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固定派と非固定派の対話が困難になってきているという話

「A✕B固定派の人はどうしてB✕Aが無理なんですか」
「純粋な疑問です! 固定派の人はどこまでいけますか(以下4択アンケート)」
「リバの方が対等なのに、なぜ固定派はリバを推さないんですか」

 これらは、TwitterでCP左右単一固定派(以下「固定派」と書く)へ定期的に投げかけられている質問である。投げかけてくるのは主にリバがいける人だったり雑食の人だったり(以下「非固定派」と書く)する。これらの質問は、数年前だったら固定側も一緒になって考えて答えを出していたが、今は反発する声も大きくなってきている。
 これらの問を投げかける側の非固定派からしたら、「加害しているわけではないのに何故反発されるの?」と思うかもしれない。こっちは固定派のことを理解したいだけなのに、と。もしくは、拒絶されてつらいという感情かもしれない。
 この記事では、なぜ非固定派からの対話の持ちかけに固定派からの反発が大きくなってきているのか、個人的な見解を述べていく。

・そもそも非固定派は固定派に信用されていない

 これは「非固定派はCPがどっちつかずだから固定派としては不安になる」とかそういうレイヤーの話ではなく、もっと根本的に、対話のテーブルについてもいいと思わせるほどの信用を非固定派が得ていないということである。端的に言うと、非固定派は固定側から「こいつは何話しても無駄だわ」と半ば見限られている。(個人調べ)
 それは何故かというと、個人的には「対話を持ちかけてくるタイプの非固定派は、固定派のことを尊重してくれなさそうに見える」ということに起因すると考えている。
 ではどうして尊重してくれなさそうに見えるのか?というと、①「何度も同じことを質問されるので、非固定側に固定側を理解する気がないように見える」、②「非固定側は自分の思想こそが正しいと思っていて、固定派は間違っているんだと言いたいのが伝わってくる」、③「非固定側が固定側に平然と嘘をつく」あたりが主な要因だと思う。

 ①の事項に対して、そのような質問をするタイプの非固定派は「いや、私は一回しか質問してないよ」とお思いかもしれないけれど、固定派は複数の人から一回ずつ何度も同じ質問を受けているのだ。何度も何度も同じことを聞かれると正直シーライオニング(理解する気もないのに質問ばっかり投げかけて対話相手を疲弊させる行為)なんじゃないかって思うし、そうでなくても「どうして〜〜なんですか」という形式の問いかけをされると、詰められているようにも感じてしまう。
 「いや、私は固定派を理解したいから質問しているんだ」という反論があるかもしれないが、だったらその前に過去のpostを検索するなりなんなりして、事前研究的なことをやってほしい。固定派は非固定派の知識欲を満たすための玩具ではないので。

 次に②について。非固定派はしばしば、「左右固定は受けにだけ負担を押し付けているから駄目」だの「固定派はセックスポジションにこだわりすぎ」だの、自分たちの思想を称えたいが故に固定派の思想を貶すことがある。たぶん固定派のことを自尊心を満たすためのサンドバッグみたいに思ってるんだろう。
 ではいざ固定派に「私は間違っていました、左右非固定こそが正しいBLです」と言わせたからといって、じゃあその正しい思想である左右非固定が受け入れられるかというと、そうはならないことの方が多いと思われる。むしろ「わざわざ正しくないBLが好きな固定派の方を見ずに、正しいBLを嗜む皆さんで仲良くしていたらいかがでしょうか?」と更に拒絶されるようになるまである。

 ③については、固定派とか非固定派とか関係なく、平然とこちらを騙してくる相手とは付き合いたくないよねという話である。
 非固定派からしたら「でも固定派だって言わないと輪に入れないし、本も読まれないんだもん!」という感じかもしれないが、これは左右非固定派が固定派に「そんなに地雷踏みたくなかったら徹底して自衛しろ」と言ってきた結果なので、甘んじて受け止めてほしい。

 そんなこんなで、今の固定派は非固定派との対話どころか、一切関わりたくないというフェーズにすら入っている。まあ非固定派の皆様におかれましては、因果応報ということで諦めてほしい。

・固定派には非固定派と対話することによる利益がない

 同人は大抵のオタクにとっては趣味とか娯楽とかの範囲内のものであり、限られた可処分時間でわざわざ信用していないものと接するよりかは、好きなものに触れていたいと思うのがオタクの常である。
 もちろん、仕事だとか学校とか、社会活動だとかで考えが合わない人とも対話が必要なフェーズは誰にでも発生する。だが趣味の範疇である同人はそうではないと個人的には思う。
 なので、固定派を非固定派との対話のテーブルにつかせるには、それに見合った対価を非固定側が支払う必要があるだろう。何せ固定派には、非固定派と同人カップリングのことで話したいことなど何もないのである。

・非固定派は何かにつけて自分が被害者であるかのように振る舞うので、固定派の対話意欲が削がれる

 先に書いておくと、もちろん実際に非固定側が被害者である事例は存在する。
 ここで私が書きたいのは、固定派への偏見が混じったpostに反論されてぴえん泣きしたり、「こっちが交流したいのに先制ブロックするのは加害だ」みたいな不思議な理論であたかも「非固定派は迫害を受けているかわいそうな存在である」という自己演出をされると対話意欲なくなるよねという話である。
 これだけは言っておくが、コミュニケーション相手を加害者に仕立て上げ、第三者に叩かせるやり方は、紛うことなき喧嘩の手法である。やる側としては気持ちいいのかもしれないが、オナニー紛いのことに使われた固定派としてはたまったものではない。

◎いち固定派から望むこと

 個人的に望むことは、「とにかくそっとしておいてくれ」ということ。否定も肯定もせず、ただそっとしておいてほしい。
 仮に非固定派の人がこれを読んでいて、それでも固定派とコミュニケーションを取りたいという気持ちがあるのならば、
・固定派の嫌いなものについて余計な詮索、掘り下げをしない
・固定派の嗜好にマウントを取らない(リバなら両方読めてお得だよ的なこともNG)
・むやみに嘘をつかず、誠実であるよう努める
あたりに気をつければいいと思う。まあそこまで難しいことではないと思うので、これらのことに気をつけながらコツコツと信用を積み上げたらいいのではないだろうか。

◎余談

 今回の文章を書くにあたった事案(固定派の思考を解体したい案件)と数年前にあった「リバ派が固定派に喧嘩を売ってみた」の事案は、どちらの中心人物も非固定派で、固定派にコンタクトを取ろうとして(恐らくは)失敗したという共通点があるという点でよく似ていると思った。
 コミュニケーションに(恐らくは)失敗したという点では気の毒ではあるが、その恨みを他の固定派にぶつけるのはインセル(自分に恋愛経験がないのは相手が悪いみたいな思想の人)みたいでアレなので、少し頭を冷やしてほしいなと思う次第である。

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