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2021年にやったゲーム

 プレイした順(最初の方のは昨年末からプレイし始めたのも含まれてたりする)
 ジャンル問わず載せてますがPay to Win要素が大半を占めるゲーム(いわゆるソシャゲと括られるゲーム)については記載してません

 今年は未クリアで投げ出したゲームが結構多い。来年発売のELDEN RING楽しみすぎて気が狂いそう。


Salt and Sanctuary(PC)

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※未クリア

 2DアクションRPG。主人公(プレイヤー)が王女の護衛をしている最中、乗っていた船がデカいモンスターに襲われて難破してしまい、目が覚めたら謎の島に一人流れついていたところから始まる。島を探索しつつ王女の行方を探すというのが目的。

 2D版のダクソという評価がちらほら見受けられるゲーム。舞台となる島では敵を倒すと「ソルト」という物質をドロップし、これを使ってレベルを上げることが可能。
 ただ、ダクソのソウルとは違ってソルトは単一の共通通貨ではない(ソルトとは別の通貨としてゴールドも存在するし、装備の購入等ソルトではなくゴールドのみが必要なこともある)ので、この辺を分けている意味は薄いような感じがした。

 その他にはキャラメイクの自由度が割と高めだったり、拠点で休むと使用回数が復活する無料のHP回復アイテム(ダクソのエスト瓶的なもの)があったり、フィールドに他プレイヤーに対するメッセージを残すことができたり、死んだらその地点にソルトを落としてしまい後から回収に行くことが可能だったり、確かにダクソシリーズと似通った仕様がある。

 舞台となる島に漂う空気も全体的にダークというか陰鬱な印象でこの辺はダクソ云々は置いておいて普通に好み。

 ではあるのだが序盤ちょっと触って(ボスを2体倒したくらいのところ)なんかそれ以降の展開に対する好奇心が無くなってしまいやらなくなってしまった。
 決して質の低いゲームだと思ったわけではないので続きは気が向いたらやるかも。

DARK SOULS: REMASTERED(PC)

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 3DアクションRPG。2、3をクリアしてストーリー的なところを知りたくなったのでプレイ。

 呪われた不死の身になってしまい流刑にされた主人公(プレイヤー)が、この世界を創造した火を継ぐという使命を与えられロードランという国に渡る。使命を果たすためにあちこちに散らばってるボスをしばいて回るというストーリー。

 ナンバリングタイトルの初代作品だし、元が発売されてからかなり時間が経ってるゲームなので、今やると色々不親切とも思える仕様が多かった(正直しんどかったのは中盤まで移動手段が徒歩のみなことと、セーブポイントからボスが遠いこと)。

 ではプレイが苦痛だったか?と訊かれるとそれにはNOと答えられる。その理由は世界観の醸成が非常に巧妙だったことだと思う。先に述べたように中盤までは移動手段が徒歩しかないが、どこから攻略するかは自由に選べるようになっており、故に大体どこにでも歩いて行けるし歩いて帰れるようになっている。

 次作以降もまあそういうようにはなっているんだけど、分岐のたくさんある一本道という印象が拭えない。本作のマップ同士の絡まり具合は独特で、ここがここに繋がってたんだ!という発見は初代でしか得られなかった。トライアンドエラーでエリア攻略やボス戦を突破した時のカタルシスはシリーズ共通(本作は一緒に戦ってくれるNPCの救済キャラがめちゃ強かったのでそれに頼ったボスについてはまともに戦ったとは言えないところがあるが……)。

 意外だったのは次作以降と比べて人型の敵よりモンスター系の敵が多かったこと。ファンタジーだし個人的には人間っぽくない敵がバンバン出てくれる方が好みなのでこれも良かった。

 総合的にはプレイして良かった作品ではあるけど、やっぱり初代から順番にやっとけばよかったなと思いました。

Frostpunk(PC)

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※未クリア

 コミュニティサバイバルゲーム(ストアページのゲーム紹介文から)。大規模な氷河期が到来し人類が壊滅した世界が舞台。蒸気で動く熱源「ジェネレーター」を拠点とし、ジェネレーターを囲うように都市を建築し生き残ることが目的。

 プレイヤーは住民たちの指導者となり、住民に指示を出すことで資材の収集や建築を行うことができるほか、法律を制定することで統治の方向を決められる。住民たちには空腹や病気などのステータスの他に希望と不満というパラメーターがあり、住民が全員死亡するor住民の希望が尽きるor住民の不満が最大値に達すると指導者の座を追われてゲームオーバーとなる。

 指示、建築、立法をどのように行うかも大事だが、次々と出てくる住民たちの要望にどう応えていくかは希望/不満のパラメーターに直結するため、都市の発展の傍らこれらをどういなしていくかというのが特に重要になる。

 ここまでゲームシステムについて述べてきたが自分のこのゲームに対する感想はほぼないに等しい。なんというか面白さを感じる前に「なんかよくわかんないな……」「キツいな……」「難しいな……」という気持ちの方が大きくなってしまいそれ以上プレイする気が失せてしまったのだ。

 これはこのゲームの出来のせいではない。自分が思ってたより自分にはこのゲームへの適性がなかったのが原因だ。このゲームは自分の選択次第で住民が死んだりする(=自らの”統治者としての”選択に否が応でも責任を感じさせられる)し、その点を気持ちよく感じられるかどうかが重要なゲームだと思うのだが、自分にとってはまさにそこが苦しく感じられてしまったのだ。

 自分のプレイミスが原因で、”自分(=プレイヤー)ではない者が”寒さで発病した病気によって死ぬ。ゲームとしての面白さを感じる前に、次々と発生していくそういった事例に精神が削られていき耐えられなかった。自分は人の上に立つのには向いてないと改めて自覚した作品。

Keep in Mind: Remastered(PC)

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 RPG。

 なんだけどこれをゲームと思ってやると拍子抜けするだろう。形式上ゲームであることは間違いないのだがこのゲームの本質は小説とか絵本に近いと思う。

 アルコールに溺れ、語りかけてくる妻を無視して眠りについたジョナスはモンスターが闊歩する謎の世界で目覚める。そこから脱出するために不気味なモンスターたちとの対話を試みる……というストーリーなのだがこれでもう話の30%くらいは説明してしまっている。ボリュームは非常にあっさりとしており普通にプレイしたら30分もせずにクリアしてしまうだろう。

 ストアページに「このゲームはセラピー的な効果を意図として作りました」と書かれているとおり、これはジョナスが救いを得るまでの話で、彼と同じように苦境にあり救いを求めているような人に向けたゲームだと思われる。

 自分は精神的にほぼニュートラルな状態でプレイしたため正直申し上げて深く心に刺さったというわけではないのだが、そうではない状態の時にまたプレイすると印象が変わってくるのではないかと思う。

 日本語に対応しているが、フォントの不揃いさと翻訳の微妙さで雰囲気が削がれたのは否定できないので英語がわかる人は英語でプレイした方が良い。

NieR Replicant ver.1.22474487139(PC)

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 3DアクションRPG。主人公(プレイヤー)の妹(ヨナ)が不治の病「黒文病」に侵され、それを治す手段を探すというストーリー。主人公は生まれ育った村で住人のお願いを聞いて報酬をもらうことで生活しており、その一環で外に出てアイテムを探したり、外を徘徊するマモノと呼ばれる異形を退治したり、野生動物を狩ったりもする。

