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年の話はしますまい

もうすぐ古希を迎える母は昨夏に人工股関節を入れる手術を受けた。
長らく痛みと付き合ってきたが、もう限界、仕事にも支障をきたし始めたのでようやく決心し、術後のリハビリの甲斐もあって今は立ち上がりと階段以外はほとんど痛まないらしい。
切った後もキズパワーパッド的なテープを貼って終わり。
てっきり時間が経てば溶ける糸で縫われて、フランケンシュタインのおでこのような縫い跡があると思っていたのに、見せてもらった傷跡は剃刀でちょこっと切ったようなものである。

今回、母が入れた人工股関節の使用期間が約30年ほど。
それを聞いて、そういえば某芸人が似たような話をして
「30年だから、どのタイミングで入れればいいのか迷う。入れ時を間違えるともう一度、人工股関節入れなおす手術しないといけない」
と言っていたなと思い出して話すと、母が笑いながら
「若い人はそうやろうけど、私ら30年もったら入れ替えんでも大丈夫やからな~」
と返してきた。
自分の年齢に関する自虐。たしかにもう70近いのであと30年となると100歳・・・。
たとえ生きていたとしても超高齢なので入れ直しの手術はできないだろう。
母なりの「自虐ギャグ」なんだろうが、親の老化を突き付けられたようで少し黙り込んでしまった。



子どもが2歳のころ、親子スイミングに通っていた。
レッスンが昼前に終わるため、開放されている教室で自由に昼食を取れるようになっており、私も何度か利用し、一緒にレッスンを受けていた人たちとの交流を楽しんでいた。

ある日のこと、1人のお母さんが
「私なんて、もうすぐ30ですよ?もう色々気になっちゃって~!」
と遠くで話している。
言葉だけを切り取るとさほど問題なさそうなフレーズだが、言ってる場面を見て驚愕。二度見。

そのお母さん、目の前にアラフォーのお母さん方が数名いる状態でそれを言っていたのだ。

苦笑いしながら話を聞くアラフォー母さんたち。
それに気付いていないのか「もう年なんで~!」を連発するアラサー母さん。
控えめに言っても、地獄。
もう、それ以上は見てられないので周りの人たちといつもより早めに教室を出た。

ちなみに、アラサー母さんは目の前のお母さん方のだいたいの年齢を知っている。
嫌味ならキツイし、悪気がないならただただ怖い。もはやホラー。


年の話は割と地雷になるのかもしれない。
老いも若いもアピールされるとどうしたらいいのかわからない場面が多々ある気がする。
老いアピールも「そんなことないですよ~!お若いですよ~」も空々しく聞こえるし、若いアピールに至っては「そんなこと言ってたら私なんてどうなのよ~」と、したくもないタイミングで自虐しないといけなくなる。

相手に気を遣わせないためにも自分は極力、年の話は確実に同年代だとわかる人の前だけにしよう、そう思っている。

とは言え、同年代の定義も人によって範囲が違うんだろうしな・・・
めんどくせえ!もう自分からは年の話はしないでおこう!(笑)

画像は年齢非公開アイドル「フィロソフィーのダンス」のみなさま。
年を忘れて彼女らに夢中になっております、私。


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