#41 意味

いっぽんの麦を摘む

そこに意味はあるか

かぼそいその命は

意味を持って生まれてきたのか

憂いや 義務や 運命や 未来や

そういったつまらないものをすべて越えて

ただ

いっぽんの麦は

屹立する

しずかに風に応え 穂をそよがせながら

ただその乾いた茎のうちに

螺旋のように萌えつきる焔を

事実としながら。