 この作品はPS3でリリースされた作品のアップデート版だが元の作品は未プレイ。本作の次作にあたるニーアオートマタをプレイしてストーリー面・演出面でのクオリティが素晴らしいと感じたので本作の購入を決めたが、その点に関しては正直期待外れだった。

 主人公はあるきっかけで喋る魔法の本「白の書」と出会い、白の書の力を借りつつ黒文病の治療法を探すことになる。その過程で仲間になるキャラクターや友好的な関係になるキャラクターが何人かいる。どのキャラクターも主人公と大した会話はせず、プレイヤーとしても感情移入はしづらかったにも関わらず、ムービー上は主人公とあらゆるキャラクターがかけがえのない仲間となっているような描写がされる。「この演出はこちらの感情を動かそうとしている」ということだけが分かり、白けてしまう場面が多々あった。

 主人公だから誰とでも爆速で仲良くなれるってことなのかもしれないが、そもそも主人公は終始妹が第一みたいな設定なのにそれはちょっと無理があるように感じたし(妹以外に心を閉ざしているとかそういうわけではないにしろ)、主人公以外のキャラクター同士の関係性にも同じような感想を持ってしまったので、これは自分の読解力の問題かストーリー側の問題だと思う。

 ストーリーの大筋は悪いとは思わなかったが、キャラクター同士の友好関係における説得力不足がストーリーに対する自分の評価を押し下げてしまった。

 アクションの手触りはニーアオートマタに近く、アクションゲームとしてはかなりクオリティが高いと感じたものの、ストーリーが個人的に評価できない以上、このゲームに思い出のない人がフルプライスで購入するのはちょっと薦められないかな……という感想。正直自分は定価で買って後悔した。初見の方は上記の点を覚悟した上で4、5千円になってたら買ってもいいかもしれない。

 ニーアオートマタのストーリーに上記のような違和感を全く覚えなかったのかと言われると強く否定はできないが、やはり次作はより洗練されていたんだなぁと思った。

ファントムローズ スカーレット(スマホアプリ)

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Android / App storeSteamストアページ ※スマホ版とSteam版はバージョンが違うようで、仕様が大きく異なる

 ローグライクカードゲーム。絵柄の統一された魅力的なキャライラストに惹かれてプレイ。というのも海外のクリエイターが一人で作ってるゲームらしく、ローカライズにやや違和感のある箇所もあるがプレイに支障が出るレベルではない。

 ランダムで生成されるダンジョンに潜り、クリアしてリワードを受け取るというのを繰り返して自機をパワーアップしていく。1ターンに4つ用意されたカード枠に互いのカードを出し合い、一番左に配置されたカードから順番に効果が発動していくルール。最初から敵のカードが配置された状態でその間に自分のカードを置いていくため、カードの順番や敵カードの効果を見ながら配置を考える必要がある。

 敵を倒すたびにランダムに新たなカードを得る機会がある他、道中にカードショップがあるが品揃えはランダム、デッキはダンジョンから出るとリセットされて引き継ぐことができず(その上一回の攻略は割と短め)、ゲームが進むとボス討伐後ランダムでデッキからカードが消える仕様が追加されるためデッキ構築については運要素が結構強い。

 シンプルなルールは結構好みではあるんだけど全体的にHP回復の手段に乏しく高難易度のモードになればなるほどデッキがワンパターンになりがちな点と先述の仕様からそもそも狙ったカードを集めることが難しくカード同士のシナジー効果を得づらい点はちょっと残念。

 基本無料でゲームを有利に進めたいなら広告を見る必要がある(広告除去を購入すると、広告を見る代わりにゲーム内通貨を消費してリワードを得るオプションが追加される)。ちなみにその他の課金要素は主人公キャラのスキンが主でP2W要素は少ない。
 総合的にはグラフィックが可愛いと思ったらとりあえずやってもいいと言えるレベルでおすすめできる。

DEATH STRANDING(PC)

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 3DのRPG(ちょっとアクション要素あり)。「デス・ストランディング」と呼ばれる謎の現象により壊滅状態となった北アメリカ大陸が舞台。国家や都市だけでなく、個々の人々すら散り散りになってしまった世界で、人と人の間の物資の運搬を担う「伝説の配達人」サム・ポーター・ブリッジズになってひたすらお使い(や戦闘)をするゲーム。

 初見でプレイしてまず出た感想は「凄まじく操作性が悪いな」だった。本作の北アメリカ大陸は先述のとおり壊滅しており舗装された道はほぼ全部消えてしまっている。時には岩場や川も越えて行かなくてはいけないのだが、移動についてはゲーム的な補正みたいなものはほぼ無く、岩場を突っ切るように歩いたら普通に時間がかかるし、そういう場所で無理やりダッシュしようとすると転んだりするし、川を越える際はちゃんと操作しないと流される。キャラクターを思ったとおりに動かすことが難しいのだ。

 ほぼ実写と言ってもいいレベルのグラフィックを見て、かなり作り込まれたゲームであることは一目で分かったが、最初は正直「作り込むところ間違えてない?」と思った。

 しかしストーリーが進むにつれその印象は覆されていった。ゲームが後半になってくると配達を依頼する側もまあまあ無茶を言ってくるようになり、雪山の麓で受け取った荷物を山頂まで持ってこいとかいうふざけた依頼をしてくる奴が出てくる(しかもその依頼は山頂で受けるため往復しなくてはならず、時間制限までついてる)。こいつの依頼を聞くのはストーリー上必須なので渋々受けたが、「ここまで物を運んでくるのがどんだけ大変だと思ってんだよ」と思った。難しかった操作にもかなり慣れたと感じていたその時点でもだ。

 その時自分がプレイヤーキャラであるサムにかなり感情移入していることに気づいた。色々なゲームでプレイヤーキャラを何回も傷つけたり死なせたりしてきたが、その時プレイヤーキャラに共感するような感情を持つことはほとんどなかった。だがこのゲームでは「大変な仕事だなあ」というサムの(抱いているであろう)感情と自分の感情が重なったのだ。それは単純にプレイヤーとしても操作が大変だからで、操作面の設定についてはこういう共感を呼び起こす意図があるんだと思う。

 ゲームというのはプレイ中の楽しさ、言い換えれば体験を商品にしているものだと考えているけど、このゲームはTPSのゲームという括りの中で最大限サムが体験したことの「擬似体験」をさせるような作りになっている感じ。

 前述のとおりものすごい作り込みがされているゲームではあるのだが、建物や荷物の外観が数パターンしかないなど力を入れなくてもいいところには入れてないという感じで、しかもそれを手抜きと感じさせない世界観設定が秀逸。ストーリーについてはネタバレしたら終わるタイプのやつなのでここでは深く言及しない(というか複雑なので説明が難しい)が、序盤から終盤にかけて積み重なっていった謎がクライマックスで一気に明かされるのは非常に気持ちよかった。

 一部ボス戦を除いてサムの死とゲームオーバーがイコールではないのと、難易度設定・救済措置があるためアクションが苦手でストーリーをメインに楽しみたいという人でも十分クリア可能な難易度だと思う(ただし先述した移動の難易度は下がらないので慣れは必要)。

 移動・お使いがメインであるのと、プレイ時間に占めるムービーの割合がわりと多いことから、万人におすすめとは言いづらいが個人的には今年一番の傑作だった。

Timelie(PC)

