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2020年にやったゲーム

一年の締めくくりとしてやったゲームの感想を述べる試み

・プレイした順
・なんでもありです(冒頭に記載してすぐ項を飛ばせるようにしていますが、エロゲーの感想もあるので注意して下さい。直接的な性的描写への言及はありません)
・スタミナ制だったりガチャでキャラ入手するゲームは除外しています

書いてないやつで1個やりかけのゲームがあるんですが年内にクリアできないなと思ったのでいったん上げることにしました(来年も同じ試みをやるとすれば多分そのゲームも入る)


Moonlighter(PC)

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 2Dローグライトアクション。ダンジョンを全部踏破して隠された謎を解き明かすのが目的。ダンジョンに潜る→アイテムを回収する→実家の店で販売して銭を稼ぐ→薬や装備を揃えて再びダンジョンに潜る、のルーチンで店や街を発展させていく要素もある。

 アクション部分は操作性良好でドット絵のグラフィックも可愛くて良い。ただアイテム販売のフェーズがかなりテンポ悪く感じてしまった(客の反応を見てアイテムごとの適正売却価格を探ったり、泥棒が来たら撃退したりというゲーム性はあるのだが、客の動きがちんたらしすきてて……)。ただしこの辺はストーリーが進めばバイトを雇って代行させることが可能。

 ノーマルでストーリーモードをクリアしたが、敵はノーマルだとぬるく感じたのでハードでやったほうが良かったかもしれないと思った(公式で推奨されてる難易度はハード)。ストーリークリア後の追加要素(アイテム収集)がかなりあったけど、全部やりきるまでの道のりが遠すぎて頭痛がしてきたのでストーリークリアにて打ち止めにしてしまった。そこまでで値段相応って感想だったので、やり込みに魅力を感じる人にとってはとてもいいゲームだと思う(自分は買ってないけどDLCがあるので要素はかなり多いはず)。そうでなくてもセールになってたら買ってもいいかも。

NO,THANK YOU!!!(PC)

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※男性同性愛要素のある成人向けゲームです※

 記憶喪失の青年ハル(上の画像にはいません)がバーを経営しているおっさんに拾われ、おっさん及びバーで働くメンバーと親交を深めていくゲーム。いわゆるBLエロゲー。主人公総攻め、4人いる攻略キャラ(画像の4名)はいずれも受けで逆転なし。抱きたいと思ったらみんな抱けるし、ハルがちょっとネジが飛んでるところがあるので、倒錯的なプレイにも片足突っ込んでくれる親切設計。

 普通に選択肢が出てくるところもあるが、このゲーム固有の特徴として「何か」が発生しようとしている際画面上部に「NO,THANK YOU!!!」ボタンが出てくることがあり、ボタンを連打しまくって破壊すればフラグが折れ、「何か」の発生を阻止することができる。

 破壊した方がいい時としない方がいい時があり、その辺は周回で埋めていくしかない感じなので、実質選択肢制と同じなのだが、ストーリーを進めていくとこういう設計にした真意も見えてくると思われる。

 ネタバレにならない範囲で言うとどのキャラクターともひと夏のみの関係になる(時期としては夏の設定である)。ただ、だからといって肉体関係を持っただけではい終わりと言う感じではなく、だいたいのキャラが互いに交わった経験を思い出として保持したままその後の人生を歩んでいくのだろうという感じの終わり方になっている(一部例外はある)。

 特にこいつが好みだ!というキャラがいればそのキャラから攻略してもいいと思うが、ストーリーの全容をすんなり掴みたいのであれば秋山博之→黒沢琉→マキ→乾浩一の順で攻略するのがおすすめ。多少前後してもいいが最初と最後は動かさない方が良いと思う。2周目から1周目では判明しなかったことが色々と分かってくるのでプレイ感が変わる。

 細かく語れないけど性描写がすごかった(小並感)ので男同士のすごい性描写が見たいという人にはかなりおすすめ。個人的にはマキのルートが好きだけど浩一のルートが一番相思相愛だったと思う。

Aragami(PC)

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 3Dアクション。敵対勢力に村を焼かれた女性ヤミコの復讐を手助けするゲーム。プレイヤーキャラのアラガミは影の化身(?)で灯りのそばにいると弱体化するので、出来る限り暗いところを進むのが肝要。敵も自分も一撃で死ぬのでステルスあるいは速殺が求められる。

 シャドーエッセンス(MPみたいなもの)の増減をアラガミの衣服の模様で表すゲームデザインが凄く良い。モーションもカッコいい。主人公はジャンプできない(ちょっとした段差も超えられないので正直これはかなり不便に感じた)が代わりに影から影へ瞬時に飛び移ることができるシャドーリープという能力があり、これが結構爽快感があって良い。夜中の話なのでグラフィックは全体的に暗色が多いけど、重たさを感じさせない鮮やかさがある。

