そういう私もヒトだ (えっしぇい#4)
午後5時の新宿駅はヒトで溢れている。小学生時代なら、すれ違い通信のチカチカを当てにして目を輝かせていただろうが、21歳には縁のない話だ。
向こう側から「"ヒト"がくせぇ!」と、まるでアメリカ大陸を発見したかのように標榜するやつが歩いてくる。烏滸がましい。こんな天気じゃ誰だって汗もかくし、そこに付随する匂いに罪はない。仮に新宿駅が匂ったとしても、それはヒトの集積の匂いだろう。そんな自明のことを声高に叫ぶ君もヒト側だ。
世の中のために汗をかき続けるヒト、それを嘲笑う心が幼いヒト…午後5時10分の新宿駅は、愛すべきヒトで溢れている。
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