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【JCS直前】環境のおさらい【全文無料】

こんにちは。Lon(@Lon50_poke)と申します。

いよいよ、JCSが目前に迫ってきましたね!

そこで今回は「JCS直前のおさらい」ということで、以下の3つの点でJCS環境を整理してみようと思います。

① 環境のざっくりとした概観
② 4種類のアプローチ
③ 主要4デッキの評価+サンプルレシピ

調整の結果、僕が「現環境をどう捉えているか」を僕自身の思考の整理もかねて、わかりやすく言語化したつもりです。

皆様のJCS環境の整理や、デッキ選択の一助になれば幸いです。

また、「JCS出られないよ!」という方でも、「デッキの相性関係」や「どのようなデッキが存在するのか」を知ることによって、より楽しく観戦できると思うので、ぜひ目を通していただけると嬉しいです。

この記事とは別に、整理した環境をふまえた上で「僕なりの考察・アプローチ」をしたデッキである「カビゴンブラッキー」の記事を書きました。

こちらは一部有料となっていますが、無料部分において本稿の発展として、僕の「JCS環境におけるデッキ選択までの思考」を紹介しています。
ぜひ、無料部分だけでも合わせてご覧ください。

それでは、早速本稿の内容に入っていきましょう!


■環境のざっくりとした概観

⚫︎「闘・悪・超の三つ巴関係」

JCS環境を紐解くにおいて、「闘・悪・超の三つ巴関係」の把握は非常に重要です。

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「連撃ウーラオス(闘)」「ムゲンダイナ(悪)」「黒馬バドレックス(超)」の3種類のデッキは、「デッキパワーの高さ」「幅広い対応力(柔軟性)」が他のデッキたちと比べて、頭ひとつ抜けている印象があります。
実際に、シティリーグや自主大会におけるこれらのデッキのシェア率はかなり高い傾向にあります。

ここで問題なのが、これらのデッキが「闘は悪に強く、悪は超に強く、超は闘に強い」というタイプ相性に基づいた三つ巴関係にあるということです。

Vmaxポケモンは、倒されるとサイドを3枚取られてしまう代わりに、高いHP攻撃力による圧倒的なカードパワーが魅力的なカードです。
しかし、弱点を突かれてしまうと「たった1回の攻撃でVmaxポケモンが倒される(=サイドを3枚取られる)」ことになり、Vmaxポケモンの強みを活かすことのできない一方的な試合を要求されます。

例えば、「黒馬バドレックス(超)」vs「ムゲンダイナ(悪)」のマッチを考えてみます。

スライド3

黒馬が「ムゲンダイナを1回の攻撃で倒す」ことは困難であるのに対し、
ムゲンダイナは弱点によって「黒馬を1回の攻撃で倒す」ことができます。言い換えると、ムゲンダイナは「たった2回攻撃するだけ」で、サイドを6枚取り切って勝利することができるわけです。

こうした「弱点の押し付け合い」による三つ巴の関係は、巷では「じゃんけん」と揶揄されることもあるようです。
この「闘・超・悪の三つ巴関係」こそ、JCS環境の中心であると考えています。


●デッキ選択の難化

「三つ巴関係」が引き起こした問題として、「デッキ選択の難化」が挙げられます。
というのも、従来のような「メタ的デッキ選択(○○が流行っているから、○○に有利な××を握ろう)」がやや困難になっているからです。

例えば、「連撃ウーラオスが流行っているから、黒馬を握ろう」と考えたとします。仮にこれがどんなに正しい環境理解だったとしても、当日のマッチング運次第では「ムゲンダイナに3回当たって0-3」なんて未来がありえるわけです。

これは極端な例のように見えますが、
もし、「連撃ウーラオスが流行っている」ことが正しければ「ムゲンダイナは複数回連撃ウーラオスと当たって下位卓にいる」ことが予想されます。
つまり、序盤で負けてしまうと「下位卓にいるムゲンダイナの影に怯えながら」大会に挑まなければならなくなるわけです。