 ストーリーは章で区切られておりクリア後は特定の章を選んでプレイすることも可能。加えてチェックポイント制で死んだら最後のチェックポイント通過時までロールバックされる。敵も復活するので敵をほぼ全滅させてチェックポイント通過前にうっかり死んだら全員復活してて萎える(敵からの攻撃、崖からの落下のほか水没でも死ぬので人によっては序盤で食らってクソ萎えるかも……)。

 その他にも中盤で急に結構難易度の高いステージギミックを突っ込んできたり、最終盤のストーリー上物凄く重要なムービーがバグで表示されなかったり(いろいろ試したけど直らなかったので内容は結局他の人の動画で確認した)してキレそうになった部分はあったが十分楽しめた。他のプレイヤーと同時に協力しながらプレイできるモードもあるようだが友達がおらずそっちはやってないので割愛。

 DLCのNightfallは崖落下や水没でチェックポイントまで戻されない(速攻で陸地にシャドーリープして無かったことになる)うえにチェックポイントに戻されてもその前に敵を倒してればある程度それが反映された状態でリトライできる仕様になっており、比較的やりやすかった。流石にボリュームは本編に比べると……という感じで(いうて別に値段不相応ではない)ストーリー的にも本編の外伝的な立ち位置なのでゲームシステムや本編のストーリーに特に惹かれた人向けだと思う。

 2021年には続編が出るらしい。とりあえずウィッシュリストに入れといたので出たら多分やると思う。

薔薇と椿〜伝説の薔薇の嫁〜(スマホアプリ)

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 ジャンルとしてはアクション?なんだろうか?

 華族に嫁いだ翌日、旦那に先立たれてしまった市井の生まれの玲子が、義理の姉妹からいびられるのに耐えかねビンタでしばき倒して成り上がりを目指すゲーム。

 ブラウザゲーのスマホ移植版で、スワイプによる攻撃(ビンタ)及び回避の操作はスマホ向けに改良されている。敵のビンタを避けつつこちらのビンタを当てて倒す!以上!という感じなのだが、ビンタの勢いが不十分だと敵は容赦なくカウンターをかましてくるし、フェイントをかけてくる敵や当たり判定が狭い(気がする)敵もいて一筋縄ではいかない。ブラウザゲー時代によくやってたので思い出補正も含めて高評価。無料の上広告もしつこくない(気に入ったらお布施をして広告を除去できる)ので是非。

Darkest Dungeon(PC)

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※PS4、switch版もあるけど、mod入れられない・仕様が一部違う・一部DLCのアップデートが反映されてないっぽいので圧倒的にPCがおすすめ

 2DローグライクRPG。先祖が好奇心でヤバいダンジョンの門を開いてしまいヤバい事態になったので、子孫であるプレイヤーが先祖のクッソ汚いケツを拭くゲーム。ラストダンジョンの最深部にいるラスボスを撃破するのが目的。

 プレイヤーがダンジョンに潜るのではなく、毎週やってくるヒーロー(冒険者志願)を雇い入れて使い倒すのだが、キャラクターごとに「ストレス」「奇癖」という独自のステータスが設定されているのが大きな特徴。ストレスは一定値を超えたら高確率で発狂し、さらに蓄積すると心臓発作を起こして死に至る。もちろんキャラクターが死んだら蘇ることは(原則)ない。奇癖はいいものと悪いものがあり、悪いものはキャラクターにステータスデバフや行動制限をかける。

 ダンジョンに入るにあたって必要な食糧や松明の購入費のほか、ストレスを癒したり悪い奇癖を治したりするのにも金がかかり、特に序盤は厳しいリソース管理を強いられる。

 だいたいは4人でパーティーを組んでダンジョンに入ることになり、キャラクターの並び順によって戦力が大きく左右されるのが戦闘システムの特徴。キャラクターのジョブごとに得意な立ち位置が異なる(前衛向きのジョブもあれば逆もあり、ジョブによっては得意でない立ち位置にいるとスキルが全く使用できず棒立ちにならざるを得ない場合もある)。立ち位置の移動を伴うスキルもあり、またゲーム中盤以降ではこちらの隊列を乱す攻撃を使ってくる敵が多くなってくることから、パーティー編成の段階からある程度戦略を組む必要があるほか、臨機応変さも求められる。この辺は楽しい。

 ただバランスは結構シビアで、運が良ければ時間をかけて育てたキャラクターがなすすべなくロストする最高のゲーム体験を味わえる。世界観や戦闘システムは非常に好きで面白いと感じたが自分の力を及ぼせないところで損失が発生するのははっきり言って全く楽しくない。そういう半ば理不尽な体験すら楽しいという人向けに作られたゲームだと思うのでこのゲームは私にはあまり向いていなかったのかもしれない。

 特に最高難易度でプレイしてるとイライラさせられることも多いのだが、何故かかなりハマってしまった……重厚な音楽とか統一感あるグラフィックが良いからかもしれない。

 キャラクターも背景がしっかり設定されているようで台詞その他公式の情報からある程度それらを窺い知ることができる。汎用台詞も多いがキャラクター(というかジョブ)ごとの固有の台詞がかなりの数あるのでキャラゲーの側面もあると思う(というか、私の場合プレイの原動力はそこかもしれない)。