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※未クリア

 3Dパズルゲーム。予知能力(?)を持つ少女を操作し、敵がうろつく謎の研究施設的なところから脱出を目指すストーリー。画面下部に表示されたシークバーを操作することで、敵及び自機の行動を早送りしたり巻き戻ししたりでき、これによってスムーズに試行錯誤できることが特徴。この仕様は実際にやるかプレイ動画を見なければ想像しづらいと思うが、UIはかなり直感的に操作できるように洗練されており一度プレイしてみればすんなりと理解できると思う。

 スイッチを操作し扉を開くという基本的なギミックの他、アイテムを拾うと得ることができるパワーを使用し破損している道を直して通れるようにする、序盤で仲間になる猫を同時に操作して鳴き声で敵をおびき寄せるなどのギミックがあり、これらを駆使して出口を目指す。結構シビアなタイミングの見極めを要求されるところもあるが先述の仕様のおかげでやり直しが全く苦にならない設計は秀逸。

 落ち着いた色合いで統一された美しいグラフィック、プレイを邪魔しないが状況にマッチしている音楽のクオリティは高く、高評価を受けているのもさもありなんという感じ。ただ自分はチャプター4でどうしても解法がわからないステージが出てきてクリアを断念した。そこだけ攻略とかを見て進めてもよかったのかもしれないがはっきりしたストーリーがあるわけではなかったので先に進む動機が薄れてしまった……。自分は馬鹿なのでクリアできませんでしたがパズルに自信のある人はぜひ。

NKODICE(PC)

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 日本の伝統的なダイスゲーム、チンチロリンを特殊なダイスを使って行うゲーム。このゲームで使用されるダイスには数字ではなく「う」「お」「こ」「ち」「ま」「ん」の6文字がそれぞれの面に印字されておりこれらの出目で役を完成させるのが目的。当然完成する役はこれらの文字を使用した単語になる。

 好きに遊べるフリープレイ、延々と賽が投げられ続けるオートプレイ、特定のルール下でハイスコアを目指すアーケードモードがあり、アーケードモードがメインコンテンツとなる。

 アーケードモードでは最初に3回与えられたプレイ回数が尽きたら終了。役を完成させれば役1個につきプレイ回数が1増える。NUDGE(お椀を揺らして出目を操作する)が可能でNUDGEの回数も役が出ると増えていく。チンチロリンがベースなので運要素がかなり強いがここぞというときにNUDGEを使うことで出目が化けることもある。

 なお役が完成した際は「UNKO」「CHINKO」「OMANKO」といった役名が画面にデカデカと表示される。中でもダイス5個で成立する最強役「OCHINCHIN」が出るとゲームを圧倒的有利に進めることができるため、OCHINCHINの成立を目指してそれ以外の役を成立させつつプレイ回数とNUDGE回数をチマチマ稼ぐゲームだと思う。役がなくても同じ文字が3つ揃うことでスコアが変動する。NUDGEに回数制限があり、かつタイミングがちょっとシビアなため(NUDGEはパワーが溜まっているタイミングで実行しないとほとんど効果がないのだが、タイミングを狙っていると受付時間が過ぎ出目が確定してしまうことがよくある)高みを目指そうと思ったら結構難しいゲーム。

 演出がかなりスタイリッシュにまとめられており謎の爽快感があるため映像を見ているだけでも面白い。ただ(自分はセールで600円で購入したがこれでも)結構強気な価格設定だなと思ったので定価で購入するのは勇気がいると思う。(自分を含め)こういうノリが好きな方にはいいんじゃないかと思うが割高感は覚悟して購入するべき。ゲーム性的にはスマホで手軽にUNKOCHINCHINしたいけどこの内容でリリースできるわけないんだよなぁ……

Titan Souls(PC)

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※未クリア

 2Dアクションゲーム。高難易度のいわゆる死にゲーである。まず、このゲームは自機が一撃死する。基本操作は移動・攻撃・ローリングというシンプルなもので、(おそらくだが)ローリングには無敵時間がなくすばやく移動できるだけなので死にゲーの中でも死亡回数が多くなりやすい部類だと思う。

 世界を探索し、セーブポイントの近くにあるボス部屋に入場してボスをしばき、それを繰り返してクリアする、という流れ(道中に雑魚敵やアイテムは存在せずボスとの戦闘がメインコンテンツとなる)。そしてちょっとリトライ性に難がある。この辺求めるラインが人によって違うとは思うが個人的にはこの仕様なら死んだときのリスポーン地点はボス部屋の手前にしてほしかった。自分がアクション下手なのも相まって(特に初見や行動パターンを把握しきってないボスは)開幕即死もままありそのたびに微妙な距離を歩かされるのはストレスになった。

 加えて先述の「世界を探索する」要素を自分は蛇足に感じてしまった。このゲームには「古代遺跡を探索し、すべての生物の精神の源『タイタンソウル』を集める」という世界観設定があり、それを強調するための演出だとは思うし、地形ごとの特徴づけはかなりしっかりされているのだが、これらはアイテムも何もない通り道にすぎないため正直探索をする楽しさには乏しかった(ただ自分がクリアしてないから知らないだけでもしかしたら何かあるのかもしれない)。

 このゲームの難しさを緩和する要素として「ボスもだいたい一撃で死ぬ」というのがあり、ボスの弱点を攻撃できればそれだけで勝利することができる。ただこちらの武器が照準のない弓しかなく(しかも一発撃つたび矢を回収しないといけない)当然ボスも弱点を攻撃させないよう立ち回ってくるためなかなか難しい。

 ボスと自機の仕様は個々人の好みもあると思うが、個人的にはボスを倒した際の達成感を削ぐ要因になってしまっていた。「やった倒した!」より「あっ、なんかわからんけど死んだわ」が先に来てしまう感じ。

 ハマる人がいるのは理解できるが自分はそこに入らなかったなという感じのゲームだった。

Loop Hero(PC)

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 ローグライトRPG。無限に生成されては消える輪廻の中に放り込まれてしまった世界を救うために終わりのない戦いに身を投じる。

 ゲームの基本的な流れは、遠征(ダンジョン)に行く→得たリソースで拠点に新しい建物を建築し強化効果を得る→より上位のダンジョンを目指す、の繰り返し。

 ダンジョンのパートのゲーム性がかなり独特で、便宜上ダンジョンと記載しているが実際はランダムな形状に生成された環状線を歩き続けるガチの無限ループである。ダンジョンパートは「アドベンチャーモード」と「プランモード」に分かれており、プレイヤーの操作でいつでも変更できる。

「アドベンチャーモード」ではプレイヤーキャラクターが勝手に歩いて道中の敵と戦闘する。戦闘もオート、ゲームが進むと解禁される回復薬の使用すらオートでありこのモードでプレイヤーができることは多くない。

 敵を倒すと「地形カード」をドロップすることがあり、「プランモード」に切り替えると地形カードをフィールド上に配置してダンジョンの地形を変更することができる。特定の地形同士を隣り合わせにしたり、同じ地形をいくつも配置したりするとさらに地形が変化する場合もあり、プランモードでダンジョンをどのように構成するかがプレイヤーの介入要素となる(また、敵は武器や防具をドロップすることもあるため、それらを随時装備していくのもプレイヤーの役目)。このため(プランモード中はゲーム内時間が止まるとはいえ)操作自体は結構忙しい。