「三つ巴関係」によって、たとえ正しいメタ読みとデッキ選択ができていたとしても、「当日のマッチング運や、不意の事故による序盤の1敗」によってすべてが水の泡となる可能性が大いに存在していると言えます。

そこで、「弱点マッチは割り切って、パワーの高いデッキを握ろう!」というデッキ選択をするプレイヤーが増えてきているように感じます。
たしかに、爆発力はとても高く、マッチング運さえ味方につけることができれば上位入賞を狙うことができるでしょう。しかし、この選択はどちらかというと「シティリーグや自主大会などの短期決戦向き」であって「JCSなどの長期戦向きではない」と考えます。

というのも、JCSは長期戦である以上、マッチングの試行回数が多いために完全に弱点マッチを避けきることは難しいからです。

また、「どのデッキに対しても五分以上取れるデッキ」は存在しません。したがって、長期戦を勝ち抜くためには「ある程度メタを読んだデッキ選択」が必要不可欠であると考えています。

では、デッキ選択においてどのようなアプローチが存在しているのでしょうか。次項で詳しく解説します。


■4種類のアプローチ

JCS環境におけるデッキ選択には、以下の4種類のアプローチが存在すると考えています。

① 弱点を克服した(or割り切った)「三つ巴」デッキ
② 一方的に弱点を突けるデッキ
③ 弱点の輪から抜けたデッキ
④「~から技のダメージを受けない」系のメタデッキ

言い換えると、環境に存在するデッキはこの4つに分類できると言えます。

具体的には、次の通りです。

① 「連撃ウーラオス」「黒馬バドレックス」「ムゲンダイナ」
② 「悪パーフェクション」「一撃」「三神ザシアン」「ニンフィア」
③ 「レックウザ」「白馬バドレックス」「リーフィア」「ビクティニ」「インテレオン」「連撃テンタクル」
④ 「ルカメタザシアン」「ジュナイパー」「ジュラルドン」

また参考例として、先日行われた「香港の四天王決定戦」において入賞したデッキを軽く見てみましょう。

●「黒馬バドレックス+ガラルサンダー」

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「① 弱点を克服した三つ巴デッキ」に分類できます。

「ガラルサンダー」と「正義のグローブ」の複数採用が特徴的なデッキです。
黒馬の弱点である「悪タイプ」を克服しようという意思を感じます。
(※正義のグローブをサンダーに貼ることで雷鳴蹴りのダメージが200となり、「大きなおまもりをつけたムゲンダイナ」「ブラッキーV」「オーロラバーンで30自傷したガラルファイヤー」などが倒せるようになります。)

●「三神ザシアン+ガラルファイヤー+ガラルサンダー」

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「② 一方的に弱点を突けるデッキ」に分類できます。

「三神+ザシアン」に加え、「ガラルファイヤー(悪)」「ガラルサンダー(闘)」「ミュウミュウ(超)」の3タイプのサブアタッカーが採用されており、「三つ巴関係」のどのデッキに対しても一方的に弱点を突くことができます。
また、「ガラルファイヤー」によって、「アルティメットレイ」まで繋がらない試合においても息切れせずに攻撃することが容易になったため、デッキ自体のパワーも上がったように思います。

●「ビクティニ+ブラッキー」

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「② 一方的に弱点を突けるデッキ」に分類できます。
(※②と③のどちらに分類するか迷いました)

「ブラッキー(悪)」「ガラルサンダー(闘)」が採用されており、黒馬とムゲンダイナに対して弱点を突くことができます。
また、弱点を突けない他のVmax相手に対しては、ビクティニの「ダイビクトリー」を中心に圧力をかけていきます。「ダークシグナル」によって、「ダイビクトリ―」で進化元のVを倒すことができれば、大きくアドバンテージを取ることができるでしょう。

