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マザーテレサは聖人か狂人か

割引あり

小学校の世界の偉人たちの漫画にも登場するマザーテレサ。1979年にノーベル平和賞を受賞しましたが、慈善活動家として批判を受けることもありました。この批判には至極当然の理由があるものもありました。皆さんが学校で教わったマザーテレサとは違うマザーテレサがいます。それを今回は皆さんとシェアしたいと思います。

マザーテレサと消えた巨額の口座残高

マザーテレサの善行の裏で、彼女が巨額の寄付金をバチカン口座に貯めていたことを知る人は少ないでしょう。彼女の資金が引き落とされたらバチカン銀行は破綻すると言われるほどです。しかし、明確にその額は公開されていません。インドの全ての慈善団体は資金を提示し公開する義務がありますが、マザーテレサの慈善団体はどうやら特別のようです。しかし、マザーテレサが多額の寄付金を受け取ってきたことは周知の事実です。それでも、「マザーテレサの家」と呼ばれる、修道女たちの寄宿舎は質素で、そこから多くの支援が行われている様子もありません。マザーテレサが得た内の7%が貧しい人々の支援にあてられたと推定されています。残りの寄付金はどこへ消えたのでしょうか?

「ニューヨークのハウスを訪れれば、寄付がどうなるのかがわかるでしょう」と語るエヴァ・コロジエはポーランド人女性で、5年間、慈善宣教師でした。「ホームレス・シェルターの地下室には、貴重な本や宝石、金塊があります。それらはどうなるのですか?- シスターたちは笑顔でそれらを受け取り、保管しています。これらのほとんどは、永遠に役に立たずに眠っているのです」。

修道会に寄付された何百万というお金も、同じような運命を辿るようです。スーザン・シールズ(元シスターヴァージン)は次のように語っています。「お金は悪用されたわけではありませんが、その大部分はまったく使われませんでした。エチオピアで飢饉があったとき、『エチオピアの飢餓のために』と書かれた小切手がたくさん届きました。会計を担当していたシスターに、そのたくさんの小切手を合計してエチオピアに送るべきかどうか尋ねたことがあります。シスターは、『いいえ、アフリカには送金していません』と答えました。でも、私は寄付者に『エチオピアに』と領収書を出し続けました」。

元シスターの証言によれば、財政は一方通行です。「私たちはいつも、私たちが他の修道会よりも多くの寄付を受けているという事実は、神がマザー・テレサをより愛しておられることを示している、と言われていました」とスーザン・シールズは語ります。ニューヨーク支部では一年で73億円の寄付金が集まりました。全世界全ての支部を足すと、毎年、150億円を集めていたと推定されています。寄付金と多額の預金残高は神の愛の尺度なのです。マザーテレサを含む一部の慈善宣教者にとって、もらうことは与えることよりも神聖なことなのです。

億万長者の物乞い

マザー・テレサの組織は、世界中に約500の拠点を持っています。しかし、不動産の購入や賃貸のために、シスターたちは多額の資金の入った銀行口座に手をつける必要はありません。カルカッタで最も裕福な女性の一人であり、マザー・テレサの教団外での最も親しい仲間であったであろうスニタ・クマールは、「マザーはいつも、私たちはそんなことにはお金を使わないとおっしゃっていました」と回想します。「マザーが家を必要とすれば、それが国であれ個人であれ、所有者のところへ直行し、長い間その人に働きかけ、最終的には無料で手に入れたのです」。

彼女の方法はドイツでも成功しました。3月、ハンブルクにホームレスの女性のためのシェルター「ベツレヘムの家」が献堂されました。そこでは4人のシスターが働いています。建築的に目立つこの建物は、日本円で約2億円をかけて建造されました。修道会の財産はこの金額に対して1ペニーも使われていません。資金はハンブルクのキリスト教協会が集めました。マザーTを代表として、数百万ドルを集めるのは当然のことながら簡単でした。

ドイツ、ハンブルグにあるベツレヘムの家
ホームレスへの支援を行っている

マザー・テレサは、誰にもお金を払う必要はないと考えていました。それは神から与えられた彼女の権利でした。ある時、彼女はロンドンで修道女たちに500英ポンドの食料を買いました。レジでお金を払わないといけないと言われたとき、小柄で一見無害そうに見えた修道女は、その気性を発揮し、"これは神の御業のためなのです!"と叫びました。あまりに大声で、あまりに長く怒ったので、結局、列に並んでいたビジネスマンが彼女の代わりに支払いを済ませました。

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