 初見でクリアできるような難易度にはなっておらず、先述した遠征→拠点強化→遠征のサイクルを何周も繰り返してじわじわとプレイヤーキャラクターを強化していきラスボスの撃破を目指すことになる。このため、たいていの人はクリアまでに「攻略目的ではなく拠点強化のアイテムを拾うためだけに遠征に行く」いわゆる稼ぎプレイを相当数やることになると思われ、この辺については好みが分かれそうなところ。正直作業感はあるもののランダム要素があることもあり自分的には苦痛ではなかった(もともと作業ゲーがそんなに嫌いではないというのもある)。

 個人的にゲームシステムが非常に斬新な点をかなり高く評価しているが、ドット絵のグラフィックや世界観も好みで全体的にクオリティの高い作品。正直上の説明だとよくわからないと思うので「どんなゲームなんだろう?」とポジティブな意味で興味を持った人はぜひプレイしてみてほしい。

Iratus: Lord of the Dead(PC)

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 ローグライクストラテジーRPG。プレイヤーはかつて人間に敗れ封印されたネクロマンサー「イラトゥス(Iratus)」となり、人間たちへの復讐を目指す。

 過去にここでも紹介しているDarkest Dungeon(以下DD)のフォロワーゲームであり、戦闘システムにはかなり影響を受けていることがうかがい知れる。一番大きく違うのはこちらが人間側ではなくモンスター側だということだが、他の仕様の違いなども相まってプレイ感覚は別物という感じがした。

 イラトゥスはネクロマンサーなので、自分が戦うのではなくミニオン(モンスター)を召喚して戦わせる。DDは自軍のユニットに「ストレス」という独自のステータスが存在することが特徴だったが、このゲームのミニオンにストレスはない。代わりに敵となる人間たちに「正気度」というステータスが存在し、正気度をすり減らすと敵が錯乱して味方を攻撃したり逃亡したりする(一定確率で発奮してバフされることもある)。また正気度0の敵に対して正気度を削る攻撃を行うと一定確率で即死する。敵を殺す手段として「HPを削る」または「正気度を削る」という2つの手段が用意されており戦術の幅は広く設定されている印象。

 敵を殺すことで得られる骨やら血やらを拾い集め、それらを材料として新たにミニオンを作成することで自軍を大きくしていく。このため「自軍のミニオンが全滅し、新たなミニオンを作成する資材もない」となれば詰みとなる。一つのセーブデータに詰みが存在することはDDとの大きな違いだと思う(DDではダンジョンから戻るたびに新たなユニットをノーコストで雇用できるため、死者数と経過時間に制限がある最高難易度以外ではゲームオーバーになることはない)。

 反面、ロストした戦力の補填はDDより簡単である。このゲームには「脳」というアイテムがあり、作成したミニオンに手持ちの脳を突っ込むことで入れた脳のレベルと同レベルまでミニオンのレベルを即座に上げることができる。このため高レベルの脳さえあれば即時に高レベルのミニオンを得ることも可能。

 これはダンジョンが一方通行で弱いダンジョンで稼ぎプレイをすることができない仕様に合わせた調整と思われる。ゲーム自体大筋は一本道でクリアしたらそのセーブデータでそれ以上ゲームを進展させることはできない(人間を制圧してトップに君臨しました、めでたしめでたしというところが終着点なので、クリアしたら戦う理由がないといえばそれまでなのだが)。単一のセーブデータにおけるエンドコンテンツが存在しないのもDDとの大きな違いだと思う。稼ぎができない仕様上ラストダンジョンに突入するタイミングも自分ではほぼ選べないのでクリアまでの長さが決まった一本道をどのルートで踏破するかを楽しむゲームという感じ。自分はラスボス前はやりすぎってくらいガッチガチに準備をしたい派なのでこの辺の仕様についてはちょっと好みから外れているように感じた。

 しかし最終エンディングに繋がる真のラストダンジョンがDLCで切り売りされているという点は正直ちょっとどうかな……と思う……。DLC追加のミニオンは飛びぬけて強いというわけではないにしろ……。DLCのラスボスまで最低難易度でクリアした感想としては、セールだったのもあり値段相応には楽しめたと思っている。ただ拠点周りの仕様の説明がちょっと不親切に感じる部分もあり、似たようなゲームをプレイしてこういうジャンルが好みであると自覚している人以外にはちょっと勧めづらい感じがする。前提条件としてDDをプレイして面白いと感じた人に対してはおすすめできると思う。

My Lovely Daughter(PC)

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 ゲームジャンル的には育成ゲームが近い?と思うけどゲームとしてのジャンルはたいして重要じゃないように思う。ストアページにもゲーム起動時にも最初に表示されている一文がこの作品の在り方を物語っている(以下、抜粋)。

 本作はフィクションです。児童労働、親による虐待そして社会の無関心をテーマにしています。このゲームは人々を悲しく不安にさせるでしょう。ですが、その悲しみや不安の裏にはより深い意味があります。本作は、ゲーム開発者が子供の頃に実際に体験した苦難を元に制作されています。ゲームをプレイすることで、これらの問題について考えるきっかけになることを望んでいます。

 ストアページでは「暗く不安に満ちた内容が含まれているため、子供や不安を感じやすい方には適さない場合があります」とまで書かれているため該当する自覚のある人はこれ以降の文章も読まないほうがいいと思われる。

 本作は錬金術師ファウストになって、亡くなった娘アーレアを蘇らせることが目的のゲームである。娘の亡骸と魂は分離されており、蘇生のためには娘の魂を育ててから身体に戻す必要がある。

 娘の魂を育てる手段がホムンクルスを作り、世話をして成長させた後に破壊し魂を奪うという衝撃的なもので、物語の真相にたどり着くにはこの創造と殺戮を何回も繰り返す必要がある。この手の錬金術はだいたいどの作品でも禁忌とされていたり秘密裏に行われていたりするものだが、このゲームでは作ったホムンクルスを地域住民のところで働かせるのがメインの金策手段となっている。こうしてホムンクルスの製作費等を稼ぎつつ、育ち切ったホムンクルスは破壊し魂を育てて娘の蘇生を目指す。

 ホムンクルスは明らかに人間とは違う姿をしているが、いずれも女の子であり、創造主のファウストを「お父さん」「パパ」などと呼んで慕ってくる。ファウストにとっての「かわいい」娘は彼女らではない。月に一度の満月の日、娘たちの血を吸った魂を捧げることで「かわいい」娘の蘇生は果たされる。

 しかしそれは失敗に終わるだろう。思うようにいかなかったことにファウストは落胆し、再び娘の魂を取り出して元通りの生活に戻るのだ。今度こそはかつてのように笑いあえることを願って……。

 ゲームとしては「ホムンクルスを作成し働かせて金を稼ぐ→育ったホムンクルスを破壊し娘の魂のステータスを育てる→育った魂を基に娘の蘇生を試みる」のサイクルの繰り返しであり、蘇生は何回か失敗することが前提となっている。ヒントはしっかり提示されるがちょっとわかりづらいところもあったので、これからやる人は「全部均等だとうまくいかないことが多い」というのを頭に入れておくとスムーズかと思う。

 ゲームが進行してもやることが大きく変わらないため、ある程度まで拠点を発展させることができれば後は結構単調に感じてしまったところはあるが、総合的には(設定とかに耐えられるのであればという前提だが)おすすめできる作品。価格帯からして気になっている人はセールなら即買いかなと思う。

Hollow Knight(PC)