●「白馬バドレックス」

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「③ 弱点の輪から抜けたデッキ」に分類されます。

「闘・悪・超タイプ」のアタッカーが採用されておらず、弱点の輪から抜けたデッキであると言えます。
「頂への雪道」が3枚採用されており、「冥界の扉」や「ムゲンゾーン」、「デデチェンジ」や「ナイトアセット」などの有用な特性を封じることができます。
雪道によって相手の動きを鈍らせつつ、「ダイランス」250ダメージ+「クイックシューター」や「ダンデ」によってVmaxを倒し、テンポを取ることが可能です。

しかし、これらの「香港の四天王決定戦」のレシピはほんの一例に過ぎません。
そこで、次項では「JCS環境の主要デッキ」を4デッキ紹介した上で、サンプルレシピをもとに評価していこうと思います。


■主要4デッキの評価+サンプルレシピ

ここでは、「JCS環境に存在するデッキ」のうち、主要な4種類のデッキ(連撃ウーラオス、黒馬バドレックス、ムゲンダイナ、悪パーフェクション)について、サンプルレシピをもとに僕なりの評価を紹介しようと思います。

■連撃ウーラオス

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新弾で登場した「チャーレム」によって更に強化されたデッキと言えます。
1エネで打てる「疾風突き」と、実質2エネで打てる「巨大連撃」の2つはかなりコスパが良い技です。特に序盤の巨大連撃の圧力は、多くの非ルールデッキを否定しています。

一見、どちらの技も打点が足りないように見えますが、「クイックシューター」や「望遠スコープ」「スローイングコーチ」、そして「ヨガループ」によって打点を補うことができます。

また、確定サーチによる盤面の再現性の高さ(=やりたいことを通しやすい)は、長期戦向きであるといえるでしょう。

「クイックシューター」や「ヨガループ」によって、意外とミュウは簡単に対処することができます。そのため、安易にミュウ1枚で連撃ウーラオスを対策したつもりにならないよう注意が必要です。

「連撃ウーラオス」は「三つ巴」デッキの中でも、単体性能の高さは半歩抜け出していると考えています。その反面、風当りが強いのもまた事実です。

(弱点マッチについて)
「黒馬バドレックス」戦では、「ジラーチGX」がいたとしても、要所要所で「シャドーミスト」を挟まれたり「ミラクルツインGX」を打たれるとダメージレースで追いつけずに厳しい展開になります。
しかし、最近はミュウミュウを採用していない黒馬も多く、弱点マッチにおいてもまだ希望が持てます


■黒馬バドレックス

黒馬は、主に「マホイップ型」「雪道型」「オーロラエネ+ガラルサンダー型」の3種類に分類されます。ここでは、主要な前2つを紹介します。

●「マホイップ型」

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Vmaxに対して、盤面6エネからワンパンすることができる「キョダイホイッパー」がかなり魅力的で、「盤面で勝つ」ことを実現しやすいデッキです。

それに加えて、「シャドーミスト」や「アストラルビット」、「ナイトウォッチャー」「ペイルムーンGX」などの搦め手もしっかりと技の選択肢として存在しているため、やれることが多いデッキであるとも言えます。

「クイックボール」に加えて「霧の水晶」が存在することで、他のVmaxデッキと比べて進化元を準備しやすい点は、長期戦向きな要素ですね。

(弱点マッチについて)
2ターン目に「黒馬バドレックス」は進化させずに「かざりつけ」を宣言し、「キョダイホイッパ―を通すプラン」を取ることで、ムゲンダイナに対しても勝ち筋を拾いにいくことができます。
また、手札干渉+「ペイルムーンGX」からワンチャンを掴みにいくことも可能です。
終盤に「リセットスタンプ」+「ボスの司令」から、裏の0エネのVmax(ブラッキーなど)に「ナイトウォッチャー」で攻撃すると捲れる試合があるため、1枚リセットスタンプを採用しました。


●「雪道型」
※雪道型には「マホイップ」型と「雪道+マリィ+ナイトウォッチャー」を通す型の2つが存在します。今回はより主流だと考えている「マホイップ型」の紹介にとどめます。