 総合的には今年一のおすすめ。ゲーム自体はmodでいくらでも易化できるのでグラフィックや雰囲気が好きなら買いだと思う。PC版も一部DLCがローカライズされてなくて有志のmodなしではまともにプレイできないという難点はあるものの、それはゲーム性の罪ではないので……。

 これも2021年に続編が出るらしいので、それまでは頑張って生きようと思う。

NO THING - Surreal Arcade Trip(スマホアプリ)

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※未クリア

 曲がりくねった道から落ちないようにひたすら方向転換する一人称視点のランゲーム。ジャンプはできない(ジャンプ台みたいな地形があり、勢いで飛ぶことはある)。

 グラフィックと音楽が特徴的な雰囲気ゲーで、その雰囲気に惹かれて買ったのだが、未だにクリアできてない。ストーリー的なものがあるが、英語だし走ってる時に字幕&ボイスで示されるだけなので頭に入ってこない。決して嫌いではないが思ったよりはまらなかった。雰囲気ゲーなので雰囲気が好きならどうぞという感想しかない(クリアしたら劇的なエンディングとかがあって感想が変わるかもしれない……知らんけど)。

終わる世界とキミとぼく(スマホアプリ)

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 テキストADV。ストーリーはいわゆる終末もので、核によって破壊された世界が舞台。大爆発をたまたま生き延びたプレイヤーの「ぼく」がクラスメイトのマチコと共に生き残りを目指す。

 探索及び拠点でのアイテム加工がメインで、探索時に発生するイベントでどの選択肢を選ぶかが生死に大きく関わる。「ぼく」には知力と腕力というステータスがあり(特定イベントやアイテム入手で増加)同じイベントで同じ選択肢を選んだ場合でもステータスの数値や特定アイテムの有無によって結果が異なる。どの選択肢が最善かは想像するしかなく、その上誤った選択をした際のダメージが大きい(即死の場合すらある)ため、この辺の知識がないとあっさり死ぬ。リトライ性が高いので死んで覚えつつ最適解を模索していく感じ。

 複数のエンディングが用意されているが、生き残り「のみ」に固執していると確実にバッドエンドを迎えることになる。最良のエンディングを拝むためには謎解き要素をクリアしなくてはならない。どこかで脱出ゲームに近いという評を見たがその通りだと思う。ただ探索で目当てのアイテムが発見できるかは運が大きく絡むのでそこがダメな人はダメかもしれない。でもおすすめ。荒廃した世界の空気感も含め私は値段以上に楽しめた。Steam版は高いし手軽さが失われていると思われるのでアプリ版がおすすめかな……。

Deadcells(PC)

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※未クリア

 2Dアクション。プレイヤーは囚人でモンスターがうろついている監獄から抜け出すことが目的(と思われる)。道中で武器やアイテムを拾い強化を重ねつつ進んでいく。HPが尽きたら初めからやり直し。収集要素があり、毎回ランダム生成されるマップ内でいろいろな武器を集めるのも目的の一つ(と思われる)。

 アクション部分の難易度はそこそこ(といってもクリアしてないのでそこを語るべきではない気がする)。手触りはかなり良く、キャラクターを動かすことそのものに爽快感があった。

 ただ、パーマデスの仕様がどうしても自分には合わず、途中でやる気をなくしてしまった。また収集要素についても、コンプリートまでにかなりの時間を要するであろうことを伺わせる描写があり、それで心が折れてしまった。

 これらの要素は知ってて買ったので完全にこれは自分が悪いんだけど、アクション部分の面白さで相殺できるんじゃないかと思っていた。実際は相殺できなかったが、少し触っただけでアクション部分の完成度がめちゃくちゃ高いのは分かったので、上記2要素が嫌いでなければ買いだと思う。

 アクションがカッコよく面白い、グラフィックも綺麗だし音楽も魅力的。なのでハマるだろうと思っていたんだが一部の好きではない要素が自分にとってあまりにも重荷だったらしく実際はそこまでハマらなかった……私はやっぱりパーマデスが嫌いなんだなとわからされた一作。一度投げてその後触ったら猛烈にハマったゲームもあるので(Downwellとか)これも思い出した頃にもう一回やってみたらハマるかもしれん。

LISA:The painful(PC)

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 RPG。公式日本語版がなく、有志による日本語化を入れてプレイ(違和感を覚える部分はなかった)。フラッシュと呼ばれる謎の現象により女性が消えてしまった世界で、存在するはずのない女の子の赤ちゃんを拾った中年男性・ブラッドの物語。バディと名付けられた赤ちゃんは、ブラッドと彼の幼なじみたちに育てられ成長するが、少女といえる年齢になったある日何者かに拉致されてしまう。ブラッドが彼女を探す旅に出るところからスタート。この作品は3部作の2作目にあたるが、前作をやってなくても本作のストーリーを知るにあたり大きな支障はなかった。

