満員電車での「通勤激減」で、これから「不動産市場」に起きるヤバイ変化


一億総「在宅勤務シフト」が加速してきた…!
コロナショックによって日本全国に広がったテレワーク、在宅勤務の流れが一気に加速しそうだ。

「新型コロナウイルスの感染拡大を受けて在宅勤務を取り入れる企業が続出する一方、緊急事態宣言が明けるとまた『コロナ前の働き方』に戻るとも危惧されていた。しかし、ここへきて在宅勤務をコロナにかかわらず制度化する企業の動きが目立ってきた。

たとえば大手食品メーカーのカルビーは6月25日、7月から在宅勤務を恒常化すると発表。電機大手の東芝でも、車谷暢昭社長が恒常的な仕組み化する意向を示すなど、大手企業が続々と在宅シフトを鮮明にしている」(アナリスト)

これまではオフィスでの勤務が当たり前とされてきた派遣社員についても、在宅シフトが一気に進みそうだ。

「6月26日に日本経済新聞が報じたニュースが象徴的で、約5万人の派遣スタッフを抱えるリクルートスタッフィングでは一部派遣社員の在宅勤務を可能にするように取り決めたところ、緊急事態宣言後も4~5割の派遣社員が在宅ワークを継続しているという。

日本企業を現場で支える派遣社員のテレワーク化が進めば、日本全国の在宅シフトが一気に加速することになる」(前出・アナリスト)

一億層総「在宅勤務化」が進みつつある photo/iStock
テレワーク、在宅勤務が進めば、これまでは満員電車での通勤が当たり前だった風景も変化を余儀なくされる。

じつはそうした「脱・満員電車」のトレンドを見越した動きが、すでに不動産市場でひっそりと起き始めていることをご存じだろうか。

「戸建て」人気が急上昇中!
DeepScore企業調査本部長の藤本誠之氏が言う。

「テレワーク・リモートワークの推進で、都心部のマンションより、戸建ての人気が高まっているんです」

これまでは「痛勤」と言われるほどの満員電車通勤での負担を少しでも解消するため、「都心」「駅近」のマンションの人気傾向が上昇し続けてきた。実際、ここ数年で主要沿線の駅前にはタワマンが続々と建設され、そんな「駅近タワマン」が少子高齢化でしぼんでいた不動産市場を牽引してきたことは間違いない。

当然、駅から離れた戸建ては敬遠される傾向が強く、「空き家化」の温床とすらなっていた。それが一転、戸建ての人気がここへきて一気に高まっているというのだ。

「実際、都内23区など都心部の戸建て住宅に強みを持つオープンハウスが6月8日に発表した最新決算情報では、戸建関連事業の5月の仲介契約件数が急回復したというのです。

これを受けて、オープンハウスの株価は急伸。その後も上値追いの展開が続くなど、マーケットでは戸建て人気のさらなる高まりを期待する動きが出てきている」

さらば「痛勤」 photo/iStock
戸建てマーケットは郊外のみならず、都心部でも相続対策で手放す人が増えている。そうした土地もこれまでは人気が薄く、都心部でも住宅街に「空き地」が点在するような光景が広がっていた。

「これからはそうした都心部の駅から徒歩10分以上の戸建てが人気化する可能性が出てきました。家族で住むには十分な広さを確保できるうえ、都心の利便性も確保できる。一方、これまで通勤のために都心に住んでいた人は、在宅勤務が可能になることで郊外の戸建てへ移動する流れも出てくるでしょう」(不動産仲介業者)

逆にいえば、これまで超・高額化していて駅近タワマンは価値が一気に暴落する可能性も出てきたというわけだ。

コロナ後」の不動産市場
前出・藤本氏も言う。

「日立グループ、NTTなどの日本を代表するような大企業が、コロナショック後もテレワーク・リモートワーク推進を発表しています。当然、今後も戸建て住宅の人気が高まるでしょう。オープンハウスの株価もしばらく堅調相場が続きそうです」

オープンハウスの「AI株価予報」の結果
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そんな今週の日本株市場で、ズバリ的中率80%を超える『DeepScore株価予報AIエンジン』(DeepScore社開発・運営)が導き出した「今週の注目銘柄」を紹介しよう。

今週の『DeepScore株価予報AIエンジン』がオープンハウスと同様、上昇相場を予想するのがオリンパス(7733)である。

いまや「医療機器メーカー」と化している photo/gettyimages
オリンパスといえば、世界シェア7割の消化器内視鏡等医療分野に強みをもち、海外売上高比率も8割超という日本を代表するグローバル企業である。

オリンパスと聞くと、デジタル一眼カメラなどのイメージがあるが、じつはデジカメなどの映像事業は全体の5%程度でしかない。

「しかも、このデジカメを中心とする映像事業を投資ファンドの日本産業パートナーズに売却すると6月24日に発表。これが大注目されて、いまオリンパスの株価が急上昇しているんです」(前出・藤本氏)

急騰と急落と
前出・藤本氏が言う。

「映像事業は3期連続で営業赤字を継続しており、事業売却によって医療事業へ経営資源を集中する方針です。マーケットはこの経営方針を評価しており、オリンパスの株価はしばらく堅調相場が続きそうです」

オリンパスの「AI株価予報」の結果
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最後に、今週の『DeepScore株価予報AIエンジン』が注目するもう一つの銘柄を紹介症。

オリエンタルランド(4661)がそれだ。

前出・藤本氏が言う。

「オリエンタルランドは東京ディズニーランド・シーの運営会社ですが、新型コロナショックで2月末から休園していたことはよく知られています。そんな東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの2つのテーマパークを7月1日に再開すると6月22日に発表。翌日23日には同社の株価は急騰しましたが、その後反落しています。

いわゆる典型的な好材料出尽くしの相場展開で、しばらく上値の重い展開が続きそうです」

在宅勤務は「当たり前」になる
コロナ第1波はひとまず落ち着きを見せているものの、すでに第2波を警戒する声も出始めている。

こうした不透明感が払拭されるには長期間がかかることを考えれば、もはや在宅勤務やテレワークはこれから「当たり前」のものとなっていかざるを得ない。

働き方が変われば、会社も変わる――。テレワークのみならず、コロナで強いられた変化にいかに対応できるか、できないかでこれから企業の「生死」が大きく左右されていくことになるのだ。

そんな今週の日本株市場では、オープンハウス、オリンパス、オリエンタルランドの3社に注目したい。

「今週のAI株価予報」とは
●DeepScore社が独自開発した株価予測AI『DeepScore社 AI』が、トレンド分析し、未来の株価を計算しています●「目標株価」は、翌営業日に80%以上通過すると期待される範囲になります(225銘柄でバックテスト検証済)●「押し目買いゾーン」、「吹き値売りゾーン」は、一般的には上髭下髭エリアです。一時的に値が動いた場合、その後目標株価へ収束する可能性が高いゾーンです。ゾーンを超えて推移した場合は、当エンジンの想定を超えるイベントが発生した可能性が高くなります●この予測をもとに個別銘柄の売買を勧誘・推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。




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