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※未クリア

 2DアクションRPG。崩壊した王国「ハロウネスト」を探索し、各地にいる敵やボスをしばいていく。いわゆるメトロイドヴァニアと呼ばれるジャンルの作品。

 プレイしてまず驚いたのはグラフィックの質の高さ。最初の拠点となる町・ダートマウスの寂れた雰囲気や、緑に覆われた土地のみずみずしさ等がかなり緻密に描かれており、この点に不満を抱く人はほとんどいないのではないかと思う(ただ、あまりにも描き込みが多いため場所によって敵の視認性が悪いことはある。意図的なものかも)。

 ストーリーは正直自分がプレイした範囲ではよく分からなかったが、そこにかつてあった文明を感じさせるようにマップが作られており、探索の楽しさもある。

 ……のではあるが、アイテムによる随時の転送が不可能(ダクソシリーズの帰還の骨片のような使用することで中継地点に戻れるアイテムがない)というのは個人的に結構辛かった。移動手段が完全に徒歩しかないというわけではなく、各地に駅が存在し駅から駅の間は即座に移動できるのだが、マップがかなり広く複雑なのとこういう仕様に慣れていないのもあり不便さの方を強く感じてしまった。

 それがどのくらい影響しているかはわからないが、最初に紹介したSalt and Sanctuaryと同じように、「決して質が悪いと感じたわけではないが何故かそれ以降の展開に対する好奇心が無くなってしまいやらなくなってしまう」というパターンになってしまった。これは自分の側に何か問題がありそうなのだが正直わからない。憶測だがストーリーが明示されていない(あるいは、ゲームの進行に伴うストーリーの進展が遅く感じる)ようなゲームだと他の部分の質が高くてもこうなってしまうのかもしれない。

 レビューを見ると(特に後半は)かなりの高難易度と言われている。自分のプレイした範囲では特に難しいとは感じなかったが序盤しか触ってないのでそういう感想になるのだろう……。アクションの手触りもかなり良かったので、このジャンルが好きで高難易度にも怯まない人なら楽しめると思う。

アンリアルライフ(PC)

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 2Dの謎解きアドベンチャー。主人公は記憶を無くした少女「ハル」。大切な人として記憶している「先生」を探すため、無線式のAI搭載信号機「195」と協力して旅をする。

 ハルには触れたものが持っている記憶を見ることができる能力があり、これを使って手がかりを発見し先生を追う。謎解きはかなり苦手な部類の自分でもほとんど詰まらずクリアできる優しい難易度で、情報の提示の仕方も丁寧かつ世界観を崩さないものとなっている。

 ゲームとしてのプレイ感覚を見ると、謎解きの過程で同じ場所を往復することが何回かある点と、キャラクターの移動速度が速くないうえに変更できない点がテンポを悪くしているように感じられる。

 ただシナリオと演出の完成度の高さの前ではそれらは些事にすぎない。具体的に語るとネタバレを避けられないのがもどかしいが、アドベンチャーゲームの枠組みを演出にうまく組み込んでありかなり質の高い「体験」をすることができるはずだ。

 興味があるけど購入を迷う人は公式サイトの影響を受けた作品一覧を見てみるといいかもしれない。個人的には少しでも興味を持ったのであればプレイして後悔はしないと思う。

Swarmlake(PC)

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 FPSの全方向シューティング。スコアアタックが目的のゲームで、操作は移動・視点移動・ジャンプのみ(弾を撃つのは自動で行われる)。

 タイトルがSwarm(大群)lake(湖)ということで尋常じゃない敵の多さが特徴。ヘッダー画像の中心に鎮座する塊に似たようなやつが複数個襲い掛かってくるため、自機の発射する弾だけで対処しようとしたらあっという間に圧死してしまう。敵の群れの合間に出現する紫色の物体はボムであり、取得すると効果範囲内の敵が即座に全滅するため、これを取得しながら立ち回ることになる。

 敵を倒しただけではスコアにならず、敵がドロップする黄緑色のダイヤを取得して初めてスコアに加算される。このため逃げを打ってばかりではスコアが稼げず、あえて敵の大群に突っ込んでダイヤを拾うムーブをする必要も出てくる。アクションでもRPGでも、回復リソースが少ない中でうまく立ち回って被害を抑えながら敵を倒せた時は脳汁が出ると思うが、その感覚が延々と続く感じ。

 無尽蔵におかわりが来る敵の塊をショットとボムで捌きつつ、隙間を縫ってダイヤ拾いをする「だけ」という超シンプルなゲーム性ながら、ストレスを感じる要素はとことん排除されている。一見理不尽な死にゲーに見えるかもしれないが、運要素は排されており、リトライがワンボタンで可能、死んでもリトライ後にBGMがシームレスに再開されるなど、かなり細やかな気遣いがされている。常に緊張感を持たせるゲーム性ではあるものの、スコアが一定値に達すると2秒ほど映像がスローになる演出が入り、適度に緩急が付けられている。

 何より安い(定価310円)上にとんでもなく軽い。3Dで大量に敵が出るゲームというと高スペックのパソコンでないと遊べない印象を持つかもしれないが要求スペックはかなり低くゲーム用のPCでなくても遊べると思われる。自分は主語の大きすぎるおすすめの仕方はあまり好きではないのだが、FPSをやると無条件で酔うみたいな人でなければかなり普遍的にお勧めできる作品だと思う。5億年ボタンを押してしまったときにあると助かるのは案外こういうゲームかもしれない。セールになると100円を切るので手軽に手が出しやすいのもうれしい。全実績解除(10,000点達成)の難易度はそこまで高くなく、またそれを目指してプレイすればこのゲームの面白さは理解できると思う。

ミスタードリラー アンコール(PC)

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 ジャンルとしてはアクションパズル?かな?本作はゲームキューブで発売された「ミスタードリラー ドリルランド」のPC移植版にあたる。その作品はプレイしたことないけどDSの「ミスタードリラー ドリルスピリッツ」が好きで懐かしさを感じて購入したため多少思い出補正が入っている。

 ステージ制のゲームで、基本的にはブロックが敷き詰められた直線のコースを下方向に掘り進んでいき所定の距離を進む(またはステージによって設定されている個別のクリア条件を満たす)とステージクリアとなる。上から落ちてくるブロックに潰されたり、酸素(ステージによるが時間制限や破壊できるブロック数の制限として機能するステータス)が0になったりするとライフを失い、ライフが0になるとステージ失敗になる。舞台となるドリルランドのアトラクションを遊ぶという名目で、様々なルールが設定されたステージを遊べる。

 ゲーム自体は面白いものの、ちょっとな~と思ったところとしては、ゲーム内にまあまあの頻度で入る字幕付きのムービーに対してのアクションが「一切をスキップする」か「全部フルボイスで最後まで聞く」しかないところ。テキストウインドウみたいなものと字幕は表示されるのだがボタン操作による文字送りはできない。ゲームに彩りを加える要素としてムービーを挟むのは良いと思うが内容は正直とても面白いというわけでもなかったのでちょっとしんどかった……。個人的にはセール中で思い出補正ありなら購入してもいいと思う。

OneShot(PC)

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 パズル要素強めのアドベンチャーゲーム。太陽が失われ、崩壊しつつある世界で目覚めた主人公「ニコ」を導きながら旅をする。まずこの文章を読む前にストアページを見てもらって少しでも購入意欲を持ったのであれば事前情報を入れずにプレイしてほしい(ここでも直接的なネタバレは避ける)。

