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北海道のローネ事情最新版

北海道から岩手に戻ってきました。
向折戸です。
最近色々北海道のローネについて進展がありましたので、報告させていただきます。

石川东一郎1967 No.MRF 55

まずはこちらの札幌プレクトラム・アンサンブル所有の石川のフラットローネです。こちらのローネは札幌プレの方から「もう誰も弾いてないし、今後弾く予定もないから自由に使っていいよ」と言われたので、そのまま保護しました。しばらく演奏されてない&メンテナンス・修理がなされていなかったため、保護した後はレヴァンテ・マンドリンオーケストラ内海さんにお願いをして修理できるように手配していただきました。色々断られましたが、最終的に絃楽器のイグチ経由で野口さんに修理していただけることになりました。こちらのローネどうやらネックが反っているのかと思いきや、外れかかっていたそうです。

修理のついでに、棺桶ケースが非常に重く、持ち運びがかなり不便だったので、ソフトケースも作っていただくことにしました。
色々な方々のおかげで無事に修理できそうで感謝感謝です🙇‍♂️
こちらのローネは修理が終わり次第また報告したいと思います。

A.Monzino & Garlandini 制作年不明

続いて、こちらのモンチーノです。こちらも札幌プレクトラム・アンサンブル所有です。
あの事件の後、修理のために札幌プレの方に一旦お返ししました。その後ペグは治ったとのことでしたが、石川ローネを保護したこともあり、この楽器は修理後はお返ししたままでした。とりあえず演奏はできるものの、状態があまり芳しくないので、この後どうなるのかずっと気になっていたため、10月29日(日)に行われた釧路マンドリンアンサンブルの創立50周年演奏会で札プレの方にお会いした際に伺ってみたところ、「12月に北海道で絃楽器のイグチがフェアを行うのでそこで状態をみてもらう」とのことでした。その後は誰も演奏する予定がないため、そのまま貸していただけるとのことだったので、こちらも保護する予定です。
モンチーノについてもなにか進展があり次第また報告したいと思います。

続いて、X(言い方が慣れない…)でも呟いていましたが、伝説のでかいローネの情報です。
こちらも釧路マンドリンアンサンブルの創立50周年演奏会で進展がありました。
釧マンの演奏会に札幌プレクトラム・アンサンブルの名誉会長さんも賛助出演されていたのですが、その方がその楽器を演奏したことがあるとのことで詳しくお話を伺ってみました。これまでの伝説のでかいローネ情報は"石川のラウンドで、とにかく表面板・ボディが大きくてチューバのように椅子を使用して楽器を支えないと演奏出来ない"というものでした。しかし、札プレの名誉会長さんのお話だと「ボディは確かに大きかったし棒はあったけど、石川じゃなくカターニアのフラットローネだった気がする」とのことでした。その楽器は何十年も誰も見ていないらしく、皆さん記憶が薄れてきているようです。この伝説のローネですが、今は誰も演奏していないので状態は保証できないものの、札プレの名誉会長さんが探して貸してくださるとのことでした。恐らく札プレを引退されたローネ弾きの方が持っているだろうとのことでした。
こちらも保護して報告できればと思います。

最後に、野口2台です。
札幌プレクトラム・アンサンブルに野口のローネ奏者が2人いまして、1人は女性で現役奏者(最近は別のパートを演奏していることが多い。)で、もう1人はご高齢の男性で数年前に引退されました(この方が伝説のでかいローネを所有してるのではとの事)。演奏されている女性奏者のローネはこれからも活躍して欲しいとして、男性奏者のローネが問題。引退されたのでもう演奏はされていないとのこと。こちらの野口はかなりいい音だったので、このまま使われないのなら保護したいな〜と思ってはいますが、私は演奏会で一度ご一緒した際に一言二言話したくらいなので、その方とはほとんど関わりがありません。女性奏者の方が譲りうけるみたいな感じにならないのかなとかいろいろ勝手に考えていますが、どうなる事やら。このまま使われないのはもったいないので、なんとかなることを願うばかりです。

北海道のローネ事情をベラベラと書いてみました。ちなみに今回登場しなかった北大アウロラのモンチーノのローネは進展なしで、存在が確認できておりません。
そして、今回ローネの話を北海道のマンドリン界隈の人に聞いていると、ローネではないですが、貴重な楽器達が捨てられたり、故人と一緒に燃やされたり、楽器のことが分からずネットオークションに出品されたりなんてこともあったみたいなので、楽器の保護・再生活動を今後も頑張りたいと思います。


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