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#34 まわる

 コインランドリーの大きな洗濯機の窓たち。柔軟剤の香り。流れてゆく時間。LED電球の過剰な明るさ。待合椅子。洗濯機の規則的な駆動音は輪唱となって、しずかに空気を揺らす。人々の暮らしは、色とりどりの渦のなか。洗濯機の円い窓の奥のほうに、わずかな暗がりがあり、そこにはほのかに悲しみが淀んでる。夜に浮かぶ小さな小舟の中で、動力部のように、それはまわっている。まわってゆく。

 生活はまわる。きょうも。きっと、同じように。