 特徴的なのはニコとプレイヤーがイコールではないという点で、プレイヤーには「この世界でニコを導く」という役割が与えられていることが序盤で判明する。ゲーム内におけるあらゆる演出はその事実を前提に作られている。

 旅の果てにニコとプレイヤーはある選択を迫られるが、作中にある「チャンスは一度きり」という言葉のとおり、どの道を選んだとしてもやり直すことはできない(少なくともゲームの中では)。物語が結末を迎えてもなお釈然としない思いが残るようであれば、他の道を探してみるのもいいかもしれない。

 演出が肝となっているゲームなので直接的なネタバレを避けようとするとこれくらいしか書くことがなかった。正直人を選びそうではあるが、ストーリー性の高いゲームが好きな人であれば楽しめると思う。

Ghostrunner - ゴーストランナー(PC)

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 一人称視点のアクションゲーム。大災厄に見舞われた世界を舞台に、人類最後の避難所であるダーマタワーを駆け抜け、頂点に君臨する非道な支配者「キーマスター」を討つことが目的。特徴なサイバーパンクな世界観、そして激烈な難易度

 銃を無制限にぶっ放してくる敵が集団で襲ってくる中、こちらの武器は刀一本。ジャンプ中に発動できる「感覚ブースト」を使用し、時間の流れを遅らせて銃弾を避けつつ敵を殺すというのが基本ムーブであり、その他にゲームが進むとスキルを入手することができこれらを使うと楽になる場面は多い。だが結局はプレイスキルに依存する部分が大きく、自分は普通のモードで全17ステージをクリアするまで総計3,000回弱死んでいた(流石にこれだけ死んだのは自分がアクションゲーム下手なせいだろうが、上手い人でも相当数死ぬのは間違いないと思う)。

 死に覚えゲーなのは開発側も承知のようで、チェックポイントは細かく設置されており、リトライもワンボタンで即座にできる。壁歩きとワイヤーアクションによるスタイリッシュな移動が可能な点、その他の演出の端々がとにかくかっこいい点もあり、戦闘パートについては難しいが文句なしに爽快。ステージの造形も美しく後半の舞台となるダーマシティはまさにサイバーパンクといった感じでかなり痺れる。

 難易度についてもアシストモードを選択することで適宜緩和することができる(通常一撃死の自機を一度だけ攻撃に耐えられるようにする、ゲームスピードを遅くする等)。ゲームスピードを遅らすとスタイリッシュさがやや損なわれるところはあるがかなり遊びやすくなる。

 個人的に残念だった点は戦闘パートの合間に挟まるギミック付きの移動パート。内容はパズルのようなものやシビアなタイミングの操作を強いられるもの、イライラ棒のようなものまでさまざま。こちらのギミックの難易度も同様に激烈(上記のアシストモードによる緩和はある)。多くはストーリー上の理由付けがされているのだが、敵を殺すのが楽しい自分にとってこちらのパートは正直かなりしんどかった。

 移動パートの苦しみが心に刻みつけられたせいで手放しに褒められないところはあるが、戦闘の爽快感は唯一無二のもので、気になっているのであればプレイして損はない名作だと思う。

Detroit: Become Human(PC)

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 人間を超える知性を持ったアンドロイドを所持・使役することが日常となった近未来の世界を舞台に、3体のアンドロイドの物語を群像劇形式で体験するアドベンチャーゲーム。

 このゲームは主人公たちの行動をプレイヤーが選択する場面が非常に多いのが特徴で、ストーリーの大筋に影響しない選択から、その後の展開に大きく響く選択までありとあらゆる選択を迫られる。しかも多くの選択には時間制限があるため熟考できる場面はそう多くない。その分プレイヤーの選択には個々人の思想が直に表れる。

 凄いのがプレイヤーの重要な選択とその結果がその後のストーリー分岐に複雑に影響すること。チャプター制になっておりチャプターをクリアするたびにそのチャプターのストーリーのフローチャートを見ることができるのだが、一本道のチャプターはほとんどなく大抵は複数の結末が用意されている。過去のチャプターでどのような結末を迎えたかが以降のチャプターにも影響してくるほか、その時操作しているキャラクター以外のキャラクターでどのような選択をしたかが結末に影響する場面すらある。

 恐ろしい数の分岐が生み出すのは「自分の選択でストーリーを生み出している」という感覚である。選択肢が大量にあるゲームだからこそ、事前情報を入れずにやる初回の体験というのは本当に貴重で、まず一周して「自分のストーリー」を作るのがおすすめ(チャプターセレクトでのやり直しは可能だが、ゲーム内でも「初回はやり直さないことを推奨する」旨が伝えられる)。初回のプレイで他の誰かとぴったり同じ結末を迎えることはそうないのではないかと思う。

 ストーリーに影響する選択はQTEが主で、没入感を強めるためかストーリーに影響しない些細な動作でも操作を要求されることが多かったりするので、このゲーム性自体は好みが分かれそうなところではある。ただこのゲームの「自らの選択に起因してストーリーが変わる」という体験はなかなか味わえるものではなく、ストーリー性が高いゲームが好きな人には絶対におすすめできる。このゲームでネタバレを食らうのは本当にもったいないと思うので、これからプレイされる方は何も情報を入れずにスタッフロールまでプレイしてください。

Bacon Rebellion(PC)

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 豚たちの反乱を物理で制圧しベーコンにしていく見下ろし型の2Dシューティングゲーム。

 豚がドロップする武器(全15種)を駆使してベーコンを作っていき、一定数キルして経験値が溜まるとランダムで3つピックアップされた中から1つパークを得ることができる。初期装備のハンドガンを除き武器には残弾数が設定されているため、弾が尽きる前に武器を拾い、道中で得たパークの恩恵を受けながら戦っていく。言ってしまえばそれだけのゲームなのだが、終盤になると豚が圧倒的物量で押してくるようになるため、それを高火力の武器で一掃するのはなかなか爽快感がある。HP100でスタートする通常モードと、1回でもダメージを受けたら即死の1HPモードの2種類のモードで、無限沸きする豚をひたすらしばいて高スコアを目指す。1プレイは長くても10分少々でサクッとプレイできる。

 帽子を被った豚を倒すと帽子をドロップし、プレイヤーキャラの帽子を変更できるようになるという収集要素はあるが、キャラの性能には影響しないためおまけ程度の要素。日本語非対応(英語のみ)だがパークの説明は簡単な文章なので自信がない方でも理解できると思われる。

 進行に運が絡むこともあり謎の中毒性がある。定価の410円がボリュームに比べて相応と思うか高いと思うかは人によるだろうが、こういったカジュアルなゲームが好みなら買って損はないと思う。

SCARLET NEXUS(PC)

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 ブレインパンク・アクションRPG(ストアページから引用)。三人称視点の3Dアクションゲーム。殆どの人が「脳力」と呼ばれる力を持っている世界が舞台。従来の兵器が効かない人類共通の敵「怪異」を脳力を駆使して撃破する「怪異討伐軍」に主人公が入隊するところから話が始まる。この作品の主人公は二人おり、どちらを選んでも最終的にはストーリーは合流するが、実績が欲しかったりストーリーの細かいところを把握したかったりする場合は二周する必要がある。

 アクション部分で特徴的なのは、パーティーメンバーの脳力を一時的に借りて多彩な攻撃を繰り出すことができる点。怪異との戦闘にも活用できるほか、マップ上にも特定の脳力を借りないと通れないギミックがあったりする。主人公も固有の脳力を持っており、通常攻撃と脳力(主人公の脳力はいずれも念力で、周囲の瓦礫等を飛ばして怪異に激突させる)を織り交ぜて攻略していくことになる。

