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菩提心前行

前回、三宝について書きましたが、
それは各仏教共通の帰依の事でした。

先に加えて、菩提心を起こすのがいわゆる大乗仏教ですが、菩提心の前に平等心、全ての有情を等しく思う心が必要です。つまり自分の宗派の方とそれ以外の方、大きくは仏教徒とそれ以外の方、もしくは自分の属する国、地域、会社、などの集団とそれ以外とを、自分からは損得・賛否・苦楽・名誉と恥などで差をつけない心を養う、という事です。

どの有情も内なる平穏を得たらば幸せなので得られるように、内なる平穏を乱されると苦しいので乱されないように、乱されない内なる平穏から離れない喜びとあるように、と思いつつも自分の属する側の利益に強く共感するなら、それ以外の側の利益、時に仏敵など敵対する側の利益には不快感を感じる事があります。

それは平等心がまだ本物でないから、とクンサン・ラマの教えなどにありますが、「菩提心を起こします」と誓う事で菩提心を起こすには十分ではないからです。

敵を変えるのでなく、自分が変わる事で胆力を養うのが本来の忍耐です。敵から攻撃を受け我慢する事、耐え忍ぶ事が忍耐ではないからです。

胆力を養い、敵を敵のまま「内なる平穏など幸せを得られるように」と思えるかはシャンティ・デーヴァの「入菩提行論」の忍耐の章に詳しく、役に立つ考え方も多いと思います。日本語訳もありますので、よかったら読んでみて下さい。

ベトナムの禅僧の名僧、ティク・ナット・ハン師の怒りへの対処も著作が多く、読まれたら役に立つと思います。

それぞれに考え方、対処が違うのでご自身に効果のあるやり方で対処されたら良いと思います。

味方やあまり関係ない方はもちろん、敵を敵のままで大事に思えるから、

「菩提心が本当に起きたその瞬間から、輪廻の監獄にいるか弱き者が、仏子と呼ばれ、世間の人・神より礼拝されるようになる〜入菩提行論より」

ティク・ナット・ハン師のご命日に

インドからチベットに伝わった文化である「仏教」を仏教用語を使わず現代の言葉にする事が出来たら、日本でチベットの教えをすぐに学べるのに、と思っていた方。または仏教用語でもいいからチベットの経典、論書を日本語で学びたい方。可能なら皆様方のご支援でそのような機会を賜りたく思います。