴァーチュがめちゃくちゃいい仕事をしてくれます。
トップ以外でもいけるヴァーチュヴァルス
タンクヴァルスはタンクじゃないということを繰り返し言ってきたので適切な呼び方としてひとまずヴァーチュヴァルスとしておきましょう。
最近流行りのヴァーチュヴァルスは実はトップだけじゃなくADCでも採用されることがあるビルドです。
ちょっと話が変わりますが、みなさんはエフェクティブヘルスという考え方をご存じでしょうか？
ダメージ軽減の仕様とか諸々の計算が必要でちょっと複雑なものなので詳しく知りたい方は検索してみると解説しているブログなどがすぐに見つかると思います。
今回は簡単にざっくりとした説明で済ませようと思います。
HP３０００AR０
HP１５００AR１００
仕様上この二つが受けられる実質的なダメージは同じ
だからアーマーとヘルスはバランスよく積んだ方が金銭効率が良い
概ねAR１ポイントに対して、7.5を乗算して750をプラスした値が最も効率よくダメージを受けられる
エフェクティブヘルスについての知識から得られる実戦的な考え方を簡単に言うとこういうことです。
なぜこういう話をしたのかというと、ファーストコアでヴァーチュを買うヴァルスは完成した時点でこのエフェクティブヘルスの理想的な値に近い数字になるからコスパがすごく良いからです。
火力面はパッシブの割合ダメージとAS靴でかなり出るので総合的に見て攻守の水準が高く、ボットレーンの２ｖ２にとても強いんですね。
普通ならＡＤＣに対して先にバーストを入れられると戦えなくなるものですが、防御面を高めておくことでそういう常識が通用しなくなり相手はエンゲージがかなり難しくなります。
序盤の方で書いたようにステータス的にはファイターなので、それがマークスマンのＡＡレンジを持っているのだからハラスも自由にできないし殴り合っても勝てない。
相手はかなりレーニングに困ると思います。
まとめ
ステータスのバランスがいい割合ダメージ持ってる奴のAAレンジが５７５だと強い！
AOEスキルショットは単純な戦闘以外にも色々と役立つから強い！
トップヴァルスは一過性の流行に留まらず、今後も継続的に出続ける可能性を感じました。
安易なイキりピックとは一味違うと思います。
それに比べるとトップヴェインってただイキってるだけって感じがして印象悪いかも。
何も考えずにプッシュするだけで頭悪そうだしワードも置かずにガンクされてJGGAPとか言ってて性格も悪そう。
トップでヴェイン出す人とはちょっと距離を置こうかな。
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