 特徴的なのは個性的なキャラクター、退廃的な世界観、そして容赦のないバッドイベントの数々。まずこの世界ではジョイと呼ばれる薬物が流行っており、ブラッドもジョイに依存しているため、定期的に禁断症状に悩まされてステータスが激減する。そんなやぶれかぶれの中年男性にもついてきてくれる人間(ではない場合もある)がおり、最終的に20名以上の仲間を作ることができる。最初に仲間になるキャラクターからしてかなりのインパクトを持っており、仲間にならないキャラクターもみな強烈である。しかし仲間たちはイベントによりあっさりとロストする(仲間を失わない選択をすることもできるが、その場合は別のものを差し出す必要がある)。即死技を使ってくる敵が複数いるため、もちろん戦闘で仲間をロストすることもある。

 ストーリー上起こるイベントはほとんどロクなものがなくブラッドからあらゆるものを奪っていく。ゲームが進めば進むほど犠牲が増えていく。ただ、私にとってはそれでも行く先が見たいと思わせる力があった。そんな世界観なのに明るめの音楽が多いのもいい(死ぬかもしれないゲームに仲間を参加させることを強いられるイベントで誰を行かせるか選ぶ時のBGMのポップさには笑ってしまった)。

 ゲームとしての戦闘バランスは大味で、仲間が消えたからと言ってクリア不可能になる感じではない。正直不親切な点も結構あるので適宜攻略情報を入れながらプレイしてもいいかもしれない。
 ただ一つだけ言いたいのが、エンディングにはぜひ愛着のあるパーティで突入して欲しいということ!

 DLCのLISA:The joyfulはThe painfulの続編(3部作の3作目)にあたる。ゲームシステムは同一のもので、バディが自らの願いを叶えるために奔走するストーリー。マルチエンディング(といっても最後の演出に変化があるだけで話の大筋に分岐はない。これはThe painfulも一緒)で、エンディングによってこの世界の未来に対する印象が多少変化する。ただ、個人的には一貫して救いのないストーリーだと思った。

 プレイしてて爽快感があったりハッピーになったりするタイプのゲームではない。むしろ陰鬱な気持ちにさせられることの方が多いと思う(人がバンバン死に、ドット絵だがゴア表現が結構あるため)。でも私は好き。おすすめ。

Lkyt. (PC)

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※男性同性愛要素のある成人向けゲームです※

 日本っぽい文化のある汀(みぎわ)の国が舞台の和風ファンタジー。これもいわゆるBLエロゲーで、攻略キャラクターは4人、主人公(一番手前にいる男性)総攻め。汀の国にのみ出現する人類共通の敵「虚(うつろ)」というのがおり、虚との戦いの中で各攻略キャラとの仲を進展させていく。

 BLエロゲーなのでその手の嗜好がある人にしか勧めづらいところがあるし、この場で性描写について語るのは割愛するが、ストーリーがめちゃくちゃ良い。性描写の濃度は先述したNO,THANK YOU!!!に比べるとややあっさりめでその文ストーリーの重さに比重が置かれている感がある(ちなみに発売元は同一のブランドである)。ただ初見のインパクトが肝となる部分があるのであまり深く触れられないのが悲しい。少し注意すべき点は、ゴア表現が多少あり、結構エグいスチルや文章での表現があること(ただし、スチルでの流血表現は設定で出ないようにできる)。

 とりあえず初周は一番好みのキャラクターを選んで欲しいが、永羽のみ初周では攻略できない仕様なので、一番好みなのが永羽だったり、誰から先にやるか決めかねる場合は長流から攻略するのが良いと思う(ストーリーの流れ、世界観がだいたい掴めるので)。個人的にも長流ルートが一番好きなのでこだわりがなければ長流から攻略してほしい。

 ネタバレを極力避けて語るなら、公式サイトの「愛は世界を救うだろうか」という問いに関しては「救うが、しかし……」というのが答えになる。舞台となる世界自体数千年スパンで人類が虚に滅亡寸前まで追い込まれては復興というのを繰り返しているため終始不穏だがどのキャラクターとも相思相愛になれるし不穏な空気の中で相思相愛になる男2人が見たい人は買いです。個人的に長流ルートにものすごいぶっ刺さる要素がありぶっ刺されて死にました。

ねずみバスターズ(スマホアプリ)

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 アドベンチャーゲーム。安価な家賃につられて曰く付きの物件に引っ越してきた主人公が悪霊退治に巻き込まれ……というストーリーで一応ホラー寄りではあるが、いきなりでかい音が出たりショッキングな画像が出てビビらせてくる演出はない。

