ノイズキャンセリングモードの世界に君はいない。
ここ数年で一番燃えていたかもしれない。
ポーランドに留学中の私は、
たったの一か月で恋に落ちた。
こう言えば、ロマンチックなドラマのように聞こえるかもしれないが、実際のところ私は、彼の存在に居場所を見つけていたのかもしれない。
マッチングアプリで会ったナイジェリアンボーイは、不安でいっぱいだった私にとって…
何だったのだろうか?
全く言葉が思い浮かばないし、
当時感じていたすべてが虚に感じる。
彼の存在自体も、幻想だったのかもしれないと感じるレベル。でもいまだに彼のインスタはストーキングしているので実在はする。(笑)
そんな彼が好きだった時期に聴いていた歌がいくつかある。彼を連想するから聞いていたとか、そんな理由はなくて。
ただ単に、その時期にはまっていた歌のうちのひとつ。メラメラと燃えていた私の心とは反対に
寒い朝に、白い息を吐きながら作ったコーヒーを作り、パジャマにくるまりながら聞きたい曲。
https://open.spotify.com/track/1RMJOxR6GRPsBHL8qeC2ux?si=a72ecde5a4024e11
公園でこの歌を久々に聞いてみると、
彼を想って乗っていたバスでの光景や
彼に会う前にメイクをしていた時
を思い出した。
歌は本当に面白いもので、目を瞑れば、あの時に見ていた光景を鮮明に思い出させてくれる。
彼を思う切ない気持ちや
朝に作ってくれたパンケーキ、
2週間かけて一緒に完成させたパズル
全てが恋しいのだけれど、
恋しいのは彼でなく思い出。
ここまでに、彼の存在と、彼との思いでを別物に捉えられる自分が恐ろしくも感じる。
ノイズキャンセリングモードが付いた、ヘッドフォンが見せてくれる世界に彼は存在しない。彼の虚像が私にできることは何もない。
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