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サターン・カルトの陰謀

前回クババの話をしましたが、それに関連して、立方体と土星崇拝が関係しているのではないか?という話があるようですね。

それは言ってみれば、当たり前の話かもしれません。というのも、メソポタミアの神話で土星を象徴とする神はニヌルタで、その配偶者がクババという女神なのです。

クババ=キュベレーと同一視されたギリシャ神話の女神はレアでしたよね。レアの配偶者はクロノス。ローマ神話ではサトゥルヌスでした。サトゥルヌスは「サターン」すなわち土星。

サターンはサタン。土星崇拝は悪魔崇拝。ゆえにブラックキューブはサタンのモニュメントだ!
グローバル企業は悪魔に魂を売り渡した。その証拠がシンボルに隠されている!

なるほど、それがナイキのロゴですか?
サターン・カルトには、サモトラケのニケの羽根もクロノスの鎌に見えてしまうらしいです。

こうした話の元を辿ると、ニビルやアヌンナキで有名なゼカリア・シッチン博士の主張に悪ノリして、レプティリアン仮説を繰り広げる、あのデイビッド・アイクさん辺りが怪しいようです。

彼はいわゆるイルミナティ系の陰謀論者ですね。まあ、イルミナティにしろ、フリーメイソンにしろ、実態はユダヤ陰謀論とあまり変わりません。世の中には様々な陰謀論がありますが、ユダヤ陰謀論ほど影響力のある陰謀論は他にありません。でも、人種差別に繋がるので、真正面から唱えれない傾向にあるわけで、おそらくこのブラックキューブもユダヤ陰謀論のバリエーションのひとつではないでしょうか。

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ユダヤ教のラビの被り物がブラックキューブであるとか、ダビデの星(六芒星)にキューブが隠されているなんて言うわけですからね。

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ちなみに、SEGAの設立者もユダヤ人です。
セガ・サターンとかありましたよね。

ユダヤ人はその大昔、ヘブライ人と呼ばれていましたが、バビロニアとか周辺の人と同じセム語族でした。なので、本来は文化的にそれほど違わないはずで、神様や信仰も同じだったはずです。
でもバビロン捕囚とか、イスラエルという国自体がなくなったりしたんで、ちょっとヒネクレちゃったわけですね。
本当はバアルなんだけど、ヤハウェと呼んでみたりして、ウリジナルみたいなことをやってみた結果、ユダヤ教だけ続いてしまった。
ですから、ユダヤ人が土星にこだわっているというか、元々がそうだったと考えるべきです。

例えば、ユダヤ教の安息日は土曜日 Saturday(サトゥルヌスが語源)ですけども、7日目の週の終わりを安息日にしたのは、あのにっくきバビロンやエジプトが土曜日を週の始まりにしていたから、反対にしたわけです。

そもそも、曜日の順番を決めたのは古代のカルデア人(新バビロニア)でした。
かつては天動説が信じられていたので、地球を中心に太陽と月と5つの惑星が回っていると考えていたと。
太陽は元の場所に戻るのに1年かかりますが、月は28日、土星は30年かかります。
そうやって距離を割り出すと、遠い順から、土星、木星、火星、太陽、金星、水星、月の順番になります。
さらに1時間単位でこの順番で天体を割り当てていきます。土星から始めると、24時間後は太陽になるのです。1日の1時間目に割り当てられた天体が、その1日を支配します。これを繰り返していくと、土日月火水木金という順番になるわけです。

ですから、日曜日から始まってるカレンダーは、聖書の教えに従えば7日目に休むので、本来は土曜日が休日にならないとおかしいんです。
でも、ローマでは太陽神ミトラの祝日が日曜となりましたから、日曜日に礼拝をするようになります。それをそのままコンスタンティヌス1世あたりが利用して、キリスト教の布教と共に日曜日は休日というのが広まっていきました。

イスラム圏は土曜日から始まって金曜で休むので、古代メソポタミアの伝統のままやってる感がありますね。
日本のカレンダーは日曜始まりが主流でしたが、最近は月曜始まりが多いです。たぶん週休2日制が広まって、土日をセットで週末と呼ぶようになったからでしょうね。

もっとも日本人は、平安時代初期に密教が入ってきてから曜日を使うようになるんですが、輸入して間もない頃の朝廷が発行する暦には、日曜日は「日曜」は「密」とも書かれていました。
これは当時、ゾロアスター教やマニ教で太陽神とされていたミトラ神に由来する中央アジアのソグド語の「ミール(Myr)」を漢字で音写したものなんですね。
ですから、最近は日曜日なのに「密」はダメとか、何言ってんの?て感じですね。

さて、土曜日はアルファにせよオメガにせよ、いずれにせよ重要なポジションだったけども、太陽が最高神になり、日曜日が休日になり、土星はお株を奪われてしまったなあと。
だから、土星=「黒い太陽」と呼んで悪魔主義に結びつける人が出てくる。

しかしながら、立方体が土星を意味しているというのは誰が言ってるのか、私はよく知りません。
もしかすると、こういう話かもしれませんね。

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この模型は外側から立方体→正四面体→正十二面体→正二十面体→正八面体という序列で球をはさんで並んでいる。表にあるように各正多面体の外接球、内接球上に各惑星軌道が当てはまる。
例えば、木星の惑星軌道は立方体の内接球かつ正四面体の外接球上にあるということになる。

これはケプラーの宇宙模型というやつですね。
あとは、プラトンが地水火風のエレメントを立体で表した際に、立方体は「地」だと定義したことくらいでしょうか。

占星術だと、地の属性に当てはまるのが、山羊座で、その支配惑星は土星だという話はあります。一般的に悪魔の造形の元になってるのは、山羊座のモデルになったパーン(サテュロス)ではありますが…

しかし、土星は本当に恐ろしい存在なのでしょうか?

私にはそうは思えません。なぜなら、ミスターサタンこそ地球の救世主なのですから。

というわけで、次回こそ毘沙門天の話!





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