見出し画像

3分間の沈黙の中にあった嵐コール

大好きな嵐のドキュメンタリー番組『Arashi's Diary -Voyage-』(Netflix独占配信)が今日、最終回の配信を迎えた。

一昨年の年末から1年2ヶ月、活動休止を発表した5人の素や本音を見せてくれたこの番組は、ファンである私にとってとても嬉しく有難いものであると同時に、少々残酷なものでもあった。

カウントダウンなのだ。活動休止までの。
タイムリミットが迫っていると痛感させられる5人の言葉や表情に、何度震えたか分からない。
ここ十数年のライブDVD、ひいてはそのメイキング映像を全て観ている私でさえ、観たことのないような真剣な彼らの表情がそこにはあった。

ストイックに演出を練る潤くん、汗を流しながら踊り続けるリハーサル室、20年を祝うコンサート、ファンやメンバーへの愛を語る5人、コロナ禍で予定通り進まない会議、悔しさを何度も口にするメンバー、それでも乗り越えた無観客ライブ、活動休止へのそれぞれの想い、、
そんな彼らの集大成となる、2020年12月31日の無観客配信ライブのステージ裏を映したのが、この番組の最終回だった。

実感がない、終わってほしくない、そんなことを語る彼らにも時間は迫っていて、番組終盤になると本番のステージへと向かう5人が映し出された。

楽屋からステージ上に集まり、大勢のスタッフ達と円陣を組み、潤くんが掛け声を叫ぶまでの約3分間。
その映像は無音だった。はずである。

でも私には聴こえていた。
大勢の嵐ファンの
「あーらーし!あーらーし!あーらーし!あーらーし!……」

確かに、絶え間なく聴こえていた。
今まで何百回と聴いていた、聴き慣れたあのコールは、沈黙の中を進む5人を包み込み、ステージへと押し上げていたように感じた。

いつ聴いた声の残像だか分からない。自分も一員となって会場で発した記憶か、DVDで聴いただけの記憶なのか。
嵐のコンサートといえば当選倍率が恐ろしく高く、全てのファンが会場に入れる訳ではない。
だけど配信ライブなら、全てのファンがチケットを買えば参加することができる。
その時聴こえたコールは、きっと嵐を愛する全ての人の心の声だったのかな、なんて。
ともすればそれは、きっとこの先もずっと止むことはないのではないかと思った。

5人は活動を休止した。
もう今日でちょうど2ヶ月が経つ。
いつ再開するのか、私たちにはさっぱり分からないけれど、少なくとも私はこの2ヶ月も嵐を好きという気持ちが消えたことは一度もないし、これからもないことを断言できる。

無音の映像のなかで聴こえたあの嵐コールは、これから先も5人それぞれにとっての追い風でありたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?