無暗な「LOL教えて!」は逆効果【LOLコラム】

私が初心者にLOLを教える時、まず最初に確認することが3つほどあります。

・やりたいロール、あるいはチャンピオンはどれか
・LOL関連の動画をみたことがあるか、そしてそれはどの投稿者のものか
・そもそもLOLを始めたきっかけは何か

といったようなことです。
これは教わる人がLOLのどんなところに面白味を見出しているのかを明らかにすることを意図した質問であり、そこに明確な答えがあれば教えるのが非常に楽です。
好きこそものの上手ということわざがあるように、やりたいことがはっきりしている人は手取り足取りする必要がありません。
自発的に学ぶので雑多な説明が必要な初期の面倒が少なく、またある程度慣れてきて複雑な話をしなくてはならなくなる段階となっても、その時には理解できるだけの素地をしっかりと持てているので難しくはあっても簡潔に話をまとめやすい。
労力的には知っていることを伝えるだけなので片手間で済むわけです。
プロを養成するわけではありませんからね。

一方で、やりたいことが明確でない人に教えるのは大変な苦労があります。
その苦労を一言で言うなら「なんでLOLなんかやってるんだろう」です。
基本ルールを覚えるだけでそれなりに情報量が多く、時間帯や状況の推移によってによってやるべきことが変わっていく複雑なゲームです。
仕事でもないのに自分で考えて試行錯誤することも出来ず人に言われるがまま操作していて楽しいものでしょうか?
教わる立場であれやこれやと要望を出すのが憚られると考えているのなら今すぐに改めるべきだと言えます。
経験者が初心者に教えられるのは技術や知識だけであって、楽しさは必ず自分自身で見出さなければならないもの。
このチャンプが動かしていて楽しいとか、タイマン勝負が強くなりてぇとかそういう願望が無い人に何を教えればいいのでしょうか。
基礎的な知識やら何やらは既に整然とまとめられた分かりやすいものがあらゆるところに無料で公開されています。
具体的な願望を示されない事には代わりにそういったものを検索してあげるくらいの事しかできないわけです。
まさか「カーサスJGでファームだけして言われた時にだけRを押す」などという馬鹿げた状況で他の人がゲームを楽しめるとでも思っているのでしょうか?
あり得ません、目的を持ってください。
過剰な遠慮や謙虚さは非常に空虚なものであることを是非知ってください。

具体的目標を持つための3段階のプロセス

ここからの記事はやりたいチャンプもロールも特になく何故LOLをやっているのか分からないような方向けのものになります。

おそらくあなたは誰かに誘われたから付き合いでLOLをやっているのでしょう、そして大抵の試合でどうしようもないほどボコられるのでそうならないよう多少凹まされたとしてもお通夜ムードにならない程度に過ごせるような方法を教えて欲しい。
というのが今のところのあなたの望むものであるはずです。
正直に言うのは確かに少し憚られるようなことではあると思いますが、十中八九周囲の人にはバレているはずなのでその点はきちんと受け止めてください、そしてそれが特に非難を浴びるようなことではないことも。
普通はそういうものです。

とはいえ、そんな風にLOLをやっていてもそんなに面白くは無いでしょう。
誰かと遊んでいれば何だってそれなりには楽しめるものではありますが、上達のために前向きな意欲を持てない状態というのは長く続けていくほど苦しくなっていくものです。
そしてそういった状況は一緒に遊んでいる人にとっても不愉快なものです。
建前、体裁を整えるという意味でも、まだLOLをやるのであれば何かポジティブな目標を持ってみることを強くお勧めしたいと思います。

そもそも「レーンを無難に過ごす」ことが出来るのは「そこそこLOLが上手い奴」です。
ちゃんと向き合わないと到達できそうにない水準なので一旦ここで読むのをやめて、きちんとした目標を定めて取り組む決意ができたらまた来てください。
ここからはわりと面倒なことを沢山やれという内容になっていきます。
よろしいでしょうか?
まずはLOLに楽しさを見出すところから始めましょう。

ステップ1:すべてのチャンプを最低一度は使ってみる

LOLには現在166くらいのチャンピオンが実装されています。
それだけいれば使っていて楽しいと感じられるチャンピオンの一つや二つ見つけられても不思議はありません。
トレーニングモードでもなんでもいいのでとりあえずやってみましょう。
虱潰しに全て試してみて、特にこれというものが無かったのならそれでもいいです。
操作キャラクターは勝利のために用いる道具のようなもの、王手をかける駒は桂馬であろうと飛車であろうと関係ない、ゲームが楽しければいいわけですからね。
むしろLOLに向いていると言える傾向でしょう。

