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舐達麻の人気と現代社会

去年から今日にいたるまで確実に一番、再生しているアルバムは「GODBREATH BUDACESS」だ。GADの美しいビーツに、生き様の滲み出た舐達麻の3人の振り切ったリリック…はっきり言って虜になった。きっかけはニート東京での、バダサイのインタビュー。「気合い入ってんなぁ」と思い、すぐにYouTubeで「Life Stash」のPVを再生したら、ブーンバップな音に、サグなメンタリティが伝わってくるヒリヒリとした歌詞、どことなく90年代の空気を感じられて、気づいたら夢中になっていた。しかし、あれほど明け透けに大麻について歌い上げてので、マスに受け入れられることは難しいだろうと思っていた。ところがそれは大きな間違いで、フタを開けたら、10代・20代の小洒落た若者も、彼らのライブに足を運び、「たかだか大麻、がたがた抜かすな」の大合唱であった。大麻を吸うことや和彫りを入れることすらもファッションのように魅せてしまった、彼らのプレゼンテーションの巧みさが、大衆をも魅了したということなのだろう。とりわけ彼らが不定期で、ジョイントを吹かしながら行うインスタライブは、マスアピールには一役買っているようだ。いずれにしても、相変わらず我が国では、大麻への風当たりは厳しいが、その中で、「Buds Montage」の再生回数が2000万回を超えているのは、本当に奇跡に近い現象だと思う。

バダサイが、「真実を歌う奴が、自分の街から2ー3人出てくれば世界は変わる」といった旨の発言を何かのインタビューでしていた記憶があるが、本当にその通りだと思う。舐達麻が、犯罪で、日銭を稼いでいた事実を肯定することはできないが、一方で、彼らが、大麻のポジティブな面を体現しているのは厳然たる事実である。いい加減、御上もそこは認めりゃいいのにと思うが、コロナ禍で五輪やるような二枚舌の政権下では変化は望むべくもない…そう思うとバダサイがあの声で吐き捨てる「fuckバビロン」の言葉が、いまの自分には一層、響くのであった。

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