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あなたの言葉を | 辻村深月

仕事で嫌なことがあった

前にも同じようなことがあって
ある人に、それとなく話したことがある

そうすると、相手からは

“贅沢な悩みだ”
”解決策はAかBの2択で、どちらにするの?(どちらか選べば解決するだろうに何故選ばないのか?)”

というようなことを言われたと記憶している

ただ、それは今となっては
言われた気がするだけかもしれないし
気がするだけで本当は違うことを言われたかもしれないし
一言一句覚えてる訳ではない

でもその時の自分の気持ちは覚えている

私は、そのとき、
贅沢な悩みだって言われたことや
共感してもらえなかったことを悲しむよりも

解決策はAかBと二択を提示され、
さぁ、AかBかどっち!?
と言われた違和感を拭えなかったんだと思う

ジブリパークの中で見つけて1番嬉しかったもの

その二択が一般的な解決策としてあるのは
頭では理解していたものの
いずれも当時の自分にとって
最適解ではなかったので
そのどちらも選べないことにも悩んでいて

自分の中でも
きっと皆んなはAかBを選ぶのに
なぜ自分は選べないのか

勝手にプレッシャーを感じていたと思う

そもそも私は贅沢な悩みだと思ってなかったし
(人によって受け止め方は違うとして)
ただAとBという選択肢”以外”を考えてる時点で
贅沢と言える状況だったかもしれないし

ただ漠然と、しっくり来ない答えを
選択できなかっただけでした

最後はAでもBでもCでもなく
Fくらいの答えを出したわけですが
まわりからは既に興味を無くされていて
でも自分の気持ちは満たされていたと思う

(お騒がせではあったが、その過程やFの答え自体は誰かを傷つけたり、迷惑を掛けたりするものではなかったと思うので良しとしたい)

これくらいどっしりと構えてみたい


と、そんなことを思い出しながら
今日も嫌なことがあって悩んでいた

そんな時に手元にあったのがこの一冊

少し前に友人から借りたものの
ばたばたとしていて読めておらず
お願いして少し長く貸してもらっていた

最初に同じように選択できずに悩んだのは中学生頃で、ちょうどその頃に辻村深月さんを知って、ずーっと読んでいたことを思い出す

当時は本作に書いてあるような作者のやさしいメッセージを読みとることは出来ず
単にミステリーとして楽しんでいて周りの人に勧めまくっていた(学校のロッカーの上に勝手に置いて貸し出していた笑)

あのときと同じくAもBも選べず
そしてやっぱりどちらも選べない自分が
ほとほと嫌になっているが
これを読んでなんだか気持ちが落ち着いた

まるっと自分を肯定してもらえるような
そんな気持ち

今日これを読めて良かったな

そういえば冒頭に書いたF騒動(?)以来
悩みを人に話すことはほんとうに少なくなった

家族にほんとうにたまに話すくらい

(自分も相手に期待があるから落ち込むんだ。
自分にプレッシャーを掛けてるのは自分だ。
って思って自然と話すことが無くなった)

でもこれを貸してくれた友人には話してみようかな、というよりその友人には聞いて欲しい

でもきっとビールに夢中であまり聞いていないだろうな


最後に、私よりもずっと「すてきだ…!」と感じる文章で、本作を紹介しているお気に入りのページを添えて
(私よりもずっとであることは至極当然です)

明日もそれなりに
自分の機嫌を自分でとれますように…!

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