 ゲームという形ではあるものの、ゲーム性(というかプレイヤースキルが問われる箇所)はほぼ無い。ギミックの多いノベルゲーという表現の方がしっくりくる。無料でプレイ可能だが、ストーリーがいよいよ佳境!というポイントで「無料版はここまでです」とぶった切られるため、実質買い切りアプリと思った方が良い(レビュー見る限り、無料でもストーリーを最後まで進める手段はあるようだけど、私は金を払って進めたのでわかりません)。

 ドット絵が可愛いしストーリーも熱い感じで良かったが、課金誘導のやり方が個人的にいまいちに感じたので最初から610円(ラストまでのストーリー解放+広告除去)払ってもいいと思わない限りお勧めはしないかな……という感じ。ボリューム的には値段相応〜やや割高という感じ。グラフィックに惹かれたらとりあえず触ってみてもいいかも。

くまのレストラン(スマホアプリ)

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 上記「ねずみバスターズ」と同一デベロッパーの作品。これもアドベンチャーという括りだがやっぱりノベルゲーと思った方が良い。死者のたどり着く世界で、天国に行く前の人たちに最後の晩餐を提供する「くまのレストラン」を経営するくまとネコの物語。その性質上ストーリーでもたくさん死を取り扱っている上に見方によっては胸糞展開なので沈んでいるときにやらない方がいいかもしれない(最終的には情に救われるいい話なんだけど)。

 これは最初からストーリー解放+広告除去を買ってプレイしたがねずみバスターズと同様に無課金だとストーリーが途中で終わってしまう(ただこれも無課金プレイ可能な救済措置があるもよう)。こちらもやはり買い切りアプリと思った方が良いと思う。

 ねずみバスターズの課金要素で本作とのコラボレーションストーリーがあったので気になってやってみたがなかなか良かった。けど(ねずみバスターズも含めて)雰囲気重視ではあるためこの仕様にするなら最初から買い切りアプリにした方がよかったんじゃないかなあ……という感じは拭えない。この点が引っかかるのでやっぱり万人にはおすすめできないかな……と思う(ストーリーやゲームとしての出来栄えが悪いわけではないので、最初から買い切りと思ってお金を出すつもりがあるならばおすすめできます)。

TIME LOCKER - Shooter(スマホアプリ)

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 シューティング。自機が動くとゲーム内の時間が動き、自機が止まると時間も止まるのが特徴。その仕様から通常シューティングと聞いてイメージされるような反射神経を要する感じはなく、むしろ慎重さが求められる(気がする)。

 延々と大量に出てくる敵に大量の弾で応戦し、粉々に粉砕された敵の間を進んでいくのはかなり爽快感があり良い。BGMはほぼないが敵を倒した時にコロコロ音が鳴るのが気持ち良い。自機の種類もかなり豊富で中毒性が高い。課金要素は若干あるが、別に買わなくても楽しくプレイできるのですごい(課金専用自機はあるが、バランスを破壊するほど強いって感じでもないし、プレイヤースキルの方が重要)。

 欲を言えばちょっと値が張ってもいいので課金で完全に広告を除去できれば良かったかな……。無理やり広告を見させられる場面はないが(メリットと引き換えに広告を見る選択肢が提示され、自分で選んで見る形式)、他のゲームだと広告除去を購入すれば広告を見た際のリワードが無条件で受けられるものもあるため、そういうのがあるとなおよかったと思う。けど些事なのでおすすめ。

Furi(PC)

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※ほぼ未クリア

 囚人の主人公が脱獄を図り立ち塞がる看守などをボコボコにする3Dアクション。主人公の武器は刀と銃で、エネルギー弾っぽいものが無限に撃てる。敵も近接攻撃と遠距離攻撃を両方使ってきて、特に敵の近接攻撃はこちらがジャストガードすると自機のHPが回復するため、敵の攻撃パターンを記憶することがかなり重要になっている。

 敵は全てボスで、いわゆる雑魚戦は一切なし。刀と銃が使える通常戦フェーズで敵HPを削り切ると、刀しか使えない近接戦フェーズに移行し、近接戦フェーズでも敵HPを削り切ると敵の残機が1減る。敵残機を0にしたら撃破。
ちょっと触ってみて「無限に手裏剣使えるSEKIROって感じかな?」と思ったけど、攻撃中の敵はこちらが攻撃しても怯まない(反撃されるため敵の攻撃をいなしてから隙をつかなくてはならない)、視点移動がプレイヤーの裁量でできない(敵と自機が両方視界に入るように自動で調整される)などの細かい違いがありやはり別物と感じた。

 当初は難易度フリー(ノーマルに相当)でプレイ。アクション部分については歯応えのある難易度という感じでかなり楽しめた。いわゆる死に覚えゲーだが、リトライがスムーズなためその辺は気にならない。

 しかし個人的に難点だと思ったのがシューティング要素。敵は残機が減るたびに攻撃パターンが変化するのだが、残機1の状態だと必ず弾幕を張ってくる。しかも弾幕張ってる時は攻撃が効かないので一方的な防戦を強いられる。
 アクションとしての手触りはかなりいいものの、同じ操作感で弾幕避けをやれと言われたら私には無理だった。4番目の敵まで進み、温存してきた残機をラストの弾幕で全部溶かして乙るのを数回繰り返したのち、「これシューティング要素要る!?」と思ってしまいノーマルでの攻略は投げてしまった。

