【随想】半沢直樹 第2話「プリズン・ブレイク」

まるで日本版プリズンブレイク
ぐーっと目を細めてカメラを睨み付ける堺雅人が、マイケルスコフィールドに見えてきた
追い詰める猿之助と三笠副頭取はベリックやマホーン
味方の及川ミッチーはスクレやタンクレディ
そして状況によって強力な敵にも味方にもなるティーバックやアブルッチが、大和田常務なんじゃないかと思いながら見てしまう

1話ごとに一つの試練と山場が用意されたテンポの良い作劇、味付けの濃い役者たちの駆け引き、消化不良なシークエンスの積み上げ、タイムリミットなどの適度なサスペンス、ドラマを盛り上げる伏線の回収、定番の裏切り者は誰だ?で次どうなる→の麻薬的展開は、海外ドラマ初期のそれと同じ
岡田くん主演のドラマSPもこれくらいの密度でトレースしてくれたらよかったのに

一本の万年筆が、排水溝を流れる折り鶴のように今回の物語の支柱を支えている
しかしプリズンブレイクと大きく違う点は、彼らは決して銀行から脱獄しようとはしない
それどころか当時の銀行は是が非でも入りたい憧れの場所である
これが日本版プリズンブレイク
現代社会の監獄は、現実にある

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