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『ノンセクが26年間を振り返ってみた話』⑨積極的になった瞬間

    ある出来事といっても、端から見たら全然大したことないだろう。
    Bさん含め、4人で飲み会をする予定があったが、前日か前々日にうち1人が仕事で行けないことになった。そしてもう1人もキャンセルになった。飲み会の出席者は私とBさんだけになった。
    後者は、私のBさんに対する恋心を知っていたので、きっと遠慮したんだと思う。「じゅり、チャンス!」そんな風に感じられた。
    飲み会は中止ムードだったけど、思いきってBさんに聞いてみた。

「せっかくですし、2人で行きませんか?」

    小一時間経ったくらいに返信がきた。

「今回はやめといて、またみんなで集まれるときにしよう」とな。

    優しく、やんわりと断られたなぁって今となっては思う。
    「そうですよね!いきなりすみません!」としか返せなかった。完全に脈なしとまではいかないが、彼女候補の土俵にすらあがってないんだろうなと実感した。

    これ以降は、「いつもお世話になっているから」という名目でバレンタインのチョコ(個別に用意した義理寄りチョコ)を渡し、少し経った飲み会でBさんに彼女がいることが判明し、めでたくゴールインされた。飲み会の直前まで、気持ちが抑えきれなくて、告白してしまおうかと思っていたが、「彼女がいる」という一言で、風船がしゅーっとしぼんでいくような感情になったのを物凄く覚えている。

    こうして私の2回目の片思いも終わりを迎えた。
    Oくんほどは引きずらず、その後も異動があるまで、楽しくお話できたのは幸いだった。Bさんは私の恋心に気づいていたかどうかは分からない。もし、気づいていたのなら、それでも何事もないように接してくださって感謝している。

    そして、いつの間にか24歳の誕生日を迎えようとしていた。