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【データ公開】生成AIを全庁導入した市役所が、AIの有用性を検証したレポートを公開

 西海クリエイティブカンパニーの宮里です。

 本日は、弊社の生成AIの全庁試行運用を行っておられる長崎県西海市役所(長崎県/人口25000人/職員数363名)の中間アンケート結果報告が出ましたので、西海市役所様より許可を得て共有させていただきます。 
9割の職員様「有用性を感じる」、8割の職員様が「継続したい」、などこれから自治体生成AI導入を検討されていかれる自治体様にとって、有益な生の声が反映されたレポートかと思います。

アンケート結果と概要の解説

 西海市役所情報推進課様よりアンケート結果の公開のご許可をいただきましたので、そのアンケートグラフを引用させていただきながら、解説を行います。

※注意事項
 本資料は、西海市役所様より許可をいただき、株式会社西海クリエイティブカンパニーが作成しており、本文に関する責任は株式会社西海クリエイティブカンパニーに属します。なお、レポート内のグラフデータはすべて西海市役所様によりご提供いただいております。今後自治体様でAI導入を検討される際の資料として、ご利用されることを目的としてデータ共有の許可をいただいており、それ以外の目的でのご利用(商用や教育用,研修などでのご利用)は、お断りさせていただきますので、あらかじめご了承ください。

※西海市役所様の生成AIご利用環境
AI : ばりぐっどくん(弊社サービス)
環境:kintone (サイボウズ様)
環境:LGWAN
アンケートのタイミング:開始から2ヶ月経過
その他:週一ミーティングによる情報共有

それではここからは、本アンケートの概論をご共有させていただきます。
データは、西海市役所様からいただいたグラフです。その下のコメントは弊職のコメントです。


利用状況

(ログイン状況)

57%の職員がログインをしてくださいました。
開始から2ヶ月であることを考えれば、決して悪くない数字だと思います。
これはDX推進しよう!!という担当部局のリーダーシップと努力が垣間見れます。

(ログイン状況/部局ごと)

ほぼほぼ全ての部局で生成AIがスタートできていそうです。

(ログイン状況/役職ごと)

役職も関係なくまずは、使っている人が、
自分のチーム、組織にいる、という状態にはなっています。

利用モデル(通常版/議会版/要約版/翻訳版議事録版)

RAGなしの通常のLLMだけでなく、
用途別にRAG調整を施した複数のAIを提供させていただきました。
6割がノーマル版、都度用途に合わせてその他のモデルを使われておられます。

(利用モデル/部局ごと)

資料を作ることが多い、本部セクションほど、
さまざまなモデルを試されていることが伺えます。

(ログイン状況/役職ごと)

部長級、課長級、課長補佐級と役職が上の方がいろいろなモデルを使用されておられます。
一方で若い担当者が多い主任主事、主事もいろいろなモデルを使用されています。

利用頻度

最初だけ使ったのパーセントが意外と低く13%。87%は複数回利用されています。
必要な時にが75%、ほぼ毎日が5%、2~3日おきにが7%です。
職員のみなさまが、ご自身で利用する場を発見されていることが伺えます。

有用性

大いに役に立ちそうが41%、それなりに役に立ちそうが47%で合計で88%です。

(有用性の認識/部局ごと)

いずれの部署も概ね8割以上、低くても半分は有用性を感じておられます。
部署ごとにみると、本部セクションほど有用性の認識が高いように見受けられます。

(有用性の認識/役職ごと)

「大いに役に立ちそう」「それなりに役にたちそう」の合計%を役職別に示しています。
部長級の90%、課長級92%、課長補佐級92%、
係長級91%、主査級66%、主任主事級77%、主事級85%が
導入2ヶ月で有用性を感じておられます。


時間削減効果


平均して1日あたり12分の削減効果が認められています。
これは全国でも先駆的な取り組みをされている横須賀市の(10分/日)を上回る効果で、
西海市様が年間目標削減時間の6割を開始2ヶ月で達成するペースで効果が出てきております。


議会業務における削減効果


議会答弁の関係が多い本部セクションから高い成果が出されておられます。
また高い役職である管理職であればあるほど利用率や高いパフォーマンスを
得られる可能性
があることが見て取れます。

文章作成における削減効果


つづいて一般的な資料作成業務です。部門別では本部セクションで多く利用されております。
ここはもっと伸び代がある分野と捉えており、
職員の皆様に我々ももっとご理解を深めていくことで
より効果がでる分野と認識しております。

企画立案における削減効果


つづいて企画業務。
部門別では、企画部門をもつさいかい力創造部が突出しております。
主査級をのぞき、部長級から主事級までまんべんなく利用されております。

時間を経て、理解を深めるなかでより大きな効果が期待できる領域と踏んでおります。

要約における削減効果


要約業務における削減効果です。部門は本部セクションがよく使われております。
職種は課長級、課長補佐級、そして現場の主任主事、主事によく使われております。

翻訳における削減効果


翻訳は部門別では、窓口のある市民環境部が突出して利用されておられます。
ここは課長補佐級、係長級のご利用が大きいことが見て取れます。

まとめ


以上、生成AIを全庁試行導入してから、2ヶ月の長崎県西海市役所様のレポートを共有&抜粋してご紹介させていただきました。

・部/課長級などマネジメント層の利用率や有用性が高い(80%~90%超)
・一方、本当の現場に近い若手も、利用率や有用性が高い(80%以上)
・本部セクションほど有用性が高い(資料作成多い部署)

上記のような傾向が実際の生のお声を頂戴し、わかってまいりました。

また、アンケートには出てきませんが、実際私たちがお客様とヒアリングさせていただくなかで見えてきた点としましては「チーム内にAIを積極的に利用しようというリーダーが存在するか」も隠れたファクターであることも、ご教示いただきました。

当社といたしましてはいただいたフィードバックを真摯に分析し、サービスの改良に努めてまいります。最後に、本レポートの公開にご協力いただきました西海市役所 情報推進課様、ありがとうございました。


【お問合せ】
本レポートや生成AIの導入をご検討の自治体様・法人様は下記メールアドレスよりお問合せくださいませ。
株式会社西海クリエイティブカンパニー  事業開発部 AIチーム 担当

info@saikaicreative.co.jp

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