 自分がクリアした当初はロックオン周りの仕様が異なり(ロックオンしている敵の方向に攻撃方向を自動補正するオプションがなかった)アクション部分については称賛できるクオリティではないと感じていたがアップデートにより遊びやすさが向上した。モーションとグラフィックがかなり良いので爽快感のあるプレイが可能。

 ただ終盤の敵の固さには正直しんどさを感じた。怪異の特徴に合わせて仲間から様々な脳力を借りて戦えば怪異を素早く殲滅することができる、ということなのだろうが、むしろ開発側の定めた正解の手段で倒さないとべらぼうに時間がかかり、正解を選んだらそれなりに時間がかかる、という感じのバランスになっている(おそらく適正レベルであるのにも関わらず)。また特定の脳力を借りないと全く歯が立たないという敵もおり、思ったより自由度は高くない印象を受けた。

 このゲームの個人的な肝はパーティーメンバーと絆を深めるシステムだと思っている。メンバーに贈り物をして絆レベルを上げるのだが、贈り物を拠点で使っている描写があったり、絆レベルが高いキャラとは戦闘中に協力する演出がされたり、結構凝った演出がされているので、キャラクターとの交流を重視する人には特におすすめできる。

 でも日本のSteamの定価は正直高いと思うのでセールで買うか家庭機版でどうぞ。

Enter the Gungeon(PC)

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 2D(ドット絵)の見下ろし型シューティングゲーム。最奥に「過去を始末する銃」が眠る迷宮・ガンジョンが舞台。始末したい過去を持つ4名のキャラクターから1名を選んでガンジョンを攻略していく。

 プレイするたびにマップが変化する(ただし完全にランダムではない)、物資や装備は道中にある宝箱やショップから仕入れるのがメインと、ローグライクと呼ばれるゲームが含んでいる要素をこのゲームも多く含んでいる。例に漏れず死んだら最初からだが、主に各層のボス討伐によって手に入る共通通貨(ヘゲモニークレジット)は死んでも失われない。ある程度ゲームが進むとヘゲモニークレジットを使用して新たなアイテムのアンロックができるようになり、アンロックされたアイテムは次回以降の攻略のドロップテーブルに乗るようになる。スタッフロールを拝めるようになるまではヘゲモニークレジットをちまちま持ち帰って強力なアイテムをアンロックしていく(そして攻略道中で拾えるように祈る)のが定石と思われる。

 上記のアンロックシステムにより手に入るようになるアイテムの中にはボスを瞬殺できるほど強い武器もあるため、楽に攻略できるかどうかにはかなり運が絡むように感じられる。特定の武器やアイテムが同時に手持ちに存在するとシナジーが発生し、弱武器の性能が変わって化けたりもするが、供給のほとんどをランダム要素に頼る仕様上シナジーを狙って発動させられるのは稀(やりこみ要素の中に例外は一応存在する)。

 ガンジョンの下層に行くほど弾幕の密度が苛烈になるため難易度は低くない部類だと思う。弾薬数の制限もあり高火力の武器で敵を爽快にぶっ飛ばすというよりは弾幕の隙間を縫ってそこそこの火力の武器で攻撃を当てるのを繰り返して倒す感じ。ドッジロールで一瞬無敵時間を得ることや、マップに設置されている遮蔽物の陰に隠れて敵の弾をいなすことができ、画面内の敵の弾を一掃できるボムが階層ごとに支給されるため、操作においてはこのあたりの要素をいかに使いこなすかが鍵となる。

 プレイスキルが全く影響しないということではなく、ラスボスがいる層に安定してたどり着けるようになるころにはかなり上達を実感することができると思う。ただ(ヘゲモニークレジットによるアイテム解放という下準備もあるとはいえ)運次第でこちらの戦力が大きくブレるというのは事実としてあり、これをどう評価するかによって好き嫌いが分かれると思われる。

 武器の種類はアンロック抜きでもかなり豊富だし、プレイヤーを飽きさせないような作りになっている(ローカライズはほぼ完璧で、元ネタのあるアイテムや武器も多数存在するためわかればもっと楽しいと思う)。ただローグライクというよりアクションシューティングの側面がかなり強いためアクションに苦手意識を持っている方にはまずお勧めできない。反対にアクションが苦手ではない方には(上記の運要素を許容できるのであれば)かなりお勧めの部類に入る。自分はアクションが好きだがあまり上手ではないので個人的には運でカバーできるのがむしろありがたかった。

 あと攻略において重要な要素がゲーム内で説明されてなかったりするのでプレイするなら適宜攻略情報を参照したほうが良いと思う。

UnderMine(PC)

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※未クリア

 金鉱で発生している地震の原因を突き止めるため、魔物がうようよいる鉱山につるはし一本で乗り込むローグライクアクション。

 プレイヤーキャラになるのは普通の農民で特殊能力等はなく、死ぬかギブアップするまで鉱山からは出ることができない。このゲームでは金鉱石が通貨になっており、鉱山内で発掘をして入手する(多分雑魚敵を倒してもドロップしない)。死んだときに所持していた金鉱石の半分は持ち帰ることができるため、それを使って拠点で自キャラの装備強化をしていく。おそらくだが初期状態でのクリアは想定されていないと思われ、ある程度は回数をこなして強化を行っていくことが前提となる。

 ゲームとしての構成は先ほどのEnter The Gungeon(以下EtG)に似ている点が多いが、少なくとも初期状態ではドッジロールに相当するアクションがなく、攻撃を回避する手段はジャンプと移動のみ(その代わり、敵が攻撃モーションになっていない限り敵との接触によるダメージはない)。アクションとしての手触りはかなり違う。

 人によっては気にならないだろうが個人的に引っかかった点が、プレイヤーキャラにある程度のキャラクター付けがされていつつも完全な使い捨てである点(ランダムではあるが個別に命名がされ、死んだ際にバックボーンを想像させるようなテキストが出てくることもある)。プレイヤーキャラは非道なボスに命じられて鉱山に行かされる農民という設定であり、ダークな世界観は補強されていると思うけど、ただでさえクリアまでに何回も試行する(=キャラが死ぬ)ゲームでのこの演出は正直後味が悪いだけで個人的には良い演出とは思わなかった……。

 ゲーム性については「EtGに似てるな」と思ってしまったため同作との比較を脳内でどうしてもしてしまい、その観点で見ると微妙に気持ち良くない点が多くプレイする気力が続かなかった。特にマップ内の発掘などで金鉱石がドロップするとそれを盗むスライムが出てくる仕様は個人的に受け入れがたく、こいつらに取られないように金を速攻で回収しないといけないのが面倒くさく感じてしまった(ちなみにEtGではごく一部の例外を除いて道に落ちてる金は自動で収集される)。EtGやる前にやってたらちょっと感想は違ってたかも……。

Everhood(PC)

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 RPG。戦闘はアクション性強めの避けゲー。画面は一見音ゲーっぽく見えるが音ゲーではなく避けゲーである(回避や移動のタイミングが音楽のリズムに合うようには作られておらず見てから回避or覚えるのがメイン)。

 Undertaleの影響を受けているとストアページに堂々と書いており、同作と同じようにシナリオとテーマが肝のゲームであることを謳っている。しかし正直言ってシナリオの質はUndertaleより数段落ちる印象を受けた。1周しかしてないからかもしれないし、ローカライズの問題かもしれないがテーマが何なのかは結局よくわからなかった。エンディングは複数あるもよう(自分は1個しか見ていない)。