もしも全てのチャンピオンを試している途中で何か気に入ったものがあった場合にはしばらくそのチャンピオンを使用して楽しめば良いです。
飽きたら他のを試していくことを続けていけばそのうち全てをやり尽くしてしまうことになります。
飽きなかったら・・・それはそれでいいんじゃないでしょうか。

ステップ2:動画を見て学ぶ

ステップ1でやったことを端的に表す言葉は「習うより慣れよ」です。
物事の最初にある雑多な発見はいちいち教えていたら埒が明かないので、とりあえず自分でやってみてその辺の面倒はスキップして欲しかったのです。

どんな発見や気付きがあったでしょうか?
あるいは教える側すら知らなかったものを見つけているかもしれません。
しかし、そのことについて語り始めるのはもう少し後にしましょう。
まずはあなたより先にLOLを始めた人達の話に耳を傾け、その中に独力では学び取れなかったものは無いかを探します。

三面図に書き表した円柱形を思い浮かべてください。
正面や横から見ると長方形のように見えます。
上から見ると円に見えます。
しかしその三つの情報を足し合わせる事で正しい形状が円柱であることが疑いようなく判断できます。
物事の判断はこのように多様な視点からの情報を総合して考えることで精度が増します。

LOLにおいてもこの考えは有用です。
トップレーナーにはトップレーナーの主張があり、JG、MID、SUP、ADCそれぞれに違った意見があります。
最終的に勝利を収めるための方法論はポジションを変えるだけで食い違うのです。
そのうちのどれを採用すべきであるのかを判断する時、あなたに全てのポジションの知識が無ければ精度の高い決断が出来ません。
そして時には明らかに間違った行動をすることが結果的に「無難な」試合運びに繋がることもあります。
無難であることがなんとも難しいゲームです。
それを実現するのが多くの学びによって蓄えられる知識に裏打ちされた判断力となります。

よって、可能な限り多くの人、あらゆるロールの動画を見て学ぶ必要があります。
レートが高いゲームのものは優先する価値があります、理解できる言語での解説がついているものも優先度が高いです。
このプロセスにはステップ1のように明確な終わりを設定することが出来ませんが、誰かのあるプレイングに対して自分なりの解釈ができたり疑問を持ったりすることが出来るようになれば次のステップへ進んでいいかと思います。

ステップ3:LOLについて語る

これは今まさに私が実践していることです。
自分なりの考えを持つことができ、言語化することができるなら目標を持てるようになるまであと一歩です。
それは別にLOL理論とか言えるような大袈裟なものではなくても構いません、単純に試合中に感じた不満とかでも良いです。

例えば「しつこくガンクが来てむかつく」とか。
これを冒頭で言ったようにポジティブな目標へと変換していきます。
すると「ガンクによって受ける不利益を最小化するにはどうするか」というような、大体同じような事を言ってるけど建設的な事を考えているような雰囲気に早変わり。
これには様々なプランを示すことが可能です。

プラン1、レーン戦よりも集団戦が強いタンクチャンピオンを使う
これは例えばオーンのようなチャンピオンが良さそうです。
強力なイニシエートスキルを持ち、勝ってるレーンのアイテムを強化することも出来るので自分の不利分をある程度相殺できます。

プラン2、ガンクに来た奴ごとダブルキルする
イラオイとかでしょうか?
トップレーンやるために生まれてきた人間の発想です。

プラン3、ガンクを成功させなければいい
知的な発想です。
ワーディングの知識を深めれば視界の有利を生かして戦えます。

プラン4、自分がガンクする立場になればいい
ジャングルをやればガンクを受けずに済む、単純明快な発想です。
あるいはミッドでロームを繰り返すチャンプを使っても良いでしょう。

上記のように、ただの不満が言い回し一つ変えるだけで目標を逆算する大きなヒントとなるわけです。
さあ、ステップ1でやったように様々なプランを総当たりしてみましょう。
ステップ2で蓄積した知識があればどれでもやり方は大体分かるはずです。
やってみて何か動画で見たように上手くいかなかったところがあるとしたら、その時こそ誰かに教えてもらうべき時です。
あなたにはもう十分な素地があるので教える側が困ってしまうような態度をとることも無いでしょう。

ステップ1以前の時点からどんな変化があったのか自覚できていますか?
何が分からないかも分からないし何がやりたいかも分からない、そんなどうしようもない人ではなくなっているのです。
言われるがままに操作してつまんなそうにLOLをやってる不愉快な奴でもなくなりました。
そんなに上手くはないのかもしれませんが楽しく遊べるようになったのではないですか?
そうなるべきだと考えてこの記事を書きました。

お役に立てましたでしょうか?
そうであればもう何も言うことはありません、足りないのであれば今度は私に教えてください。
私は今、骨身に染みる教えをくれてやれる人間となることを目標にしています。

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