見出し画像

「今夜、世界からこの恋が消えても」感想

「今夜、世界からこの恋が消えても」を公開初日に映画館で見てきた話。

今まで小説でもミステリーやサスペンスを好む傾向にあり、映画を見るときの選ぶ基準もほぼ同じ傾向。
恋愛映画は自分の性格的な理由もあってかあまり共感ができず敬遠していた。(というより、単純に興味がないだけだったかも)

そんな私がなぜ『今夜、世界からこの恋が消えても』、通称『セカコイ』を見にいくことになったのか。答えは単純で、アイドルグループなにわ男子の道枝駿佑くんが出演していたからだ。

彼を知る機会となったのは昨年秋に放送されていたドラマ『消えた初恋』
「恋愛モノ見てたんじゃん」というツッコミが入りそうだが、恋愛”映画”は見ないけど漫画/アニメ好きではあるので恋愛漫画にも幅広く手を出していた。その中でも評判が良かった消え恋を一気読みしていたタイミングでちょうどドラマが放送されていた。「実写化は別物」と期待せずに視聴してみたら…そこに理想通りの青木(主人公の男の子のひとり)がいた。いや、ちょっと隠し切れないキラキラや爽やかさはたまにもれちゃってるけど。消え恋の、あの現実ではちょっと難しいだろう”平和で優しい世界観”にあまりにも馴染んで生きている青木がいた。そして、とにかくカワイイ。多分演じている俳優さんは系統的に美形の子なのに、演じている青木はとにかくかわいい。「この子は誰なんだ!」とすぐさま調べたらまさかのジャニーズで、デビューしたばかりのアイドルグループの子だった。

(自分の)年齢的に「まさかジャニーズがBLものを…」と衝撃を受けたが、道枝くんがあまりにも青木だったので、そういう感覚は一瞬浮かんですぐに消えた。(ドラマのタイトルと掛けているわけではないです)
俳優のお姿から気になりはじめて、今ではわたしも道枝くんのことを”みっちー”と呼ぶ立派な”なにふぁむ”(なにわ男子のファンの呼称)でもあるが、それはまた別の話で…。とにかく彼の素を知れば知るほど、演じているときとのギャップに沼る要素しかないのだ。

その”沼”を、セカコイを見て、より一層強く感じたからどうしても書き留めておきたかった。きっとこれからどんどん役者としても飛躍していく道枝くんの、10代最後の姿をおさめた初主演映画を初日に見て感じたことはすべて未来の自分に残しておきたかった。きっとずっと、道枝くんの演技のファンだろうから。

最初はいくら道枝くんの演技が気になっているからといって恋愛映画をちゃんと見る能力が自分にあるのか不安だったこともあり、実は鑑賞前に原作も読んでしまった。そして普通に泣いた。きっとストーリー的には王道といえるものなのだろうけど(ストーリーに触れるとただでさえここまで長いのにさらに長くなるのが目に見えているので触れないが)、だからこそ1日の大切さに向き合う余韻を与えてくれた。このストーリーを2時間という映画でどうまとめられるのか、とても楽しみだった。

今回は、ストーリーに少し触れつつも道枝くんの演技の魅力に焦点をあてて感想を記しておきたい。
映画好きという訳ではないので客観性も何もなく、道枝くんファンということもあり道枝くん贔屓気味で大変申し訳ないですが、この映画の神谷透役に道枝くんを見つけてくれて選んでくれて本当に本当にありがとう、という(重すぎる)想いを発散しないと日常に戻れそうもなく次に進めないのでお許しください。そして説明不足はご容赦ください。
※ネタバレになるところもあります。