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先述したマホイップ型に「頂への雪道」を採用することで、「ムゲンダイナ」を意識できるだけでなく、「黒馬ミラー」「連撃ウーラオスのジラーチGXを貫通」することができます。

また、不意の雪道から止まるデッキも一定数存在します。「1ターンの遅れが勝敗に直結する」今の環境において、「頂への雪道」は有用なカードだといえるかもしれません。

ただし、雪道を採用した分「確実にデッキ本来のパワーは低下する」ため、黒馬の中でも「少しメタ寄り」なデッキであるといえるでしょう。
余談ですが、僕がもし黒馬を握るとするなら「雪道型」を選択していた気がします。


■ムゲンダイナ

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「冒険家の発見」の登場によって、従来のムゲンダイナに比べて「盤面の展開力」がより上がった印象を受けます。また、「ブラッキー」や「クロバット」の存在から、冒険家がただの序盤の展開用カードとしてではなく、「ドローソース」「終盤に勝負を決めに行くカード」として機能することが可能です。

ブラッキーがかなり厚く採用されているため、先に進化元のVを倒すことでアドバンテージを取りに行けたり、裏のGX・Vを3回倒してサイドを「2-2-2」で取るといった器用なプレイをすることもできます。

また、以前のように「ドレッドエンド270+かんしゃくヘッド複数回でVmaxを倒してやろう!」というコンセプトではなく、「Vmaxはダークシグナルと合わせて確実に2パンすればよい」というコンセプトであるため、急いで火力を出すためにピーキーなプレイに走る必要性が減った点も評価できるポイントです。

(弱点マッチについて)
「三つ巴関係」の中では、一番弱点マッチに勝てないデッキだと認識しています。「疾風突き」+「クイックシューター数回」でアタッカーが倒されるプランも、フルパワーの「巨大連撃」でクロバットが複数取りされるプランもかなり厳しいと言えます。
とはいえ、先攻2ターン目に「ダークシグナル」+「ドレッドエンド」で進化元のVを倒してテンポを取るなど、勝ち筋がないわけではないです。


■悪パーフェクション

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新弾の非ルールの「ガラルファイヤー」の登場により明確な強化を受けました。
具体的には、盤面に「レッド&グリーン」をプレイせずに盤面に4エネ加速ができたり(手張り+邪炎の翼+邪悪チャージ)、盤面0エネの状態から6エネ加速が可能になりました。(手張り+邪炎の翼+邪悪チャージ+レッド&グリーン)

デデンネをドローエンジンとしているデッキが存在する以上、「追加デッドムーンGX」+「グリードクラッシュ」で2ターンで勝ち切る強さは未だ健在です。ガラルファイヤーの登場により、たとえ序盤の展開が遅れたとしても1ターンで巻き返せる可能性が生まれたことは非常に脅威です。

また、「闘・悪・超」の3タイプのアタッカーが採用されており、「三つ巴」デッキに対して、「弱点を突いて倒す」「追加デッドムーンで倒す」という2つの強力な勝ち筋を持っている点が魅力的だと言えます。


■最後に

いかがだったでしょうか。

本稿では、「JCS直前のおさらい」ということで、以下の3つの点でJCS環境を整理しました。

① 環境のざっくりとした概観
② 4種類のアプローチ
③ 主要4デッキの評価+サンプルレシピ

この「環境の整理」は、大会に向けて「環境を考察したり、デッキを選択する」際のとても重要な情報であると考えています。

読んでいただいた皆様の、環境考察デッキ選択の一助になれば幸いです。

またこの記事とは別に、僕がこのように環境を整理した上で、実際に環境を考察して作成した「カビゴンブラッキー」の記事を書きました。

こちらは一部有料となっていますが、無料部分において本稿の内容を踏まえた上での、僕の「JCS環境におけるデッキ選択までの思考」を紹介しています。
この記事がよかった!と思ってくれた方は、ぜひ無料部分だけでも合わせて読んでいただけると嬉しいです。

それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました!

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