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あ る 地 名 の 風 景

のぞき坂

副都心線雑司ヶ谷駅近くに
“のぞき坂”という坂があります。

目白通りから早稲田方面に下る坂ですが、
偶然通りかかって驚きました。

都内に、こんな急坂があるのかと!

のぞき坂-4

坂マニアではありませんが、
いろいろ調べてみると、
やはり都内でも一二を争う勾配のようです。

路地のような細い通りではなく、
普通の二車線道路。

雪の日は人も車もちょっとムリ・・通れませんねあれは・・

“のぞき”という坂の名もわかるような気がします。

崖の上から下を覗き込むような・・
そんな意味で昔から呼ばれているのでしょう。

ところが、
東北地方には“のぞき”という地名が何か所かあります。

その字も及位・覗・除・荏などいろいろです。

山伏の修行に
崖から半身をせり出す行があるといいますが、
こうした場所もノゾキというらしいです。

しかし、
高い場所から下を覗きこむから
ノゾキという地名がついたのかといえば、
それだけではないようです。

ノゾキの地名がすべてそんな場所ではないのです。

また柳田国男の説ですが、
ノゾキは「野のソキ」すなわち
「土地の果て」「原野の境界」の意味だと言っています。

“ソキ”ってそんな意味なんでしょうか。

つまり平地にも普通にある地名ということになります。

この話を裏付けるかのように、
青森県の五戸地方では、
野原の奥をノゾキといい
こうした場所で虫送りの行事を行ったということです。

また、谷の一部がくびれて狭くなっている場所、
さらには尾根筋で、
最も乗り越えやすい切込みが入った地形などが
ノゾキと呼ばれるようです。

ソキには他に、
他にも「斜め」とか「傾斜地」の意味があります。

こちらの意味かもしれませんね
この坂は。

ちなみに愛媛県の方では
ソキから転じた「ソゲ者」という言葉があり、
“変人”“変わり者”を言うらしいですよ。

まぁやはり、ノゾキをする人は・・(笑)

(東京都豊島区)

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