とにかく美しい映像と儚く美しい存在

最高なPVを紹介してから。
何より、映画全編通して幻想的で、夢をみているように美しい。
晴れた夏の日、気持ちのよい風が入る縁側でまどろんでいるときに見た夢かのように、幻想的で美しいシーンが全編を通して綴られていて、物語的にはどんどんシリアスにはなるが、視覚的に入るシーンはずっと心地よい。写真や絵画のように切り取られた美しさがずっと続く。あまり映画に詳しくないので恐縮ですが、三木監督の手腕であることは各所の記事で伝わってくる。
映画の中で真織が「透くんといると急かない」的なセリフを言うシーンがあるのだけど、映画を見ている私たちもまさにそう。
もしかしたら(もしかしなくても)、映画館にいるわたしたちは真織が日記を読んでいるときと同じ感覚を味わえているんだと思う。それぐらい真織の日記の中で、透との楽しい記録はしっかり想い出となって、きらきらと夢のように美しいものなんだろうなと。
だって私も縁側でまどろんで夢みた思い出なんてないのに、そのときに感じるだろう心地よさを想像できるし、非常にすばらしいものなんだと分かるから。
だからこそ花火大会の「その日の真織」は透と初対面で記憶はなくとも、真織は透に対してちゃんと恋心を持っていたし「忘れたくないよ」という言葉がこぼれたんだと思う。この花火大会のシーンはSNS上でも「美しすぎる」「芸術作品みたい」とあるけれど同意しかない。
花火というシチュエーションや真織と透の毎日記憶がリセットされるという儚い関係性、そして主演二人がもとから持つ透明感や、そしてこれはもう単純に横顔の美しさなどなど・・・日本人が「美しい」と感じるすべての要素が完璧に詰まっていて、邦画を見る喜びを存分に味わえた。このシーンを見るためだけに鑑賞代払っても元が取れる。(確信)

道枝くんの自然体な演技の魅力

これは消え恋でも感じたことなのだけど、道枝くんの演技はとても自然体で、「無理して演技している」感がほぼ無い。セカコイにおいても小説が原作で、ノンフィクションやドキュメンタリーのようなリアリティを追求したような作品ではなく、ある程度ファンタスティックな理想的な世界観の中で生きているキャラクターを演じているんだけど、本人がまさに絵にかいたような人だからなのか、逆に本当にそこに生きているかのように錯覚する。
正しい表現かはわからないけれど、“動”ばかりではなく“静”の演技をしてくれるので、変に「これは道枝くんじゃない」と構えることなく、見始めた瞬間から「あ、これは透くんだ」作品を楽しむことができる。
純粋培養されたような優しい人柄や年齢に見あわず穏やかで落ち着いた雰囲気は、根本的に道枝くんが生まれ持って持っていたものと透くんの共通する部分ではあるのだろうけど、まったく別の人間、いうなればクローンかのような感覚になる。別なのに同じ。(うまく言ってるっぽくしてるけど対して上手くはない)

これって演技のうまい俳優さんはほとんど“できる”というか“そう魅せる”ことができるんだろうけど、素を知られすぎてるアイドルの子にとっては大変難しいことなんじゃないかと勝手に思っているので(基本勝手に思っていることばかり)、唯一無二の存在なのだと思う。SMAPファンでもあったので個人的には“真面目でまっすぐで優しい”という後付けできない天性の才能を持っているという点も含めて、草彅剛くんっぽさを感じるというか(見た目じゃなく演技の系統)、この先道枝くんにしかできない役柄はたくさんありそう。
先日放送された「A-Studio+」で14歳のときに大抜擢されたドラマ「母になる」のオーディションでも“周りが一生懸命アピールする中一人だけ主張せずぼーっと突っ立ってた“というエピソードがあったけれど、ぼーっと突っ立ってても人を惹きつけるオーラやビジュアルがあってこそだったりする。意識的か無意識か分からないけれど、派手なビジュアルだからこそ静や陰の空気感をまとうことで不思議と帳尻を合わせているように感じる。(もちろん、いい意味で)

この点ではシネマトゥデイのインタビューでも三木監督と東宝のプロデューサーさんのお話でも話題に挙がっていて、脚本が先に進んで主人公役の俳優さんは中々決めることができなかったけど、「神谷透」をできる男の子(=道枝くん)に出会えたことが突破口というとても素敵なエピソードを教えてくれています。

