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食べ物が届くまで -事業系食品ロス削減の取り組み-

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食べ物は、たくさんの人の手や工程を経て私たち消費者に届けられています。その工程ごとに様々な理由で発生する食品ロスは「事業系食品ロス」と呼ばれ、消費者が知る機会は少ないと言えます。…
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2024年4月の記事一覧

キユーピーに聞く、柔軟な発想と果敢な挑戦で切り拓く食品ロス削減の新境地とは

1919年の創業以来、食品メーカーとして食品ロスの問題に真摯に向き合うキユーピーさん。柔軟なアイデアと他企業との協業により、これまで処分されていた食品残さの再資源化に成功しています。 食品残さ活用に込められた想いとはキユーピーでは、家庭内ストックの賞味期限切れによる廃棄を少しでも削減できるよう、製法や容器包装を改良して開封前賞味期限を延長し、さらに賞味期限の表示を年月表示に切り替えました。また計画的な生産やお取引先との連携で売れ残りによる返品ゼロも実現しています。 このよ

キユーピータマゴに聞く、タマゴのリーディングカンパニーをめざし挑み続ける卵の100%有効活用法とは

キユーピーグループでの卵の使用量は約25万トン、日本で消費される鶏卵の約10%を占め、さらに卵を加工した後に排出される卵殻は約2.8万トンにも上ります。キユーピータマゴは長い年月をかけ、卵の100%有効活用化を実現しています。 卵黄から卵白、卵殻、卵殻膜まで。捨てるところがない卵の本来の姿とはキユーピーでは「食品ロス」という言葉がなかったであろう1919年の創業当初から、マヨネーズに使用する黄身以外の活用に努めてきました。まず、取り組んだのは卵白の活用です。当初は卵白を生の