 難易度プロムナード(イージーに相当)で再挑戦しクリアしたけど消化不良感がすごい……。イージーだとぬるいがノーマルだとアクションはちょうどよくても弾幕部分の難易度がエグすぎてクリアできないという状態になってしまい、弾幕さえなければ……ととても惜しくなってしまった(完全に別ゲーという感じがしたので弾幕を突破してもあんまり達成感を感じられず……)。STGが嫌いなわけではないが食べ合わせが悪いと感じた。

 繰り返すがアクション部分の出来はかなりよく、グラフィックもかっこいいので、個人的に好き(ちゃんとクリアしてないけど)。あと日本語音声がかなり良い(声優には全く明るくないのでよくわからないけど序盤に現れる味方?っぽいキャラクターがかなりいい声をしている)。

Papers,Please(PC)

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 架空の共産主義国・アルストツカにて入国管理官の職を与えられた主人公が、ひたすら書類にハンコを押すゲーム。もちろんそれだけではなく、職務上出会う人々との関係を行動により変化させていくところがゲームの肝になるわけだけど、それはそれとしてプレイ時間の8〜9割が書類にハンコ押してる時間となる。

 最初は「自国民のみ入国可、パスポート必携」だけだった入国審査の内容は、日を追うごとに必要書類や審査事項がどんどん増え、それに伴い1回の審査に要する時間もどんどん増えていく。しかも1日に3回以上ミスするとミス1回ごとに罰金が発生し給料から差し引かれるため適当に処理するわけにもいかない。主人公は妻子持ちであるため、家族を養うためにちゃんと稼がなくてはいけないのだ(自分は到達してないが所持金マイナスになると自動的に特定のエンディングになるらしい。実質ゲームオーバーみたいなもんだと思われる)。

 このゲームはゲームというよりは、うだつの上がらない労働者としての立ち回りシミュレーションのようなもんで、入国希望者や上司、同僚からの要求にどう応えるかが問われ、その結果がエンディングとして現れてくる。ゲームとしての作りは異なるが、これも性質としてはノベルゲーに近いような気がしている(選択肢を所定の行動で表すしかないというだけで)。

 エンディングは20種。どう転んでも1ヶ月勤めるとどれかのエンディングになる。元々「楽しくプレイするゲーム」としては作られていないのが明らかなので、これは制作側の罪ではなくそれを知りながら買った私の罪であることは承知しつつ、ゲーム内での労働が正直言って予想以上に苦痛で、いくつかエンディングを見たがそれ以上やりこむ気にはならなかった。色々ストーリーを見ようにも、分岐とかフラグを立てるために何回もプレイしなくてはならないのだが、リトライ性が低すぎてうんざりするほうが先に来てしまった。労働者シミュレーションと考えれば、完成度は非常に高い。ただ私にとっては面白くなかった。

A Short Hike(PC)

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 3Dアクションアドベンチャー。都会出身の主人公クレアは、叔母に連れられて離島型(?)の公園「ホークピーク州立公園」を訪れる。クレアはある人物からの連絡を待っており、公園内で唯一電波の通じる場所であるホークピークの山の頂上を目指すのが一応の目的である。が、オープンワールドのため、真っ先に頂上を目指さず自由に公園内を探索することも可能。

 アクションの手触りはかなり軽快。「黄金の羽根」というアイテムを入手すると、壁登りや空中での羽ばたきが可能になる。羽根の所持数が多いと長い時間壁を登れたりたくさん羽ばたけたりする。羽根は消耗品ではなく、感覚としては羽根の初回入手でスタミナゲージの追加、2回目以降の入手で最大スタミナの増加という感じ。

 羽根は公園内に落ちている場合もあるが、NPCから購入したり、公園を徘徊している彼らに協力することでお礼として貰ったりというのが主な入手手段となる。ホークピークの頂上に到達するには黄金の羽根が一定数必要であるため、公園内の人々(主人公含め人じゃないけど)と交流しつつ、羽根を集めて探索範囲を拡げ、最終目標である頂上を目指すという感じ。

 操作性が良好であるうえ、羽根集めやアイテム取得により行ける範囲や取れるアイテムがじわじわと増えていく感じはかなりワクワク感があり面白かった。反面ゲーム内にマップが存在しないことから島の隅から隅まで探索しようとすると不便さを感じてしまった(とはいえ、序盤で方角が分かるコンパスは入手できるため、マップも自分が発見してないだけであるのかも)。序盤のワクワク感を削ぎえる要素なのは間違いないので、おそらくマップがないのは意図的なものではないかと思うのだが、個人的には頂上到達後くらいのタイミングで手に入れられるとよかったと思う。