「カメラの前でイノセントな、憂いをもった光と影を内包してうまく使い分ける男の子」
「カメラの前にたってて絵になる」
「19歳という年代でその特技・特長をもってるのは稀有」
「ドラマとか映画になると、筋の通った男性になるすごい役者さん。アイドルときくと“あ、そうだったんだ“ってなる。」
と、道枝くんの魅力をこんなに端的に伝えてくれる制作スタッフさんたちに道枝くんが囲まれて若いからこその壁にぶつかりながらもこの大切な時期に愛されながらのびのび成長しているいることがすごく幸せです。(何目線)(監督も、若手を起用するときは今しかとれない道枝くんと莉子ちゃんの成長過程を作品におさめたいと考えてるっておっしゃってくださってるよね)
簡単に消費されて完璧なものばかりもとめられがちな現代だけど、こうやって未来のために若い種を大人が大切に育てる空気感がこういうエンタメの世界にこれからも残ってほしいし、これこそ消えてほしくない。

もし今後道枝くんがもつ“その世界観で普通になじむ男の子になる”魅力とは相当かけ離れた役をやるときにはもしかしたら自然体というよりは“熱演”しているかのように見えることもあるだろうけど、多分まわりのプロフェッショナルな方々は道枝駿佑にそれをやらせることに意味や価値を感じるような方はいなさそう。いや、けど、道枝くんの魅力はその世界に染まりやすいというところな気もするのでどんな役にも丁寧に向き合って自然体に落とし込んで馴染んでしまうのか?とにかくまだまだこれからの年齢なので、どんな役もやってほしい。(わがまま)

きっともっと若かったら、真織に恋をしている透くんに恋して勝手に失恋していると思う。
少女漫画的発想をするなら「おとなしめな文科系男子透くんはいつも一人でいるからなんか気になる。つい目で追ってしまってふと気づく、いつも前髪で目が隠れているけど、ちらっと見えた瞳は透き通っていて宝石みたいに美しい…けど透くんの見る先は…」的な。(発想というか妄想)
欲を言えば原作はさらに普通だったら恥ずかしいと感じることをこれでもかっていうぐらい真織や周りに伝えている誠実で正直な子なので、2時間という制限がなければそんな一面ももっと見たかった…。
そこも道枝君とぴったり重なるところなので。(なにわ男子のメンバーにもほんとうにストレートに愛を伝えられる子)

まだ覚めそうにない夢と冷めそうにない熱を持て余してしまい、勢いあまって吐き出すように語ってしまいました。まだまだ話足りないですが、永遠に終わりそうにないのでここで一旦締めようと思います。
人を大切にする気持ちって、その時々でふと思って行動するけど、いつの間にか消えてしまったり見失ってしまったりする。
透は家族のこともあって“真摯的に向き合えていない”と自分自身では思っていたみたいけど、終始家族をはじめ、真織に出会った後も相手のことを第一にずっと考えている人だったよね。だからこそ真織はにじみ出ている人柄から「関わってみたい」と興味を持ったんだと思ってる。
私にとっても道枝くんを知るきっかけはドラマだったけど、そのピュアで真面目で誠実でまっすぐで努力家で優しい(でもちょっと抜けてるところもある可愛らしい)人柄に触れてどんどんファンになっていったので。

最後に、決して取ってつけているわけではなく、
莉子ちゃん、琴音ちゃん、穂香ちゃん、
まわりのすべての役者さんが素敵です。
一番泣いたポイントは琴音ちゃん演じる泉ちゃんが
ある付箋を見つけて感情があふれ出るシーンです。
そして最後のヨルシカさんの音楽もエンドロールでぐっときます。
あと裏話満載のパンフレットも最高です。何十回も読んでます。
グッズも可愛いです。すでに普段使いしてます。
セカコイという作品から摂取できる「輝き」や「煌めき」は映画館で見てこそだと思うので、公開中は何度も見に行くと思います。

ぜひまだ劇場でご覧になってない方がいればぜひご覧ください!!!!
一度見た人は、東宝MOVIEチャンネルに上がっている関連動画を全て見直してからもう一度見るとまた違った見方もできてさらに楽しめると思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?