 グラフィックと演出の質はかなりいい(ただかなりバシバシ光るためてんかんなどの疾患を持っている人には向かない)。そして音楽にかなり気合が入っている。こういう世界観が好きという人にはかなりハマるだろうなという感じ。自分はそうでもなかった……。世界観はともかくとして音楽がかなり良いので気になる人はゲーム付きサントラくらいの気持ちで買ってみれば楽しめるかもしれない。

Slay the Spire(PC)

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 ローグライクカードゲーム。敵を倒しつつ一方通行のダンジョンの最奥を目指す。レアカードが出ればそれだけで強いというバランスにはなっておらず、カード同士のシナジー効果を狙った計画的なデッキの構築が重要になる。またキャラクターによって取れる戦術が大きく異なっており、幅広い攻略が楽しめる。

 戦闘システムの基本はシンプルで、オプションで高速化すればテンポ良く進めていける。クリアまで行けたとして1プレイおおむね1時間半くらい。ローグライクなので死んだら最初からだが(アンロック要素はある)戦闘がサクサク進められるため苦痛感はない。

 ランダム要素があり当然運が絡んでくるが、単体のレアカード入手よりデッキの総合力を高めるほうが重要というゲーム性であるため、個人的にこういうゲームの面白さの肝だと思っている「臨機応変な取捨選択をして最適化を目指す」という要素が濃い。カードとは別枠でパッシブ能力を得ることができるアイテム(レリック)が存在することがこの要素を一層強めている。Steamのレビュー欄に並んでいる人たちのようにドハマリするかどうかは人によるとしか言えないがかなり完成度が高いのでいわゆるローグライクと言われるジャンルのゲームをやったことがないという人にも普遍的にお勧めできる作品。

 このゲームそのものが面白かったのもあるが、「前にプレイしたあのゲーム、明らかにこれの影響受けてるじゃん」ということに気づけたのが面白かった。

Exit the Gungeon(PC)

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※未クリア

 4つ前に紹介したEnter the Gungeon(以下EtG)の続編。前作の舞台であった、絶えず形を変えていく迷宮・ガンジョンは、最奥に眠る秘宝「過去を始末する銃」が使われすぎたせいで崩壊し始めてしまった。今作では出来合いのエレベーターに乗ってガンジョンから脱出することを目指す。

 2Dのアクションシューティングという基本のゲームジャンルは前作と同じだが、戦闘は上方向の強制スクロールである。また回避アクションとしてドッジロールに加えてジャンプが加わり(空中にいる間は無敵となる)ゲーム性はかなり変化しているように感じられた。

 また、前作はキャラクター固有の弾数無限の銃+道中で入手した銃を使って攻略していくゲームだったが、本作は初期銃が様々な銃にランダムで変化し続けるようになっている(EtGにも武器が変化し続ける祝福モードというのがあり、本作は常時このモードをオンにしているのと似たようなプレイ感覚になっている)。

 武器周りの仕様変更は受け入れられたが、個人的にしんどかったのが足場が極端に不安定になってしまった点。(※これは自分個人の好みの話ではあるが)「アクションゲームは敵を殺すのが楽しいものなのだから、探索要素を入れないのであれば移動系のギミックやトラップの要素は不要だ」と常々思っているのだが、その個人的に不要な要素がこのゲームにはがっつり盛り込まれている。

 EtGにもそういう要素はあったが、ダンジョンの一部の部屋がトラップ部屋になっているというレベルでしかない。このゲームはキャラクターが間に合わせのエレベーターに乗っているという設定であるため、エレベーターの床がない場所に着地しようとすると容赦なく落下する。(自分のPCの解像度では)画面の横幅の1/3程度の広さしか足場がなく、ここから落ちないように細々とした動きが要求される。さらにステージによっては足場の一部が無くなり、飛び石状態になった足場を敵弾を避けつつ反復横跳びしなければならないような場面も出てくる。このプレイ感覚は自分の思うアクションゲームの楽しさからも前作に感じた楽しさからもかけ離れていると感じてしまった。

 そもそもEtGの(隠しキャラクターを含めた)設定と本作の根本となる設定が矛盾しているという点、EtGで統一して使われており特徴的だったフォントが別のフォントに変えられてしまった点も引っかかり、レビューで挙げられていた「EtGをやりこんだ人ほどこのゲームには手を出さないほうが良い」という文言に実体験をもって共感を抱いてしまうこととなった。

 EtGも発売後何度か大規模なアップデートがされて現在のバランスに落ち着いているようなので、今作についても今後何かしら手が加えられることとは思うが、本作の根本にあたると思われる要素が好みでなかったのでそこに手が入らない限りアップデートされても触らないかな……。

Hades(PC)

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 ローグライトアクションRPG。冥王ハデスの息子・ザグレウスになって、冥界の底の自宅から地上への脱走を目指す。ストーリー面はギリシャ神話モチーフではあるが知識が全くなくても理解するのに支障はない。

 道中では地上にいる親族の神々から功徳(他ゲームでいうところのスキル・パーク)を受け取ることができ、これを取捨選択しつつ進んでいく。また、道中で拾えば死んでもそのまま持ち帰れるアイテムが数種類存在し、拠点でそれを使うことで新たな武器のアンロックや自機の恒久的な強化をすることができる(ザグレウスは不死身なので、何度死んでも家に帰ることができる)。功徳も重要な要素ではあるが、何回も死につつアイテムを持ち帰って自機そのものの強化を重ねてクリアを目指すのがメインになる。

 ローグライク(ライト)ゲームは死んだら何もかもを失う仕様になっているものもあり、正直そういう仕様のゲームは萎えるのでやらない(やってもクリアまでたどりつけない)ことが多いのだが、このゲームは先述のとおり拾ったらずっと所持できて失われないアイテムが多数存在し(攻略中に店で買い物をするための通貨は死んだら無くなるが、むしろ死によって消滅するのはそれくらいしかない)、死を重ねることによってストーリーが展開していく要素もあったので楽しくプレイできた。

 また、キャラクターに特定のアイテムを贈って好感度を高めるシステムがあり、ストーリー面の掘り下げも細かくされている。フルボイスだが(ただし音声は英語)かなりの数の台詞がありメインストーリーを完走するくらいゲームを進めたとしても全部を把握しきれていないくらい。

 アクション面での救済措置として、オプションで被ダメージを抑える「ゴッドモード」を使うことができる。回避モーションを兼ねたダッシュの性能も高いため、これらを活用すればアクションに苦手意識のある人でもクリアできるのではないかと思う(ゴッドモードを使っていても被ダメージが減少する以外の影響はない)。

 全体的にとても丁寧に作られている印象だが、ストーリーを追いたいのであれば同じ道のりを何度も辿らなければならず、取得する功徳によって立ち回りは変わるとはいえ武器自体の種類はさほど多くないので単調に感じることはあるかもしれない。評価に嘘はないと思うがとんでもない傑作だと思ってやると肩透かしを食らう可能性がある。あえて言うなら際立った欠点のないところが一番の長所という感じのゲームだと思う。カジュアルめなアクションが好きな人、キャラゲー要素の濃いゲームが好きな人、同じボス・同じマップの周回が苦にならない人(これが一番重要)であれば楽しめると思う。

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