 飛行を伴う移動は非常に爽快感があり、操作しているだけで面白かった。タイトル通りプレイ時間は短めで(実績を全部解除したいとかなら別だが)サクッと遊べていい気持ちになれる。ドット絵風のグラフィックもかわいらしく、特に頂上からの景色が大変美しいので、雰囲気に惹かれたらぜひ。

NieR:Automata(PC)

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 3DアクションRPG。エイリアンが率いる機械生命体の来襲により人類が地球から月に追いやられた遠い未来の話で、人類が造り上げたアンドロイドたちが地球を人類の手に取り戻すために戦うゲーム。

 シリーズもので他作品とも世界観が同一の設定らしい。私は他のNieRシリーズ及びドラッグオンドラグーンシリーズはプレイしたことがないけどストーリーが分からないとは全く感じなかったのでその辺は気にしなくて大丈夫だった。

 操作キャラがアンドロイドという設定だからか、アクションはものすごく軽快で人間離れした動きを見せてくれる。プレイヤーキャラクターは近接武器しか持てないが、ポッド(随行支援ユニット)が常にひっついており、こいつを使えば遠距離攻撃をすることも可能。回避モーションがかなり万能で連打してればだいたいの攻撃は当たらない。難易度選択も可能で、プレイ中いつでも変更できる。難易度に関しては(意図的に難しくしようとしない限り)易しい部類だと思う。

 このゲームの主な魅力はキャラクターのビジュアル及びモーション、そしてストーリーだと思っているが、ストーリーに関してはネタバレされたら台無しになるタイプのやつなのでふんわりと語っていく。

 まず、ストーリーの全容を掴むには周回の必要がある。1周目は女性型アンドロイド2Bを操作して話を進めていき、2周目は2Bのアシスト役としてほぼ常時彼女に同行していた少年型アンドロイド9Sの視点から1周目と同じストーリーを追っていく。それに伴い、2周目では1周目で分からなかった事実が徐々に判明していき、3周目に突入すると衝撃的な展開が訪れ、さらに進むうちにすべてが明らかになる……という感じ。「周回前提」というのは1周目のエンディング後にゲーム内でも提示されるので、やるなら最初から3周するつもりでやるべき(サブクエストを拾いつつだけど、最終EDまでのプレイ時間は30時間くらいだった記憶がある)。

 ストーリーに関しては個人的にほぼ文句なし(最終エンドが感動的ではあるけど好みではないかな……というくらい)。ただストーリーの見せ方の都合上、大筋が1周目と同じ2周目は結構ダレてしまった感じがある。それでも十分おすすめ。難易度イージーだと戦闘をオートにするのも可能なので戦闘すっ飛ばしてストーリーだけでも体感してほしいくらいおすすめ。

DARK SOULS II: Scholar of the First Sin(PC)

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 3DアクションRPG。死しても蘇るが、死ぬたびに人間性を失い亡者と化す呪いを背負った「不死人」として、呪いを解く術を探す旅に出るゲーム。設定からして死にまくることが想定されている。敵を倒すと手に入る「ソウル」が通貨になっており、死ぬと所持していたソウルをすべて落としてしまうが、前回死んだ場所まで戻れば落としたソウルを回収可能(ただし、回収に行く前に再度死んでしまうと落としたソウルは完全にロストする)。

 キャラメイク要素があり、プレイヤーキャラクターの見た目はかなり詳細に設定することができる。最序盤に出会うNPCにソウルを渡すことでキャラクターのレベルアップができ、能力に関しても好きなように育成できる。自分は完全近接系キャラでプレイした。育成によっては魔法的な感じのものが使えるが自分は全く使わなかったので割愛(逆に言うと使わなくてもクリアに支障はない)。

 ステータスとしてHPの他にスタミナがあり、攻撃、ダッシュ、回避(ドッジロール)にはスタミナを消費する。敵の攻撃を盾で受けるとHPダメージを軽減できる(場合によっては0にもできる)がスタミナを消費する。敵の攻撃を受けたことによりスタミナが切れると硬直が発生するためゴリ押しはしづらくなっている。ジャンルとしてはアクションだが爽快感には乏しく、常にリソースを管理しつつ立ち回る必要がある。

 ソウルシリーズ初見で、同社のゲームでやったことがあるのはSEKIROくらいだったので、かなりしんどいものと覚悟していたが、ドッジロールが万能なこと、盾受けでのダメージ軽減があったことから思ったよりは楽にクリアできた(それでもDLC除いたラスボス撃破までにプレイ時間50時間くらい、死亡回数211回だったので、これを長いと見るか短いと見るかは人によると思う……)。ボスより道中のトラップや敵配置、初見殺し要素がいやらしく、そのあたりが難易度を押し上げていると感じた。

 協力プレイも可能だが友達いないし野良でできるほど人もいなかったのでその辺は割愛。ただ他のプレイヤーが任意の場所に残したメッセージを見られる機能があり、これのおかげで罠に気づけたり、アイテムを発見できたりと楽しくプレイできた。前述のとおり戦闘が爽快感に乏しいのでボス戦の楽しさよりはマップを探索する楽しさの方が大きかった。

