【随想】8日で死んだ怪獣の12日の物語

なんだか懐かしい気持ちになった
『Jam Films(2002)』や『initialイニシャル(1991~1994)』を思い出した
なんとなくだが、覚えているのは『殺しに来た男(initialイニシャル)』
マヤ・デレンの『午後の網目(1943)』ような話だった気がする
円城塔の『Self-Reference ENGINE(2007)』にもこんな話があったような
白昼夢、蜃気楼のようなストーリーで、全体的に紫色にグレーディングされた画面の記憶があるが、それは『HITOSI MATUMOTO VISUALBUM』の『診察室にて・・・(1999)』と記憶が曖昧になっているだけかもしれない

テープからディスクへ
ビデオ屋の棚が、売れている作品から順にVHSからDVDに置き換わっていく時代であった
今ではそのディスクすら消滅し、データはクラウドへ
肉体から解放された魂が無重力に病む時代が続き(『ゼロ・グラビティ(2013)』)、ハイパーインフレ(Winnyや漫画村)を経て、最近ようやくプラットフォームが中央銀行化してきた
今はなんとかそのタコ糸で延命している状態(『8 1/2(1963)』)

コンテンツ側にできることと言えば、視聴の必然性を高める努力で、
中でも終わりなき永久機関(アーカイブ=エンドレスエイト)であるネット上では、終わりを企図したコンテンツ(ライブ=今でしょ)がより多く消費されるため、『100日後に死ぬワニ(2019~2020)』といったタイトルや内容のものがもてはやされる
勿論、本当にそれが価値あるものかどうかは別として

紙粘土の元ネタはウルトラセブンの怪獣たちだそうだが、一体どれだけの人に伝わっているのだろう
ツインテールとガッツ星人だけしかわからなかった
同じ紙粘土作品なら、千原ジュニアの『架空の小説シリーズ』『モンキーレンチ』の方が創作意欲に溢れている
日々の記録なら、岩井俊二にはモノクロで美しいVlogを撮ってもらいたい

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