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【栄養学、はじめました。】

(こちらの記事はFacebookに投稿したものを、振り返って見やすいnoteに保存するために投稿したものです。)


大学1年時
「医師の役割の本質は、そもそも病院に来る必要を無すことではないか」
と考え始めまして、6年間医学を学びながら健康啓蒙活動をしたいと思っていました。
 
一方、大義とか抜きにして、そもそも人の命を輝いてる瞬間など見ていたいな、と思って、いろいろ活動してるうちにコーチングと出会い、コーチングをやってるうちに、そもそも身体ができていないと挑戦も出来ないようだ、と感じ、(あるいは身体が出来ていると挑戦しやすい)、身体作りに興味を持ちました。
 
身体作りと医学や公衆衛生を掛け合わせると、
 
"どうやって生涯現役の身体を作るか”
 
という問いが出てきました。
 
お金持ちより、繋がり持ちや時間持ちの時代。
 
生存時間という万人の最高の資産を最大化してゆきます。
 
論文ゴリゴリ読みながら栄養について指導し、疫学の研究をはじめる野田貴志先生のところで栄養を学ぶと同時に、先生と共に最先端の栄養に関する論文を読み漁り、社会にアウトプットする活動をしています。
 
栄養と身体パフォーマンスについての学びの最初の一歩として
 
「ゲームチェンジャー: スポーツ栄養学の真実」は超おすすめです。ネットフリックスで見れるよ!これ見てから、更に野菜大好きになりました。
 

(こっからは基礎知識のある人向け!)
今日はその過程の学びのシェアです。
 
【栄養化学 Advanced-1.Ⅰ タンパク質を極めるための化学】
 
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Q.
 
①パーマ液は髪の毛のある結合を切断(還元)するために使用されている。その結合とは何か?また髪の毛を燃やすと臭いと感じないだろうか。その臭いの理由は何か?
 
②タンパク質は10万にも及ぶ身体構造物を作る。そのタンパク質は(1)種類の(2)で作られる。その(1)の(2)は全て言えるか?また、BCAAとは何か?
 
③タンパク質を貯蔵する器官はあるか?過剰な動物性タンパク質は一部硫酸に代謝され、身体に悪影響を及ぼすがそれはどのような影響か?
 
④1日のタンパク質の必要量は?筋トレをしている場合は上乗せのタンパク質は必要か?
 
⑤病気やトラウマで傷を持っている人にタンパク質の要求量を増やすべきか?
 
⑥地球上の全てのタンパク質は(1)によって作られる。タンパク質はアミノ酸がペプチド結合しているものである。アミノ酸にはNが含まれるが、これは(2)由来のNである。(1)は共生している(3)を持つ(4)性であるリゾビウム属(根粒菌)と協働し、アミノ酸を生成する。
 
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A.
 
①パーマ液は髪の毛のある結合を切断(還元)するために使用されている。その結合とは何か?また髪の毛を燃やすと臭いと感じないだろうか。その臭いの理由は何か?
 
髪の毛を構成するタンパク質にはシステインなどの硫黄原子Sを含むアミノ酸が多く含まれており、そのSがジスルフィド結合を形成する。そのジスルフィド結合を切断(還元)するために使われるのがパーマ液だ。髪の毛は燃やすと、硫黄成分によって臭い。
 
②タンパク質は10万にも及ぶ身体構造物を作る。そのタンパク質は(1)種類の(2)で作られる。その(1)の(2)は全て言えるか?また、BCAAとは何か?
 
身体の10万種類の部品は(1)20種類の(2)アミノ酸によって作られる。
 
20種類のアミノ酸は構造を自分の手で書いてみると意外と覚えられる。
 
基本構造はH-とHOOC-とH2N-がCに単結合しており、一箇所部分だけが違う。
 
1.基本のグリシン、
2.H⇨CH3にするとアラニン、
3.アラニンを分枝させてバリン、
4.バリンを一本伸ばしてロイシン、
5.その異性体のイソロイシン、
6.アラニンに硫黄をつければシステイン、 
7.その硫黄前後に炭素を伸ばしてやればメチオニン、
8.アラニンにNを含んだ***五員***環とベンゼン環をつければトリプトファン、
9.アラニンにフェニル基をつければフェニルアラニン(覚えやすい!)、
10.リシンはC4まで炭素を伸ばして末端にアミノ基がついたもの、
11.アルギニンはリシンの末端のCに更に2方向のNをつけたもの(Nを3つも含んでいるから、NO2生成に使われて血管拡張させてくれそう)、
12.免疫細胞である好塩基球の内部に貯蔵され、アレルギーの原因にもなる血管作動性アミンであるヒスタミンはヒスタジンから作られる。有名どころだから気合いで覚えよう、
13.1アラニンにカルボキシ基をつけてアスパラギン酸(アスパラガスから発見)、
14.グルタミン酸はアルパラギン酸に炭素が1つ付け加えられたもの、
15.16.アスパラギン酸とグルタミン酸にアミド結合をしてアスパラギンとグルタミンになり、
17.アラニンに-OHをつけてセリン、
18.セリンに更に炭素を増やしてスレオニン、
19.フェニルアラニンにOHつけてチロシン
20.忘れていたがプロリンも覚えにくい。ヒスタジンと同じく5員環を作り、ヒスタジンと同じく覚えにくいシリーズとして覚える。
BCAAはBranced Chain Amino Acids分岐鎖アミノ酸のことで分枝のあるアミノ酸である。ロイシン、イソロイシン、バリンのこと。
お疲れ様でした!
 
③タンパク質を貯蔵する器官はあるか?過剰なタンパク質は一部硫酸に代謝され、身体に悪影響を及ぼすがそれはどのような影響か?
 
貯蔵機能はない。
硫酸は酸性の物質なので血液中を酸性にしてしまう。血液のpHは7.35~7.45で恒常性維持機能が働いているので、筋分解を起こし(骨ではない!⇦これが大事(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2597402/)、筋を構成するアミノ酸の中のグルタミンが代謝され、アンモニアが生成され、中和する。
 
④1日のタンパク質の必要量は?筋トレをしている場合は上乗せのタンパク質は必要か?
 
体重1kgあたり0.5~0.8g。筋トレをしている人にタンパク質の上乗せは必要ではない。必要なのはむしろエネルギーであり、脂肪や炭水化物を食べる必要がある(protein sparing effect)。トレーニングにより筋肥大のシグナルが出て、タンパクの利用効率が上がる。日常的に摂っている必要タンパク量で十分筋肉がつく。
 
プロテインパウダーを勧める人間は、勧めるだけあって十分量トレーニングをしているから筋肉がつく。
よほど追い込んでいるアスリートならば上限1.6g/kg。安全には0.8~1.28g/kgである。
(これに関してはまだまだ調査してきます)
 
⑤病気やトラウマで傷を持っている人にタンパク質の要求量を増やすべきか?
 
成長期や傷を受けた人、精神的にダメージを負い修復が必要な人間にはタンパク質の要求量を増やす必要がある。身体も脳内ホルモン(セロトニンやメラトニン、L-トリプトファンな)の生成にもタンパク質が必要である。
 
⑥地球上の全てのタンパク質は(植物)によって作られる。タンパク質はアミノ酸がペプチド結合しているものである。アミノ酸にはNが含まれるが、これは(空気)由来のNである。(植物)は共生している(ニヒドロゲナーゼ:これによりN2の三重結合を切断し、硝酸やアンモニアを作る)を持つ(嫌気)性であるリゾビウム属(根粒菌)と協働し、【更に空気中からCO2とH20を吸収し】、アミノ酸を合成する。

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