 最終的にDLCのラスボスを3体とも撃破し、2種類のエンディングを見るまでやったが、ストーリーに関してはご想像にお任せの部分が大きく、正直あんまり語ることがない。ただ全体的に救いがなく重たい世界観は結構好みだった。チュートリアルの微妙な不親切さ、初見殺しなど多少気になる点はあったが、こういうアクションが好きならおすすめ。

DARK SOULS III(PC)

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 DARK SOULS IIの続編。といってもストーリーに直接の繋がりはなく、単体でもプレイできる(無印DARK SOULSをやっているとわかるネタが多いみたいだがそっちはやってないのでよく分からなかった……)。基本システムはほぼ同じなので割愛。

 戦闘においてスタミナを含むリソース管理が重要な点は変わらないが、  IIと比べるとプレイヤーキャラクターの動きがかなり軽快になっており、戦闘のテンポが早くなっている。難易度は相変わらずでDLC除いたラスボスの撃破までは確か35時間くらい。(死亡回数はゲーム内でカウントする手段がなかったので不明だけど、IIよりは少ないと思われる)

 こちらも本編攻略においては魔法系を使わずにプレイしたが、IIと明らかに違うなと思ったのはこちらが敵の攻撃を食らった時の怯み判定(IIより明らかに怯まされるタイミングが多い)とレベルアップに必要なソウルの量。特に後者が多くなっている影響でIIよりレベルが上げづらくステータスでのごり押しはやりづらくなっている印象(といってもシリーズ全体で見るとllが特にレベル上げやすいだけっぽい)。NPCのイベントは圧倒的にこっちの方が豊富だが初見で攻略情報無しに全てを網羅するのは困難だと思う。

 グラフィックは確実に進化している。しかしストーリーとか雰囲気という観点から見ると個人的にはIIの方が好み(私の読解力に難があるだけかもしれないけど、IIの方がストーリーにおける目的の提示が明瞭だったように思う。III単体だとIIIの物語の根幹に関わる概念の説明が抽象的すぎてよくわからなかった)。

 アクション部分のテンポがよくなっていた他、休憩所にあたる篝火がこまめに配置されているなどユーザーフレンドリーになっている点も結構あり、アクションゲームという観点から見るとllよりも好き。DLC含めラスボスが正統派の強キャラだった点がよかった。おすすめ。

クラブ・スーサイド(PC)

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※暴力・流血描写、軽度の性的描写があり、死(自殺)をテーマとしているゲームです※

 「アンチロマンス」ADV。女性主人公が5人の男性キャラから一人選んで攻略していく、いわゆる乙女ゲーではあるが、必ずしも対象と恋愛関係になるとは限らない。

 というのもこのゲーム、題名のとおり攻略対象が全員自殺を考えている。

 高校内の掲示板に突如現れた「クラブ・スーサイド」の張り紙に導かれ集まった攻略対象と主人公の本堂林檎(名前変更可能)は、一週間後の卒業式の日に悔いなき自殺をするために人事を尽くそうと誓い合う。

 しかし、引きこもり明けでなんとなく学校に来てなんとなく将来に希望が見えず死にたいような気がして来た林檎は、攻略対象たちが抱える自殺へのガチさに引いてしまい「まだ死にたくない」と思ってしまう。それを言い出す勇気もなく、彼女は邪な好奇心から、誰か一人を選んで自殺に至るまでを側で見届けることにした……。

 というのがストーリーの大筋で、最初はざっくりとしかわからなかった攻略対象の自殺願望の原因は関わりが深まるうちに見えてくる。そしていよいよという時、主人公は攻略対象に自殺を思いとどまるよう説得することができるし、しないこともできる。結果として攻略対象が死んだり死ななかったりする。

 ストーリーに関してはネタバレを食らったら終わる系統のものなので伏せるとして、「アンチロマンス」を謳っているだけあり、恋愛要素はかなり薄いものとなっている。自分ははっきり言ってヘテロの男女の恋愛描写が苦手な部類なのだが、そもそも主人公が攻略対象に恋愛感情を抱いてるように見えなかったので普通に楽しむことができた。

 制作会社のツイートによれば、「憂鬱な今こそ短い時間で命見つめる作品を」との想いで始まった作品だそう。攻略対象がそれぞれ持つ信念、価値観、自殺の動機、そして結末。それらに対する自らの感性を通して、己の死生観が嫌でも浮かび上がってくる。

 「攻略対象と恋愛関係になるとは限らない」という事実があるので、恋愛関係が主体の乙女ゲーを求めている人には合わないかもしれない。しかし、流血や死の描写に耐えうるのであれば、自分のように乙女ゲーに対して苦手意識のある人に対してもおすすめできる。

ただ、題材が題材なので、精神が健康な時にやりましょう。不安定な部分を自覚している人はやめようね!

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