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『ノンセクが26年間を振り返ってみた話』⑥初恋のその後

    高校1年の終わりに自覚した私の初恋。季節を越えるごとに「好き」の気持ちは膨らんで、接点がなくて話しかけられないけど、ちょっとでも気づいてもらえたらって目で追い続けたり、帰る電車を合わせようとしたり色々試していた。

    楽しかった。些細なことに喜んだり落ち込んだり、片思いって人をキラキラさせるんだなって思った。ただそれも大方過ぎると見てるだけじゃ満足できなくなった。

    結論から言うと、想いを伝えた。
    ただ「付き合ってほしい」ではなく、「好きです」っていうことだけ手紙に書いて渡した。付き合いたいと書かなかった表向きの理由は受験生になるからだったが、人と付き合うという想像ができなかったのが最大の理由である。
    まともに話したことない相手に好きとだけ言い逃げされて、Oくんは戸惑ったはず。単なる自己顕示欲に付き合わせてしまってごめんなさい、と今は思う。

     Oくんは優しい人だったので、その後友人づてで私の連絡先を入手し、お礼のメールをくれた。世間的には一歩前進だと思うが、その後は私の方が恥ずかしくなって好き避けをしてしまい、結局仲は深まることなく終わりを迎えた。(卒業式前日になぜか呼び出して最後にお礼だけ伝えたけど、これも自分の心残りを解消するためだったから、相手の迷惑とか考えてなかった。)


    高校のときの一途な初恋。高校生らしいことができたという喜びがある一方で、他の人が求めること(デートとか)がこの当時から考えが乏しかったんだなと思う。

    そんな初恋のお話。